2006年05月17日

少女には向かない職業 〔桜庭一樹〕 3

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)
桜庭 一樹

東京創元社 2005-09-22
売り上げランキング : 31507
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

≪内容≫
島の夏を、美しい、とふいにあたしは思う―強くなりたいな。
強くて優しい大人になりたい。
力がほしい。
でも、どうしたらいいのかな。
これは、ふたりの少女の凄絶な“闘い”の記録。
(BOOKデータベースより)

桜庭一樹さん、初読み!と思ったら、アンソロジーの中で短編を読んだことがありました。
『Sweet Blue Age』の中に「辻斬りのように」がありました。
残念ながら、どんな話だったのか全く印象に残っていないのだけど…

さて、単独作品としては初めてのこの作品。
冒頭から引き込まれてしまいましたね。

“中学二年生の一年間で、あたし、大西葵十三歳は、人をふたり殺した。
夏休みにひとり。それと冬休みにもうひとり。
武器はひとつめのときは悪意で、もうひとつめのときはバトルアックスだった。”


人を殺す? ふたりも?
バトルアックスって何?
と、ついつい引き込まれてあっという間に読了。
主人公葵は、人を殺してしまうような感じには見えない。
ごく普通のどこにでもいるような少女・葵は、クラスメイトの宮乃下静香に「絶対見つからない人の殺し方、教えてあげようか」と持ちかけられる。
ごく普通の少女であっても、葵を取り巻く環境は閉塞感に満ちている。
その世界と対峙する姿が描かれるわけなんだけど、葵が日常から非日常の世界に向かっていく様が、やけにリアルだった。

日常と非日常の境目って、奈落のように底深いものではなくって、紙一重というか、ほんの些細なきっかけで踏み越えてしまうものなのかもしれない。
そして、非日常の世界に一度でも足を踏み入れてしまえば、もう日常には戻れないのかもしれない。
なんとも切ないし、やるせないなぁ。

単行本
東京創元社[2005.9発行]
【読了 2006.5.10】

ランキングに参加してみました♪
よろしければクリックお願いします
にほんブログ村 本ブログへ
人気blogランキングへ(こちらは携帯にも対応しています)

