2015年05月
2015年05月15日
Ｑ：家賃を供託したのに家賃不払いによる賃貸借契約の解除や明渡し請求という事態になることがあるのでしょうか？
こんにちは、晴信です！
Ａ：入居者は、以下の３つに該当するときに、供託ができます。
�� 家主が弁済の受領を拒否したとき（受領拒絶）。例えば、家主が予め家賃の受領を拒んでいる場合は、家賃支払いの準備をしたうえで、その旨の通知をして、受領の催告しても受領に来ないときに供託ができます。
�� 家主が弁済を受領することができないとき（受領不能）。例えば、家賃を持参して支払うことになっている場合で、入居者が家賃を持参しても不在であったとか、持参しようとしても家主の住所が不明の場合に、家主の受領不能にあたります。
�� 入居者が弁済しようとしても、入居者の過失なくして誰に弁済して良いのかが判らないとき（債権者不確知）。例えば、家主が死亡して相続が開始されたが、相続人が誰であるか不明の場合や賃料債権の譲渡をめぐって争いがあり、誰が債権者であるかを確知できないなど、入居者の過失なくして債権者を知ることができない場合です。
この３つの要件を備えた供託であれば、入居者は供託によって債務不履行の責めを免れることができますが、要件を欠く供託の場合は原則として無効ですから、供託した部分に相当する債務を免れることもできません。従って、その場合には、家主から家賃不払いによる賃貸借契約の解除、明渡し請求という事態に発展する可能性があります。
2015年05月08日
Ｑ：老朽化した建物を賃貸しましたが、賃貸した時からの破損した部分の修理を入居者から請求されています。家賃はその事を考慮して安くしていましたが、修繕しなければなりませんか？
こんにちは、晴信です！
Ａ：修繕義務は、このままでは入居者が契約で定めた目的に沿った使用収益ができない場合で、賃貸借契約で予定された内容と現実の内容に落差があるときに発生します。
賃貸借契約の内容は、契約の当事者が認識している事情が修正され、客観的で合理的な内容で確定されます。欠陥によって入居者がこうむる不便の程度と家賃に具体的に表される物件の価値とを考え合わせて、修繕義務の有無を決めるというものです。
すなわち、破損を考慮に入れて家賃が安くおさえられており、そのバランスが取れているときに、その破損が契約の内容に盛込まれていると、現実の内容との間に落差がなくなるため修繕義務は発生しない。しかし、家賃が抑えられている契約であっても、破損の程度がひどい場合には、実際の破損が契約内容に盛込まれた破損の程度を上回るので、その上回った部分を補修する修繕義務が発生します。
