2008年11月18日

夜の光 〔坂木 司〕 4

夜の光夜の光
坂木 司

新潮社 2008-10
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おすすめ平均

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≪内容≫
慰めはいらない。癒されなくていい。本当の仲間が、ほんの少しだけいればいい。
本当の自分はここにはいない。高校での私たちは、常に仮面を被って過ごしている。家族、恋愛、将来……。問題はそれぞれ違うが、みな強敵を相手に苦戦を余儀なくされている。そんな私たちが唯一寛げる場所がこの天文部。ここには、暖かくはないが、確かに共振し合える仲間がいる。そしてそれは、本当に得難いことなのだ。
(出版社HPより)

坂木司さんの最新作♪

ジョー(中島翠)
ゲージ(青山孝志)
ギィ(安田朱美)
ブッチ(黄川田祐一)

同じ天文部に所属していても、ほぼ二年間お互いにこれといった交流はなかった4人。先輩たちが引退して初めての4人で定例会、そしてそのあと駅前のビルで顔を合わせた。「だってこんなのって、絶対運命だからさ。つながってるんだよ、きっと」というゲージの言葉で、〈昼間は他人、夜は仲間〉として絆を結び、スパイのように特別な関係を築いていくことを決めた。ジョー、ゲージ、ギィ、ブッチは彼らのコードネーム。スパイのようにとはいっても決してお遊びではなく、彼らはそれぞれにミッションをこなしている。自分の将来を自分で引き寄せるためのミッションを。

4人それぞれに自分の問題と闘っている。他人からは闘っているように見えなくても、自分の将来を切り開くために、強敵と闘っている。その闘いは自分のためのものだけど、でもずっと緊張してるばかりじゃポキンと折れてしまう。そこで息抜きする時間と空間が必要。それが天文部での観測会だし、同じように何かと闘っている仲間の存在。自分たちをスパイになぞらえる彼らが、互いにふっと肩の力を抜いて過ごせる場所を得ている様子がとても良かった。相手の問題に余計な干渉はしないけれど、相手が本当に困っている時には迷わず手を差し伸べるそんな信頼関係。もたれあいじゃないそんな関係が温かかったです。
校舎の屋上、広がる夜空、温かくて美味しいコーヒー。自分を偽らなくてもいい仲間。そんな関係がとっても良い。
学校の裏庭で目撃された季節はずれのホタルの光、ブッチのアルバイト先でのおかしなピザの注文、文化祭の模擬店でジョーにぶつけられた突然の悪意、白くてだらーんと垂れた毛皮をぶら下げ校内をうろつく女などについての謎解きも良かったけれど、何よりも良かったのは主人公4人の関係でした。

★収録作品★
「季節外れの光」
「スペシャル」
「片道切符のハニー」
「化石と爆弾」
「それだけのこと」

単行本
新潮社[2008.10発行]
【読了 2008.11.9】

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1. 夜の光   〜坂木 司〜  [ My Favorite Books ]   2008年11月19日 21:39
高校の天文部に所属する4人の男女。 それぞれがスパイとして 目に見える、あるいは、目に見えないモノと日々戦っている。 それは価値観??.
2. 「夜の光」坂木司  [ しんちゃんの買い物帳 ]   2008年11月27日 20:35
夜の光(2008/10)坂木 司商品詳細を見る 慰めはいらない。癒されなくていい。本当の仲間が、ほんの少しだけいればいい。本当の自分はここにはいの..
3. 夜の光(坂木司)  [ Bookworm ]   2008年12月09日 14:32
これいい!とっても良かった。がぁーっと迫るものはないんだけど、いつの間にか胸一杯になんともいえない気持ちが・・・。
4. 夜の光/坂木司  [ hibidoku〜日々、読書〜 ]   2009年01月05日 23:41
JUGEMテーマ:読書 読書期間:2008/12/21〜2008/12/23 [新潮社HPより] 慰めはいらない。癒されなくていい。本当の仲間が、ほんの少しだけいればいい。 本当の自分はここにはいない。高校での私たちは、常に仮面を被って過ごしている。家族、恋愛、将来……。問題は...
5. 夜の光 坂木司  [ 苗坊の徒然日記 ]   2009年02月25日 00:05
5 夜の光 オススメ! 「季節はずれの光」 コードネーム:ジョー=中島翠。ジョーの戦場は家庭。昭和の考えを持った両親は女性の幸せは結婚だと思い込み、勉強を続けていきたいジョーには辛いものだった。勉強し、家から遠い大学へ行くことが、ジョーの目標だった。ジョーは....
6. 『夜の光』  [ blog mr ]   2009年07月31日 07:31
 坂木司  新潮社  来ました来ました。  ざくっとえぐる甘いだけじゃない青春小説。食べ物つき。坂木作品の王道。  読み終わって、「ふー」と満足の息が漏れる。  それにしてもよくそういうところに着眼するよな、と思う。「日常の謎」系作者には観察力が要求されるの...

