2006年10月05日

ボトルネック 〔米澤穂信〕 3

ボトルネックボトルネック
米澤 穂信

新潮社 2006-08-30
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おすすめ平均

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≪内容≫
懐かしくなんかない。爽やかでもない。
若さとは、かくも冷徹に痛ましい。
ただ美しく清々しい青春など、どこにもありはしない――。
青春ミステリの旗手、最新書き下ろし長編
(出版社/著者からの内容紹介より)

米澤穂信さんの新作、楽しみにしていました。
なのですが、読み終えて呆然。
すごい作品だとは思うんですが、大好き!とは言えません。
複雑な読後感。

兄が死んだその日、二年前に死んだ恋人・諏訪ノゾミを弔うため東尋坊に来ていた僕・嵯峨野リョウは、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。
ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。
不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、会ったことのない女性がポッキーを加えて出てきて、自らを嵯峨野サキと名乗った。
彼女は、存在しないはずの「姉」?
どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。

自分が生きていた世界とは違う、もう一つの世界に紛れ込むという話ですね。
ええっと、パラレルワールドとか、平行世界とか言うんでしたっけ?
こういう世界を描いた物語って、他の作品にもいろいろとあるんだとは思います。
もう一つの世界というと、何だか魅力的に思えてくるのですが、主人公のリョウがいった世界というのも、産まれなかったはずの姉がいて、逆に自分の産まれなかった世界で、同じように見えてやっぱりどこか違っている。
リョウのいる世界では最悪の関係だった両親は、サキの世界では仲良く夫婦で旅行に行っている。
潰れていたネイティブアメリカンアクセサリの店は、サキの尽力で経営状態が好転し、営業を続けている。
また、もうないはずの辰川食堂も営業を続けている。
リョウとサキがお互いの世界を確認しあう「間違い探し」は、最初の方は明るい性格のサキの人柄のおかげか?微笑ましい感じで進んでいきます。
でも、物語が後半に近付くにつれて、リョウの世界とサキの世界とは全く違うということが分かってきます。

タイトルの「ボトルネック」の意味も良く考えられているし、話の構成も上手くてさすが米澤さんだとは思うんです。
そして、出版社/著者からの内容紹介にあるように、
「懐かしくなんかない。爽やかでもない。
若さとは、かくも冷徹に痛ましい。
ただ美しく清々しい青春など、どこにもありはしない――」
って、確かに青春ってそんなものだとも思うんですけど、こんな風にしか書けなかったのかなぁ〜
とことん救いのない話で、気が滅入っちゃいました。
あまりにも残酷で、痛々しすぎます。
ビターテイストは米澤さんの作品ではお馴染み?なんで、(『さよなら妖精』や『夏期限定〜』など)ある程度予想はしていたものの、最後のメールに打ちのめされてしまいました。

単行本
新潮社[2006.8発行]
【読了 2006.10.1】

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や・ら・わ行:米澤穂信 

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1. ボトルネック、米澤穂信  [ 粋な提案 ]   2006年10月05日 11:16
装画はフジモト・ヒデト。装幀は新潮社装幀室。書き下ろし。 主人公で高校一年生の語り手の僕、嵯峨野リョウは2年前に事故死した恋人、諏訪ノゾミを弔うため東尋坊を訪れます。強い眩暈に襲われ崖下へ落ちてしまったはずが、??
2. ボトルネック  米澤穂信  [ 今更なんですがの本の話 ]   2006年10月16日 17:53
二年前に死んだ恋人を弔うために東尋坊へやってきた僕・嵯峨野リョウ。 しかし昏睡状態だった兄が息を引き取ったと連絡を受け、金沢へととんぼ帰りする羽目に。本当にあの人は昔から間が悪かった。 ところが帰ろうとした瞬間、僕は眩暈に襲われ、おまけに突風にあおられ崖....
3. ボトルネック  米澤 穂信  [ モンガの独り言 読書日記通信 ]   2006年10月16日 22:52
ボトルネック 米澤 穂信  257 ★★★★☆  【ボトルネック】 米澤 穂信 著  新潮社  《この若さで書けるのか、やはり大傑作なのか》  内容(「BOOK」データベースより) 恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ち...
4. ボトルネック 米澤穂信  [ 苗坊の読書日記 ]   2006年11月03日 11:03
5 ボトルネック 嵯峨野リョウは東尋坊に来ていた。 諏訪ノゾミが、ここの崖から落ちて死んだのだ。 ノゾミの死から2年。ようやく弔う気になり、現場へ足を運んだのである。 ノゾミは中学2年の時、横浜から金沢へ引っ越してきた女の子。 父親が友人の連帯保証人になって....
5. (書評)ボトルネック  [ たこの感想文 ]   2006年11月04日 21:30
著者:米澤穂信 ボトルネック価格:¥ 1,470(税込)発売日:2006-08-
6. 「ボトルネック」米澤穂信  [ 本のある生活 ]   2006年11月04日 22:35
ボトルネック 米澤さんの青春小説しかもパラレルワールドものということで、パラレルワールドからどうやって元の世界に戻るのか?日常レベルを越えた謎解きがあるのかな・・なんて考えながら、かなり期待をして読みはじめたのです。で、読み終えて呆然としました。後味が....
7. 「ボトルネック」米澤穂信  [ AOCHAN-Blog ]   2006年11月20日 18:29
タイトル:ボトルネック 著者  :米澤穂信 出版社 :新潮社 読書期間:2006/11/02 - 2006/11/03 お勧め度:★★ [ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ] 恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。―はずだった。ところが...
8. 『ボトルネック』 米澤穂信  [ ついてる日記?? ]   2006年11月30日 22:56
ボトルネックposted with amazlet on 06.11.28 米
9. 米澤穂信 「ボトルネック」  [ 聞いてあげるよ君の話を ]   2007年01月06日 23:27
3 かつての恋人ノゾミを弔うため、彼女が死んだ東尋坊に来た僕は 強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった しかし目覚めると、そこは金沢の街並 急いで帰った僕は、自宅で知らない女性に出迎えられる  何かが違う 僕の家のはずなのに間違い探しのように少しづつ....
10. ボトルネック/米澤穂信  [ 狭間の広場 ]   2007年06月28日 17:34
米澤 穂信 ボトルネック …………本、1冊。 丸々使って、主人公に言わせたことが「間違い」だなんて。 これだけ悲しい終わり方は他にないと思います。 救いなんて、これっぽっちもない。 ちょっとだって、夢を見せてくれない。 でも、言わせてもらえるのな...
11. ボトルネック⇔米澤穂信  [ らぶほん−本に埋もれて ]   2008年01月31日 18:05
4 ボトルネック 〔米澤穂信〕 懐かしくなんかない。 爽やかでもない。 若さとは、かくも冷徹に痛ましい。 ただ美しく清々しい青春など、どこにもありはしない…。 恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。…はずだっ....
12. 「ボトルネック」米澤穂信  [ しんちゃんの買い物帳 ]   2008年05月17日 12:47
ボトルネック(2006/08/30)米澤 穂信商品詳細を見る 兄が死んだと聞いたとき、ぼくは恋したひとを、弔っていた。諏訪ノゾミは二年前に死んだ。この..
13. ボトルネック 米澤穂信  [ "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!! ]   2008年05月18日 02:12
4 ボトルネック ■やぎっちょ読書感想文 ざっ、ぷーんの東尋望 東尋望をご存知ない方のためにやぎっちょが物語風にご説明いたしましょう。ある、家庭の食卓。 長女「ねえ今度の週末家族でどこか行こうよ」 母「あら、いいわねぇ。ねぇ、お父さんどうかしら」 父「お....

コメント一覧

1. Posted by 藍色   2006年10月05日 11:57
エビノートさん、こんにちは!
こちらにも、お邪魔しますね。
米澤さんの作品は、ただではすまないと身構えて読んだのですが、今までとは桁違いのすごい衝撃でした。
読んだ後、ダメージが大きくてしばらく何も手につきませんでした。
救いが見つけられないのがつらいですよね。
2. Posted by エビノート   2006年10月05日 19:42
藍色さん
こんばんは!
楽しみにしていたんですが、これはちょっと衝撃が大きすぎました。
ホントしばらく立ち直れないですよね。
気分を変えるために映画を観たり、楽しくなれそうな他の本を読んだりして、ようやく落ち着きつつあります。
ああでも、いつまでたっても忘れられない一冊になりそうです。
3. Posted by ia.   2006年10月06日 19:53
こんばんわ。
米澤さんの新作ですね。「犬の探偵」の話、面白かったんですが、ちょっと雰囲気が違うようですね。でも読んでみたいです。
エビノートさんの紹介されるミステリーが好きで「配達赤ずきん」も読みたくてずっと予約しているのですが、なかなか借りられません。読んだらまたご報告しますね。
4. Posted by エビノート   2006年10月06日 21:13
ia.さん
こんばんは!
『犬はどこだ』ですよね〜あれも最後は衝撃的だったんですが、私の中ではこの作品が一番の衝撃でした。
もしかしたら、心身共に元気なときに読んだ方が良いかもしれません、この本は。

『配達あかずきん』人気なんですかね?
早く順番が回ってくると良いですね!
感想楽しみにしています♪
5. Posted by たまねぎ   2006年10月16日 22:42
エビノートさんこんばんは。
クドリャフカと随分感じが違うのでちょっと驚いてしまいました。
さよなら妖精や夏期限定もビターテイストなんですね覚えときます。
ところでTB頂いたインディゴの記事が行方不明なのですが…
待っていれば帰ってくるでしょうか。
6. Posted by エビノート   2006年10月16日 22:57
たまねぎさん
こんばんは!
クドリャフカとはずいぶん雰囲気が違いますよね〜
まさかこうなるとは!と驚きました。
米澤さんの他の著作では、結末に苦さが残る作品が多いのですが、私の中ではこの作品が一番痛かったですね〜

