2009年04月14日

子どもたちは夜と遊ぶ 上・下 〔辻村 深月〕 4

子どもたちは夜と遊ぶ(上)子どもたちは夜と遊ぶ (下)
≪内容≫
優しく触れようとしても壊してしまう、大人になりきれない子どもたちは、暗い恋の闇路へと迷い込んでしまった…。同じ大学に通う仲間、浅葱と狐塚、月子と恭司。彼らを取り巻く一方通行の片想いの歯車は、思わぬ連続殺人事件と絡まり、悲しくも残酷な方向へと狂い始める。掛け違えた恋のボタンと、絶望の淵に蹲る殺人鬼の影には、どんな結末が待っているのか。
(上巻 BOOKデータベースより)

辻村深月さんを読もう!ってことで、『子どもたちは夜と遊ぶ』です。

月子と浅葱、狐塚、恭司らの大学生活と人間関係、そして「i(アイ)」と「θ(シータ)」と名乗る謎の人物が起こす童歌になぞらえた連続殺人事件が描かれる作品です。
「θ(シータ)」が誰かということはすぐに分かります。
分かるように書かれているから。
そして「i(アイ)」も、たぶんこういうことだろう…と予想をつけながら読んでゆくことができます。
それがおおよそのところ的中するんですが、それでも辻村さんです。
一筋縄ではいきませんねぇ〜。
あの二人の関係が、ああだとは全く分かりませんでした。
(って、これじゃあ読んでいない人には何のことやら?ですよね。でもこうとしか書けないのです)
辻村さんの作品を読むのは、これで4作目。
同じような仕掛けは体験済みだったはずなのに、またしてもやられました〜。
おかしいなぁ〜?と思ったのに、いつの間にかスルーしちゃったんですよね。
ああ・・・。
前提になっていた二人の関係が実は全く違う姿であったと分かった時、それは取り返しの付かない悲劇が起こってしまった直後であったために、その驚きといったらありませんでした。
なんて、やりきれないのだろう!とそのやりきれなさに胸がえぐられる感じ。
ほんのちょっとボタンを掛け違えたせいで、後戻りすることが出来ない場所に誰もが追い込まれてしまうなんて。
それでも悲劇の後に救いが最後にもたらされるところは、辻村さんの優しさであるような気がします。
もうどうしようもないところに来てしまったけれど、相手がどこかで生きている、相手の幸せが生きる希望となる。
そんな想いに涙してしまいました。

童歌をモチーフにした連続殺人事件、この事件の描写はやっぱり読んでいてう〜〜っとなる苦しいものでしたし、童歌をモチーフにした事件というには童歌を取り上げる必然性に物足りなさを感じるところもありましたが、それでも面白かったです。
事件の後に浮かびあがる悲恋と救いに大いに心を揺さぶられました。

いちばんのお気に入りは、恭司です。
彼の行動に思わず拍手喝采を贈りたくなっちゃった (笑)
ところで、『ぼくのメジャースプーン』で登場した先生は、もしかしてこの作品に登場する秋先生かしらん?
次は『ぼくのメジャースプーン』を再読しようっと!

新書
講談社[2005.5発行]
【読了 2009.4.11】

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1. 子どもたちは夜と遊ぶ(上・下)(辻村深月)  [ Bookworm ]   2009年11月16日 17:29
ふっふっふっふっ。と、ほくそ笑みながら心の中でガッツポーズ。今回は読みが当たりましたよ。あの二人はそうじゃないかと思ってたのよねぇ??。そして、「i」と「θ」の正体もそういうことだと思ってたのよねー。やったね。なんか、すんごく嬉しーっ。

コメント一覧

1. Posted by すずな   2009年11月16日 17:31
ちょっとした誤解だったのに、それがやりきれない結末を生んでしまって…。切なくてたまらないお話でしたね。
でも、ラストではちょっとだけ救いがあってよかったです。私も思わず涙してしまいました。
2. Posted by エビノート   2009年11月18日 21:09
すずなさんへ♪
これは、切ない話ですよねぇ〜。
違う結末はないのか・・・と考えちゃいました。
どんより沈んだ気持ちで終わるのかと思いきや、ラストにはこちらも救われました。
それは正しくないことかもしれないけれど、泣けて泣けてしょうがなかったです。

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