2008年01月18日

雨の塔 〔宮木 あや子〕 3

雨の塔雨の塔
宮木 あや子

集英社 2007-11
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≪内容≫
ここは「世界の果て」。
捨てられたわたしたち。いちばん孤独なのはだあれ?
陸の孤島の学園。ルームメイト。少年のような少女。すべてが揃い、運命は静かに回り始める。
『花宵道中』の大型新人による、濃密な香気漂う大人のための少女小説。
(単行本・帯より)

昨年『花宵道中』を絶賛されているのを見かけて、気になっていた宮木あや子さん。
『花宵道中』は未読のままなんですが、新作の『雨の塔』を読んでみました。

資産家の娘だけが入学できる、岬にある学校。
授業に参加するもしないも勝手だし、ダウンタウンに行けば、衣服も食べ物も欲しいものが思いのままに購入できる。
けれど、新聞もテレビもなく、学校に届く手紙や小包の類も検閲されており、外の世界の情報は与えられない。そして自由も。
少女たちは閉ざされた世界で、家のための“駒”として使われる日を待つばかり。
そんな学校に高校卒業後入学した4人の少女たちの物語。
まるで西洋の少年のような矢崎実と、中国人デザイナーを母に持つ小津ひまわり。
三島翁の妾腹の子である三島敦子、そして物心ついた頃からずっと三島と一緒にいた都岡百合子(リリコ)。

陸の孤島の学園。
捨てられた少女たち。
という設定で、真っ先に思い出したのは恩田陸さんの『麦の海に沈む果実』でした。
理瀬シリーズの続刊はまだかなぁ〜。
早く読みたい!!

と、話を戻してこの作品です。
4人の少女それぞれの視点から物語は進み、彼女たちがそれぞれに抱えた鬱屈や哀しみが徐々に浮き彫りになってゆきます。
寮で同室の矢崎と小津。そして三島と都岡。
それぞれに親しくしつつも、お互いのことに深く干渉しないという距離感を保っていたのに、時が経つにつれてその関係が形を変え始める。
別の相手に関心を持ったり、そのことで誰かが嫉妬したりと、彼女たちの感情の揺れが細やかに描写されていたと思います。
マフィンの甘い香り、ファッション雑誌、ピアノの音色、彼女たちの世界は魅力的で美しいものに溢れているのに、そこに漂っているのは満たされない寂しさ、そして諦めが何だか切ない。
大きく心を揺さぶられるということはなかったんだけど、それでも彼女たちの思いが静かにしみこんでくるような作品でした。
『花宵道中』も読んでみよう〜♪

単行本
集英社[2007.11発行]
【読了 2008.1.7】

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1. 「雨の塔」宮木あや子  [ ナナメモ ]   2008年01月18日 23:41
雨の塔 宮木 あや子 JUGEMテーマ:読書 風化した港町の岬にある全寮制の学校。授業に出るも出ないも全く自由。学校の自動販売機、カフェや売店、なんでも揃うダウンタウンでの買い物も全て学生証一つで大丈夫。外部からの情報は一切遮断され、送られて来る荷物は全て...
2. 雨の塔  [ ぼちぼち ]   2008年01月28日 18:52
JUGEMテーマ:読書 四人の少女たちが織りなす愛と孤独の物語 資産家の娘だけが入れる特別な学校に「捨てられた」四人の少女たち。閉じた空間で生まれる愛情、執着、嫉妬。濃密で危うい感情の行く先は――。大人のための“少女小説”。集英社HPより デビュー作『花宵道...
3. 雨の塔/宮木あや子  [ 徒然書店 ]   2008年02月02日 16:55
5 もう2月…(+_+) 「雨の塔」/宮木あや子 四人の少女たちが織りなす 愛と孤独の物語。 資産家の娘だけが入れる 特別な学校に「捨てられた」四人の少女たち。 閉じた空間で生まれる愛情、執着、嫉妬。 濃密で危うい感情の行く先は―。 大人のための“少女小説”。 ―出版社/....
4. 『雨の塔』/宮木あや子 ◎  [ 蒼のほとりで書に溺れ。 ]   2008年11月07日 21:58
家や一族の企業のために「使われ」る、妾腹の娘や訳ありな娘たちが集められている、全寮制女子学校。大学に当たるその四年間、全く外へ出ることが出来ず情報からも隔離される、陸の孤島。そこで出会った4人の娘たちの、美しくも儚く哀しい孤独。 ・・・こういう雰囲気、すっ...

コメント一覧

1. Posted by なな   2008年01月18日 23:44
こんばんは。
私も恩田さんの「麦の海に沈む果実」を思い出しました。
こちらの方が女の子だけで、濃く甘いにおいでしたね。
寂しい女の子達が閉ざされた世界で作り上げる関係。すごく息苦しかったです。
2. Posted by エビノート   2008年01月19日 21:29
ななさんへ♪
こんばんは!
確かに女の子だけということで、より濃密な感じでしたね〜。女の子の世界らしい彩りもあるけれど、全体の印象はとっても寂しい感じでした。
3. Posted by ちきちき   2008年01月28日 18:51
こんばんは。

なんだかものすごく閉塞感のある息苦しく成るような作品でした。ちょっと動かしたら壊れてしまうような雰囲気で…

『花宵道中』はもっとストレート!な感じで?オススメです。ぜひぜひ。
4. Posted by エビノート   2008年01月28日 20:06
ちきちきさんへ♪
こんばんは!
お帰りなさ〜い♪

この作品、閉塞感がありましたね〜場所が場所だけにってのもあるけど、4人の関係もそうでした。
ちょっと動かしたら、壊れてしまう雰囲気、そうそう!すっごく危うい感じでしたね。
『花宵道中』はもっとストレートな感じ?なんですね♪楽しみです♪
5. Posted by 弥勒   2008年02月02日 16:54
文章の綺麗さに脱帽しました。
切なくて苦しいですね。
ですがこうゆうの好きです!!!
6. Posted by エビノート   2008年02月02日 22:31
弥勒さんへ♪
宮木さんの本を知ったのは、弥勒さんの記事がきっかけでした〜。
『花宵道中』は未読ですが、この作品もなかなか良い感じ。
文章も上手いし、少女たちの思いの切なさも伝わってきましたね〜。
『花宵道中』と、そして近々発売予定という新作も楽しみです!
7. Posted by 水無月・R   2008年11月07日 22:11
エビノートさん、こんばんは(^^)。
だんだん透明になっていくような、彼女たちの姿が、痛々しかったです。
静かに、そこにある孤独・・・。
そのあまりに儚い美しさに、つい感傷的になってしまいました。とても、せつない物語でしたね。
8. Posted by エビノート   2008年11月08日 19:29
水無月・Rさんへ♪
こんばんは!
彼女たちの姿、痛々しかったですね〜。閉ざされた場所で生きる彼女たちの姿は、脆くて儚くて。
でも、宮木さんの文章で読むと、その脆さも儚さも美しく思えました。

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