ebinote at 21:08コメント(20) 
さ行:桜庭一樹 

トラックバック一覧

1. (書評)少女には向かない職業  [ たこの感想文 ]   2006年05月19日 01:26
著者:桜庭一樹 大西葵13歳は、中学2年生の1年間にふたりの人を殺しました。1人
2. 少女には向かない職業、桜庭一樹  [ 粋な提案 ]   2006年06月25日 10:12
カバーフォト:Ben Jobfield。 著者はゲーム等のノベライズと、多彩なライトノベル作品を執筆。東京創元社のミステリ・フロンティアシリーズの1冊で初の一般向け作品です。「2006年度版このミステリーがすごい!」
3. 少女には向かない職業  桜庭一樹  [ 今更なんですがの本の話 ]   2006年10月07日 11:39
以前『少女七竈と七人の可愛そうな大人』で紹介した桜庭一樹さんの『少女には向かない職業』です。冒頭から人をふたり殺したと始まったのはこの本になります。 この作品は七竈ほど空気の濃さは感じなかったのですが、独特の雰囲気はやっぱりあると思いました。 ゴシック....
4. 67:少女には向かない職業  [ プリン@BOOK CAFE ]   2007年04月09日 22:48
3 なんかさぶけがする… 風邪かな?いやいや、今日はみんなも寒いのかな? 「ねぇ、さぶい?今日ってさぶい??」 と聞きまくって、職場でうざがられているプリンです。 こんばんは 今日ってさぶい? さぶいさぶいと言いながら、夏まっさかりの、 桜庭 一樹の『少女には向...
5. 少女には向かない職業 桜庭一樹  [ "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!! ]   2007年04月15日 01:43
5 少女には向かない職業 ■やぎっちょ書評 2007年初の5つ★です。でもね「よし!5つ★来ました〜」な感覚はなくって、「あぁ、5つ★ってこうなんだ」「岩に染み入る蝉の声」ってこうなんだぁ、みたいな。 正直、超、個人的感情なので他の人にはあまりグッと来ないかもしれま...
6. 少女には向かない職業⇔桜庭一樹  [ らぶほん−本に埋もれて ]   2007年07月04日 07:37
3 少女には向かない職業 〔桜庭一樹〕 あの夏を美しい、とふいにあたしは思う。 …強くなりたいな。 強くて優しい大人になりたい。 力がほしい。 でも、どうしたらいいのかな。 これは、ふたりの少女の凄絶な《闘い》の記録。 ランキングエントリー中! ■□■...
7. 少女には向かない職業(桜庭一樹)  [ Bookworm ]   2007年08月10日 16:06
桜庭作品2作目。 1作目に読んだのが「めっちゃいぃーーーーっ!!」だと、2作目を読む前にちょっとドキドキする。あれと同じくらい好きになれるかな?あれが良すぎて、比べてしまってハズレ;;;となったら嫌だなとか思っちゃって。でも、これも好きでした。寝る前にちょっ...
8. 少女には向かない職業/桜庭一樹 [Book]  [ miyukichin’mu*me*mo* ]   2007年09月06日 23:47
 桜庭一樹:著 『少女には向かない職業』  少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)桜庭 一樹東京創元社このアイテムの詳細を見る  少女には向かない職業=殺人。  けっこうセンセーショナルな出だしです^^;;  でも、内容は、中2の少女の心の叫びで、  ...
9. 「少女には向かない職業」桜庭一樹  [ 本のある生活 ]   2007年09月08日 13:46
少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア) とにかく読みやすかったし、すごくおもしろかったです。まず帯の「あたし、大西葵13歳は、中学2年生の1年間で、人をふたり殺した。」というのと、目次の「一章 ◎用意するものはすりこぎと菜種油です、と静香は言った...
10. 少女には向かない職業 桜庭一樹  [ 色々なポイント+α ]   2007年10月02日 00:08
少女には向かない職業 桜庭一樹 島の夏を、美しい、とふいにあたしは思う―強くなりたいな。強くて優しい大人になりたい。力がほしい。でも、どうしたらいいのかな。これは、ふたりの少女の凄絶な“闘い”の記録。(「BOOK」データベースより) 女子中学生二人の....
11. 少女には向かない職業/桜庭一樹  [ hibidoku〜日々、読書〜 ]   2007年12月14日 23:24
読書期間:2007/12/13 中学2年生の1年間で、あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した−。これは、ふたりの少女の、血の噴き出すような闘いの記録。痛切なストーリーが胸を抉る衝撃作。
12. 少女には向かない職業 桜庭一樹  [ 苗坊の読書日記 ]   2008年04月15日 22:00
4 少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア) あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した… あたしはもうだめ。ぜんぜんだめ。少女の魂は殺人に向かない。 誰か最初にそう教えてくれたらよかったのに。 だけどあの夏はたまたま、あたしの近くにいたのは、あいつだけだ...
13. 少女には向かない職業  [ 自由の森学園図書館の本棚 ]   2010年01月27日 20:17
★★★ 作者:  桜庭一樹 出版社: 双葉社   主人公は、中学2年生の大西葵という少女。彼女は下関からほど近い、ある小さな離島に住んでいました。父親は無職で酒びたり、母親は愚痴ばかりこぼしているので家にいるのが苦痛でした。でも、学校では明るい役を演じ...
14. 桜庭一樹 『少女には向かない職業』  [ こみち ]   2017年11月03日 01:06
              JUGEMテーマ:読書感想文        『少女には向かない職業』といタイトルからして   暗殺者やゲーム上の出来事を想像していましたが   本書を読

コメント一覧

1. Posted by 藍色   2006年06月25日 10:10
エビノートさん、こんにちは。
日常をほんの些細なきっかけで踏み越えて非日常の世界へ入っていった葵・・・。
桜庭さんの描く主人公:葵の心境がよく伝わってきて、読み応えのある1冊でした。
2. Posted by エビノート   2006年06月26日 17:49
藍色さん
こんばんは!
ほんの些細なことがきっかけなんですよね〜
それが妙に現実感があって、逆に怖かったです。
葵と静香の到達したところは哀しかったですね
3. Posted by たまねぎ   2006年10月07日 11:43
バトルアックス…最初は何かの隠喩かと思ったのですが本当にバトルアックスだったのでたまげてしまいました。出会ったことが幸福でもあり、悲しみでもありましたね。
4. Posted by エビノート   2006年10月07日 21:53
たまねぎさん
こんばんは!
バトルアックス自体が何のことだか分からずに、ついつい引き込まれて読んでしまいました〜
ほんとに武器そのものだったんですね…
少女たちの危うさが良く描写されている小説かなと思います。
それだけにちょっとやりきれなくもなりましたね〜
5. Posted by プリン   2007年04月09日 22:47
エビノートさん、こんばんは〜

