2009年02月19日

光 〔三浦 しをん〕 3

光
三浦 しをん

集英社 2008-11-26
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≪内容≫
天災ですべてを失った中学生の信之。
共に生き残った幼なじみの美花を救うため、彼はある行動をとる。
二十年後、過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生き残り・輔が姿を現わす。
あの秘密の記憶から、今、新たな黒い影が生まれようとしていた―。
(BOOKデータベースより)

三浦しをんさんの新作小説。
というには、購入してからだいぶ経ちますが、やっと読みました。

美浜島を襲った津波で、全てを失った信之と美花、輔。
彼らがその後の人生が描かれますが、重苦しくって息ができない。
運命という一言では片付けられない理不尽な出来事、突然襲ってきた暴力に対しては誰もが無力なのだろうか、あきらめるしかないんだろうか。
「光」というタイトルなんだけれど、いったい何に光を求めればいいのか…分からなくなってくる。
手に入れた家族との幸せ、娘の椿の成長に光を見出せたなら、ずいぶんと生きるのが楽になるんだろうに、そういう風には描いていない三浦しをんは容赦ない。
そもそもこの作品の登場人物たちは、光射すもの、希望など一切信じていないのかも知れない。
まるで一切の光が射さない海の底を、さらに目隠しをしたままさまよっているかのような印象を受けました。
かすかな希望の光さえも津波によって、災害から生じた喪失感と罪とによって奪われてしまったのだろうか。
そうだったら、なんて哀しいのだろう。

単行本
集英社[2008.11発行]
【読了 2009.2.13】

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1.   [ どくしょ。るーむ。 ]   2009年02月21日 00:25
著者:三浦 しをん 出版社:文藝春秋  感想文: 三浦しをんさんの、サスペンスタッチ犯罪風小説。 これまで爽やか系の作品しか読んだことがなかったので、最初から最後まで意外な感じがしました。 小さな島から端を発した事件が20年の歳月を経て新たな不幸と愛憎を生...
2. 光  三浦しをん  [ 今更なんですがの本の話 ]   2009年02月21日 23:33
モヤモヤ本の2冊目は三浦しをんさんの『光』です。この本が出た時に刊行記念で三浦さんと角田さんのトークショーがあったんですよね。心底行きたかったんだけど、都合がつきませんでした。残念。 その代わりという訳ではないのですが、集英社のサイトで見つけたインタビュ....
3. 「光」三浦しをん 感想  [ ポコアポコヤ ]   2009年02月26日 08:40
う〜読み終わって思ったことは、この本を既に読み終えているあるお友達が言っていた「しをんさん、がんばったんです」という、まさにその一言につきるなあ・・・と。ほんと、よくがんばって書き上げたな〜と、私も思いました。
4. 三浦しをん『光』  [ 時折書房 ]   2009年03月01日 07:05
3 光クチコミを見る 反照としての、光。 内容(「BOOK」データベースより) 天災ですべてを失った中学生の信之。共に生き残った幼なじみの美花を救うため、彼はある行動をとる。二十年後、過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生き残り・輔が姿を現わす。あの秘密の....
5. 『光』 三浦しをん (集英社)  [ 続 活字中毒日記 ]   2009年04月08日 19:04
<三浦しをんの底力を見せた作品であるが・・・> 小説すばる掲載分に加筆・訂正。 美浜島を襲った津波で生き残った子供3人。 中学生の信之、美花、小学生の輔。 何もかも失った3人はある秘密(罪ですね)を共有していた。 過去を封印し別々の人生を歩んでいた彼ら...
6. 光/三浦しをん  [ それでも本を読む ]   2009年04月22日 18:11
光(2008/11/26)三浦 しをん商品詳細を見る <あの三浦しをんが、圧倒的な筆力で描くダークな小説> 久しぶりに三浦しをんさんの作品を読みまし??.
7. 『光』/三浦しをん ○  [ 蒼のほとりで書に溺れ。 ]   2009年05月19日 22:50
この『光』は圧倒的な質量をもって、水無月・Rを打ちのめした。三浦しをんさんは、とてつもない作家さんだと思う。 『君はポラリス』で「ただならぬBLも悪くない」なんて思わせておいて、『風が強く吹いている』で「この人すげぇ!笑いのツボを押しまくりだよ!」と大ウケし...
8. 光 三浦しをん  [ 苗坊の徒然日記 ]   2009年06月06日 10:40
光 暴力はやってくるのではない。帰ってくるのだ。 理不尽をかいくぐり生きのびた魂に、安息は訪れるのか―― 天災ですべてを失った中学生の信之。共に生き残った幼なじみの美花を救うため、彼はある行動をとる。二十年後、過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生....
9. 光<三浦しをん>−(本:2009年)−  [ デコ親父はいつも減量中 ]   2009年09月16日 23:12
光クチコミを見る # 出版社: 集英社 (2008/11/26) # ISBN-10: 4087712729 評価:69点 津波という圧倒的な自然の暴力の前に、島の住民は中学生の3人と2人の大人を残してみんな一瞬で死んでしまった。 そんな体験の中で、さらに黒い秘密を共有した子供達が、東京に....

