薬剤師の地域医療日誌

薬剤師が臨床や地域医療にどのように関われるか、EBMを実践しながら模索しています。このブログは個人的な勉強記録です。医学文献の2次資料データベースとして医師、看護師、薬剤師その他のスタッフや患者様に役立てれば幸いです。情報に関しては知識不足の面から不適切なものも含まれていると思われます。またあくまで個人的な意見も含まれております。掲載の情報は最新の文献等でご確認の上、運用していただければ幸いです。

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2017年09月

Severe Hypoglycemia is a Risk Factor for Atrial Fibrillation in Type 2 Diabetes Mellitus: Nationwide Population-Based Cohort Study

Journal of Diabetes and Its Complications

Published online: September 19, 2017

DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.jdiacomp.2017.09.009

 

[目的] 本研究では、2型糖尿病(T2DM)の成人患者における重度低血糖症(SH)と新規発症心房細動(AF)、全原因死亡との関連性を検討した。

 

[方法] 200511日から20081231日までにおける韓国の国民健康保険データベースを用いて30歳から75歳までのT2DM患者を後ろ向きに解析した。一次アウトカムはSH発症後にICD-10コードを使用して新たに診断された非弁膜性AFであった。

 

[結果] 1,509,280人の参加者のうち、健診前の3年間で10,864人(0.72%)の患者がSHイベントを発症し、8.5年間のフォローアップ期間中に合計48,916人(3.24%)において初回AFエピソードが発生した。AFの発生率は、SHを有する群よりも、SHを有さない群より有意に高かった。 多変量調整後、以前のSHAF発症の重大な危険因子であった(HR 1.10,95CI 1.01-1.19)。全死因死亡も、過去のSHイベントを有する患者、AF発生を伴う以前のSHにおいて、SHイベントを伴わない患者と比較して有意に増加した。

 

[結論] SHイベントの既往は、T2DM患者の新規AF発症および全死因死亡のリスク増加と関連していた。

 

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Rudnicka AR.et.al. Sleep Duration and Risk of Type 2 Diabetes. Pediatrics. 2017 Sep;140(3). PMID: 28811317

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28811317

 

[背景] 小児期の睡眠持続時間と2型糖尿病(T2D)リスクマーカーとの間の関連性はほとんど研究されていない。小児の自己報告睡眠持続時間とT2Dリスクマーカーとの間の関連性を調べた。

 

[方法] 9歳から10歳までの4525人を対象とした英国の横断研究。 睡眠時間は、自己報告された通常の就寝時間と、登校のために起きる時間から計算された。空腹時血液サンプルは、血清脂質およびインスリン、血漿グルコース、およびHbA1cのレベルを測定した。身体的尺度には、身長、体重、生体インピーダンス、および血圧が含まれた。

 

[結果] 小児は平均10.5時間睡眠であった(95%信頼区間8.0-12.0時間)。 睡眠期間、肥満、および糖尿病リスクマーカーの間には、逆の段階的な関係が強かった。調整モデルにおいて、睡眠時間1時間長くなるごとに、BMI0.19[95%信頼区間0.090.28]低下、脂質質量指数0.03/m5[95%信頼区間0.000.05]低下、空腹時血糖0.24[95%信頼区間0030.44]低下した。HbA1cもしくは心血管リスクに差はなかった。

 

[結論] 小児における睡眠持続時間とT2Dリスクマーカーとの間の逆相関の発見は新規である。 早期T2D予防のための簡単な戦略を提供することができるこれらの関連の因果関係を確立するために介入研究が必要である。

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Lindholt JS.et.al. Population screening and intervention for vascular disease in Danish men (VIVA): a randomised controlled trial. Lancet. 2017 Aug 25. [Epub ahead of print] PMID: 28859943

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28859943

 

[背景] 腹部大動脈瘤は、スクリーニングの標的とされる唯一の心血管疾患である。 本研究では、腹部大動脈瘤、末梢動脈疾患および高血圧を合わせたスクリーニングおよびそれに続く介入の効果を検討する。

 

[方法] このランダム化比較試験では、デンマークに在住の6574歳男性を腹部大動脈瘤、末梢動脈疾患、高血圧の総合健診を実施する群と検診を実施しない群に1:1にランダム化した。非検診群および結果を評価する研究者のみが盲検化された。腹部大動脈瘤や末梢動脈疾患が疑われた場合、確定診断について案内を行い、適切な薬理学的療法を開始した。また、腹部大動脈瘤の年間管理、外科的修復を行い、高血圧の疑いのある参加者を一般開業医に紹介した。一次アウトカムはランダム化より5年間で評価された全原因死亡とした。

 

[結果]2008108日~2011111までの間に50156人が登録され、検診群25078人、非検診群25078人にランダム化された。スクリーニング群の4名(<1%)の参加者は追跡できなかった。

追跡期間中央値4.4[IQR3.94.8]後において、検診群25074人のうち2566人(10.2%)、非検診群25078人のうち2715人(10.8%)が死亡した。ハザード比は0.93[95%信頼区間0.880.98]とわずかに低下した。(絶対危険減少0.006[95%信頼区間0.0010.011]NNT169[891811]

