2006年05月29日

クドリャフカの順番―「十文字」事件 〔米澤穂信〕 4

クドリャフカの順番―「十文字」事件クドリャフカの順番―「十文字」事件
米澤 穂信

角川書店 2005-07
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≪内容≫
さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリの傑作登場!
待望の文化祭。
だが、折木奉太郎が所属する古典部では大問題が。
手違いで文集を作りすぎてしまったのだ。
古典部の知名度を上げて文集の完売を目指すため、奉太郎たちは学内で起きた連続盗難事件の謎に挑むことに!
(出版社/著者からの内容紹介より)


氷菓』『愚者のエンドロール』に続く「古典部」シリーズ第3弾。
いよいよ文化祭です。
読む前から期待度大!だったのですが、読んでいる途中も、読み終わった後も充実してました。
これまでで最高の盛り上がり!
やっぱり文化祭というお祭り騒ぎは、楽しいですね。
とはいっても、大事件が起こるわけではないことはシリーズ各作品共通で、いつもの日常の謎解きです。
古典部が苦心の末に完成させた文集『氷菓』。
発注ミスで予定の7倍も印刷してしまう。
山のように積み上げられた文集を売り切ることはできるのか?
また、文化祭期間中に起こる盗難事件。
各部活動のイベント会場で、次々といろんなもの(飲み物、碁石、おたまなど)が紛失するのだ。
意味深な犯行声明文付きで。
文集を売りさばくために奮闘?し、盗難事件の謎解きをしていく過程とが、とにかく楽しかった。

“やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは、手短に”をモットーにする省エネ少年・折木奉太郎。
好奇心旺盛なお嬢様・千反田(ちたんだ)える。
知識を手広く収集することが得意な福部里志。
他人にも自分にも厳しい伊原摩耶花(まやか)。
4人の会話も楽しいのですが、今回は4人それそれの視点で話が進むので、これまで分からなかった千反田・里志・摩耶花の内面がわかるというのも興味深い。
千反田は、おっとりしている風で結構観察眼に優れているところ。
里志が奉太郎や、摩耶花に対して抱いている感情とか。
摩耶花が、古典部以外の活動で苦労している様子など。
それぞれが心の中に抱えている葛藤や悩みが示されたことで、これまでなんとなく薄っぺらな感じだった人物が、血肉を持った一人の人間としてより一層魅力的になってきた感じがします。

このシリーズ、これからも続くんでしょうか?
続いて欲しい〜〜〜
何といっても4人はまだ一年生。
文化祭の後も、神山高校での生活は続くのですから、事件だってきっと沢山起こるでしょう!
「わたし、とても気になります」と千反田えるは言うはず!!

単行本
角川書店[2005.6発行]
【読了 2006.5.26】

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や・ら・わ行:米澤穂信 

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1. クドリャフカの順番−「十文字」事件  [ 本のある生活 ]   2006年05月30日 12:47
クドリャフカの順番―「十文字」事件 米澤穂信 ご存知古典部シリーズ3作目です。「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」がモットーのホータロー、「自分が興味を持ったことだけを追求し、必要なことを二の次にまわして平然として....
2. 『クドリャフカの順番』 米澤穂信 角川書店  [ アン・バランス・ダイアリー ]   2006年05月31日 07:11
3         クドリャフカの順番―「十文字」事件 ついに神山高校文化祭が始まりました〜〜。古典部が制作した文集「氷菓」、手違いで予定の7倍の冊数が印刷されてしまった。どうにかして、できるだけ多く、「氷菓」を売りさばかねばならない。古典....
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クドリャフカの順番―「十文字」事件米澤 穂信 角川書店 2005-07by G-Tools , 2006/04/10 学園祭で売る冊子が、部員のちょっとしたミスで、大量に印刷されてしまった古典部。彼らが、どうしたってさばけそうにないこの200部の在庫を売るために奮闘する物語・・・...
4. (書評)クドリャフカの順番  [ たこの感想文 ]   2006年07月15日 12:29
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5. クドリャフカの順番「十文字」事件 米澤穂信  [ コンパス・ローズ  ]   2006年08月30日 22:47
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8. クドリャフカの順番―「十文字」事件/米澤穂信  [ Crescent Moon ]   2006年12月12日 13:08
4  待望の文化祭が始まった。何事にも積極的に関わらず“省エネ”をモットーとする折木奉太郎は呑気に参加する予定だったが、彼が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集を作りすぎたのだ。 部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。十文字....
9. 「クドリャフカの順番」米澤穂信  [ しんちゃんの買い物帳 ]   2007年12月20日 19:44
クドリャフカの順番―「十文字」事件米澤 穂信 (2005/07)角川書店 この商品の詳細を見る 神山高校文化祭ことカンヤ祭があしたから始まる。だが古典部で大問題が発生。手違いで文集「氷...
10. クドリャフカの順番「十文字」事件⇔米澤穂信  [ らぶほん−本に埋もれて ]   2008年02月29日 08:19
4 クドリャフカの順番―「十文字」事件 〔米澤穂信〕 待望の文化祭が始まった。 何事にも積極的に関わらず《省エネ》をモットーとする折木奉太郎は呑気に参加する予定だったが、彼が所属する古典部で大問題が発生。 手違いで文集を作りすぎたのだ。 部員が頭を抱えるそ....
11. クドリャフカの順番 「十文字」事件 米澤穂信  [ 色々なポイント+α ]   2008年06月10日 00:06
クドリャフカの順番 「十文字」事件 米澤穂信 待望の文化祭が始まった。何事にも積極的に関わらず“省エネ”をモットーとする折木奉太郎は呑気に参加する予定だったが、彼が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、....
12. 米澤穂信 「クドリャフカの順番」  [ こみち ]   2012年08月25日 15:44
JUGEMテーマ:読書感想文      ◆古典部シリーズ    またもや折木奉太郎を混乱の渦に誘い込む折木供恵。    事件の黒幕かと思えるほど登場しました。    そして、今回の被害者は伊原摩耶花ですね。 &nbs
13. 文化祭でも気になります!  [ 笑う社会人の生活 ]   2013年10月17日 22:32
小説「クドリャフカの順番」を読みました。 著者は 米澤 穂信 古典部シリーズの3作目 今回はストーリー等はアニメの方が見ていたので 知ってはいましたが・・・ まぁ 普通には楽しめたかな 文化祭という中で いろいろと絡みながら 古典部メンバーを中心に描かれてい...

