2006年08月06日

宇宙のみなしご 〔森絵都〕 4

宇宙のみなしご宇宙のみなしご
森 絵都

講談社 1994-11
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≪内容≫
真夜中の屋根のぼりは、陽子・リン姉弟のとっておきの秘密の遊びだった。
やがて、思いがけない仲間がくわわって…
(BOOKデータベースより)


家の屋根に上ったことありますか?
私はあります〜
花火大会を見るために、二階の窓から屋根に出て、てっぺんまでソロソロと移動して鑑賞したんです。
花火もよく見えたし、なんだか自分だけの特等席のようで気分が良かったなぁ。
屋根に上って花火を見るなんて考えた自分を誇らしく感じたし、夜空の花火が自分だけのために輝いてくれている気持ちがした。
その後、足は汚れるし、親にも怒られるしで散々だったけれど、ちょっとした冒険でした。

さて、『宇宙のみなしご』ですが、この話の中の陽子とリンの姉弟の密かな楽しみは、屋根のぼり。
自分の家の屋根にではなく、他人の家の屋根に夜が更けてから上ることです。
住人に気付かれやしないかとヒヤヒヤしながらの冒険ですが、屋根に上ってしまえば空も月も星も雲も風も、丸ごと自分たちのものにしたような気分になれる。
「ふだんはぜんぜん思うようにいかない。もしかしたらわたしたちを無視しているかもしれないこの世界だって、いまだけはわたしたちを中心に回っている」
そう思う陽子にすごく共感してしまったのだ。
やっぱり、屋根のぼりしたことあるからかしら?

最初は二人だけの楽しみだった屋根のぼりだけど、陽子のクラスメイトでリンと同じ陸上部に入った七瀬さんと、同じくクラスメイトだけど誰からも相手にされないいじめられっこのキオスクが仲間に加わります。
陽子・リン・七瀬さん・キオスク、それぞれ違う個性の持ち主なんだけど、その誰もが好きになっちゃいました。
読んでいると、誰かしらに共感できる部分があるんじゃないかなと思います。
私の場合は、七瀬さん。
変わるきっかけをが欲しくて行動を起こしても、周りの視線が気になってしまって縮こまってしまう気持ち。
そして、そんな自分が嫌いで、自由闊達に振舞っている他人に憧れるところなど、七瀬さんと自分自身を重ね合わせてしまいました。

この物語の中には、大人はほとんど登場しない気がします。
印象的に登場するのは、陽子のクラス担任だったすみれちゃんや、陽子のママの大学時代の親友さおりさんくらい。
陽子たちの両親は仕事が忙しく、ほとんど家にいる様子がない。
そのため、陽子とリンの姉弟は何だか子どもたちだけの閉ざされた世界で暮らしているような印象があります。
でも、それでも彼らはちゃんと成長しているんですよね。
誰か大人から教えられたわけではなく、自分たちで導き出した答え、これがとっても清々しくて、爽やかでした。
大変なこともあるかもしれないけれど、彼らなら大丈夫だって思えます。

最後に『宇宙のみなしご』というタイトルに関連した言葉が出てくるのですが、この言葉がとってもいいんですよ!
心に響く、森絵都さんらしいメッセージ。
単行本のラスト4ページは、心がほっこりと温かくなるような感動がありました。
手を繋いで、心の休憩をしよう!!

