薬剤師の地域医療日誌

薬剤師が臨床や地域医療にどのように関われるか、EBMを実践しながら模索しています。このブログは個人的な勉強記録です。医学文献の2次資料データベースとして医師、看護師、薬剤師その他のスタッフや患者様に役立てれば幸いです。情報に関しては知識不足の面から不適切なものも含まれていると思われます。またあくまで個人的な意見も含まれております。掲載の情報は最新の文献等でご確認の上、運用していただければ幸いです。

ご利用ありがとうございます。個人的に気になった論文を紹介しています。

メインブログの「地域医療の見え方」(http://jp.bloguru.com/syuichiao)、「思想的、疫学的医療について」(http://syuichiao.hatenadiary.com/)もよろしくお願い致します。

ご意見、ご質問などは(syuichiao@gmail.com)までお寄せください。

医学統計解説

HR2.01.14.0)と表記されることがあります。

( )内を95%信頼区間といいます。

通常臨床試験は人類すべてを対象にできれば
正確なデータが取れますが現実不可能です。

そこで、試験に同意が得られた、

何人かを集めて試験を行います。

人類すべてを母集団といい、
集められた試験対象者を標本と呼びます。


試験結果、たとえばHR2.0は標本に対する数字

でこのまま実臨床に反映できません。

なぜなら、標本に参加している人はそもそも、
臨床治験に自ら参加したいと思う人たちで

母集団とその性質は大きく異なるからです。

そこで得られた結果を母集団に当てはめると
どんな感じになるかを示したのが
95%信頼区間と呼ばれるものです。

標本ではHR2.0ですが母集団では
HR1.1からHR4.0まで幅が出たとすると

HR2.095CL 1.14.0)と表記されます。

効果を大きく見積もると4倍、
少なく見積もっても
1.1倍、
95%の確率でそうなるということです。
残りの
5%は4倍以上になるかもしれませんし、
1.1倍以下になるかもしれません。
結構あいまいなのです。

ちなみに95%信頼区間が1をまたぐ場合、

たとえばHR2.0 0.95.0)だと
少なく見積もった場合リスクは減少するが
多く見積もるとリスクは
5倍となり、
要するにHR
2.0に有意差はないということになります。

 

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MRの勉強会などで
有意差という言葉をよく聞くと思います。

有意差とはなんでしょうか?

 

情報があらわすものは以下の3つです。

1)真実

2)バイアス(かたより・偏見)

3)偶然

有意差がある、ないというのは情報が表す、
偶然の作用があるかないかということです。

 

たとえば「クラビットを服用したら、
服用しなかった場合に比べて解熱時間が
2日早かった!」

MRが言ったとします。

クラビットは服用しない場合と比べて
解熱時間を短縮するといえるでしょうか?

もしかしたらたまたま今回の報告では短縮したのかもしれません。

ここでMRが「有意に短縮しました」と付け加えたならば、
それは偶然ではない可能性があるということです。

 

阪神と巨人が試合をしたとします。

巨人が2連勝する確率は 0.5×0.50.25

巨人が3連勝する確率は 0.5×0.5×0.50.125

巨人が4連勝する確率は 0.5×0.5×0.5×0.50.0625

巨人が5連勝する確率は 0.5×0.5×0.5×0.5×0.50.03125

 

5連勝すればおそらく多くの人が巨人は阪神より強い、
偶然じゃないと思うでしょう。

そして5%以下というのが統計的に
偶然ではないという確率とされています。

(経験的に決まっているそうです)
したがって有意差
P値=0.05と記載があれば
偶然ではなく差が出ている可能性があるということなのです。
これが有意水準
0.05の感覚です。

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このブログでは当たり前のようにHRとかNNTとか
書いてしまっているので、少し統計的な話を解説します。

たとえば・・

ラミプリルというACE阻害薬があります。

ある日、製薬会社MRが来局して

「この薬は血圧を下げ長期的な服用で
心血管イベントを抑制します。」と

プロモーションしました。

*心血管イベント・・心筋梗塞や狭心症などの循環器疾患


説明を受けた薬剤師は本当にそんな効果があるのかな・・
と疑問に思いました。



MRはさらに以下のようにラミプリルの
心血管イベント抑制効果を説明しました。

「ラミプリルを1500日投与した場合における
心血管イベント発生率は
14.0%プラセボでは17.8% でした。」



薬剤の効果を定量的に判断する数値があります。

RRrelative risk):相対危険率
 ・・・試験デザインにより
HRハザードリスクとか

    ORオッズ比なんて表記される場合もありますが
      だいたい同じと考えていいと思います。

RRRrelative risk reduction):相対危険減少率

ARR(absolute risk reduction ) :絶対危険減少率

NNT(number needed to treat) :治療に必要な人数

以上の4つを覚えていただけると役に立つことが多いです。



先ほどのMRの説明では心血管イベントの発生率は

ラミプリル群:14.0

プラセボ群 17.8% 



14/17.8=0.79でプラセボに比べて
79%のリスクであるといえます。これがRRです。

また1-0.790.21でプラセボに比べて
21
%リスクを減らすといえます。これがRRRです。

また単純に:0.178-0.14=0.038これがARR
その逆数1
/0.038=26.3(人)がNNTです。

NNT26.3人にラミプリルを1500日投与すれば
そのうち
1名を心血管イベントから救うことが
出来るということを意味しています。


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