読みました〜
桜庭さんがすっかり好きになっているので、ちょっぴり判断が甘くなるかも?なんて思って、気持ち辛口目線で読みましたが、それでも面白かったです〜☆
どうやら、ライトノベルっぽい桜庭さんの作品もわたしはがんがんいけてしまうみたい…(^_^;
そうなると、かなり読める作品が広がってしまうわ〜 困った(笑)
6. Posted by エビノート   2007年04月09日 23:29
プリンさんへ♪
こんばんは!
プリンさんの辛口目線でも高評価だったんですね〜
桜庭さんのライトノベルに分類される他の作品も是非是非読んでみたいんですけど、
なかなか追いつきません〜
7. Posted by らぶほん   2007年07月04日 07:46
バトルアックスの文字に即座にアイテム画像が浮かんできて、まさかそれが凶器?と思ったらそのままでしたね。
殺害計画もずさんで到底成功するとは思えないのに、突き進むしかない少女たちが哀しかったです。
狭い世界で完結していくあの年代が吹き抜ける突風のように描かれ、とても読みやすい作品でした。
8. Posted by エビノート   2007年07月04日 20:22
らぶほんさんへ♪
バトルアックスそのまんまでしたね〜
最初は何のこっちゃ?と思ってたんですが、そのまんまと分かってからもビックリでした(笑)
少女たちの姿が痛々しくて、切なかったですね。
最近読んだ『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』も少女が主人公なんですけど、
桜庭さんはこういう年代の少女を描くのが上手いなぁと思いました。
9. Posted by すずな   2007年08月10日 16:06
こんにちは。
本当に呆気ないくらいな感じで非日常への一歩を踏み出してしまった、というか・・・。え?ホントに!?と驚いちゃいました^^;
私は上手く感想が書けなかったんでけど、ますます桜庭さんが好きになってしまった作品でした。
10. Posted by エビノート   2007年08月10日 20:43
すずなさんへ♪
こんばんは!
そうそう、え?なんで?と思ってるうちにどんどん後戻り出来ないところに踏み込んでいっちゃうんですよね。
その危うさと脆さが、思春期にいる少女たちの特徴なんでしょうか。
それにしても、読んでいて痛々しかったです。
11. Posted by miyukichi   2007年09月06日 23:48
 おっしゃるように、日常と非日常の境目って、きっとほんの紙一重なんですよね。
 そのへんの微妙な危うさがすごく伝わってくる物語でした。

 私も冒頭から桜庭さんの世界に引き込まれました。
12. Posted by エビノート   2007年09月08日 00:07
miyukichiさんへ♪
あっけなく踏み越えちゃうんですよね〜彼女たちは。
桜庭さんは、危うさを感じさせる少女を描くことに長けていると思います。
読んでいると痛々しくって、手を差し伸べたくなっちゃうことが多いです。
13. Posted by june   2007年09月08日 13:42
超える時というのはあっけないのかもしれませんね。深い奈落があるというよりも紙一重のところにあるって、ほんとそうかもしれないって思いました。
読み終えて切なくて切なくて・・。
14. Posted by エビノート   2007年09月08日 23:38
juneさんへ♪
奈落を覗き込むとなると、やっぱり躊躇してしり込みしちゃうと思うんです。
でも、そうじゃないから彼女たちはあっさり踏み越えちゃいますよね。
もしかしたら奈落の深さが見えていないだけ、見ないようにしているだけなのかもしれないけれど。
15. Posted by しお   2007年10月01日 23:25
中学生が大人に戦いを挑んでますね!最後にちゃんっと狐をはなすことができて(告白することができて)いい終わり方だと思いました。
16. Posted by エビノート   2007年10月02日 19:56
しおさんへ♪
この本は闘う少女たちの物語ですよね。
そうせざるを得ない状況に追い込んだ大人のことを考えると憤りを感じます。
そして、彼女たちの姿は切なかったです。
17. Posted by 苗坊   2008年04月15日 22:17
こんばんわ。TBさせていただきました。
闘う少女達。。。そうですよね〜
本当に読んでいて切なかったです。
この2人だけの寂しい戦いとしか思えなかったです。
2人に手を差し伸べてくれる人は、いなかったのでしょうか。
ラストはちょっとほっとしましたね。
18. Posted by エビノート   2008年04月19日 20:27
苗坊さんへ♪
こんばんは。
闘う少女たちの姿が、読んでいて寂しくもあり、切なくもありましたね。
他に道はなかったのか、私もそう思いながら読んでました。あっけなく、向こう側に行っちゃうんだもの。行かざるを得ないというのも分かるので、とっても複雑でした。
19. Posted by 香桑   2008年04月25日 23:28
こんばんは。TBをよろしくお願いします。
日常から非日常へ踏み込むことも怖ろしいですが、非日常へとすべりこまなかったときの二人の行く末も決して幸せではないことが怖ろしい。
そんな切なさを感じました。
20. Posted by エビノート   2008年04月26日 20:03
香桑さんへ♪
こんばんは。
ああ、本当にそうですね。彼女達が日常にとどまり続けたとしても、そこに幸せがあるとは限らない。閉塞感に満ちた世界を変えようとする少女たちの姿が、痛々しくて切ない作品でした。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
プロフィール

エビノート

rssなど
【ほんぶろ】にて、
特集ページを
作成していただきました♪
↓↓
エビノートの特集ページ


Subscribe with livedoor Reader
月別記事
お気に入り
いらっしゃいませ♪
メールはこちらから
アクセス解析
QRコード
QRコード
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: