2006年12月10日

不恰好な朝の馬 〔井上荒野〕 3

不恰好な朝の馬不恰好な朝の馬
井上 荒野

講談社 2006-10-31
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≪内容≫
夫の恋をもう許さないことに決めた妻。
その夫と恋人の奇妙な旅。
教え子との関係に溺れる教師。
その教師の妻のあたらしい習慣。
決して帰ってこない男を待つ女。
その女が忘れられないもう一人の男。
交わり、裏切り合ういくつもの恋と運命を描く、連作小説集。
(BOOKデータベースより)

井上荒野さんの作品初読みです♪
団地とそのそばにある小さな喫茶店「ちさ」に関わりのある人たちの物語でした。
各編がちょっとずつ繋がっていて、他の短編で出てきた人物のその後の様子もほんのちょっと垣間見えて、ちょっと嬉しかったり。

気に入ったのは、「額縁の犬」「初夏のペリメニ」の繋がり。
喫茶店「ちさ」を営む千早さんが登場する話です。
千早さんの事情を「額縁の犬」で知っているだけに、「初夏のペリメニ」で訪れる千早さんの幸せは、素直に良かったねと思えました。
まさか、あの人物と繋がってゆくとは思わなかったので、びっくりでしたけど。

そして、一番のお気に入りは「鹿田温泉」
これは、別れようと思っている若い恋人と旅行する男の話。
目的地は、「鹿田温泉」
別れた妻が引き取った娘がそこで結婚式をするので、その式に出席してほしいと頼まれたからなんですね。
娘の結婚式に、娘より若い恋人を連れていくなんて、どうよ
と、男に対して嫌悪感を感じるかと思いきや……
さにあらず

目的地の「鹿田温泉」は誰に聞いても
「聞いたことないなぁ」と首を傾げられ、
恋人には目的も告げないまま出発したもんだから、
事情を打ち明けて相談することもできず、
おまけに別れようと思ってる相手なのに、
いざとなったら決意が揺らぐ……

どうしよう……と、一人モンモンと悩みながら、
目的地ももうはっきりしないまま、半ばやけくそ気味にバスに飛び乗り、他の乗客が降りるってんで何となく一緒に降りてしまう。
この行き当たりばったりで行動する姿が情けなくも滑稽で、
何やってんのよと苦笑しながら読めました。

そして、奇妙な味わいがあるのが、
男と恋人が乗ったローカル線に乗り合わせた8人の男女。
年齢はさまざまだけど、おそらく一族だろうと思える顔立ちの似た彼ら。
遺骨が入っているだろう箱を囲んで、
奇妙なのは彼らがはしゃいでいるように見えること。
彼らは一体どういう繋がりで、これまでにどういう経緯があったんだろうって言うところが気になって、妙に楽しみながら読んじゃいました。

★収録作品★
「不恰好な朝の馬」(「早朝オペラ」を改題)
「クリームソーダ」
「額縁の犬」
「鹿田温泉」
「スケッチ」
「虫」
「初夏のペリメニ」

単行本
講談社[2006.10発行]
【読了 2006.12.7】

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1. 不恰好な朝の馬  [ ぼちぼち。 ]   2006年12月18日 21:57
『不恰好な朝の馬』井上荒野(講談社) 夫の恋をもう許さないことに決めた妻。その夫と恋人の奇妙な旅。教え子との関係に溺れる教師。その教師の妻のあたらしい習慣。決して帰ってこない男を待つ女。その女が忘れられないもう一人の男。交わり、裏切り合ういくつもの恋...

コメント一覧

1. Posted by プリン   2006年12月13日 21:49
井上 荒野、わたしも好きです☆文章が

この本は読んでいないのですが、この人の本はほんとに不倫の本が多いですね〜(>_<)
この本のあらすじ、『誰よりも美しい妻』とかなりかぶってます〜(^_^;
2. Posted by エビノート   2006年12月14日 00:24
プリンさん
『誰よりも美しい妻』とにたような感じなんですか?
図書館でこれを探したんですが、貸し出し中だったんですよね
次こそは
井上荒野さん、読みやすい文章でいいですねぇ〜
不倫話はいまいち好かんのですが、何だかんだと気になる作家さんになりそうです
3. Posted by ちきちき   2006年12月18日 21:57
エビノートさん、こんばんは。
井上さんの描く女の人は、見た目よりしっかりした人が多い感じがしますが、男の人ってなんかしっかりして見えて情けない人が多い気が…
私も鹿田温泉のエピソードは、何やってんの突っ込みいれながら読んでました。憎めない人でした。

最初の方のお話は読んでて『誰よりも美しい妻』を思い出しました。私は結構好きです。
4. Posted by エビノート   2006年12月19日 21:15
ちきちきさん
こんばんは!
井上さんの小説には男女の傾向があるんですね〜なるほど
ちきちきさんも『誰よりも美しい妻』を連想なさったんですね。
どんな話なのか、ますます気になります!
読んでみますね

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