【文献タイトル・出典】

High-Dose Supplements of Vitamins C and E, Low-Dose Multivitamins, and the Risk of Age-related Cataract: A Population-based Prospective Cohort Study of Men.

Am J Epidemiol. 2013 Feb 17. [Epub ahead of print] PMID:23420353

【論文は妥当か?】

Patient:スウェーデンにおける45歳から79歳の男性31120

Exposure:高用量ビタミンCサプリメント、高用量ビタミンEサプリメント使用

Comparison:サプリメントの使用なし

■調整した交絡因子:抄録に記載なし

Outcome:白内障の発症

■研究デザイン:集団ベース前向きコホート研究

■追跡期間8年(19981月から200612月)

【結果は何か?】

■ビタミンCサプリメントの使用は非使用と比べて白内障リスクが増加する

調整ハザード比:1.21 (95%信頼区間1.04,1.41)

■ビタミンEサプリメントの使用は非使用と比べて白内障リスクが増加する

調整ハザード比:1.59 (95%信頼区間 1.12, 2.26)

【結果は役に立つか?】

抗酸化サプリメントの有用性は近年、数多くのエビデンスで否定的な見解が続いています。

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今回は白内障に関する報告ですが、コクランシステマテックレビューでもその有効性に明確な根拠はないとしています。

Antioxidant vitamin supplementation for preventing and slowing the progression of age-related cataract. Cochrane Database Syst Rev. 2012 Jun 13;6:CD004567PMID:22696344

今回の報告では、さらにリスク増加に関連しているという結果でなかなか衝撃的です。またビタミンCでは長期サプリメント使用や高齢男性、ステロイド使用者でよりリスクに関連していることが示されています。ちなみにマルチビタミンやマルチビタミンにビタミンCEを併用した場合のリスク増加は見いだせなかったようですが、少なくとも白内障に対する効果は期待できないと言えそうです。