112、台中市北屯区にある新移民家庭服務中心へ訪問しました。服務中心の社工員である張愫芬さんのセッティングにより、服務中心の紹介・現在の台中市内の移民に関する紹介と、実際に移民の方と交流する機会を得られました。まずは、台中市における移民の人数ですが、市区だけでも約17200人もいるとのことです。台中全体では約46000人もの移民の方がいて、服務中心はその方たちのサ生活面でのさまざまなポートを行っていました。社会に対しての多元的な文化の宣伝活動(移民の方の文化)・新移民の季刊の発刊・電話による相談・新移民の心理カウンセラー・新移民の劇団への支援・文化大使の育成・家庭内の支援など、さまざまなサポートの中でも、特にぼくが印象に残ったのが、家庭内の支援で、婚姻で台湾へ移民してきた母親達がリフレッシュ出来るようにと、親子を別々に分けて母親達に個人的な時間を与える活動です。外国で生活する大変さは、個人差もありますが、簡単な物ではないと思います。それに加え、子育てという、台湾の母親でも難しい仕事をするわけですので、その大変さや、ストレスは言葉では簡単には言い表せないと思います。 


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社工員の張さんがいろいろ服務中心に関してのことを紹介してくれた後に、雑談してくださった二人の新移民の陳さん(インドネシア)とさん(ベトナム)からも、さまざまな話を聞くことが出来ました。新移民の陳さんとさんは、服務中心の文化大使として、自分たちの姉妹(同じ国の出身者、同じ仲間である意)の良いところを宣伝するために、自分たちの出来ることをしています。お二人の話によると、やはり自分たちの姉妹が台湾に移民してくるのは、お金のためなど、悪いイメージが多く、そのために自分たちで出来ることをしようと努力していました。もちろん、文化大使を受けることは大きなプレッシャーとなっているようです。その他にも、お二人は市政府の依頼で、外国籍姉妹たちが台湾の家庭内で、暴力にあった時の相談の通訳としても活躍しています。学校でも、母国語を教える講師として、新移民の子どもだけでなく、台湾の子どもにも、自身の母国語を教えていました。以前はテレビの番組で、新移民の子ども達に、台湾語を教える授業をしているというものを見ましたが、このように、新移民の子どもが台湾へ同化するのだけではなく、互いに学べること、互いの言葉を知るこの活動はすごく良い取り組みだと思いました。訪問する前は、新移民が中国語を学ぶためのクラスばかり気にしていましたが(大事だと思っていましたが)、いま思うと、それは、彼ら新移民の方が台湾へ同化すべきという考えが自分の中で、無意識にもあったのかもしれません。確かに、中国語が出来た方が良いと今でも思いますが、それだけではいけないと思うようにもなった今回の訪問でした。訪問後にみんなで第一広場に寄り、その後ラーメン屋さんで討論しましたが、そのときに差別というものについても改めて考えさせられました。確かに今回の訪問で、まず陳さんとさんの中国語のうまさにびっくりしましたが、それはなぜびっくりする必要があるのでしょうか。また、さんのことをベトナム人には見えないなど、自分の中に彼らに対する先入観、イメージがあり、さんはすごく気品があると思ったことは、一体何と比べてそう思ってしまっていたのかと、本当に訪問したあとからたくさん考えさせられました。最後に少しだけ気になったことは、男性の新移民はいないのだろうか、という事です。授業でも、訪問先でも姉妹の話が中心(だけしかなく)、数は少ないと思うけれども、新移民の男性たちがどのような状況なのかも、知る機会があれば良いと思いました。

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一番真ん中に移って居るのが、ベトナムから来たさんで、その左の赤いワンピースを着ているのが、インドネシアから来た陳さんです。