各疾患・病態における10万人年あたりの発症率は、検診群、非検診群でそれぞれ糖尿病39954129、頭蓋内出血146140、腎不全612649、癌35783719、心臓手術後30日以内の死亡44.5739.33でいずれも群間差を認めなかった。

 

[結論] 腹部大動脈瘤、末梢動脈疾患、および高血圧による死亡リスクの観察された減少は、これまでのスクリーニング文献では決して見られておらず、主に薬理学療法の開始に関連している可能性がある。健康政策立案者は、スクリーニング検査や隔離された腹部大動脈瘤のスクリーニングが現在提供されていないかどうかを総合的に審査することを検討すべきである。

 

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Veerasingam P.et.al. Vaccine Education During Pregnancy and Timeliness of Infant Immunization. Pediatrics. 2017 Sep;140(3). pii: e20163727. PMID: 28821625

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28821625

 

[背景]妊娠中の女性は、幼児に予防接種を接種させたほうがよいのか、あるいはそれに反対するような情報を日常的に受け取る。本研究では、母親の予防接種に関する情報減と、予防接種情報が幼児の予防接種の遅延と関連しているかどうかを評価した。

 

[方法]ニュージーランドにおいて、20092010年に生まれた子供のコホートデータを分析。 中央値で39週の妊娠女性(N = 6822)を対象に、幼児の予防接種を奨励するか、または控える情報源を記載してもらった。解析コホートの幼児が受けた予防接種は、全国予防接種レジストリを介して決定された。 予防接種の遅延と予防接種情報との独立した関連付けは、調整オッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を用いて算出。

 

[結果]予防接種の情報源は6822人の女性のうち6182人(91%)によって記述された。このうち2416人(39%)が予防接種に対して肯定的な情報を受け取り、846人(14%)は否定的な情報を受け取り、565人(9%)は両方の報を受け取った。

 

予防接種に関する情報を受け取らなかった女性の乳児(71%は定期接種)と比べて、否定的な情報のみを受けた母親の乳児(57%が定期接種)ではオッズ比0.4995%信頼区間 0.380.64]、肯定的、肯定的両方の情報を受け取った母親の乳児(61%が定期接種)ではオッズ比0.5195%信頼区間 0.420.63]と予防接種の定期接種割合が減少した。一方で肯定的な情報のみを受けた母親の乳児(73%が定期接種)では、予防接種のオッズに有意差が付かなかった。オッズ比 1.0095%信頼区間0.871.15

 

[結論]妊娠中の予防接種に関する否定的な情報取得は、肯定的な情報を取得していたとしても、その接種遅延に関連していた。対照的に、予防接種に肯定的な情報のみを取得していた場合、予防接種の遅延と関連していなかった。

 

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Yin J.et.al. Relationship of Sleep Duration With All-Cause Mortality and Cardiovascular Events: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies. J Am Heart Assoc. 2017 Sep 9;6(9). PMID: 28889101

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28889101

http://jaha.ahajournals.org/content/6/9/e005947?cpetoc=

 

[背景]睡眠期間が死亡および心血管疾患のリスクに及ぼす影響は、依然として議論の余地がある。本研究では、睡眠時間と総死亡、心血管疾患、冠状動脈疾患および脳卒中のリスクの用量反応関係を定量化することを目指した。

 

[方法]健常者集団において、睡眠時間といくつかのアウトカムを検討した2016121日までに報告された前向きコホート研究をPubMed、およびEmbaseでシステマティックに検索。

 

睡眠時間とすべてのアウトカムの関連にはU時の相関が見られた。もっともリスクの少ない睡眠時間は7時間であった。

 

総死亡について、7時間未満睡眠は睡眠時間が1時間減少するごとに1.0695%信頼区間1.041.07]増加。7時間以上睡眠では1時間増加するごとに1.1395%信頼区間1.111.15]増加。

 

心血管疾患についても同様に、7時間睡眠から、睡眠時間が1時間経るごとに1.0695%信頼区間1.031.08]、1時間増加するごとに1.1295%信頼区間1.081.16]、

 

心血管疾患についても同様に、7時間睡眠から、睡眠時間が1時間経るごとに1.0795%信頼区間1.031.12]、1時間減るごとに1.0595%信頼区間1.001.10

 

脳卒中についても同様に、7時間睡眠から、睡眠時間が1時間経るごとに1.0595%信頼区間1.011.091時間減るごとに1.1895%信頼区間1.141.21

 

[結論]本知見は短期間および長期間の睡眠期間の両方が、全原因死亡および心臓血管事象のリスクの増加と関連していることを示している。

 

[コメント]本研究では67研究f3 582 016例が解析されている。結果は7時間を起点にU字カーブを描くというもの。

http://jaha.ahajournals.org/content/ahaoa/6/9/e005947/F2.large.jpg

 

 

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