日曜の午後、日本の友人の紹介で、Farm Driveというケニア大学のIT専攻の学生たちがやっているベンチャー企業のチームに会ってきました。

小規模農家と、投資家を繋ごう、というITのプラットフォームを作ろうとしている会社です。それができれば、当然ながら、農家が灌漑や肥料などの必要な設備投資を打てるようになり、農業の生産性が向上します。

彼らが賢いなあ、と思ったのは、農家と投資家と繋ぐ前に、携帯電話でも使える独自のITシステムで農家に売上と費用、トラクターや牛などの財産を記録した帳簿をちゃんとつけさせる、という活動をすること。帳簿づけがきちんとできてきた農家を、ITプラットフォームに登録していき、興味のある投資家(ナイロビなどの都市に住んでいる人や、小規模農家を応援したいと思っている先輩大規模農家)と繋いで、融資を実行します。

ちゃんと帳簿がつけられた農家は、きっちり商売をしてくれる可能性が高いでしょうから、投資家としては、なんのバックグラウンド情報もない農家に貸すよりは、貸しやすいはず。

融資金額は、10000円くらいを考えているとのこと。ケニアの小規模農家にはちょうどいい額で、銀行はこんな小規模の融資はやらないので、開発効果は大きいと思います。

農家の人が、そんなITプラットフォームを使うの?と質問をしたのですが、最近はケニアの一般の人たちにもスマートフォーンが急速に広まっているとのこと(i-phoneのようなものではなく、少し画面が大きくて3G/4Gでネットも見れる、という程度の単価5000円くらいの機種)。

まだ貸付フェーズまでいった例はないらしく、まずは融資の返済実績がどうなっていくか、不幸にも貸し倒れてしまった場合の対応を彼らがどうするのか、というのが見どころでしょう。また、それ以上に、ケニア各地の農民たちの帳簿付けのキャパシティービルディングをしていくのに膨大なマンパワーがかかるので、そのコストを、融資の仲介フィーでまかなったうえで儲けが出るのか、あるいはそれをやってくれるNGOなどのパートナーを見つけることができるのか、というところが課題なんでしょう。いろいろとディスカッションが飛び交い、楽しい時間でした。

こんな元気な学生たちがいるなんて、ケニアはすごい国です。

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