薬剤師の地域医療日誌

薬剤師が臨床や地域医療にどのように関われるか、EBMを実践しながら模索しています。このブログは個人的な勉強記録です。医学文献の2次資料データベースとして医師、看護師、薬剤師その他のスタッフや患者様に役立てれば幸いです。情報に関しては知識不足の面から不適切なものも含まれていると思われます。またあくまで個人的な意見も含まれております。掲載の情報は最新の文献等でご確認の上、運用していただければ幸いです。

ご利用ありがとうございます。個人的に気になった論文を紹介しています。

メインブログの「地域医療の見え方」(http://jp.bloguru.com/syuichiao)、「思想的、疫学的医療について」(http://syuichiao.hatenadiary.com/)もよろしくお願い致します。

ご意見、ご質問などは(syuichiao@gmail.com)までお寄せください。

2012年04月

A Clinical Trial to Maintain Glycemic Control
in Youth with Type 2 Diabetes


The New England Journal of Medicine
 

April 29, 2012 (10.1056/NEJMoa1109333)
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1109333#t=abstract

若年層の2型糖尿病患者に対する薬物治療。

あくまで代用のアウトカムだが。。

 

背景

若年層の2糖尿病増加にもかかわらず、

治療の助けとなるデータはほとんどない。

最近の発病のタイプ2糖尿病の子どもおよび10代の患者の中で

永続性の血糖コントロールを達成する、

3つの治療計画の効能を比較しました。

 

方法

10から17歳の患者を以下の3群にrandomly assigned

1)メトホルミン単独(233例)

2)メトホルミン+ロシグリタゾン(233例)

3)メトホルミン+ライフスタイル介入(234例)

メトホルミン=1000mg/日 分2

 

The primary outcome :血糖コントロールの喪失

glycated hemoglobin level of at least 8% for 6 months

またはsustained metabolic decompensation requiring insulin

 

average follow-up of 3.86 years

 

結果

失敗率

メトホルミン単独:51.7% (120 of 232 participants),

メトホルミン+ロシグリタゾン:38.6% (90 of 233),

メトホルミン+ライフスタイル介入:46.6% (109 of 234)

 

RosiglitazoneMetforminは、

metformin単独より優れていた。(P=0.006)

メトホルミン+ライフスタイル介入は

メトホルミン単独または

メトホルミン+ロシグリタゾンと大きな差はなかった。

 

メトホルミンによる単独療法は、

2型糖尿病の子どもおよび10代の患者の

およそ半数で永続性の血糖コントロールに関係。

集中的なライフスタイル介入を上乗せするのではなく

ロシグリタゾンの追加は

メトホルミン単独より優れていた。

このエントリーをはてなブックマークに追加

Effect of antihypertensive therapy on incident stroke in cohorts
with prehypertensive blood pressure levels
: a meta-analysis of randomized controlled trials.

Stroke. 2012 Feb;43(2):432-40. Epub 2011 Dec 8.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22156683?dopt=Abstract

 

高血圧患者においては降圧治療により

脳卒中等の心血管イベントが抑制されるエビデンスは豊富。

前高血圧(収縮期血圧120-139mmHg

拡張期血圧80-89mmHg)については

そのベネフィットは不明である。

 

SBP120-140mmHgDBP90mmHgの患者を対象とし

降圧薬とプラセボを比較し,

致死的/非致死的脳卒中の発生率が報告されたRCT

を抽出。16試験70,664例をメタ分析

Beggの順位相関法による出版バイアスなし(P0.33

 

実薬群ではプラセボ群に比して脳卒中リスクが有意に低下し

RR0.7895%CL0.71-0.86P0.000001 I ²18.0%

異質性バイアスなし

NNT169例(平均治療期間4.3年)

続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

Angiotensin receptor blockers and risk of cancer

: cohort study among people receiving antihypertensive drugs

in UK General Practice Research Database

BMJ2012;344doi: 10.1136/bmj.e2697(Published 24 April 2012)

Cite this as:BMJ2012;344:e2697

http://www.bmj.com/content/344/bmj.e2697


コホート研究にて癌の発生をARBACEIで比較検討

対照患者

377 649 new users of angiotensin receptor blockers

or ACE inhibitors with at least one year of initial treatment.


