世間はホリエモン逮捕劇で騒いでるようだ。
球界参入に始まり、メディア買収、選挙とガチャピンばりに色々なことに色々なことに挑戦するのは偉いとは思っていたけど、どれも結局何故かは知らんが最後までうまくいってないのは嫌だった。形にして、継続性のあるものにしてこそ本物だし若い人にも一つのモデルを示せる人物になれた。どうせならどれか一つでも成功していたらとは思う。今回のこともそうで、やはり従来の常識を超えた方法で企業をいいとこまでもっていったが、詰めの甘さや焦りが露呈される結果になった気がする。同じようなことをしてる会社なんて沢山あるだろうに。
でも、ホリエモンよりも嫌だったのは日本人の節操のなさ。あれほどチヤホヤしてたのに、逮捕と決まれば手のひらを返したような態度。ニュースで流れてるライブドアの忘年会の気持ち悪さは、オウム真理教事件で麻原彰光が選挙で変な歌を歌ってる様を彷彿させる悪意溢れる編集だった。人を悪者にするのは簡単だが、悪者を支持した責任感を感じないのが大方の日本人なのだろうか。そういう浅ましさに自覚がないことの方が株価の乱高下よりよほど問題だと思う。戦争の責任、バブルの責任を感じない普通の人はあまりにも多い。何でもリーダーのせい、目立つ人のせいにしているようでは、民主主義なんて永久に完成しやしない。
話し変わって、ビジネスの暗部として、インチキとかごまかしとかは必要悪として厳然と存在している。そもそも、会社がものの値段をつけるのだって結構いい加減なもので、限界生産費用も均衡価格もクソもない。会社対会社、会社対消費者のこれを売ってこれだけ儲けたい、乃至はこの商品はこの値段で仕入れたが、このお客さんにはこれくらいの価格で売ってもいいだろう、これくらいはゴネて負けてもらえるだろうという化かし合いのゲームを延々と繰り返している。そういう世界にどっぷり漬かっていくと、徐々に言う事なすこと嘘だらけになってしまうのではないかという怖さを最近感じる。お金を儲けなければという欲望、切迫感が、人間としての真っ当なあり方を食いつぶしていく。お金のために人を騙したり嘘をつくのが当たり前になったらお終いだ。とはいえ労働の対価といえば聞こえはいいが利益を得るということの一側面には法には触れずともこういうブラックなことが結構普通にあったりするのである。そういうもんだと思いつつ胸クソ悪くなる。しかし俺の胸くそ程度でどうにかなるものではない。
でもやっぱり胸くそ悪いから人としてまともな営業というやや矛盾したテーマを目指して今後も黙々とやるしかないんだろう。早くけちらせられるくらいになりたい。 色々な嫌な事を。