ネイチャーアクアリスト

海水魚を主体としたブログです。

タグ:チョウチョウウオの餌付け

先日採取したチョウハンも中骨が透けなくなり、一先ず落ち着いた感じです。
ただこれから本水槽への移行など、いくつかの関門がありますので油断は出来ない状況です。
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この時期水温の低下と共に、動きが緩慢になったチョウチョウウオと出会いやすい季節になります。
出会える種類の殆どは普通種と呼ばれるチョウハン・ナミチョウ・フウライ・トゲ等ですが、港湾内ではアケボノなどに出会えることもあります。

問題は採取はしたものの、先ず持ち帰るところから問題が起こったりします。
水温の低下です。
例えばですが20度以下の水温ではせいぜい1時間が限度で、それ以上の移動は難しいと思います。
ですので採取をした場合には水温の確保からしなければなりません。
理想の温度は26度です。

適水温の確保が難しい場合など緊急を要する場合であれば、缶コーヒーなどを使うのも1つかもしれません。
ただし、急激な温度変化にはそれはそれで対応が出来ませんので、少しずつ温度が上がるような工夫は必要だと思います。


そして餌付け。
自宅に連れ帰ったチョウチョウウオの餌付けが待っています。
通常は連れ帰った当日に餌を食べることは稀で、殆どの場合翌日か翌々日辺りから水槽内の造作物を突き始めます。
この行動が餌付けのタイミングを知らせるサインです。

このサインを見逃すと餌付けをすることがとても難しくなり、そのまま死んでしまうことも珍しくありません。
基本は3日以内で餌付かせることが大切で、3日で餌付かない場合餌付け自体が失敗していると考えた方が良いかもしれません。

餌付けのポイントは岩に塗った練り餌。
注意すべきは最初から色気を出して粒餌を与えようとしても殆どの場合難しいです。
また、チョウの大きさによってはアサリも難しく、特にフウライの場合には巷で言われているアサリで餌付くことは稀で、殆どの場合餌付きません。
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またアサリを使った場合、餌留まりが悪く長時間に渡って食べられないため、栄養失調の状態が続く場合が多々あります。
実はこの時期の採取のもう一つの問題も栄養失調です。

本来サンゴ礁に住んでいるチョウチョウウオの主食は当然珊瑚ですが、私が採取している場所では珊瑚はありません。
小さな甲殻類や海面などを食べて生き延びていると考えられますが、この時期に採取したチョウチョウウオを見ると殆どの場合痩せていて中骨が透けて見えるような状態です。

そこに採取され絶食状態が2~3日と続く訳ですから、ぎりぎりのところでの餌付けになってしまいます。
はっきり言えば、食べるか死ぬかの二者択一の状態であり、そこにアサリや粒餌を与えても栄養摂取と言った点では難しいのです。

以前の記事でも書きましたが、練り餌の作り方はとても簡単です。
ミキサーまたは擂り鉢を用意して、ミキサーで攪拌するか擂り鉢で擂りおろすかのどちらかで作れます。

最近は以前の練り餌より少しシンプルに、使う材料もスルメイカ(鮮度の良いもの)・蟹のミソ殻ごと(磯にいる蟹を4~5匹採取して来て、甲羅を丸ごとですが鰓や足は使いません。)だけで作っています。
また、擂りおろした後にPH調整のために少しだけ重曹(イカ一杯に対して一つまみ程度)を加えています。

これを冷凍にしておき、必要に応じて解凍しながら与えている感じです。
初めの2週間はこの練り餌を朝夕2回充分に食べられるよう、岩に擦り付けて浮遊しないようにしています。

また2週間を過ぎて少しずつ飽きてきますから、味を変えるためにメダカの餌やメガバイトそして砕いたクリルや解凍したアミエビなど様々なものを練り餌に混ぜながら与えています。
人工餌への移行も少しずつ進めるような感じでしょうか。

重要なポイントは人工餌への移行を慌てないことが最も大切です。
チョウが人工餌に馴染んだと思っても、チョウの小腸が馴染んでいるとは限らず、栄養を小腸が吸収してはじめて人工餌への移行は完了します。
でも、実際にはそうそう簡単にはいきません。

何れにせよ体長が8cm程度になるまでは、人工餌だけの飼育では難しいと思います。
しかもチョウは体の割に食べる量が必要で、短時間での給餌では足りないのです。
そのためにも餌持ちの良い練り餌が必要になってきます。

またチョウの口を見て頂くとよくわかりますが、小さな餌しか食べられません。
そういった意味でも、練り餌はとても有効なのです。
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こちらは8月に採取した小夏ですが、既に3倍以上の大きさまで成長しています。
また2つのパーマークが1つになろうとしています。(チョウハンは成長と共にパーマークが変わってくる)
同じような時期に産まれているはずなのですが、ここまで大きさが違うのはやはり餌の量だと感じます。
チョウの飼育は食べている時間がそのまま成長にも影響してきますから、どう食べる時間を増やせるかがチョウの飼育のターニングポイントかもしれませんね。



現在いるチョウハンとフウライが飼育開始から1年を超えました。

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お互いに背鰭を立てながらの1年越えです。

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最初は優劣がついて片方が死んでしまうのではないかと気が気ではなかったのですが、どうやら優劣が付くこともなく毎日の運動のように背鰭を立て相手を威嚇する行動は続いています。
でも不思議と餌を食べていない時には背鰭は立てないのです。

