大豆の消費は前立腺癌発症リスクや再発リスクを減少させることが示唆されているとされていますが、前立腺癌をアウトカムとしたランダム化比較試験での検証はされていません。大豆たんぱくの摂取と根治的前立腺摘除術後の生化学的再発等を検討したランダム化比較試験です。

【文献タイトル・出典】

Effect of soy protein isolate supplementation on biochemical recurrence of prostate cancer after radical prostatectomy: a randomized trial.

JAMA. 2013 Jul 10;310(2):170-8. doi: 10.1001PMID:23839751

【論文は妥当か?】

研究デザイン:ランダム化比較試験

[Patient] 立腺癌の根治的前立腺切除後の再発リスクの高い177人の男性

[Exposure]大豆タンパク質20gを含有したサプリメントを毎日投与87

[Comparison]プラセボの投与90

[Outcome]PSAレベル0.07 ng/mL以上と定義した、前立腺癌の生化学的再発率

■隠蔽化されているか?:抄録に明確な記載なし(7施設の研究)

■患者背景は同等か?:抄録に記載なし

■盲検化されているか?2重盲検

■サンプルサイズは十分か?:抄録に記載なし

■ランダム化は最終解析まで保持されたか?

intention-to-treat解析されているか?:抄録に記載なし。

▶追跡率:89.8%(159/177人)

■追跡期間:2

【結果は何か?】

2年以内に28.3%の患者で生化学的再発を認めた。前立腺癌の生化学的再発率はE群で 27.2%C群で29.5%でありE群はC群に比べて4%低い傾向にある

アウトカム

E群

大豆タンパク

C群

プラセボ

結果

ハザード比

[95%信頼区間]

前立腺癌の生化学的再発率

22/81

27.2%)

23/78

29.5%)

0.96

[0.53-1.72]

【結果は役に立つか?】

明確な有害事象はみられなかったとしています。PSA再発リスクの高い男性において、大豆タンパク質サプリメントの日常摂取は根治的前立腺切除術後の2年間の前立腺癌の生化学的再発を減少させなかったと結論しています。この論文の最大の注意点はアウトカムの妥当性です。生化学的再発というアウトカムはPSA(Prostate-Specific Antigen) 0.07 ng/mL以上と定義されていますが、根治的手術後において、何もしなくても多くの患者でPSA上昇が起こることも知られています。あくまで腫瘍マーカーという代用のアウトカムである点に注意が必要です。ただ術後2年以内にPSAが上昇することは予後が悪化している可能性もあり、大豆たんぱくの有効性はいずれにせよ不明という結論で良いかと思います。