コメント一覧

1. Posted by june   2006年05月30日 12:47
前の2作を読んでいると、いよいよ文化祭だー!と、盛り上がりますよね。日常の謎だけでなくて、文化祭の色々なイベントにもわくわくしてしまいました。
他の3人の胸のうちがわかったのもうれしかったけれど、里志の気持ちとか、麻耶花が巻き込まれるトラブルはちょっと痛かったです。
2. Posted by yori   2006年05月30日 12:59
これは学園ミステリーとか、そういうカテゴリーになるのですか? もしそうだとしたらとても気になりますねえ。何しろいい歳をして「学園ミステリー」大好きなのです!! 胸の奥が痛むような、あの懐かしくもほろ苦い感覚が好きなのです!!
3. Posted by エビノート   2006年05月30日 20:08
juneさん
こんばんは!
前の2作を読んでて良かったです!ホント。
文化祭のイベント、特にお料理バトル楽しかったです。
あと、わらしべ長者〜
次は何が飛び出すのか、ワクワクさせてくれて、読んでいる側もお祭り気分にひたれました。
里志や、摩耶花の内面も分かって、かえって二人のこと好きになれましたよ。
頑張れ〜って応援したくなっちゃいますね。
4. Posted by エビノート   2006年05月30日 20:13
yoriさん
こんばんは!
このシリーズ、学園ミステリーにです!
自分自身の高校生活などを思い出して懐かしい気分にもひたれます。
シリーズ物の3作目なので、発行順にぜひ読んでみてください
『氷菓』『愚者のエンドロール』(共に文庫)そして、この『クドリャフカの順番』という順番になってます〜
5. Posted by EKKO   2006年05月31日 07:10
おはようござます〜
TBありがとうございました。
お料理バトル、楽しかったですよね♪
私も続編を切に期待しています!
6. Posted by ゆうき   2006年05月31日 13:09
こんにちは。
TBありがとうございました。
続編、出るみたいですよ。
米澤さんのページにのっていました。
楽しみですね♪
7. Posted by エビノート   2006年05月31日 20:41
EKKOさん
こんばんは!
ホント、お料理バトル楽しかったですね。
出場者それぞれの料理の腕前を、予想していたのですが、見事に外れてました(笑)
続きが読みたいですね〜
その前に、他の作品を読んでみようと思います。
「犬はどこだ」が、いつも行く図書館にあるので、次はこれを!
8. Posted by エビノート   2006年05月31日 20:52
ゆうきさん
こんばんは!
続編出るんですね〜\(^o^)/
米澤さんのページ・・・・検索検索
確かに〜
雑誌掲載で短編も書かれているようですし、今後の予定のところにもしっかり入っていたし、期待して待っていようと思います。
その前に、「犬はどこだ」「さよなら妖精」の他、おすすめの小市民シリーズを読んでみようと思います
情報ありがとうございました
9. Posted by 雪芽   2006年08月30日 22:58
こんばんは。
文化祭、この雰囲気が楽しい!
ホータロー以外の3人の気持ちも少しわかって、4人がますます身近になった気がしますね。
その後の彼らが気になります。
わたし、とても気になります!(声を大にして)
10. Posted by エビノート   2006年08月31日 19:50
雪芽さん
こんばんは!
ホント文化祭だけに楽しかったですよね。
ボリュームもたっぷりで、各登場人物の内面も少し分かってきて、ますますこのシリーズの今後が楽しみです。
私も同じく声を大にして言いたいです!
「わたし、とても気になります!!」
11. Posted by たまねぎ   2006年09月25日 23:50
エビノートさんこんばんは。
いきなりこの本から入ってしまったので、最初に登場人物を把握するのに少し苦労してしまいました。
えーっとハートが千反田でスペードが奉太郎と言う具合に。里志以外は名前があまり普通じゃないので頭に入れるのも困っちゃったり。
悔しかったので早速文庫を買ってきちゃいました。
12. Posted by エビノート   2006年09月26日 22:36
たまねぎさん
こんばんは♪
この話から入っても読めないことはないんですが、やっぱり『氷菓』とか気になる言葉が出てきますもんね〜
早速買っちゃいましたか!
どちらも楽しめるといいですね♪
ちなみに私も図書館で読んだ後購入したんですが、『氷菓』がスニーカー文庫で、『愚者〜』が角川文庫とそろってないのです
たまねぎさんと逆ですね(笑)
交換します?
登場人物の名前、確かに個性的ですよね〜
とくに摩耶花は漢字変換のときに、どの字だったっけ?と悩みます
13. Posted by 苗坊   2006年11月02日 00:07
こんばんわ!TBさせていただきました。
気になっていた米沢さんの作品を読みました^^
でも、第3弾なんですよね・・・読んでいて途中で気付きました^^;
いよいよ文化祭って言うということは、別の作品でも話題に上がっていたんですか?
まあ、文集のタイトルを見ると、分かる気もしますが^^;
3弾からですが、充分に楽しめましたね。
4人の個性的なキャラクターも好きですし、内容も引き込まれました。
謎解きはさっぱり分からなかったので、里志同様、奉太郎に任せていましたが^^;
他の作品も読んでいこうと思います。
14. Posted by エビノート   2006年11月02日 19:51
苗坊さん
こんばんは!
初米澤作品だったのですね!
シリーズ物なんですけど、この本だけ単行本で、シリーズ物とは気付きづらいですよね〜(^_^;)
前作は、文化祭までの準備期間が描かれているので、その分待ち遠しかったんですよ♪
是非是非!前作も読んでみてくださいね!
文化祭前にこんなことがあったのか!という視点で楽しめると思います♪
15. Posted by Ray   2006年12月12日 13:12
こんにちは♪
シリーズ中、この話が1番好きですね〜
彼等の個性にも一段と磨きがかかってるような気がします

