薬剤師の地域医療日誌

薬剤師が臨床や地域医療にどのように関われるか、EBMを実践しながら模索しています。このブログは個人的な勉強記録です。医学文献の2次資料データベースとして医師、看護師、薬剤師その他のスタッフや患者様に役立てれば幸いです。情報に関しては知識不足の面から不適切なものも含まれていると思われます。またあくまで個人的な意見も含まれております。掲載の情報は最新の文献等でご確認の上、運用していただければ幸いです。

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乳幼児

Urashima M, et al : Primary Prevention of Cow's Milk Sensitization and Food Allergy by Avoiding Supplementation With Cow's Milk Formula at Birth: A Randomized Clinical Trial. JAMA Pediatr. 2019 Oct 21.  [Epub ahead of print] PMID: 31633778

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31633778

 

【重要】調整牛乳(CMF)は出産時に母乳(BF)を補うために使用されるが、実践を裏付ける明確な臨床的根拠はない。

 

【目的】出生時にCMFの補給を避けることで、牛乳タンパク質に対する感作のリスクおよび/または牛乳アレルギー(CMA)を含む臨床的食物アレルギーのリスクを減らすことができるかどうかを判断する。

 

【方法】The Atopy Induced by Breastfeeding or Cow's Milk Formula試験は、2013101日に登録を開始し、日本の単一の大学病院で2018531日に追跡調査を完了した。参加者にはアトピーのリスクがある330人の新生児が含まれていた。 これらのうち、312が分析に含まれた。 データは201891日から1031日まで分析された。生後すぐに、  少なくとも最初の3日間は、アミノ酸ベース(EF)を含むまたは含まない母乳(BF / EFグループ)または、生後1日から生後5ヶ月までの間に調整牛乳CMFを補充したBF≥5mL / d)(BF + CMFグループ)に11にランダム化された。

 

【評価項目】一次アウトカムは、乳児の2歳の誕生日の牛乳に対する感作(IgEレベル、≥0.35アレルゲン単位[UA] / mL)。  副次的結果は、CMAを含む即時型およびアナフィラキシー型の食物アレルギーであり、経口食物負荷試験により診断されるか、食物摂取により誘発され、食物特異的IgEレベルは少なくとも0.35 UA / mL

 

【結果】分析に含まれた312人の乳児(160人の女性[51.3]および152人の男性[48.7])のうち、BF / EFおよびBF/CMF群の156人中151人(96.8%)が2歳の誕生日まで追跡された。一次アウトカムはBF / EFグループの乳児24人(16.8%)で発生し、BF/CMFグループの乳児46人(32.2%)よりも有意に少なかった(相対リスク[RR]0.5295CI0.34 -0.81)。

 

【結論】牛乳およびCMAやアナフィラキシーを含む食物アレルギーに対する感作は、少なくとも生後3日間はCMFの補給を避けることにより、主に予防可能であることを示唆している。

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Erck Lambert AB, et al : Sleep-Related Infant Suffocation Deaths Attributable to Soft Bedding, Overlay, and Wedging. Pediatrics. 2019 May;143(5). PMID: 31010907

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31010907

 

【背景】米国では、1歳未満の乳児における意図的でない窒息は怪我による死亡の主な原因であり、82%は偶発的な窒息とベッドでの絞扼によるものである。これらの死を取り巻く状況を理解することは予防戦略に役立つかもしれない。

 

【方法】2011年から2014年までの人口ベースの乳幼児突然死症例登録からのデータを分析した。安全でない睡眠因子を伴う説明された窒息として分類された症例について、疾病管理予防センターの乳幼児突然死症例登録分類システムに従って、柔らかい寝具、添い寝をした人の身体の一部で圧迫される、マットレスと壁などに挟まれるに分類された。メカニズムによって窒息死の頻度と割合を計算し、人口統計学的特性と睡眠環境特性を選択した。

 

【結果】予期せぬ乳幼児突然死の14%が窒息として分類された。 これらの症例は最も頻繁に柔らかい寝具(69%)、それに続く添い寝をした人の身体の一部で圧迫される(19%)およびマットレスと壁などに挟まれる(12%)に起因していた。

 