コメント一覧

1. Posted by ia.   2009年02月21日 00:36
こんばんわ。
タイトルを逆手に取るような哀しい話でしたね。
サラリとした読み口や淡々とした感情がいっそう怖い感じがしました。
読んだ後、いろいろ考え込んでしまい、ぼーっとしちゃいました。
2. Posted by たまねぎ   2009年02月22日 02:12
容赦なかったですよね。暗闇を照らす光ではなく、暗闇へと導く光。一度そんなものにとらわれてしまったらもはや為す術はないのだと言われているようで、絶望的な気分になってしまいました。
3. Posted by エビノート   2009年02月23日 20:11
ia.さんへ♪
こんばんは。
> タイトルを逆手に取るような哀しい話でしたね。
本当にそうですね〜。
もうちょっと明るいものがあると思っていたんですが、
予想以上に哀しくって、
読み終えた後もモヤモヤとしたものが残ってしまいました。
彼らのその後をイロイロ考えちゃいますね〜。
少しでも光射すほうへ歩んで行ければ良いのだけどって。


4. Posted by エビノート   2009年02月23日 20:23
たまねぎさんへ♪
こんばんは。
容赦なかったですよねぇ〜。その容赦なさに、かなり打ちのめされてしまいました。
けれども、仰るように「暗闇へと導く光」ってあるんだろうなぁと思います。
その光って、希望の光と最初は良く似ているのかもしれませんね。
似て非なるものだと気づいたときには、もう引き返せないのかもしれません。
5. Posted by 時折   2009年03月01日 07:08
おはようございます。
TBさせていただきました。
何だか妙なざらつきが残りました。
圧倒的な失敗作のような気がします。
6. Posted by エビノート   2009年03月04日 19:14
時折さんへ♪
こんばんは。
TBありがとうございました♪
もやもや、ざらざら、読後に残る作品でしたね〜。しばらくはこの感じを引きずってしまいました。
失敗作かどうかは分かりませんが、意欲作だなぁ〜と感じました。
7. Posted by トラキチ   2009年04月08日 19:06
3 エビノートさん、こんばんは♪
しをんさん本当に容赦ないですよね。
驚きました。
本当に失敗作かどうかわかりませんが、支持される読者は少ないと思います。
将来、異色作であると語り継がれる作品であってほしいなと思います。
8. Posted by エビノート   2009年04月12日 21:23
トラキチさんへ♪
こんばんは。
ほんと容赦なかったですね〜。
どこにも『光』を見出せなくって、こちらまで絶望の底を見せ付けられたような気がします。
意欲作でもあり、異色作でもあり、好きというより印象に残る作品でしたね。
9. Posted by よし   2009年04月22日 18:18
こんにちは。
強烈に印象に残る作品でしたよね。
「光」とは暗闇を指し示す光のようです。
と、すれば南海子が選んだ道こそ、そうだったのではないでしょうか。
それにしても、疲れました。
10. Posted by エビノート   2009年04月22日 23:47
よしさんへ♪
こんばんは。
ほんとうに強烈に印象に残りますよね〜。しをんさん、頑張ったんだなぁ〜と思います。
南海子の選んだ道、その先に光があるといいですね。娘のためにそう祈りたいです。
11. Posted by 水無月・R   2009年05月18日 22:57
エビノートさん、こんばんは(^^)。
「光」というタイトルの意味、皆さんのおっしゃる「暗闇へ導く光」・・・なるほどです。全然思いつきませんでした。
とにかく、陰惨な結末(日常生活には戻るけれど、ドロリとした真実を飲み込んだまま)に、なんとも救いのない、暗い気持ちになりました。
しをんさんは、怖ろしい人ですね・・・。
12. Posted by エビノート   2009年05月19日 21:48
水無月・Rさんへ♪
こんばんは。
『光』というタイトル、光なんて全くないじゃん!と読んでいる時は思ってたんですけど、皆さんのコメントの「暗闇へ導く光」になるほどなぁ〜って私も思いました。
でも、現実の生活では、明るい場所へ導く光をできることなら感じたいですよね。登場人物たちの姿が、どうしようもなくやり切れませんでした〜。
13. Posted by 苗坊   2009年06月06日 10:46
こんにちは。TBさせていただきました。
タイトルはそういう意味で捉えるといいんですね〜皆さん凄い。私も光なんてないじゃん!って思いました^^;
ここまで嫌いな人ばっかり登場する作品も珍しいです^^;
誰も彼もちょっと異常でした。
14. Posted by エビノート   2009年06月12日 20:34
苗坊さんへ♪
こんばんは。
TBありがとうございます!
そうそう。光なんてないじゃん!って思っちゃいますよね〜。でも、皆さんのコメントを見て、なるほどなぁ〜と納得でした。
できれば、希望の光を感じていたいですよね〜。
何でこう、暗い方向ばかり見ちゃうんだろうと読んでいてやるせなさばかりが残っちゃいましたもの。

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