初めてスマホに買い替えた。

料金が高いと思っていたが、今までの料金とさして変わりないのが判明したため、素早く決断した。

家に帰ってからというもの、ずっと慣れない操作で買ってきたスマホを夢中でいじっていた。

一息ついて、部屋の机を見ると、ほんのさっきまで使っていた先代の携帯が置いてある。

さっきまで使っていたその携帯は、通話の機能を抜かれ電波は圏外となっていた。

随分と長い付き合いだった。

思い出してみると先代の携帯は2006年の初めから使っていた。もはや2012年も終わりなのでおよそ7年間使っていた事になる。青い塗装ははボロボロに禿げて傷だらけだ。

多分、擬人化すればこの肌身離さず持ち歩いた携帯は、自分の社会に出てからの大部分である7年間を一番身近に見てきた存在だ。

この電話で、友達とかとの楽しい話、仕事の場でのシビアで嫌な話を山ほどした。沢山のメールで時に事務的に、時に軽快に、時に生々しく多くの人と交信を行ってきた。

この電話は自分の7年間のほとんど全てを知っている。まだ、中には自分の撮った写メや、ダウンロードした着メロ、送受信したメールの数々がまさに生きた記録として残っている。

楽しい事も辛いことも沢山あったが、この青い携帯と歩んだ歳月は、トータルでいえばいい7年間だった。

待ち受けに映る圏外の文字を見た時、その役目を終え、過去の物になってしまったという事に今更ながら気づかされた。形は残っているが、魂は抜けている。

携帯が代替わりする事で、この7年が完全に過去となったような気がした。

色々な事を思い出してもの凄く寂しい気持ちと、何だか、裏切ったような気持ちが混ぜこぜになって申し訳なくて泣きそうになった。人との別れはいつも悲しいが、慣れ親しんだ物との別れもやっぱり悲しかった。

言わなければならない。長い間、ありがとう。今度は新しいスマホとともに、これまで以上に楽しく、熱く生きていきます。