コメント一覧

1. Posted by す〜さん   2008年11月19日 21:42
まぁ謎ときのことはおいといて・・・。
この4人の遠すぎず近すぎず、
でもどこかでお互いを必要としている関係が
読んでいて非常に心地よかったです。
コーヒー飲めないけど、
ギィの入れるコーヒーは飲みたいなぁ〜と思いました。
今気付いたんですけど、
みんな名前に色が入ってるんですね。
2. Posted by エビノート   2008年11月20日 19:26
す〜さんへ♪
4人の関係が良かったですね〜。このくらいの距離感が彼らにはちょうど良かったのかも知れません。
そうそう、ギィの入れるコーヒー飲んでみたいです。
日ごろインスタントばっかりなので。
おお!確かにみんな名前に色が入ってますね〜。
色をコードネームにしてもよさそうなのに、その選択をしなかったのは他人からより推測されないがためだったんでしょうか。あるいは、より現実の自分と遠い存在になりたいってことだったのかな。って、イロイロ考えちゃいます。
3. Posted by しんちゃん   2008年11月27日 20:35
こんばんは。
彼らの家族がサイテーでした。何度もムカッときました。そんな彼らにとってはスパイでいることが安らぎだったのでしょうね。全然スパイじゃないけど。(おっと)

思ったことを書いたら、エビノートさんと似たようなことを書いていました。かなりビックリ!

4. Posted by エビノート   2008年11月28日 22:27
しんちゃんへ♪
こんばんは。
そうですね〜。彼らの家族はそれぞれムカッとくることが多かったですね。唯一ムカッとこなかったのはゲージの家族くらい。
肩の力を抜いて付き合えるそんな場所が、4人にあって良かったなぁ〜と思いました。

本から感じること、似ていたんですね〜。違った意見もなるほど!ってなるけれど、感じるところが似ているとそれもまた嬉しいものですね♪
5. Posted by すずな   2008年12月09日 14:34
こんにちは。
良い作品でした〜!
がぁーっと迫るイキオイはないんですが、心に沁みる感じ。
4人の関係が良かったですね。学生時代に、こんな仲間にめぐり合えた彼らがチト羨ましかったりもしましたけど^^;
6. Posted by エビノート   2008年12月09日 20:26
すずなさんへ♪
こんばんは。
これ良いですよね〜。
おっしゃるとおり、心に沁みる感じ。
4人の関係が素敵でしたね。
飛び続ける鳥が羽を休める場所、それが天文部の仲間たちのいる場所だったんでしょうね。
7. Posted by 苗坊   2009年02月25日 00:15
こんばんわ。TBさせていただきました。
4人の関係、良いですよね。
丁度良い距離間なんですよね。つかず離れず。
でも、誰かがピンチの時はそっと寄り添う。
いいですねぇ。
私はコーヒーはインスタントの方が飲めるのですが、ギィの淹れたコーヒーは飲みたいです。
8. Posted by エビノート   2009年02月28日 19:33
苗坊さんへ♪
こんばんは。TBありがとうございます♪
4人の関係が良かったですよね〜。
お互いの前では、ちょっと一息つける関係、読んでいるこちらもほっと一息つくことが出来ました。
苗坊さんもインスタント派ですか〜。私もそうなんです。手軽だから、ついついインスタントで飲んじゃいますけど、ギィのように丁寧にコーヒーを淹れるのもたまにはいいかもしれないですね。
一番は、ギィに淹れてもらいたいけれど。

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