2008年10月11日

チュウは忠臣蔵のチュウ 〔田中 啓文〕 3

チュウは忠臣蔵のチュウチュウは忠臣蔵のチュウ
田中 啓文

文藝春秋 2008-09
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≪内容≫
もし四十七士の討ち入りが、忠義ではなく単なる勘違いだったら?
日本人なら誰もが知っているお話を大胆に読み替えた傑作パロディ
(出版社HPより)



笑酔亭梅寿謎解噺』シリーズがお気に入りの田中啓文さん。
落語を扱ったこのシリーズ以外の作品はこれまで読んでなかったんですが、新刊本のコーナーにこの本があったので思わず手に取ってしまいました。
「忠臣蔵」の話やん!表紙はユーモアがあるイラストだし、楽しそう♪ってことで。
この作品は落語ではなく、各章のはじめに講談の手法を使って書かれていましたよ。

(パンッ)
お早々からのおつめかけでありがたくお礼申し上げまする。
ただいまから申し上げるのは、日本人なら誰もが知っている、元禄快挙録は忠臣蔵のおうわさにございまする。
時は、元禄十四年、播州赤穂五万三千石の城主浅野内匠頭長矩が、江戸城殿中松の廊下において、高家肝煎吉良上野介義央に、私の意趣遺恨をもって刃傷に及びましたるところより始まりまする。
内匠頭は公儀より即日切腹を命ぜられ、浅野家は断絶。一方の吉良には何の咎めもございませんでした。
この処分に不満をもった浅野家の旧臣四十七名、元城代家老大石内蔵助良雄を総大将として、翌元禄十五年十二月十四日、本所吉良邸に討ち入り、見事仇敵上野介の首を討ち取ったる出来事。
当時の江戸町民はもとより日本国中の人々が義士よ義士よと拍手喝采で迎え、平成の御世に至るまで大石内蔵助をはじめとして浅野家の四十七士は忠義の者と称えられておるのでございまする。
(パン!パンッ!)
しかし、世の中なべて表あるものには裏があるのは道理。
そもそも浅野内匠頭が江戸城殿中で刃傷沙汰に及びましたのは、吉良上野介に常日頃いびり倒されていた憤懣を晴らさんがためと、よく知られた事情は本当の本当のところは少々事情が異なっておりまする。
また、即日切腹を命ぜられた浅野内匠頭が実は…、また皆様もよくご存知のとある御方がこの騒動の裏側で糸をひいておるという驚きの真相が隠れておりますれば、そのあたりのところを本日皆皆様にとくとお聞かせいたそうと思っているしだいでございまする。
それでは、しばしお付き合いくださいませ……。

と、各章のはじめに登場する謎の講談師の真似っこをして内容紹介らしきものを書いてみました。
さすがにこういう語り口調が続くと疲れる…と思いましたが、途中からは普通の文章になっているのでスイスイ読めますよ。
そして、忠臣蔵のあの出来事の真相は実はこういうものだった…という事情が語られる部分は、可笑しすぎる。
刃傷沙汰を起こしたきっかけは浅野内匠頭のコンプレックスが原因だとか、天下の悪法がまかり通っていた時代に不都合なことを隠さんとしたためとか、やる気がまったくない大石内蔵助のハチャメチャぶりだとか、本当のところはどうだったのか分からないけれど、勘違いにつぐ勘違い、成り行きまかせの顛末、これはこれで楽しいと思いながら最後まで読んじゃいました。
忠臣蔵の主要メンバーだけでなく、将軍徳川綱吉、柳沢吉保ら、そしてあの人もこの人もおお!知ってる知ってる!という元禄時代の有名人が総出演。
こんな風に忠臣蔵のエピソードにかかわってくるんかいな!という楽しみもありました。
終始楽しいドタバタ喜劇といった感じ。

単行本
文藝春秋[2008.9発行]
【読了 2008.10.9】

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1. チュウは忠臣蔵のチュウ 田中啓文  [ 色々なポイント+α ]   2008年11月30日 02:07
チュウは忠臣蔵のチュウ 田中啓文 討ち入りはほんとうに義挙だったのか?そこには封印された奇想天外な陰謀が存在した!四十七士に吉良上野介、水戸黄門まで加わっての元禄バトルロワイヤル。(「BOOK」データベースより) おそらく大筋はこの作品通りなんだろう....

コメント一覧

1. Posted by ia.   2008年10月13日 01:02
こんばんわ。
新作なんですね。面白そう〜!
忠臣蔵というのも親しみがあって良いですね。
私も笑酔亭梅寿シリーズしか読んだことがないので、今度読んでみたいです。
でも意外と人気らしくて、梅寿の新作がまだ回ってこないんですけど。
2. Posted by percy   2008年10月14日 09:05
新作なんですね。
エビノートさんのおかげで、笑酔亭シリーズを楽しめたので、
これも楽しそう♪早速、探します!
読み終わったら、また報告に参ります!
3. Posted by エビノート   2008年10月14日 20:11
ia.さんへ♪
田中さんの新作、忠臣蔵のお話でした〜。感想にも書きましたが、終始楽しいドタバタ喜劇といった感じでいろんなところでプププッっと笑ってしまいました。楽しかったですよ〜。
笑酔亭シリーズのあとにでも、ぜひ♪
4. Posted by エビノート   2008年10月14日 20:13
percyさんへ♪
新作ですよ〜。笑酔亭シリーズ以外の作品は、どうかなぁ?という気持ちで手に取ったのですが、とっても可笑しくって楽しい作品でした。
ぜひぜひ♪感想聞かせてくださいね〜♪
5. Posted by percy   2008年11月07日 09:21
こんにちは。
先日、読み終えました〜。
ものすごく、面白くて笑いながら楽しみました。

やる気がまったくない大石内蔵助にすっかりはまりました。おいおい!と、つっこみながら。でも、もしかして。なんて思うとワクワク。

次は、どんな作品で楽しませてくれるのか気になります。
6. Posted by エビノート   2008年11月07日 20:40
percyさんへ♪
こんばんは。
終始ドタバタしていて、面白くって、笑い転げながら読んじゃいました。
大石内蔵助ってこんなひとだったの?とうっかり勘違いしちゃいそうで困りました(^_^;)
田中さんの新作もだし、梅寿シリーズ以外の本は読んだことないので他の作品も読んでみたいと思います。
7. Posted by しお   2008年11月30日 02:24
読んだ!時間かかった・・・・。漢字が読めない・・・。
以前「泣き虫弱虫諸葛孔明」を読んだときのエビノートさんのアドバイス通り、読めないのは雰囲気で読んでもなんとなくわかったから、今度からもこの作戦でいきます!

しかし、これは時代考証は、あってるんですよね?!生類憐れみの令とか綱吉とか、水戸黄門が死んでるとか?!日本史は苦手でした・・・。

面白かったからいいか!浅野内匠頭・吉良上野介・大石内蔵助が面白い!
8. Posted by エビノート   2008年11月30日 19:16
しおさんへ♪
こんばんは。
漢字は難関ですよね〜。私もいつものように雰囲気で乗り切りました(^_^;)
生類憐れみの令が行われていた時期に、仇討ちがあったのは実際のところらしいですよ。私も詳しくないので、違っているかもしれませんけど。
時代考証はともかく、面白かったですよね〜。いろんなところで笑ってしまいました♪

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