2006年04月24日

死刑廃止運動

山口県光市の母子殺害事件の最高裁審理が始まったのに、その弁護人が私用を理由に欠席したという事件は、多くの人々を驚かせた。この事件の被害者遺族で裁判を闘っている夫に、多くの人々の同情と関心が集まっていることにもよるが、弁護人の戦術があまりに理不尽に思われたことにもよる。

 もちろん我々は、これまでの審理の記録の詳細を知っているわけではないので、判断を下す十分な材料があるわけではない。しかしその点では、他の大部分の人々と同様であり、それでも一定の判断を暫定的にであれ下してゆかねばならない。なぜなら、被害者遺族は、積極的に民意に訴えかけているし、他方弁護人側も、死刑廃止運動の一環として、同様に民意へのアピールを行っているからである。
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Posted by easter1916 at 17:53Comments(21)TrackBack(0)

2006年04月11日

党派性と政治的主体

政治が、カール・シュミットが言うように、常に友―敵関係として現れるものだとすれば、党派的忠誠心こそ政治の主たる美徳ということになろう。もしそうであれば、妥協というものはせいぜいマヌーヴァによって相手を出し抜く技に過ぎないか、自己の価値理念を自ら裏切るものでしかない事になろう。これがすべての原理主義的思考の行き着く果てである。
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2006年04月03日

トルストイの『アンナ・カレーニナ』

仕事で、久しぶりにトルストイの『アンナ・カレーニナ』を読み返した。小説の冒頭だけを示して、その全体を論じるという趣旨で、何か短いエセーを書くのである。3月31日締め切りということなので、三月末に書き終わって出そうとしたら、その時点で五月末が締め切りだということがわかった。

 私はまだ原稿の締め切りを破った事はないが、とっくに仕上がっているものでも、二ヶ月も前に出す事はしない。どうも自分の経験から言うと、あまり早く原稿を出すと、編集の方から書き直しを求められる事が多いようである。それに比べて、原稿の締め切りを何度も何度も引き伸ばして得られた原稿の場合、編集者に書き直しや修正を求められる事はまずない。長い時間と労苦(それも編集者の)が込められた仕事は、より貴重に見えるのかもしれない。  続きを読む
Posted by easter1916 at 07:12Comments(0)