過活動膀胱治療薬で使用頻度の高い抗コリン薬ですが、尿閉の副作用もあり、前立腺肥大症に用いるのはやや抵抗があるような印象ですが、とあるメーカーに問い合わせたところ、前立腺肥大症と過活動膀胱は合併しているケースもあり、α遮断薬の投与がなされているのであれば併用は問題ないと考えられますと回答をいただいたことがある。

実際のところ、併用で尿路症状は改善するのでしょうか。

【文献タイトル・出典】

The efficacy safty of combined therapy with α-blockers and anticholinergic for men with benign prostatic fyperplasia : a meta-analysis

J Urol.2013 Dec;190(6):2153-60. PMID:23727412

【論文は妥当か?】

[Patient]

 下部尿路症状を有する症候性前立腺肥大症の男性3629

[Exposure]

α遮断薬+抗コリン薬

[Comparison]

α遮断薬単独+プラセボ

Outcome

IPSSスコア(国際尿路症状スコア035)、排尿頻度

研究デザイン

メタ分析[統合した研究数7

評価者バイアスの検討

詳細の記載なし

元論文バイアスの検討

ランダム化比較試験のメタ分析

出版バイアスの検討

様々な言語の文献をサーチ。製薬企業にもコンタクト

異質性バイアスの検討

I2統計量の表示

 

【結果は何か?】

アウトカム

絶対差[95%信頼区間]

I2統計量

IPSSスコア

0.73ポイント[-0.19~‐0.37

I2 = 83.5%

排尿頻度

0.69回[-0.97~‐0.41

I2 = 82.2%

【結果は役に立つか?】

併用療法による残尿エピソードのNNT10160267]となっており、統計的有意にスコアと排尿頻度を減らしたとしています。統計学的には有意ですが、実際のところ絶対差を見ると実臨床でどの程度実感できるのか気になります。抗コリン薬のリスク、例えば認知機能障害や消化器系症状、口渇などによるQOL低下を加味すると、併用療法が患者QOLを改善するかどうかは議論の余地がありそうです。あくまで症状改善が目的の薬剤なので、その使用は熟慮したいところ。やや異質性も高いようです。