月齢による死亡時年齢の中央値は、メカニズムによって異なる。柔らかい寝具では3か月、添い寝をした人の身体の一部で圧迫されるでは2か月、マットレスと壁などに挟まれるで6か月。

 

  やわらかい寝具による死亡は、成人用ベッド(49%)、腹臥位(腹を床に着けて寝ている状態)(82%)、および気道を塞ぐ毛布(34%)で最も頻繁に発生しました。添い寝をした人の身体の一部で圧迫されるは成人のベッド(71%)で最も頻繁に起こり、幼児は母親(47%)によって覆われました。幼児がマットレスと壁の間に閉じ込められたとき(48%)、マットレスと壁などに挟まれることによる死亡が最も頻繁に起こりました。

 

【結論】安全な睡眠環境は幼児の窒息死を減らすことができる。窒息死の特徴についての知識が増えれば、最もリスクの高いグループをターゲットにして予防戦略に情報を与えることができる。


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Pennestri MH, et al : Uninterrupted Infant Sleep, Development, and Maternal Mood. Pediatrics. 2018 Nov 12. [Epub ahead of print] PMID: 30420470

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30420470

http://pediatrics.aappublications.org/content/142/6/e20174330.long

 

[背景]総睡眠期間の重要性とは対照的に、夜間の睡眠と初期幼児期の発達との関連は不明である。本研究の目的は、612ヶ月齢の夜間に睡眠中の乳児の縦断コホートにおける割合を調査し、夜間の睡眠、精神運動および精神運動の発達、妊婦の気分、母乳育児の関連性を調べること。

 

[方法]は388人の母親に、子どもが生後6カ月または12カ月の時の夜間の睡眠時間と母乳育児の状況について調査した。2つの異なる基準を用いて、乳児が夜間に眠っているかどうかを判定した。 6時間及び8時間の中断のない睡眠。精神的および精神運動的発達指数(Bayley Scales of Infant Development II)および母親の気分(Center for Epidemiologic Studies Depression Scale)を6ヶ月齢、12ヶ月および36ヶ月で測定した。

 

[結果]中断のない6時間または8時間のいずれかの睡眠の定義を使用すると本研究から、612歳の乳児の27.9%〜57.0%が夜間に眠らなかったことが分かった。夜間の睡眠と同時または後の精神発達、精神運動発達、または母性気分との有意な関連を示さなかった(P> .05)。 夜間の睡眠は、授乳実施率が低かった(P <.0001

 

[結論]中断されない睡眠と精神運動または精神運動発達、母親の気分との関連が見出されなかったことを考慮すると、早期睡眠強化の期待は緩和され得る。

 

[コメント]乳児の持続的な睡眠とその後の精神発達、母親の気分との関連性を検討した研究である。一般的には睡眠は児童発育において基本的かつ重要な役割を果たしており、子どもの睡眠不足は身体的および精神的健康問題に関連していることが示唆されている。

 

睡眠を6時間の基準を使用した場合、生後6ヶ月の乳児の母親の62.4%が、6時間以上連続して睡眠を取っていると報告したが、37.6%が6時間未満を報告した。また、8時間の基準を用いたところ、生後6ヶ月の乳児の母親の43.0%が少なくとも8時間の睡眠を継続していると報告しているが、母親の半数以上(57.0%)が8時間未満であった。

 

生後12ヶ月の時点で、乳児が少なくとも6時間連続して眠っていると回答した母親は72.1%であったが、27.9%は6時間未満であった。また母親の56.6%が8時間以上寝ていたが、母親の43.4%が8時間未満であったと報告している。なお、夜間の睡眠状況と、その後の精神発達、母親の気分との関連性は認めていない。

 

【乳児の睡眠時間】

生後6か月

6時間以上睡眠:62.4

8時間以上睡眠:43.0

生後12か月

6時間以上睡眠:72.1

8時間以上睡眠:56.6

※乳児の睡眠状況とその後の精神発達、母親におけるうつ病リスクとの関連なし

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Perkin MR, et al : Association of Early Introduction of Solids With Infant Sleep: A Secondary Analysis of a Randomized Clinical Trial. JAMA Pediatr. 2018 Jul 9:e180739. PMID: 29987321

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29987321

 

[重要] 世界保健機関(WHO)は、6ヶ月間、母乳育児を推奨している。 しかし、英国の母親の75%が5ヵ月で離乳食を導入し、26%の親が、この決定に夜泣きが影響を与えたと報告している。

