薬剤師の地域医療日誌

薬剤師が臨床や地域医療にどのように関われるか、EBMを実践しながら模索しています。このブログは個人的な勉強記録です。医学文献の2次資料データベースとして医師、看護師、薬剤師その他のスタッフや患者様に役立てれば幸いです。情報に関しては知識不足の面から不適切なものも含まれていると思われます。またあくまで個人的な意見も含まれております。掲載の情報は最新の文献等でご確認の上、運用していただければ幸いです。

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サプリメント

Zhang Y, et al : Association between vitamin D supplementation and mortality: systematic review and meta-analysis. BMJ. 2019 Aug 12;366:l4673. PMID: 31405892

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31405892

 

【目的】ビタミンD補給が成人の死亡率低下と関連しているかどうかを調査する。

 

【デザイン】ランダム化比較試験のシステマティックレビュー・メタ分析

 

【組み入れ研究】ビタミンDサプリメントとプラセボまたは治療なしを比較して死亡リスクを検討したランダム化比較試験。独立したデータ抽出が実施され、研究の品質が評価された。メタ分析は、固定効果モデルとランダム効果モデルを使用して実行され、ビタミンD補給を受けたグループとコントロールグループの死亡のリスク比を計算。

 

【評価項目】総死亡

 

【結果】合計75 454人の参加者による52件の試験が特定された。ビタミンDサプリメントは、すべての原因による死亡率(リスク比0.9895%信頼区間0.951.02I2 = 0%)、心血管死亡率(0.980.881.080%)、または非がん、非心血管死亡率(1.050.931.180%)とは関連していなかった。しかし、ビタミンDサプリメントは、統計的に有意に癌による死亡のリスクを減少させた(0.840.74から0.950%)。

 Fig 3


【結論】プラセボまたは無治療と比較して、ビタミンDの補充のみでは、成人のすべての死因と関連していなかった。 しかし、ビタミンDの補給により、癌による死亡のリスクが16%減少した。

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Zhang Y, et al : Association between vitamin D supplementation and mortality: systematic review and meta-analysis. BMJ. 2019 Aug 12;366:l4673. PMID: 31405892

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31405892

 

【目的】ビタミンDサプリメントが成人の死亡率低下と関連しているかどうかを調査する。

 

【デザイン】ランダム化比較試験の系統的レビューとメタ分析。

 

【データソース】20181226日まで、Medline, Embase, and the Cochrane Central Register を検索

 

【組み入れ研究】ビタミンDサプリメントとプラセボまたは治療なしを比較して死亡を検討したランダム化比較試験。独立したデータ抽出が実施され、研究の品質が評価された。メタ分析は、固定効果モデルとランダム効果モデルを使用して実行され、ビタミンD補給を受けたグループとコントロールグループの死亡のリスク比を算出。

 

【評価項目】総死亡

 

【結果】合計75 454人の参加者による52件の試験が特定された。ビタミンDサプリメントの使用は総死亡 (risk ratio 0.98, 95% confidence interval 0.95 to 1.02, I2=0%), 心血管死亡、(0.98, 0.88 to 1.08, 0%), 非がん、非心血管死亡 (1.05, 0.93 to 1.18, 0%).と有意な関連を認めなかった。他方で、ビタミンDサプリメントは、統計的に有意に癌による死亡のリスクを減少させた(0.840.74から0.950%)。

 

サブグループ分析では、すべての原因死亡率は、ビタミンD2サプリメントを使用した試験よりもビタミンD3サプリメントを使用した試験で有意に低かった(相互作用のP = 0.04)。ビタミンD3もビタミンD2も、すべての原因による死亡率の統計的に有意な減少と関連していなかった。

 

【結論】プラセボまたは無治療と比較して、ビタミンDの補充のみでは、成人のすべての死因と関連していない。他方で、ビタミンDの補給により、癌による死亡のリスクが16%減少した。 ビタミンD3補給がすべての原因による死亡率の低下と関連しているかどうかを判断するには、追加の大規模な臨床研究が必要である。

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Rautiainen S.et.al. Effect of Baseline Nutritional Status on Long-term Multivitamin Use and Cardiovascular Disease Risk: A Secondary Analysis of the Physicians' Health Study II Randomized Clinical Trial. JAMA Cardiol. 2017 Apr 5. [Epub ahead of print] PMID: 28384735

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28384735

 

[背景]Physicians' Health Study IIによる検討では、長期間にわたるマルチビタミンの使用で、心血管疾患(CVD)のリスクに影響を及ぼさなかった。 ベースラインにおける栄養状態は、この効果のなさを修正した可能性がある。本研究では、Physicians' Health Study IIのデータより、ベースラインの食事要因によるCVDリスクへの影響の変化を検討した。

 

[方法]Physicians' Health Study IIは米国の男性医師を対象とし、マルチビタミンの使用(マルチビタミン[セントラムシルバー])と毎日のプラセボを比較した二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験であった。Physicians' Health Study IIでは、50歳以上の14641例の医師が対象となり、13316人(91.0%)がベースラインの116項目の準定量的食品頻度アンケートを完了し、分析に含めた。この研究では、主要食品、個々の栄養素、食事パターン(代替健康食指数と代替地中海食事指数)、および栄養補助食品のベースライン摂取による効果の変化を調べた。 この研究は1997年に開始され、201161日まで継続的な治療とフォローアップが行われた。

