2006年09月07日

青空の卵 〔坂木司〕 3

青空の卵 (CRIME CLUB)青空の卵 (CRIME CLUB)
坂木 司

東京創元社 2002-05
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おすすめ平均

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≪内容≫
外資系の保険会社に勤める坂木司の友人、鳥井真一はひきこもりだ。
坂木は身近で起こった奇妙な出来事を語って聞かせ、鳥井の関心を外に向かせようとする。
果して謎を解くことで、鳥井は飛び立つことができるだろうか。
(出版社/著者からの内容紹介より)


坂木司さんのデビュー作。
ひきこもり探偵シリーズの第1作目です。
やっと図書館で見つけた!

坂木の持ちこんできた謎・トラブルを、ひきこもりの鳥井が推理するというパターンの連作短編集。
謎そのものはいわゆる日常の謎ですが、それぞれの謎が魅力的に描かれていて、『切れない糸』に続いての坂木司さん、楽しんで読めました。
鳥井による謎解きの過程も、鮮やかで、読んでいて気持ちがいいです。

でも、この作品の面白いところは、ひきこもり探偵・鳥井と、友人坂木の関係。
鳥井は坂木に完全に依存しちゃっていて、見事な推理を見せる反面、坂木の感情に大いに揺さぶられてしまって、かなり不安定になってしまうこともある。
たとえば坂木が感動して泣いたりしても、激しく動揺しちゃう。
頼りがいがあるようでいて、すごく子供っぽい面も持ち合わせている。
そのアンバランスさが危うい感じがします。
だけど、不思議と魅力的。
一方、友人の坂木はごく普通の、特筆すべき点のない、どこにでもいそうな人物。
まっとうに育った健全な人間に見えるんですが、しかし、坂木もどこか歪んでいる。
鳥井の世界を広げてやりたいと思いつつ、それが実現してしまうと、置いていかれるようで寂しい。
「誰かの一番であることは、いつ一番でなくなるかわからない不安との戦いでもある」
というように、いつか自分が鳥井の一番の存在ではなくなることに内心怯えている。
結局は、坂木も鳥井という存在に自分の存在価値を置いているわけで、坂木も鳥井に依存しているんですよね。
二人がお互いに依存しあっちゃってるこの関係。
二人でいれば完璧なんだろうけれど、やっぱりどこかヘン。
この二人の関係がどうなっていくのか、続きが楽しみです。

それにしても、『切れない糸』を読んだときにも思ったのですが、物語の中に登場する料理がとっても美味しそうなんですよね〜
『切れない糸』では、例えばフレンチトースト!
そして、この作品ではスパイスの効いたカレー!
ウ〜ン、どれも美味しそうで、食べてみたくなります。

★収録作品★
「夏の終わりの三重奏」
「秋の足音」
「冬の贈りもの」
「春の子供」
「初夏のひよこ」

装丁がとっても好きな感じ♪
読んだのは単行本ですが、文庫の装丁もお洒落です。
これ↓ 可愛い〜♪
青空の卵 (創元推理文庫)

