2006年12月11日

月下の恋人 〔浅田次郎〕 3

月下の恋人月下の恋人
浅田 次郎

光文社 2006-10-21
売り上げランキング : 126248
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

≪内容≫
これで最後、恋人と別れるつもりで出掛けた海辺の旅館で起こった奇跡とは?(表題作)
昭和が昭和であった時代。
ぼろアパートに住む僕の部屋の隣には、間抜けで生真面目で、だけど憎めない駄目ヤクザが住んでいた…(風蕭蕭)。
これぞ短編。これぞ小説。
名手が五年の歳月をかけて書き綴った、心をほぐす物語。
人を想い、過去を引きずり、日々を暮らす。
そんなあなたを優しく包む、浅田次郎待望の最新刊。
(BOOKデータベースより)

浅田次郎さんの短編集です。
この作品集の中にある短編も味わい深かったなあという印象です。
不可思議としか言いようのない出来事が混ざった話や、どこか憎めないヤクザが登場するところなどは浅田次郎さんの持ち味の一つ。
この作品集でも健在でした。

情感があふれる作品も多く、今回も泣かされるか?と思いながら読んだんですよね。
最初の「情夜」、そして「告白」あたりで、ジーンとしてしまって、やばい!と思ったんですが、その後はそうでもありませんでした。

でも、つまらなかったんではないんですよ。
違うところに興味がいっちゃったんです。

それは「黒い森」という短編。

すっきりと収まらない形で物語が締めくくられている物語は、その先がどうなっているのか気になっちゃうことはままあります。
読後に、あれはこうだったかな?
この先はこうなるよね、きっと。
と想像するのは面白いんですよね。
ゾーッとしたり、しみじみとしたり、ほのぼのしたり、
その辺が物語に何ともいえない余韻を残すんですよね。

それは分かっちゃいるんだけど、どう考えても物語の続きが思い浮かばない作品が、「黒い森」でした。

10年の海外赴任から本社に戻ったとたん、ほとんど出会いがしらの恋に落ちた竹中。
戻った会社にいたのは、物静かで目立たないが、頭脳は明晰で仕事も的確な、肌の透けるほど白い美人の笛木小夜子。
小夜子のことをほとんど何も知らないままに、小夜子と結婚の約束をし、それを受け入れてもらった。
結婚してから少しずつ、彼女のことを理解していければいい。
たとえ、小夜子がどれほど意外な秘密を打ち明けても、黙って抱きしめるだけの気構えも出来ている。
そう思っている竹中ですが、社内で噂になっている二人の関係について、上司からは「早くしろ」と言われ、逆に同僚からは「やめとけ」と言われる。
二人の言ったことは正反対なのに、奇妙なことにそれを口にした二人の表情は奇妙なことに似ていた。
二人とも顔をしかめ、毒でも吐くような表情で言ったのだった。
小夜子との結婚には何かあるのか?
小夜子の過去には一体どんなことがあったのか?

小夜子との結婚は、竹中が思う以上に大問題であるようで、
俄然気になって読みすすめるんですが……
結局真相は明らかにならずじまい。
他の短編に何かヒントがあるんじゃないか?と気になって気になって……その後の短編を味わいつくすことが出来なかったのは残念。
いい作品が揃ってたのに!(「同じ棲」や「あなたに会いたい」など好きなんですよ)
結局小夜子って何者なんだろう?
小夜子の抱えているものって何?
最大の謎です。
誰か教えてください〜〜〜

★収録作品★
「情夜」
「告白」
「適当なアルバイト」
「風蕭蕭(かぜしょうしょう)」
「忘れじの宿」
「黒い森」
「回転扉」
「同じ棲」
「あなたに会いたい」
「月下の恋人」
「冬の旅」

単行本
光文社[2006.10発行]
【読了 2006.12.9】

にほんブログ村 本ブログへブログランキング(小)

ebinote at 20:59コメント(10)トラックバック(3) 
あ行:浅田次郎 

トラックバックURL

トラックバック一覧

1. 月下の恋人 浅田次郎  [ Ryu-OnLine 的 LifeStyle ]   2006年12月17日 13:10
 「地下鉄(メトロ)に乗って」を読んでからというもの、すっかりお気に入りでチェックするようになった浅田次郎さんの本です。全く知らなくて買ったのですが11の物語からなる短編集となっております。どの物語も息の呑んで「じ??っ」と読んでしまい、ラストの「ほろっ」と...
2. 月下の恋人  [ stutiyi ]   2006年12月29日 10:23
月下の恋人 浅田 次郎 浅田次郎さんの短編は 物語は短くとも濃い内容が詰まったものばかり。 今回もじっくり味わうことができました。 11の短編の中で次の4編がお気に入り。 [:きのこオレンジ:]「告白」 告白って恥ずかしいし照れくさい。 そんな気持ちの...
3. 名手のさじ加減  [ 活字の砂漠で溺れたい ]   2007年03月14日 23:30
短編小説は、 作家の感性と技術の結晶だと思う。 特に短めの短編にはその趣が色濃く表れる。 たぶん、短編と長編では 書くという技術の有り様が異質なのだ。 短編も長編も、読む者にとっては同じ小説なのに 小説が成り立つまでのプロセスは、 明らかに異なるのだと....