 

[介入]マルチビタミンまたはプラセボを毎日投与

 

[評価項目]非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、CVD死亡を含む主要心臓血管イベント。 副次的結果には、心筋梗塞、総卒中、CVD死亡、および総死亡が設定された。

 

[結果]13316例の男性医師(平均64歳)が、平均で11.4年追跡された。心血管疾患エンドポイントにおいて、マルチビタミン使用の効果についての食品の種類、栄養素、食事パターン、またはベースラインのサプリメントの使用による、結果を修正するような影響の一貫した証拠はなかった。統計的に有意な相互作用効果は、心筋梗塞とマルチビタミン使用、ビタミンB6摂取、CVD死亡とマルチビタミン使用、ビタミンD摂取、CVD死亡、総死亡とマルチビタミン使用、ビタミンB12摂取の間に観察された。

 

[結論]ベースラインにおける栄養状態は、主要な心血管疾患イベントに対する長期ビタミンの使用の効果に影響しないことを示唆している。

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Kryscio RJ.et.al. Association of Antioxidant Supplement Use and Dementia in the Prevention of Alzheimer's Disease by Vitamin E and Selenium Trial (PREADViSE). JAMA Neurol. 2017 Mar 20. [Epub ahead of print] PMID: 28319243

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28319243

 

[重要]酸化ストレスは確立された認知症発症経路であるが、抗酸化サプリメントの使用で認知症を予防できるかどうかは不明である。

 

[目的]認知症症状の無い高齢者男性に対して、抗酸化物質サプリメント(ビタミンEまたはセレン)を単独でまたは組み合わせて投与することで、認知症を予防できるかどうかを検討する。

 

[方法]The Prevention of Alzheimer's Disease by Vitamin E and Selenium (PREADViSE)2重盲検ランダム化比較試験として、20025月に開始され、20099月から20155月までの期間においてコホート研究にシフトした。PREADViSE試験は、薬剤効果が認められず2009年に中止された、前立腺癌を予防するための抗酸化サプリメント(るセレンおよびビタミンE)のランダム化比較試験試験(SELECT)の補助的試験であった。PREADViSE試験では7540人が募集され、そのうち3786人がコホート研究に継続した。参加者は少なくとも60歳以上であり、Cox比例ハザードモデルを用いて、修正ITT解析によりハザード比を比較した。

 

被験者はビタミンE群、セレン群、ビタミンEとセレン併用群、プラセボ群の4群にランダムされた。サプリメントを服用している間、2段階のスクリーンを用いて認知症の評価を受けた。コホート研究期間では、被験者は電話で連絡を取り、強化2段階認知機能スクリーニングを用いて評価された。 どちらの段階においても、スクリーニング結果が認知障害の可能性を示唆すれば、被験者は医師に相談することが奨励された。認知症症例の確認は、認知症の疑いのある男性の医師を訪問した認知症スクリーニングおよび医療記録のコンセンサスレビューに基づいて評価されたか、または機能評価スクリーンを含む利用可能なすべての情報を検討した。

 

[結果]7540例(平均67.5歳)の参加者が対象となった。大学教育以上の報告は3936人(52.2%)、黒人報告は754人(10.0%)、ヒスパニック系人は505人(6.7%)であった。

認知用発症は7338例中325例(4.4%)で、4群に明確な差はなかった。プラセボに比べて、調整ハザード比は、ビタミンE群0.8895%信頼区間0.641.20]、セレン群0.8395%信頼区間0.601.13]、併用群1.000.751.35

 

[結論]いずれのサプリメントも認知症を予防しなかった。われわれの知る限りにおいて、これは、無症候性男性高齢者の抗酸化剤サプリメントの使用と認知症発症の長期的関連を調査する最初の研究であった。

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Kern J.et.al. Calcium supplementation and risk of dementia in women with cerebrovascular disease. Neurology. 2016 Aug 17. [Epub ahead of print] PMID: 27534711

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27534711

 

[目的]女性における認知症の進展抑制とカルシウムサプリメントの関連性を5年間追跡し検討する。

 

[方法]人口ベース縦断研究。スウェーデンにおける前向き研究Women and H70 Birth Cohort Studyより、認知症の無い70歳~92歳の700人が対象。ベースライン20002001年、2005年~2006年まで追跡。被験者は包括的な精神、身体検査を受けた。CTスキャンはベースライン時に447例に実施。カルシムサプリメント情報を収集。認知症はDSM-III-R criteriaに基づき診断。

 

[結果]カルシウムサプリメント使用者98例は、サプリメントを使用していない602人に比べて、認知症発症リスクが高かった。(オッズ比2.1095%信頼区間1.014.37])、さらに脳卒中関連認知症(血管認知症および混合認知症)リスクが増加。(オッズ比4.4095%信頼区間1.5412.61]層別解析において、カルシウムサプリメントの摂取は脳卒中既往のある患者群で認知症リスクが高い。(オッズ比6.7795%信頼区間1.3633.75

 

[結論]カルシウムサプリメントの摂取は脳血管疾患を有する女性高齢者で認知症リスクを増加させる。規模の小さなサンプルおよび観察研究であるが故、これらの知見の検証が必要である。

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