Katharina Tabea Jungo, et al : General practitioners' deprescribing decisions in older adults with polypharmacy: a case vignette study in 31 countries. BMC Geriatr. 2021 Jan 7;21(1):19. PMID: 33413142

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33413142/

 

【背景】 一般開業医(GP)は、不適切なポリファーマシーが患者の健康を害する可能性があるため、定期的に患者の薬物療法を見直し、必要に応じて脱処方を行うべきである。しかし,脱処方は医師にとって困難な場合がある。本研究では、31カ国におけるGPの処方解除の決定について調査した。

 

【方法】本研究では、不適切なポリファーマシーの可能性がある高齢の多臓器不全患者の3つの臨床例を含むオンライン調査に、GPが参加するよう招待された。患者は日常生活動作(ADL)における依存度が異なり、心血管疾患(CVD)の既往がある場合とない場合がありました。それぞれの症例について、GPに通常の診療で減薬を行うかどうかを尋ねた。脱処方すると回答したGPの割合を算出し、マルチレベルロジスティック回帰を行って、CVDの既往歴と依存度がGPの脱処方の決定に与える関連を検討した。

 

【結果】招待した3,175名のGPのうち、54%が回答した(N1,706)。平均年齢は50歳で、回答者の60%が女性であった。年齢や国による違いはあるものの、全体として80%以上のGPが、CVDの既往歴にかかわらず、ポリファーマシーを有する80歳以上の高齢患者に対して、少なくとも1種類の薬剤の投与量を減らすと回答した。また、ADLの依存度が高く(OR = 1.5, 95%CI 1.251.80)、CVDがない(OR = 3.04, 95%CI 2.583.57)患者では、薬の処方を中止する確率が高かった。

 

【解釈】本研究では、大多数のGPが、ポリファーマシーを有する高齢の多臓器不全患者において、1種類以上の薬の処方を解除することを望んでいた。ADL依存度の高い患者ではその意向が高く、CVD患者では低かった。