コメント一覧

1. Posted by yori   2006年12月11日 22:48
実は私、けっこうな浅田フリークでして 笑
この本、購入しようと思っています!!
と思いながらも、図書館に心を奪われた今、なかなか決心するのが大変です 笑
2. Posted by エビノート   2006年12月12日 21:55
yoriさん
是非是非読まれてください〜
で、「黒い森」の真相が分かったらこっそりと教えていただけると嬉しいです(←他力本願ですね 汗)
図書館で借りられると思うと、購入するかどうか迷っちゃいますよね〜私も同じです
3. Posted by 菱沼   2006年12月13日 22:39
お久し振りです♪私は雑誌「エッセ」をもらって読んでいるのですが、それに浅田次郎さんのインタビューと、この本の紹介がありました。エビノートさんをそんなに悩ませる本だとは…。気軽に読めませんね。
4. Posted by エビノート   2006年12月14日 19:26
菱沼さん
こんばんは!
浅田次郎さんのインタビュー読まれたんですね。浅田次郎さんといえばこの前TVでインタビューされているのを観ました。続々と作品が映画化されてますもんね〜
短編の一つが謎のままだったんですけど(苦笑)なかなかいい作品が揃ってましたよ♪
気軽に手に取られてみてください(^o^)/
5. Posted by りゅうた   2006年12月17日 15:15
4 はじめまして。勝手にTBさせていただきました。
「黒い森」気になりますね〜。
自分の彼女が・・・て考えてしまいました。
私は「忘れじの宿」が一番好きです。「柵」・・・ですよね。大事にしたいと思いました。
6. Posted by エビノート   2006年12月17日 20:13
りゅうたさん
TB&コメントありがとうございます!!
「黒い森」りゅうたさんも気になりますか?
あの続きは一体どうなるのか、どこかで書いて欲しいです(>_<)
りゅうたさんの彼女は謎多き人物なのですか?少しずつ理解しあえたらいいですよね。
「忘れじの宿」も印象深い作品で、私も好きです。
7. Posted by りゅうた   2006年12月18日 00:10
「黒い森」はその先はあなた次第ってところなのでしょう。自分の彼女がどうなのか結論を浅田さんに求めるのも何だかな〜と思いました。正面から向き合いたいものです。・・・でも会社の役員会やら親からも見離されてしまうこの女性って・・・?何者?
エビノートさん福岡なんですね。
8. Posted by エビノート   2006年12月18日 19:50
りゅうたさん
やっぱり自分で想像するしかないんですかね・・・想像力が乏しいので、いろいろ考えてはみたけれど、お母さんにどれも否定されちゃったんですよね(^_^;)
まぁ、分からないから話が謎めいていて印象深いということもありますよね。

あ、そうなんです。
生まれも育ちも福岡ですよ〜〜(^_^)
9. Posted by yori   2007年03月14日 23:34
「黒い森」は微妙でしたね 笑
女を信じるも疑うも男次第、
といったことなんだと思うのですが
(逆も真なりですね!!)
よくわかりません 苦笑
私は風蕭蕭と回転扉が好きです!!
10. Posted by エビノート   2007年03月15日 21:52
yoriさんへ♪
こんばんは!
読まれたんですね〜〜
やっぱり「黒い森」は謎ですねぇ・・・
女を信じるも疑うも男次第
男を信じるも疑うも女次第
確かに、真理ですよね〜
竹中は小夜子を信じることができるのか、
いろいろと想像を巡らせる作品ですね
「風蕭蕭」はヤクザが印象的な作品、「回転扉」は何だか不思議な味わいがある作品だったように記憶してますが、ちょっと自信ないです(^_^;)

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
プロフィール

エビノート

rssなど
【ほんぶろ】にて、
特集ページを
作成していただきました♪
↓↓
エビノートの特集ページ


Subscribe with livedoor Reader
月別記事
お気に入り
いらっしゃいませ♪
メールはこちらから
アクセス解析
QRコード
QRコード
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: