薬剤師の地域医療日誌

薬剤師が臨床や地域医療にどのように関われるか、EBMを実践しながら模索しています。このブログは個人的な勉強記録です。医学文献の2次資料データベースとして医師、看護師、薬剤師その他のスタッフや患者様に役立てれば幸いです。情報に関しては知識不足の面から不適切なものも含まれていると思われます。またあくまで個人的な意見も含まれております。掲載の情報は最新の文献等でご確認の上、運用していただければ幸いです。

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耳鼻咽喉科

Mori K, et al : Cedar Pollinosis and Mortality: A Population-Based Prospective Cohort Study in Japan. J Epidemiol. 2019 Feb 5;29(2):61-64. PMID: 29937471

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29937471

 

【背景】スギ花粉症は日本で最も一般的な季節性アレルギー反応のひとつである。スギ花粉症と死亡率との関連性を調べたのは1件の前向き研究のみであった。スギ花粉症に関する症状に基づく質問票を用いて、スギ花粉症と全原因死亡率および原因別死亡率との関連を調べた。

 

【方法】データは、1992年に岐阜県高山市から35歳以上の住民を募集した高山研究より得た。今回の調査では、2002年の2回目の調査で得られたスギ花粉症に関する情報が使用された。

 

4580歳で癌、冠状動脈性心臓病、または脳卒中の既往歴のない合計12,471人が、スギ花粉症に関連する4つの症状についての質問に答えた。20133月までの追跡調査期間を通して、死亡率と移住データが得られた。スギ花粉症と死亡率の関係を調べるために、コックス比例ハザードモデルが使用された。

 

【結果】追跡調査期間中に合計1,276人が死亡した。 これらのうち、504件の腫瘍、278件の心血管系、および181件の呼吸器系の死亡があった。交絡因子を調整した後、スギ花粉症は有意に低い全死因死亡率(ハザード比[HR] 0.7995%信頼区間[CI]0.65-0.95)および呼吸器死亡率(HR 0.3895CI0.180.82)と関連していた。スギ花粉症と新生物または心血管疾患による死亡との間に有意な関連はみられなかった。

 

【結論】スギ花粉症と全原因および呼吸器死亡率のリスクとの間に逆相関を見出した。 スギ花粉症と死亡率との関連を明らかにするためにさらなる研究が必要である。

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Wu EL, et al : Epistaxis Risk Associated with Intranasal Corticosteroid Sprays: A Systematic Review and Meta-analysis. Otolaryngol Head Neck Surg. 2019 Feb 19:194599819832277. PMID: 30779679

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30779679

 

【背景】鼻腔内コルチコステロイド(INCS)は、アレルギー性鼻炎の治療に広く利用されています。 鼻出血はINCSの既知の有害作用であるが、鼻出血のリスクがINCS間で異なるかどうかはわかっていない。

 

【データソース】MedlineEmbaseWeb of SciencePubMed Central、およびCochraneデータベースを通じて同定された一次研究のシステマティック・レビュー。

 

【レビュー方法】システマティック・レビューはPRISMA規格に従って行われた。 201821日まで英語の調査が行われた。検索により、鼻出血の発生率を報告したアレルギー性鼻炎の治療のためのINCSのランダム化比較試験が同定された。 含まれる各研究についてバイアスのリスクの項目別評価を実施し、各INCSについて鼻出血の相対リスクについてメタアナリシスを実施した。

 

【結果】同定された949の研究のうち、72が分析基準を満たしていた。 メタ分析は、すべてのINCSについて1.48の鼻出血の全体的な相対リスク(95CI1.32-1.67)を示した。出血の最も高いリスクに関連するINCSは、ベクロメタゾンヒドロフルオロアルカン、フルチカゾンフロエート、モメタゾンフロエート、およびフルチカゾンプロピオネートであった。ベクロメタゾン水溶液、シクレソニドハイドロフルオロアルカン、およびシクレソニド水溶液は、鼻出血の最も低いリスクと関連していた。 ブデソニド、トリアムシノロン、およびフルニソリドの使用による鼻出血に関する結論は、研究数が少なく、異質性が高いために制限されている。

 

【結論】INCS剤間の鼻出血に対する差別的効果は明確には証明されていないが、このメタアナリシスは、アレルギー性鼻炎治療用のプラセボと比較して、INCSを使用している患者の鼻出血のリスク増加を確認している。

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Mori K, et al : Cedar Pollinosis and Mortality: A Population-Based Prospective Cohort Study in Japan. J Epidemiol. 2019 Feb 5;29(2):61-64. PMID: 29937471

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29937471

 

【背景】スギ花粉症は日本で最も一般的な季節性アレルギー反応のひとつである。スギ花粉症と死亡率との関連性を調べたのは1件の前向き研究のみであった。スギ花粉症に関する症状に基づく質問票を用いて、スギ花粉症と全原因死亡率および原因別死亡率との関連を調べた。

 

【方法】データは、1992年に岐阜県高山市から35歳以上の住民を募集した高山研究からのものを用いた。現在の研究では、2002年の2回目の調査から得られたスギ花粉症に関する情報が使用された。4580歳で癌、冠状動脈性心臓病、または脳卒中の既往歴のない合計12,471人が、スギ花粉症に関連する4つの症状についての質問に答えた。20133月までの追跡調査期間を通して、死亡率と移住データが得られた。スギ花粉症と死亡率との関係を調べるために、コックス比例ハザードモデルを用いた。