単行本
東京創元社[2002.5発行]
【読了 2006.9.3】

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1. 「青空の卵」 坂木 司  [ コンパス・ローズ  ]   2006年12月01日 23:36
青空の卵 坂木 司 どうして卵なんだろう。綺麗に並ぶ表紙の卵を見ながら思った。 時がくれば内側から殻を突き破って、いっぱしのひよことしてこの世の空気に触れるであろう命。然しながら、それまでは卵という世界が命にとってのすべてである。その場所以外に世界が存在...
2. 「青空の卵」坂木司  [ しんちゃんの買い物帳 ]   2007年05月29日 16:55
青空の卵坂木 司 (2006/02/23)東京創元社 この商品の詳細を見る 語り手でワトソン役は、外資系の保険会社に勤務している坂木司。 彼には一風変わった友人がいる。子供の頃のイジメで引きこもりになった鳥井だ。 現在は在宅プロむtraa
3. 青空の卵(坂木司)  [ Bookworm ]   2007年10月10日 11:37
詐欺だよなぁ・・・。う゛ーっと目を潤ませながら心で毒づく。ぎしぎし鳴る心の音を聞きながら、それでも読み勧めずにはいられない。なにこれ。ミステリならミステリらしくしててくれなきゃ困るじゃないか。この作品を「ミステリ」で括ってしまっていいのか!?文句のひとつ...
4. 青空の卵/坂木司  [ hibidoku〜日々、読書〜 ]   2008年01月27日 11:51
JUGEMテーマ:読書 読書期間:2008/1/22〜2008/1/25 [BOOKデータベースより] 僕は坂木司。外資系の保険会社に勤務している。友人の鳥井真一はひきこもりだ。プログラマーを職とし、料理が得意で、口にするものは何でも自分で作ってしまう―それもプロ顔負けの包丁さ...
5. 青空の卵 坂木司  [ 苗坊の読書日記 ]   2008年05月13日 21:14
5 青空の卵 (創元推理文庫) 僕、坂木司には一風変わった友人がいる。自称ひきこもりの鳥井真一だ。 複雑な生い立ちから心を閉ざしがちな彼を外の世界に連れ出そうと、僕は日夜頑張っている。 料理が趣味の鳥井の食卓で、僕は身近に起こった様々な謎を問いかける。 鋭い観察...
6. 青空の卵/坂木司  [ 狭間の広場 ]   2008年05月23日 22:52
青空の卵 (創元推理文庫)/坂木 司 ¥780Amazon.co.jp 【僕、坂木司には一風変わった友人がいる。自称ひきこもりの鳥井真一だ。 複雑な生い立ちから心を閉ざしがちな彼を外の世界に連れ出そうと、僕は日夜頑張っている。 料理が趣味の鳥井の食卓で、僕は身近に起こった...
7. 青空の卵⇔坂木司  [ らぶほん−本に埋もれて ]   2008年07月04日 16:46
4 青空の卵 〔坂木司〕 僕は坂木司。 外資系の保険会社に勤務している。 友人の鳥井真一はひきこもりだ。 プログラマーを職とし、料理が得意で、口にするものは何でも自分で作ってしまう…それもプロ顔負けの包丁さばきで。 要するに外界との接触を絶って暮らし....

コメント一覧

1. Posted by ia.   2006年09月07日 01:36
こんばんわ。これ、読みました!
こちらで「切れない糸」を紹介されていたので、両方予約したのですが、「青空の卵」のほうが先に届いたので。
坂木さんと鳥井さんの微妙な関係が気になりますね。あと、警察官コンビも結構好きです。
安楽椅子っぽいのに、探偵を外出をせようとするあたり、続きが読みたいですね。
「切れない糸」も、やっと借りれたので、楽しみです。
2. Posted by エビノート   2006年09月07日 20:17
ia.さん
こんばんは!
予約してくださったんですね。ありがとうございます♪「切れない糸」も楽しまれてくださいね
そうそう、警察官コンビもいいですよね〜
主役の二人以外にも脇役も魅力的で、その点でも楽しめました。
この後、坂木と鳥井がどうなっていくのか、早く続きが読みたいです!
3. Posted by 徒然   2006年09月09日 19:56
こんばんは
1作目をつい引き込まれて、一気に読んでしまい、次の日に即2作目を購入しました。
3作目は探しているのですが、なかなかみつかりません。
図書館には3作目は置いてなくて、リクエストしようかと
思っているところです。