 

[目的] 離乳食の早期導入が幼児の睡眠に影響を与えるかどうかを判断する。

 

[方法] The Enquiring About Tolerance studyは、2008115日から2015831日まで実施された人口ベースの無作為化臨床試験であり、英国とウェールズの3ヵ月齢の乳児1303人が対象となった。英国ロンドンのセントトーマス病院で臨床的受診が行われ、3ヶ月からの乳児食への固形物の早期導入について試験が行われた。

 

[介入]早期導入グループ(EIG)は母乳育児を続けたが、非アレルギー誘発性の食物とその後6種のアレルギー誘発性食品が導入された。標準導入グループ(SIG)は、英国の乳児摂食ガイドライン(すなわち、6ヵ月齢までの独占授乳とこの期間中の食物摂取を避けるため)に従った。

 

[評価項目] 標準化された幼児睡眠アンケートを用いた幼児睡眠に対する早期食摂取の影響を検討した先行研究の二次解析

 

[結果] Enquiring About Tolerance study, に登録された1303人の乳児のうち、1225人(94%)が最後の3年間のアンケート(618 SIG [95]および607 EIG [93])を完了。無作為化は有効であり、2つの群の間に有意なベースライン差はなかった。離乳食の早期導入後、EIG内の乳児は、SIG内の乳児よりも有意に長く睡眠し、覚醒頻度が有意に低かった。 2群間の差は6ヵ月齢でピークに達した。この時点でITT解析では、EIGの乳児は一晩16.695CI7.8-25.4)分長く寝ており、夜間の覚醒頻度は夜間に2.01から1.74回に減少していた。ほとんどの臨床的に重要な、非常に深刻な睡眠の問題は、母親の生活の質と有意に関連していたが、SIGでは、EIGより有意に高頻度で報告された(オッズ比1.895CI1.22-2.61)。

 

[結論] 無作為化臨床試験では、幼児の食事への離乳食早期導入は、より長い睡眠期間、夜間の覚醒頻度の低下、および報告された非常に深刻な睡眠の問題の減少と関連していた。

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Ierodiakonou D.et.al. Timing of Allergenic Food Introduction to the Infant Diet and Risk of Allergic or Autoimmune Disease: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA. 2016 Sep 20;316(11):1181-1192. PMID: 27654604

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27654604

 

[背景]離乳食にアレルギーを誘発しうる食品の導入タイミングは、アレルギーや自己免疫疾患リスクに影響を与える可能性があるが、これらのエビデンスは体系的に統合されていない。アレルギーや自己免疫疾患リスクに影響を与えうるアレルギーを有はする食品の導入タイミングについて、システマティックレビューメタ分析を行った。

 

[方法]19461月~20165月までに報告された文献についてMEDLINE, EMBASE, Web of Science, CENTRAL, and LILACS databasesをサーチ。生後1年の間にアレルギーを誘発しうる食品の導入タイミングとアレルギー、自己免疫疾患を検討した介入研究、観察研究を組み入れた。データの統合はランダムエフェクトモデル(Mantel-Haenszel)を用い、エビデンスの評価はGRADEに従った。喘鳴、湿疹、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、アレルギー感作、1型糖尿病、セリアック病、炎症性腸疾患、自己免疫性甲状腺疾患、若年性関節リウマチが検討された。

 

[結果]卵の導入については5つの研究(解析対象1951人)で46か月に導入するとアレルギーリスク低下(risk ratio [RR], 0.56; 95% CI, 0.36-0.87; I2=36%; P=.009).

ピーナッツの導入については2研究(解析対象1550人)で411か月でアレルギーリスク低下 (RR, 0.29; 95% CI, 0.11-0.74; I2=66%; P=.009). 卵やピーナツ導入のタイミングは、他の食品にアレルギーのリスクと関連していなかった。また魚の導入はアレルギー感作や鼻炎のリスク低下と関連するという弱いエビデンスあり。グルテンの導入タイミングとセリアック病には関連がないとする強いエビデンスあり。

 

[結論]このシステマティックレビューでは早期の卵、ピーナッツの離乳食への導入で卵ピやーナッツアレルギーリスク低下に関連していた。

 

 

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