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チョウチョウウオの仲間は常に餌を食べているようなイメージです。
それこそ朝起きた時から寝るまでの間、常に食べ続けているような感じです。
逆に言えばそれでも他の魚種に比べて大きくなりませんので、餌の吸収効率がかなり低いと感じます。
実際、糞の状態を観察していますと、採取当初から水溶便で固形の便が出て来る事はありません。

チョウチョウウオが白点病に罹りやすいという事実もここからきていると考えてよさそうです。
小腸で吸収された食べ物が各所細胞に運ばれて、細胞自体が改廃することで私たちの身体の組成は維持されています。

実は魚も同様で、食べて吸収することで細胞の改廃が行われるのですが、白点病とはこの改廃が上手く出来ないような状況が体表の白点となって現れるものです。
つまり食べたものがそのまま吸収できない状況が白点病と言う体表の症状を作り出しているもので、よく言われているクリプトカリオン・イリタンスに依るものではありません。

ですので私は魚の病気の殆どは同じ原因で起こっていると考えています。
様々な名前は付いていますが、殆どの場合原因はこの一点で、小腸が吸収できない状況が様々な病名を作っていると考えています。
そしてその典型がこの白点病であるということです。

ですから白点病に罹った魚が治療薬で治らないのは、こうした問題を置き去りにして表面の見える症状だけの対策を講じた結果が白点病で死ぬという状況を作り出しています。
症状を見て魚を見て来なかった結果が所謂「病気」であり、つまり病気の正体は摂食障害であるということです。

実はこの摂食と病気の関係を解り易く証明したものが「やまえもん」シリーズです。
やまえもんシリーズでは一切の投薬治療は行っていません。
それどころか、淡水浴や換水療法も行っていません。
それでもやまえもんが白点病から脱出したのは唯一餌だけです。
やまえもんの記事はこちらから


ところでチョウチョウウオは食性が種類によって各々違います。
特に稚魚の頃にはこの傾向が特に強く、その事で初期の餌付けの難しさを際立たせている様に感じます。

実際フウライの稚魚(5cm以下のもの)では、アサリによる餌づけは非常に難しく、逆にチョウハンやトゲチョウそしてナミチョウは小さくてもアサリで餌付けが問題なく出来る様な感じがします。
そしてさらに小さな個体1.5cm程度となるとアサリによる餌付けもかなり難しく通常は飼育不可と言われることが多いようです。

逆に現在の8cmを越えた辺りから、雑食性に変わってきています。
現在の2匹はそれこそ何でも食べるようになりました。
つまり慌てて人工餌に餌付かせる必要もありませんし、早くに人工餌に餌付いたところで摂食障害で死んでしまう確率の方が遥かに高くなります。

何よりどんなに栄養価の高い餌であっても、吸収できなければ意味がありません。
もし白点をはじめとして体表に問題が起きているようであれば、餌の再点検や水質環境(主にPHや溶存酸素)などの再点検をする事が大切だと考えています。




※小さな個体に対する餌付けに関しては、是非以前の「豆チョウ餌付けプロジェクト」をお読みいただければ幸いです。
当ブログに置いては体長僅かに1cmの極小さな個体でも餌付け自体は成功しています。
尚以前の記事にある、餌づけ用の餌の作り方を知りたい方は、メールを頂ければパスワードをお教えいたします。




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干潮満潮の潮回りが昼型から夜型に移行しましたね。
昨日は我が家の魚たちのための餌採取でいつもの神奈川県の漁港へ。

本当は今週の月曜日に予定していたのですが台風でキャンセル。
昨日も餌のストック状況から天候不順での強行軍になってしまいました。
日頃の行いが悪いのでしょうか?^^;

現地に着いた時にはそれほどでもないと思っていた風雨ですが、いざ海に降りてみると雨風共にかなり激しく降っています。
それでも「何盗っているんですか~」って声を掛けて来る人間がいないだけ雨でも夜は好きです。
そして、これからお正月までが実は私たち陸っパリ(おかっぱり)の採取シーズンでもあります。

昼間は激しく逃げ回る魚たちも、夜は意外なほど動きません。
特にチョウチョウウオは早寝早起きですので、暗くなると大きな岩周りの潮の動きの少ない場所でじっと眠っているのです。
なので見つかればほぼ採取できます。

昨晩はナミチョウ・ニザダイ・シマハギ等々を掬い、ナミチョウ1匹だけを持ち帰りました。
いよいよチョウチョウウオ season3の始まりです。

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我が家に到着したのが午前4時過ぎ、それからエアレーションをして我が家の人工海水を入れて所謂水合わせをします。
そしてそのまま放置です。
午前8時過ぎにのそのそ起き出して、水温を確かめつつ水槽に放します。
これで受け入れは終了です。

え?点滴法はしないのかって?
しません、無駄ですから(笑)

水槽に放すと当然ですが落ち着きがなく不安でいっぱいなのがよく解ります。
ちなみに採取したナミチョウは体調がおよそ9cm程度丸々としています。
昨年採取したチョウたちと殆ど同じ大きさで、2歳魚と判断しました。

実はチョウチョウウオは死滅回遊魚と言われていますが、ことナミチョウだけは私が行く漁港でも30cmクラスを良く見かけます。
またお正月明けのウツボが浅瀬から居なくなるまでは良く見かけますので、寒い時期は深場に落ちて越冬しているものと考えています。

ナミチョウ以外のチョウチョウウオで30cmクラスを見ることはありませんので、他のチョウに関しては死滅回遊魚で間違いないのではとも思います。
そう考えると今年の7月初旬に同じ場所でナミチョウの赤ちゃんが沢山居たことも頷けるのです。
さて今年は何に出会えるのでしょうか?




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