このシリーズ、これからも続くんでしょうか?
続いて欲しい〜〜〜>
私も思いきりそう思います!
早く続き読みたいですよねっ♪
16. Posted by エビノート   2006年12月12日 22:02
Rayさん
こんばんは!
これまでのシリーズがあった分、文化祭で盛り上がれましたよね。
文化祭ならではのイベントも満載でその点でもすごく楽しめました。
まさにお祭気分って感じ♪
登場人物にもより光が当たって、今後が一層楽しみですね!
ああ、早く新作が読みたいです!!
17. Posted by しんちゃん   2007年12月20日 19:48
こんばんは。
地味に時間が流れて、一気に弾けてしまいましたね。
特に料理ファイトは最高に面白かったです。
4人が別行動するのも人物に深みを与えてました。
これが一番好きな作品かも。
18. Posted by エビノート   2007年12月20日 19:56
しんちゃんへ♪
こんばんは!
文化祭ですもんね〜盛り上がりました♪
料理ファイト楽しかったですね〜。
そこで見せられた才能は、私には予想外で、ホホ〜ッ♪となってしまいました。
4人それぞれの行動、それぞれの視点で語られる構成も良かったですよね。
次の『遠まわりする雛』も良かったですよ〜〜♪
19. Posted by らぶほん   2008年03月10日 20:52
こんばんは。
コメントが遅くなってしまってすみませんでした。
「インシテミル」で出会った米澤さんでしたが、この古典部シリーズですっかりハマってしまいました。
巻を追うごとに微妙に距離が縮まっていく主人公たちが、ほろ苦さとさわやかさに彩られ活き活きと描かれていましたね。
20. Posted by エビノート   2008年03月10日 21:48
らぶほんさんへ♪
こんばんは!
お忙しい時はTBだけでも構いませんよ〜
コメントありがとうございます♪
というより、私の方がTBを頂きっぱなしでお返しをするのを失念しておりました。
すみませんっ(>_<)

「古典部」シリーズ面白いですよね〜
謎解きももちろんですが、主人公たちが事件を通して成長してゆく様を見ることが出来るのも楽しみの一つですよね。
21. Posted by しお   2008年06月10日 11:58
やっと文化祭本番。色々なイベントが楽しかったです。語り手が四人それぞれでよかったですよね!
まだ四人とも一年生なんですよね。今後楽しみだ!
22. Posted by エビノート   2008年06月10日 20:31
しおさんへ♪
文化祭本番の様子、まさにお祭り騒ぎで楽しかったですよね。4人それぞれの視点で進むので、それぞれの内面もわかって、より好感度がアップしちゃいました。
4人のこれからも楽しみですよね♪

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