全癌 と乳がん, 肺がん、結腸癌、前立腺がんの

各発がんリスクについて検討

Follow-up ended a median of 4.6 years


全がん:adjusted HR 1.03,  95% CL 0.99 to 1.06, P=0.10

乳がん:.adj HR 1.11  95%CL 1.01 to 1.21, P=0.02;

前立腺がん:adj HR1.10,  95%CL 1.00 to 1.20, P=0.04

肺がん:adj HR 0.84, 95%CL 0.75 to 0.94)

結腸がん:adj HR  1.02, 95%CL  0.91 to 1.16).


Angiotensin-receptor blockade and risk of cancer: meta-analysis of randomised controlled trials

The Lancet Oncology, Volume 11, Issue 7, Pages 627 - 636, July 2010

http://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(10)70106-6/abstract

9つのRCTのメタ分析

新規癌の発生リスク

risk ratio [RR] 1·08, 95% CI 1·01—1·15; p=0·016

ここでは前立腺癌、乳癌のリスク増加はなし。


ARBと発がんリスク

薬剤師としてどう向き合うべきか。

このエントリーをはてなブックマークに追加

J-ROCKET AF試験

Japanese Rivaroxaban Once daily oral direct Factor Xa inhibition Compared with vitamin K antagonism for prevention of stroke and Embolism Trial in Atrial Fibrillation

http://www.animalhealth.bayerhealthcare.com/4007.0.html?&tx_ttnews%5Btt_news%5D=2004&cHash=9151ff8521ae408bed10d3b55eaedb41

Phase III J-ROCKET AF Study of Bayer’s Xarelto®

(rivaroxaban) Meets Primary Endpoint

 

リバロキサバンの日本人を対象にしたRCT

 

P:脳卒中または一過性脳虚血発作、

全身性塞栓症の既往がある患者。

または以下の2つ以上を有する

脳卒中リスクの高い非弁膜症性心房細動患者1,280

1)うっ血性心不全

2)高血圧

375歳以上

4)糖尿病

Erivaroxaban 15mg/日投与群

640例, CCr3049mL/分の場合は10mg/日)

C:(2)ワルファリン投与群

640例, INR70歳未満は2.03.070歳以上では1.62.6

O:複合主要安全性評価項目:

重大な出血または重大ではないが臨床的に問題となる出血

複合主要有効性評価項目:

脳卒中または非中枢神経系塞栓症

 

主要安全性評価項目

rivaroxaban18.0/100人・年,

ワルファリン群16.4/100人・年

HR1.1195CI 0.871.42

rivaroxabanの非劣性が示された(P0.001

解析対象を両群ともに639

 

主要有効性評価項目

ワルファリン群(2.61/100人・年)

rivaroxaban群(1.26/100人・年)

HR 0.4995%CL 0.241.00P0.050

解析対象は両群ともに637

このエントリーをはてなブックマークに追加

以前より、添付文書には

低カルチニン血症に伴う低血糖への注意記載がありましたが、

今月25日付でPMDAより注意文書が掲載されています。

http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/tekisei_pmda_08.pdf

 

20121月末までに全報告件数は31件。

最も副作用報告の多かった年齢は1歳で,38例中20例を占めていた。

低血糖 31

痙攣や振戦症状が24例,

後遺症ありの症例が3

 

 副作用発現までの薬剤使用期間

14日間以上」27例で最多

14日間未満」9例。

投与開始翌日の発症例も報告あり。

 

ピボキシル基を有する薬剤は以下のとおり

*セフカペンピボキシル(フロモックス)

*セフジトレンピボキシル(メイクト)

*セフテラムピボキシル(トミロン)

*テビペネムピボキシル(オラペネム)

*ピブメシリナム塩酸塩(メリシン)

 

投与日数にかかわらず、小児科領域では

断続的にこれらの薬剤が継続されていることもあるので

注意したいと思います。

薬歴を見てこれらの薬剤がトータルで

長期間服用し続けている患者さんには注意が必要です。

 

また上気道炎や急性副鼻腔炎等では

必ずしも抗生剤が必要かどうかという検討も必要ですが

薬剤師の立場でどこまで介入できるかという問題もあります。

起因菌と薬剤感受性などのデータ等から

抗生剤の投与が必要かどうか

必要な抗生剤は何か、

処方医と連携できればすばらしいことと思います。

 

(参考)大阪大学医学部付属病院臨床検査部

感染微生物免疫検査部門

抗菌薬感受性率表(年次別感受性率表)

http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/hp-lab/rinkenhome/subfile/DCMI/index.htm

このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