2007年04月10日

秘密。―私と私のあいだの十二話 〔吉田 修一・他〕 4

秘密。―私と私のあいだの十二話 (ダ・ヴィンチ・ブックス)秘密。―私と私のあいだの十二話 (ダ・ヴィンチ・ブックス)
ダヴィンチ編集部

メディアファクトリー 2005-03
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≪内容≫
レコードのA面・B面のように、ひとつのストーリーを2人の別主人公の視点で綴った短編12編。
たとえば、宅配便の荷物を届けた男と受け取った男の扉をはさんだ悲喜こもごも、バーで出会った初対面の男女、それぞれに願いを叶え合おうといった男の思惑、応えた女の思惑など…。
出来事や出会いが立場の違い、状況の違いでどう受けとめられるのか、言葉と言葉の裏にあるものが描かれた不思議な一冊。
(BOOKデータベースより)

あっという間に読めるアンソロジーなんですけど、それぞれの話が味わい深くてとっても良かったです。

一つのストーリーを、二人の別主人公の視点で描く12話。
同じ事象でも、立場や境遇が違えば、受けとめ方も違う。
そして、表題に『秘密。』とあるように、登場人物たちはそれぞれに秘密を抱えています。
秘密を含んだストーリーにすることで、それぞれの作品がより魅力的になっているような気がします。
謎めいた部分を感じさせる人に興味を惹かれるのと、相通ずる感覚ですね。
その秘密は、他人に打ち明けても何ら支障のない秘密もあります。
もちろん、他人にばれないように気をつけなくちゃいけない秘密もある。
登場人物の内面や、境遇だったり種別はさまざま。
そして、多くの場合登場人物たちは、お互いがどんな秘密を抱えているのか分からないまま行動するんですね(秘密を共有している場合もありますが)。
読んでいるこちらは、彼らの秘密を俯瞰した形で読み進めることができるんだけど、短いストーリーにも関わらず、最後にえ?と驚いたり、上手いなぁ〜と唸らされる構成の妙もあって、作品の奥行きを感じました。

それぞれ、あまりにも短いストーリーなので(長くても4ページ×2だもの)内容紹介はやめますが…
森絵都さんの作品は、ふふふと微笑みたくなる読後感で好きです。
小川洋子さんの作品は、電話アーティストというちょっと不思議な職業が魅力的。
北村薫さんの作品は、ちょっとブラックユーモア交じりで、これも笑いました。
伊坂幸太郎さんの作品は、作品間のリンク目当てだったんですが、なんてことないストーリーの中にもセンスある言葉がキラリと光る作品でした。
三浦しをんさんの作品は、爆笑!!いやぁ〜いいですよ、この作品!

★収録作品★
吉田修一
「ご不在票―OUT-SIDE―」「ご不在票―IN-SIDE―」
森絵都
「彼女の彼の特別な日」「彼の彼女の特別な日」
佐藤正午
「ニラタマA」「ニラタマB」
有栖川有栖
「震度四の秘密―男」「震度四の秘密―女」
小川洋子
「電話アーティストの甥」「電話アーティストの恋人」
篠田節子
「別荘地の犬 A-side」「別荘地の犬 B-side」
唯川恵
「〈ユキ〉」「〈ヒロコ〉」
堀江敏幸
「黒電話―A」「黒電話―B」
北村薫
「百合子姫」「怪奇毒吐き女」
伊坂幸太郎
「ライフ システムエンジニア編」「ライフ ミッドフィルダー編」
三浦しをん
「お江戸に咲いた灼熱の花」「ダーリンは演技派」
阿部和重
「監視者/私」「被監視者/僕」

文庫
メディアファクトリー[2005.3発行]
【読了 2007.4.4】

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1. 秘密。―私と私のあいだの十二話  [ 積ん読本増殖計画 ]   2007年04月10日 23:55
 先日から、記事の引越し作業が続いています。[:冷や汗:] そんな中で、記事が あると思っていたのに、なかったのがこの本。きっと、前の前のブログから前の ブログに移るときに、移すのを忘れていたらしいです。しょうがないので、再読 してアップ。 [:嬉しい:] ...
2. 秘密。私と私のあいだの十二話 吉田修一 他  [ 色々なポイント+α ]   2007年08月18日 01:06
秘密。私と私のあいだの十二話 吉田修一 他 レコードのA面・B面のように、ひとつのストーリーを2人の別主人公の視点で綴った短編12編。たとえば、宅配便の荷物を届けた男と受け取った男の扉をはさんだ悲喜こもごも、バーで出会った初対面の男女、それぞれに願いを...

コメント一覧

1. Posted by 上州あられ   2007年04月10日 23:53
こんばんは。この本、私も好きです。結構、贅沢な1冊ですよね。この本がきっかけで、森
絵都さんの本を読むようになりました。

2. Posted by エビノート   2007年04月11日 21:45
上州あられさんへ♪
TBありがとうございました。
本当に贅沢な一冊ですよね。
あっという間に読めるんですけど、それぞれ味わい深くって、上質なアンソロジーでした。
挿入された写真もいい感じだし♪
今まで手に取ったことのない作家さんの本を手に取るきっかけにもなりますよね。
3. Posted by しお   2007年08月18日 01:04
短いなりにそれぞれの作家さんごとにおもしろみがありましたね。しかしながら、今まで読んだことのない作家さんに興味をもってしまい、どうしましょ!って感じです・・・
4. Posted by エビノート   2007年08月18日 21:48
しおさんへ♪
アンソロジーを読むと、気になる作家さんが増えますよね。
アンソロジーをきっかけに他の著作を手に取るというパターン、結構多いです。
そうそう、堀江さんの作品が高校の現代文の教科書に載っていて、ビックリでした!

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