ネット上でも溢れているOF(オーバーフロー)絶対論。
ともすればPHが下がるのも魚が病気なってしまうのもフィルターのせいにされがちですが、これは明らかに間違っています。
フィルターの仕事とはゴミを取ることと、硝化を行うことの2点、即ち物理ろ過と生物ろ過だけだ。

ろ過の考え方としてモナコ式やベルリン式なんてあるけど水を換えなくていい水槽はないし、無理して交換サイクルを長くすることにどれだけの客観的な意義があるのかと言えば、全くと言っていいほどないと私は考えています。
何よりそんなに水を換えるのが嫌なのであれば、魚など飼育しなければ良いのです。

フィルターの形式にはそれぞれ特徴があって、例えOFであったとしてもデメリットが存在します。
但しろ過には大原則があって、水槽に給水する際には曝気された環境水(水槽の水のことを環境水と言います)が戻る必要があります。
つまり最後は好気ろ過の必要があるのです。

理由は簡単で曝気(水を攪拌して酸素を溶かすこと)をして給水しなければ水槽内は貧酸素となり、嫌気化(酸素濃度が下がる事)した水槽はシアノバクテリア(苔の総称)の温床と化してしまいます。
外部式フィルターを使っていると、別途エアレーションやスキマーを使わない限りいつまで経っても黒髭苔などのシアノバクテリアに悩まされ続けなくてはなりません。

ショップとネット上では高評価な外部式フィルターですが、フィルターとしては最悪です。
では、外部式フィルターでも給水前に曝気が出来れば良いのか?と思われる方もいるかもしれませんが、それでいいのです(笑)
但し給水を水面に叩きつけるような方法では不可です。
嫌気化した水槽内で水流を強くすれば黒髭苔が一気に広がります。


ところで冒頭OFにもデメリットがあると書きました。
実際我が家でも何度かOFにしてみた過去がありますが、結論から言えばメリットとして感じる部分が意外に少なく現在に至っています。

OFのメリットは何といっても安定した水位と水量、上澄みにゴミが溜まらない構造、そして水槽内の装備品(殆どの場合は縦管と給水管のみ)の少なさです。
またどんな大水槽にも対応できます。
逆にデメリットは何でしょう?

落水型の場合にはまず音の問題。
意外に耳障りで睡眠の邪魔になったりします。
構造や水位によってはかなり落水の音が部屋中に響きます。

サンプ内の掃除のし難さも群を抜いています。
水槽内の改廃率(給水と排水の入れ替わり率)が最悪です。
これは水面である上澄みだけを排出するためです。

また浮遊型の餌が使えないなど、それなりに存在しますし性能的に優れているとは言い難い部分もあります。
何より小さな水槽には水流の点から無理があります。

それに引き換えお店側のメリットは大です。
何といっても複雑ですし儲かります(笑)

OF最大の弱点は、落水型のOFではどうしても水流が強くなりすぎることです。
ここが小さな水槽に不向きな一番の理由です。
そのため水流の向きや強弱の調整が難しく、イソギンチャクを飼育している場合など触手が短くなってしまったり、泳ぎの苦手な魚はストレスを抱えてしまいます。

またOFと言ってもサイド式やインタンク(面背)式のOFでは揚水が必要ありませんからポンプも小型化できますし、その事で水流の強さの問題はほぼなくなります。
清掃面に関しても非常に楽になりますし、メンテナンス性も優れています。
つまり水流は柔らかいのに、しっかり水の交換ができるということです。

ただし、インタンク式では当然ながら水槽のある一定部分をフィルターとして使うわけですから、その分狭くなりますし、水位の変動もありますので水流の強さを抑えること改廃率以外のメリットが見つけにくかったりします。

サイド式は当然ですが水槽内が狭くなることはありません。
デメリットを挙げるとすればスペースの問題だけです。
サイド式は一番場所を取ります。

ちなみにサイド式では日海さんのものが優れていると思います。
(我が家では使っていませんが・・・)
見た目に若干の難があるかもしれませんが、構造的には優れていると感じます。

落水型OF水槽にはもう一つ陥りやすい欠点があります。
それはろ材を入れればよいという考え方です。
これはOFサンプに限った事ではありませんが、単にウェットろ過として大量のろ材をサンプの中に入れておけば良いわけではなく、どうしたらろ材に接する時間を稼ぐのかを考えなくてはいけませんし当然流れもです。

水族館のような広い場所で行うのとは違い、実際には水槽の幅と長さ以内でサンプを設置するわけですから当然広さの縛りを受けることになります。
つまり生物ろ過の基本であるろ材との接触時間をどう稼ぐかの問題であり、OFだからと言って硝化作用が有利に働く訳ではないのです。

IMGP0253
※稚魚や幼魚には不向きなOF

そう考えた場合小さな水槽(120cm以下)では、OFよりもサイド型や上部式などの方がメンテナンス的には楽ですので、実用的ともいえます。
我が家の場合には殆どの水槽が上部式砂ろ過サイホンフィルターを使っています。

IMGP1141
※清掃中の上部式砂ろ過サイホンフィルター

ろ過的にはかなりきつい、生エサや冷凍餌主体である魚や、フグやフグの餌であるカニなどを飼育している関係上、毎週の清掃が楽にできることが必須条件であるからです。

そのためサンプ内もセラミックのろ材では全く追い付かないため「砂ろ過」とし、汚水を砂の中を透過させることで物理ろ過と生物ろ過の両方をこなしています。
また最悪水流器やエアポンプが止まってもメインのポンプが動いている限り、酸欠や止水の問題も発生しません。

引き換え現在立ち上げようとしている珊瑚水槽(900×450×450)には見た目の問題からサブマリンフィルターを設置する予定です。

IMGP2246

こちらはフィルター内にスキマーを装着しているため通常であれば酸欠になることもなく、また水流器も構造的に必要としないのですが、もしエアポンプが壊れてしまうと曝気が出来なくなり、すぐに嫌気となってしまう部分が現在に至るまで解決できていません。

またろ材の清掃は床から装置全体を取り出さなくてはなりません。
早い話底面式フィルターと同じで清掃には向きません。
つまりハリセンボンのような水槽には使えないということで、ほんとフィルターは一長一短ありすぎます。
ぜひ用途に合わせた使い方をされますように。