単行本
講談社[1994.11発行]
【読了 2006.8.4】

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1. 宇宙のみなしご 森絵都  [ 苗坊の読書日記 ]   2006年08月12日 23:41
4 宇宙のみなしご オススメ! 両親の仕事が忙しく、いつも一緒にいる姉弟の陽子とリン。 いつも近所を遊び場として、面白い遊びを考えていた。 リンが中学生になり、陽子が中2になった時、陽子は2週間登校拒否をする。 そのとき、2人は屋根に登る遊びを思いつく。 ....
2. 宇宙のみなしご/森絵都  [ Crescent Moon ]   2006年08月22日 21:38
4  あなたと手をつなぐ人がきっと、いる。 真夜中の屋根のぼりは、陽子・リン姉弟のとっておきの秘密の遊びだった。やがて、思いがけない仲間がくわわって……。(「出版社/著者からの内容紹介」より)  図書館に行く度にこの本がとってもよく目についた。 まるで「あ....
3. 宇宙のみなしご  [ miyukichin’mu*me*mo* ]   2006年12月12日 20:41
 森 絵都:著 『宇宙のみなしご』    真夜中の屋根のぼり。  そんな秘密の遊びを楽しんでいた陽子、リンの姉弟に、  七瀬さんとキオスクが加わり――。  4人が友情を育んでいく様子が、  とてもいいです。{/hikari_blue/}  「ぼくたちはみんな宇宙のみなしごだ...
4. 「宇宙のみなしご」森絵都  [ しんちゃんの買い物帳 ]   2007年06月13日 16:52
宇宙のみなしご森 絵都 (1994/11)講談社 この商品の詳細を見る 両親の仕事が忙しく、いつも2人で遊んできた中2の陽子と1歳年下のリンの姉弟。 彼ら姉弟が新しく考えた遊びは、深夜に知らない家の屋根にのぼること。 わくわくドキ????i

コメント一覧

1. Posted by 苗坊   2006年08月12日 23:45
こんばんわ^^
森さんは、やっぱり児童小説が良いなぁと思います。
中学生の想いを書くのが上手いですよね。
私は高校生の時に何度か読んだのですが、凄く主人公達の気持ちがわかる部分が多くて、共感できたんですよね〜。
陽子・リン姉弟の想いも、結構重たい内容な気もします。
七瀬さんもキオスクも、何かしら心に闇を抱えていて。
凄く好きです、この作品。
2. Posted by エビノート   2006年08月13日 07:54
苗坊さん
おはようございます!
そうですね、皆、持て余してしまうような悩みを抱えているんですよね〜一番強そうに見える陽子でさえも。
それだけに最後のシーンでは感動してしまいました。
この作品すごく好きです!!
3. Posted by Ray   2006年08月22日 21:46
こんばんは♪
図書館に行く度に「借りてって〜」と訴えてたこの本、漸く借りて読みました。
良かったですね〜!凄く好きですこの本。
共感できる事も多いし。

漸く「風に舞うビニールシート」も入ったようなので予約してきました。そちらも楽しみですね
4. Posted by エビノート   2006年08月22日 23:14
Rayさん
こんばんは!
図書館や本屋で妙に訴えてくる本って確かにありますよね〜
それにつられてついつい今日は本を買いすぎてしまいました
屋根に上ったときの気持ちや、学校で感じる様々な思いなど、懐かしく、共感できてとっても良かったですね〜
私も大好きな本です!

『風に舞いあがるビニールシート』早く図書館から借りられるといいですね♪
5. Posted by miyukichi   2006年12月13日 00:28
5  こんばんは♪
 TB&コメントどうもありがとうございました☆

 私は残念なことに、屋根のぼりの経験はないんですけど、
 気持ちいいんだろうなぁ〜、っていう開放感は
 読んでても感じました。

 最後の「宇宙のみなしご」に関連した言葉の数々、
 すごくよかったですね。
 心にジンジン響いてきました。

 読み終わって、あたたかい気持ちになれる本でした☆
6. Posted by エビノート   2006年12月14日 00:04
miyukichi さん
この本を読んでからまた屋根にのぼってみたくなりました
今となっては、高さと瓦屋根の不安定さに実現不可能ですが…
大人から見ると突拍子もないこと、無意味に思えることでも彼らにはとても大切なことだったんだなと言うことが伝わってきました。
その行動力が微笑ましいく、さわやかでしたよね。
7. Posted by しんちゃん   2007年06月13日 16:58
ちーす。
同じく経験者です(笑)。あれは気持ちがいいよね!
でも手やズボンが真っ黒になってしまうのが難点。
うちの猫たちは屋根のぼりを楽しんでいます。
きっと気持ちが良いのでしょうね。違う?
8. Posted by エビノート   2007年06月13日 21:31
しんちゃんへ♪
わぁ〜い(^o^)/
しんちゃんも経験者なんだぁ〜
そうそう、屋根に登ると真っ黒に汚れますよね。
怒られるんだけど、それもまた楽し買った思い出。
うちの猫も屋根に登るの大好きで、
屋根に出ては、スズメを追っかけてます。
捕まえられないってのにね(笑)
身軽な猫が羨ましいです。
今となっては、屋根に登るのも一苦労ですもん(^_^;)

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