脇役の方達はそれぞれが役割があり、シリーズを通して登場してましたね。
主役の2人が切なくて、思わず涙ながらに読んでしまいました。
(涙したのは私だけかも・・・)
4. Posted by エビノート   2006年09月09日 22:59
徒然さん
こんばんは!
3冊目はまだ文庫化されてないみたいですね〜
明日図書館に行くので、2作目、3作目を借りてきたいと思ってます。
あるといいなぁ〜
坂木と鳥井の関係は不思議ですよね〜
涙するとまではいきませんでしたが(笑)、引用した坂木の言葉にはなんだかグッときちゃいました。
この後二人がどうなるのか、気になります。
5. Posted by 雪芽   2006年12月01日 23:52
こんばんは〜、エピノートさん。
鳥井と坂木以外の登場人物達も、豊富な人材が揃っていますね。ひきこもり探偵なはずなのに、にぎやかで面白く読めました。
なによりも日々変わるビストロ鳥井ですよ。
本を読んでいて食欲増進てどういうこと!?
なんて思ってしまいました(笑)
6. Posted by エビノート   2006年12月02日 22:29
雪芽さん
こんばんは!
そうですよね〜にぎやかで楽しい
次の作品でも鳥井の周りはにぎやかなのか、気になります。
まだシリーズ一作目しか読んでないので、年内に読了せねば!!
登場する料理、銘菓の数々食べたくなっちゃいますよね〜
三作目には鳥井家料理レシピと全国銘菓お取り寄せリストまで載ってるとか!
情報ありがとうございました♪
楽しみです(^o^)/
7. Posted by すずな   2007年10月10日 11:41
こんにちは。
ミステリよりも坂木と鳥井の依存関係の方が気になりつつ読みました。
今後、二人がどんな関係を築いていくのか気になります。早く続きを読まなくちゃ!です。

鳥井の料理がとっても美味しそうでしたよねぇ。カレーが食べたくなっちゃいました(笑)
8. Posted by エビノート   2007年10月10日 20:16
すずなさんへ♪
こんばんは!
坂木と鳥井の関係、気になりますよね〜。
お互いに依存しあってて、釣り合っているように見えるんだけど、どこか不安定で。
鳥井の料理美味しそうでしたよね〜。
鳥井の家にお邪魔して、ご馳走になりたいです(笑)
9. Posted by 香桑   2007年12月03日 22:20
エビノートさん、こんばんは。
私も鳥井家の食卓の常連になりたいと、憧れながら読みました。
パンケーキにはメープルシロップが一番です。
鳥井と坂木の二人が、最終巻でどうなるのか、楽しみです。
10. Posted by エビノート   2007年12月04日 20:46
香桑さんへ♪
鳥井家の食卓にお邪魔してみたいですよね〜。出される料理のどれもが美味しそうで、食欲をそそられました♪
パンケーキにはメープルシロップ〜
あ〜〜、食べたくなってしまった(^_^;
11. Posted by 苗坊   2008年05月13日 21:34
こんばんわ。TBさせていただきました。
もう大分前から文庫を持っていたのですが、もったいなくて読めないでいました。
可愛らしい作品だなぁというのが最初の感想でした。
2人とも純粋なんですよね。好感が持てました。
2人の関係はくすぐったさも感じますけど、私は好きです。
料理!私も食べたいです。
お腹がすいてきますよね〜^^;
2作目、3作目も読んでみようと思います^^
12. Posted by エビノート   2008年05月15日 20:16
苗坊さんへ♪
こんばんは。TBありがとうございました〜♪
二人とも純粋なんですよね。そこに危うさというか不安定な部分を感じたりもしましたが、続きが気になってどんどん読んじゃいました。
美味しそうな料理がめじろ押しだったこともその一因なんだけど(笑)ホント、美味しそうですよね〜。3作目はぜひぜひ文庫版で読まれてみてくださいね!おまけが付いてますよ〜♪
13. Posted by らぶほん   2008年07月04日 16:52
こんにちは。
優しいからこそ傷付きやすい人たちの物語に、すっかりのめり込んでしまいました。
しかも、料理が美味しそうに登場してきます。
私にとってはツボにはまる作品でした。
鳥井の病的(精神的な問題はたしかにありますが)な行動には驚きましたが、彼の背景を知った後には気にならなくなりました。
一歩間違えば共依存症の二人が、愛しく思えた一冊でした。
14. Posted by エビノート   2008年07月04日 20:33
らぶほんさんへ♪
こんばんは。
優しいからこそ傷つきやすい、だけど傷つくだけじゃなくて前に進んでいこうとする姿勢も良かったですよね。前に進めるように、手を差し伸べようとする坂木と鳥井も良かったです。
そして、美味しそうな料理!
食べてみたくなっちゃいますよね〜♪

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