インディゴのTBは失礼しました〜
書き上げてない状態でTBを送っちゃったみたいです。
改めて、後日TBさせていただきますので、お手数ですが、削除していただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
7. Posted by モンガ   2006年10月17日 21:56
こんばんは。
エビノートさん。
作家さんもいろいろと構成を考えますね。
やっぱり、ラストは強烈な印象が残りました。
8. Posted by エビノート   2006年10月18日 20:13
モンガさん
こんばんは!
構成とかタイトルの意味とか、深いんですよね〜実に上手いと思うんですけど、どうもやっぱり衝撃が大きすぎましたね。
次の作品では明るく楽しい話を書いてほしいです(^_^)
9. Posted by 苗坊   2006年11月03日 11:46
こんにちは〜
私は米沢さん2冊目なんですが、ビターテイストが多いんですね。
ふむふむ・・・
本当にやりきれない作品でしたね。
ここまでイタイ作品を読んだ事がない気がします・・・。
ラストが本当にかわいそうでした。
10. Posted by エビノート   2006年11月03日 21:48
苗坊さん
こんばんは!
続けての米澤作品ですね♪
米澤さんの作品は結末に苦さが残る作品が多いんです。
その苦さがまた良いんですけど、この作品は私の中では一番痛い作品となってしまいました。
最後が辛くて辛くて、ちょっとでも救いがあれば良かったんですけどね。
11. Posted by june   2006年11月04日 22:34
こんな非現実的な設定を作っておきながら、こんな救いのない話になってしまうなんて・・。いまだにこのラストのメールを思い出すとうちのめされてしまいます。
米澤さんのビターテイストは好きなんですが、これはビターどころじゃなかったです。
12. Posted by エビノート   2006年11月04日 23:37
juneさん
こんばんは!
ラストのメールがダメ押しをしちゃった感じですよね〜
この後にどんな希望を持てというんだろう?と考えちゃいました。
ビターテイストというよりは、ビター極まれりという感じですね。
痛ましくて、思い出すとやっぱり辛いです。
13. Posted by Roko   2006年11月30日 22:52
エビノートさん☆こんばんは
それにしても、こんなに多くの人に衝撃を与えたこの作品って凄いですよね。
つらいラストだったけど、リョウはきっと頑張れると信じたいです。
14. Posted by エビノート   2006年12月01日 20:02
Rokoさん
こんばんは!
この作品は衝撃的でした。
つらいラストに引っ張られてしまって、こちらまで落ち込んじゃったんです
選択肢は一つしかないだろうと思っちゃって…
リョウは私の考えるものとは違った選択をするのかな?
そうであってほしいと願いますね〜
15. Posted by きりり   2007年01月06日 23:25
すごい読後感でした 読み終わって え〜!と
春限定...を読んだ時に、こんな感じを書きそうとは思ってましたが終り方が力技的でびっくりです でもこういう感じが多いのですね
16. Posted by エビノート   2007年01月07日 20:58
きりりさんへ♪
こんなに後々まで引きずってしまう作品を書くって、すごいと思うんだけど、何だか認めたくない複雑な心境なんですよね。
読後に苦さの残る作品が米澤さんの作品の特徴かな?と思ってるんですが、私のはこの作品は痛すぎました(>_<)
17. Posted by らぶほん   2008年01月31日 18:09
こんにちは。
読み終えて、しばらくは他の本が読めませんでした。
どうしてここまで残酷な作品が書けるのだろう!という思いと、きれいごとではすまない現実が、突きつけられたような作品でした。
印象に残る一冊!という気がします。
どんな選択をしても、辛い選択には違いないですよね。
18. Posted by エビノート   2008年02月01日 21:46
らぶほんさんへ♪
こんばんは!
この本は読後感を引きずっちゃいますね〜。ココまで救いのない結末の作品は、滅多にないような気がします。
このあとの選択、どっちに行っても辛いですよね〜。
19. Posted by しんちゃん   2008年05月17日 12:50
こんにちは。
黒好きにはたまらない作品でした。
少数意見ですがよろしく〜。肩身が狭い^^;
20. Posted by エビノート   2008年05月17日 22:00
しんちゃんへ♪
黒好きのしんちゃんにはたまらない作品だったんですね〜。
この作品を読んだのは随分前なのに、しっかり内容を覚えてます。面白い♪好き♪って書いてた作品は結構内容など忘れちゃってるのに・・・(^_^;)

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