Kern J.et.al. Calcium supplementation and risk of dementia in women with cerebrovascular disease. Neurology. 2016 Aug 17. [Epub ahead of print] PMID: 27534711

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27534711

 

[目的]女性における認知症の進展抑制とカルシウムサプリメントの関連性を5年間追跡し検討する。

 

[方法]人口ベース縦断研究。スウェーデンにおける前向き研究Women and H70 Birth Cohort Studyより、認知症の無い70歳~92歳の700人が対象。ベースライン20002001年、2005年~2006年まで追跡。被験者は包括的な精神、身体検査を受けた。CTスキャンはベースライン時に447例に実施。カルシムサプリメント情報を収集。認知症はDSM-III-R criteriaに基づき診断。

 

[結果]カルシウムサプリメント使用者98例は、サプリメントを使用していない602人に比べて、認知症発症リスクが高かった。(オッズ比2.1095%信頼区間1.014.37])、さらに脳卒中関連認知症(血管認知症および混合認知症)リスクが増加。(オッズ比4.4095%信頼区間1.5412.61]層別解析において、カルシウムサプリメントの摂取は脳卒中既往のある患者群で認知症リスクが高い。(オッズ比6.7795%信頼区間1.3633.75

 

[結論]カルシウムサプリメントの摂取は脳血管疾患を有する女性高齢者で認知症リスクを増加させる。規模の小さなサンプルおよび観察研究であるが故、これらの知見の検証が必要である。