薬剤師の地域医療日誌

薬剤師が臨床や地域医療にどのように関われるか、EBMを実践しながら模索しています。このブログは個人的な勉強記録です。医学文献の2次資料データベースとして医師、看護師、薬剤師その他のスタッフや患者様に役立てれば幸いです。情報に関しては知識不足の面から不適切なものも含まれていると思われます。またあくまで個人的な意見も含まれております。掲載の情報は最新の文献等でご確認の上、運用していただければ幸いです。

ご利用ありがとうございます。個人的に気になった論文を紹介しています。

メインブログの「地域医療の見え方」(http://jp.bloguru.com/syuichiao)、「思想的、疫学的医療について」(http://syuichiao.hatenadiary.com/)もよろしくお願い致します。

ご意見、ご質問などは(syuichiao@gmail.com)までお寄せください。

2015年06月

Ussher M, Lewis S, Aveyard P.et.al. Physical activity for smoking cessation in pregnancy: randomised controlled trial. BMJ. 2015 May 14;350:h2145. PMID: 25976288
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25976288
背景と研究デザイン:妊娠中の禁煙のための身体活動介入の有効性を検討したランダム化比較試験。

P:16歳~50歳の妊娠女性(10週から24週)789人(平均27.2~27.8歳、妊娠前の1日喫煙数中央値20本[IQR12-20]
E:禁煙予定日の1週間前より、週に6回禁煙のための行動支援介入に加え、身体活動consultingやエクササイズを14セッション行う393人
C:禁煙予定日の1週間前より、週に6回禁煙のための行動支援介入を行う395人
O:呼気一酸化炭素または唾液コチニン濃度によって検証された禁煙予定日から出生までの期間における禁煙持続割合(自己申告に基づく)
統計解析:789人中785人がITT解析

アウトカムE群C群調整オッズ比[95%CI]
持続禁煙割合30人/392人(8%)25人/393人(6%)1.37[0.78~2.41]


バレニクリンの臨床試験などと比較すると、禁煙達成者が少なすぎる印象。喫煙妊娠女性の禁煙動機づけはかなり難しいことがうかがえる
このエントリーをはてなブックマークに追加

Alpérovitch A, Kurth T, Bertrand M.et.al. Primary prevention with lipid lowering drugs and long term risk of vascular events in older people: population based cohort study. BMJ. 2015 May 19;350:h2335. PMID: 25989805
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25989805
背景と研究デザイン:高齢者におけるスタチンやフィブラートなどの脂質低下療法と血管イベントとの関連(一次予防効果)を検討した前向きコホート研究

P:フランスの3つの都市に在住している66歳以上の心血管疾患の既往のない高齢者7484人(平均79.3歳、女性63%)
E:スタチンやフィブラートを用いた脂質低下療法の実施
C:脂質低下療法を行わない
O:冠動脈疾患、脳卒中
交絡因子への配慮:年齢、性別、糖尿病、BMI,喫煙、飲酒、高血圧、不整脈、抗血栓薬、トリグリセリド濃度、LDL、HDL

調整ハザード比[95%CI]
アウトカムスタチンorフィブラートスタチンフィブラート
冠動脈疾患+脳卒中0.91[0.76~1.09]0.88[0.69~1.13]0.95[0.75~1.20]
脳卒中0.66[0.49~0.90]0.68[0.45~1.01]0.66[0.44~0.98]
冠動脈疾患1.12[0.90~1.40]1.13[0.84~1.52]1.12[0.84~1.49]


症例数がそれほど多くないせいかもしれないが、曖昧な結果。しかし実効性としてはスタチンと言えどこの程度なのかもしれない。フィブラートで脳卒中が減っているのにはちょっと意外だった。今後の研究に注目したい。
このエントリーをはてなブックマークに追加

Vigod SN, Gomes T, Wilton AS.et.al. Antipsychotic drug use in pregnancy: high dimensional, propensity matched, population based cohort study. BMJ. 2015 May 13;350:h2298. PMID: 25972273 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25972273
背景と研究デザイン:妊娠中の抗精神病薬の与える影響を検討したコホート研究

P:カナダオンタリオ州において2003年から2012年に単生児を出生した妊娠女性(平均28.8歳)
E:第一、第二トリメスター期に抗精神病薬を使用1021人
C:抗精神病薬の使用なし1021人
O:妊娠糖尿病、妊娠高血圧、静脈血栓塞栓症、早産(37週未満)、出生体重
交絡への配慮:高次元傾向スコアマッチング

母体のアウトカム
アウトカムE群C群調整相対危険
妊娠糖尿病71人(7.0%)62人(6.1%)1.10[0.77~1.57]
妊娠高血圧48人(4.7%)42人(4.1%)1.12[0.70~1.78]
静脈血栓塞栓症12人(1.2%)13人(1.3%)0.95[0.40~2.27]

出生児のアウトカム
アウトカムE群C群調整相対危険
早産児148人(14.5%)146人(14.3%)0.99[0.78~1.26]
低体重児62人(6.1%)51人(5,1%)1.21[0.81~1.82]
過体重児36人(3.6%)23人(2.3%)1.26[0.69~2.29]

このエントリーをはてなブックマークに追加

Kim SC, Schneeweiss S, Choudhry N.et.al. Effects of Xanthine Oxidase Inhibitors on Cardiovascular Disease in Patients with Gout: A Cohort Study. Am J Med. 2015 Feb 3. pii: S0002-9343(15)00086-8. PMID: 25660249
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25660249
背景と研究デザイン:高尿酸血症と痛風は、心血管疾患(CVD)のリスク増加と関連している。しかしながら、アロプリノールやフェブキソスタットなどのキサンチンオキシダーゼ阻害剤(XOIs)で高尿酸血症を治療することで心血管リスク増加を修正できるか不明である。血清尿酸値≥6.8 mg/dLの高尿酸血症の人を対象にXOIsの有効性を検討したコホート研究

P: US insurance claims dataより24,108人、平均51歳、男性88%
E:痛風患者におけるキサンチンオキシダーゼ阻害薬の使用あり
C:血清尿酸値≥6.8 mg/dLの高尿酸血症におけるキサンチンオキシダーゼ阻害薬の使用なし
O:非致死的心血管アウトカム( 心筋梗塞、冠動脈血行再建術、脳卒中、心不全)

交絡への配慮:傾向スコアマッチング

アウトカムE群C群ハザード比[95%CI]
非致死的CVD24.1/1000人年21.4/1000人年1.16[0.99~1.34]


痛風治療におけるキサンチンオキシダーゼ阻害薬の治療は、高尿酸血症未治療と比べて非致死的心血管アウトカムを減らさなかった。
このエントリーをはてなブックマークに追加

Wang S, Yang L, Wang L.et.al. Selective Serotonin Reuptake Inhibitors (SSRIs) and the Risk of Congenital Heart Defects: A Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies. J Am Heart Assoc. 2015 May 19;4(5). PMID: 25991012
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25991012
背景と研究デザイン:妊娠女性におけるSSRIの安全性を検討した前向きコホート研究のメタ分析。

P:4つの前向きコホート研究に参加した第1トリメスター期の妊娠女性1996519人
E:SSRIの使用あり
C:SSRIの使用なし
O:胎児の先天性心欠損

SSRIの使用は先天性心欠損リスクに関連せず。
オッズ比:1.06 (95%信頼区間 0.94~1.18)
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