 

【結果】追跡調査期間中に合計1,276人が死亡した。 これらのうち、504件の腫瘍、278件の心血管系、および181件の呼吸器系の死亡があった。交絡因子を調整した後、スギ花粉症は有意に低い全死因死亡率(ハザード比[HR] 0.7995%信頼区間[CI]0.65-0.95)および呼吸器死亡率(HR 0.3895CI0.180.82)と関連していた。スギ花粉症と新生物または心血管疾患による死亡との間に有意な関連はみられなかった。

 

【結論】本研究ではギ花粉症と全原因および呼吸器死亡率のリスクとの間に逆相関を見出した。 スギ花粉症と死亡率との関連を明らかにするためにさらなる研究が必要である。

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Yao CMKL.et.al. Noise exposure while commuting in Toronto - a study of personal and public transportation in Toronto. J Otolaryngol Head Neck Surg. 2017 Nov 23;46(1):62. PMID: 29166946

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29166946

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5700687/

 

 

[背景]都市に住む人口の割合が増加するにつれ、需要を促進するために公共交通網が急速に拡大しているが、こうした交通網は騒音を発生させ、、その騒音に起因する難聴を引き起こす可能性がある。

 

[方法]2016年の4月~8月にかけて、地下鉄や路面電車、バスなどの交通システムの騒音調査が行われた。調査は車内およびプラットフォームの両方で行われた。計210回の測定は、プラットホーム上で2分間、運動中の車両内で約4分間、車内、自転車または歩行中に約10分間の複数回の測定で行った。

 

[結果]69の地下鉄駅及び154の地下鉄ルートにおいて、1日平均で、168万人の乗客がいた。平均騒音レベルは、路面電車よりも地下鉄とバスの方が大きかった(79.8 +/- 4.0 dBA78.1 +/- 4.9 dBA、対71.5 +/- 1.8 dBAp <0.0001)。さらに、地下鉄プラットフォームで測定された平均騒音は、車両内よりも高かった(80.9 +/- 3.9dBA76.8 +/- 2.6dBAp <0.0001)。

 

地下鉄、バス、路線のピーク騒音の平均[範囲]109.8 +/- 4.9 dBA[90.4-123.4 dB]112.3 +/- 6.0 dB[89.4-128.1 dBA]108.6 +/- 8.1 dBA[103.5- 125.2dBAであった。地下鉄、バス、路面電車のピーク騒音はそれぞれ19.9%、85.0%、20.0%で115dBAを超えた。

 

[結論] トロント交通システムの平均平均騒音レベルは安全な騒音暴露の推奨レベルの範囲内にありますが、特にバス路線のインパルスノイズ(ピーク騒音)の断続的なバーストは、騒音による難聴のリスクにさらされる可能性がある。

 

[コメント]

推奨ノイズ暴露しきい値

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5700687/table/Tab1/

米国環境保護庁(EPA)は難聴リスクをもたらす騒音レベルの基準を114デシベルで4秒以上、117デシベルで2秒以上、120デシベルで1秒以上としている。

騒音レベル

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5700687/table/Tab2/

ピーク騒音レベル

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5700687/table/Tab3/

 

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Adrion C.et.al. Efficacy and safety of betahistine treatment in patients with Meniere's disease: primary results of a long term, multicentre, double blind, randomised, placebo controlled, dose defining trial (BEMED trial). BMJ. 2016 Jan 21;352:h6816. PMID: 26797774
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26797774

[臨床疑問]ベタヒスチンはプラセボに比べてメニエール病を有する患者の眩暈発作に対する長期的な効果はあるのか?

[方法]多施設、二重盲検、プラセボ対照3群比較ランダム化比較試験。対象となったのは21歳~80歳で両側性、もしくは片側性のメニエール病患者(平均56歳)。被験者はプラセボ群74人、低用量(24mgを1日2回)ベタヒスチン群(73人)高用量(48mgを1日3回)ベタヒスチン群(74人)に割り付け9か月治療を行った。プライマリアウトカムは7か月~9か月の間における3か月間の患者日誌に基づく30日ごとの発作の回数。

[結果]メニエール病の発作頻度は3群間で明確な差が無かった。(P=0.759). プラセボに比べて、発作の発生率比は低用量群で1.036 (95%信頼区間 0.942 to 1.140)高用量群で 1.012 (95%信頼区間0.919 to 1.114) であった。月の平均発作発生頻度は、プラセボ群、低用量群、高用量群でそれぞれ、2.722 (1.304 to 6.309), 3.204 (1.345 to 7.929), 3.258 (1.685 to 7.266)であった。

[結論]メニエール病による眩暈発作に対するベタヒスチンの効果は限定的である。

[コメント]ベタヒスチンは強力なH3受容体拮抗作用と弱いH1受容体拮抗作用を持ち、蝸牛の血流を増加させると言われている。まあこれはモルモットさんでの研究。〔Int J Audiol 2014 ; 53:753- 9.PMID 25014609〕これまで人に対する明確な効果は不明であるにもかかわらず、眩暈と言えばメリスロン®、そんな現実が確かにあった。

本研究は、有効性に関する統計解析はAnalyses were based on the intention to treat principle;であり、安全性についてはFASである。ベタヒスチンをかなり高用量で用いても効果不明と言う結果になってしまった。
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