前科無き日常

気づけば開設9周年。。。

December 2013

憧れの街(スペイン旅行記10)

 バレンシアで一泊、翌朝旧市街をさらっと見学した後、バスはいよいよ旅の終着点バルセロナへ向かう。バレンシアオレンジという位だから道中はオレンジ畑が延々と続いた。バルセロナに近づくにつれ段々と高揚感に包まれる。いつでも初めての街に行くときはわくわくするが今回は格別だ。今世界で最も人気のある(らしい)観光都市。どのような風景、出来事が待っているのだろう。

 オリンピックスタジアムのあるモンジュイックの丘を抜けいよいよ市街に。ホテルが港の近くにある為、海岸沿いをバスが走ったが重厚な建物が並ぶ山側とは対照的にベイエリアはモダン。コロンブスの像を抜けようやくホテルに到着。ここでトモダチドライバーラウルさんともお別れ。道中無事に運んでくれた感謝と友情の印として、日本から非常食として持ってきたカップラーメンをプレゼントしたらどうやら喜んでくれたようだった。さようならラウルさん。お元気で。

 ホテルに到着したら翌々日の昼の出発までは自由時間となる。事前に行こうと思っていた場所をこの日のうちに回れるだけ回りたかったが、到着した時間がやや遅かった為、この日はそのプランは諦めハモンさんがフラメンコショーを見たいと言っていたので付き合う事にした。市内で一番賑やかなランブラス通りに地下鉄で出てガイドブックにあった日本人観光案内所でフラメンコのチケットを買う事にした。ここもまたグラナダのそれと同じで古びたアパートの一室にあり、部屋に入ると、中は雑然としており日本語は話すがやや国籍不明な中年男性から前売りチケットを購入した。グラナダといいバルセロナといいスペインの日本人観光案内所には変わり者ばかり。

 開演時間まで少し時間があったので観光案内所でお勧めを聞いたレストランで軽く食事を取ることにした。ややリッチな感じの店で、サングリア(ブドウサワーのような飲み物)とメニューで一番安いガスパチョたるものを注文したらもろに貧乏風情の日本人を蔑むような態度でウエイターに見られた。ガスパチョがどういうものか分からず注文した所、出てきたのが野菜ジュースのようなもので、冷たいサングリアと冷たい野菜ジュースで、ただでさえ夕暮れで肌寒くなってきた身体が余計に冷え切ったのは今ではいい思い出だ。

 開演時間も近付き劇場に向かうとすでに入場を待つ人の列が来ていた。劇場の隣がゲームセンターでいかにも悪そうな人たちが屯していて、その一味のややイカレタ感じの地元女が開演を待つ行列にフラメンコはカタルーニャのものではないというニュアンスで悪態をついていた。内戦や独裁政権による弾圧もあり、外人から見れば同じスペインでも、カタルーニャ地方と他の地域は違うという主張の強さ、独立性を感じさせた。

 やっと入場となり席に案内されると、舞台の右端で、見づらい場所ではあったが席に余裕はあり居心地は悪くない。舞台が始まると声量のあるギタリストがギターを奏でつつ高らかと歌い、男女のダンサーが靴で激しくビートを刻み踊った。ダンサーは悪い意味でいい体格だったので、これでスタイル抜群の女性が踊ったらこれはヤバいぞと現実の向こう側を夢想した。正直、スペインに来たもののフラメンコにはそれまで一切興味が無く、おそらくハモンさんが行くと言わなければ行くことは無かっただろうが、実際に観て聴いてみると、ハートが揺さぶられ、昂るものがあり、素直にこういうのも悪くないと思えた。逆に先入観がないからよかったのかもしれない。

 フラメンコが終わり、ガスパチョで冷え切った身体を温める為、ホテルへの帰り道のレストランへ入り、ムール貝の茹でたやつをしこたま食べた。ほんとはガイドブックにあったアサリが食べたかったのだが、これはこれで旨い。ついに明日は旅の集大成、バルセロナ一日自由行動の日だ。

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TOMODACHI(スペイン旅行記9)

  いよいよこの旅も佳境。グラナダを経てバレンシアで一泊しその後最終目的地バルセロナへ向かう。
今回の旅を共に過ごすメンバーである一人気になる人がいた。それは観光バスの運転手のラウルさんというおじさんで、おそらく50代位なのだが、むちゃくちゃサッカー日本代表のザッケローニ監督に似ているから妙に親近感を覚えていた。そこで?観光バスでの旅も残す所一日余りだったので、意を決して話しかけてみようと思った。こういうときの度胸は割とあったりする。

 ハイウェイのドライブインでの休憩時に早めにバスに戻って片言の英語でどこに住んでいるかを尋ねてみると、「マドリッド!」と日本人でも分かる発音で答えてくれた。おお!するとラウルさんが自分から今回のようにバスでの長旅のドライバーを務める事が多く家には月の半分も帰れず、妻がプンプンだと鬼の角のジェスチャーで教えてくれた。そして携帯の写メの妻の写真を見てみろと呼ばれ見てみると年はそれなりだが美人でエロい感じの日本人女性が映っている。美人ですねと片言のスペイン語で答えると、さらに気を良くしてくれて娘の写メも見せてくれた。とても美人ですねと答えるとそうだろ?みたいな感じで得意げだった。片言でしか話すことはできないのだがきちんと意思疎通ができたことが凄くうれしく、人と会話する事の喜びの根っこに触れた気がした。すっかりなじんだ感じになったので記念に一緒に写真を撮ってもらった。自分のモサさ、オシャレ感の無さ、そして相変わらずのぎこちなさと写真に撮られ慣れしていない感じが出ているが、自分なりに精一杯調子に乗っているこの写真が今回撮った中で一番気に入っている。

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 長時間のドライブだったがようやくバスはバレンシアに着いた。この日は遠出せずホテルのレストランで夕食を取ることにした。ハモンさんとレストランに行くと、ラウルさんが一人で晩御飯を食べている。我々に気付くと、陽気に「オートモダチ!」と声をかけてくれ、メニューを指さしこれが旨いぜと鳥のカレー風味のグリルを指さしたので流れに乗って注文したが大して旨くは無かった。おまけにワインをこぼしてしまって超ドギマギしていたが、ダイジョブダイジョブーと声をかけてもらって平静を取り戻させてくれた。とてもいいヤツだ。そしてラウルさんは我々より先に食べ終わりその足でレストラン併設のバーに向かうとツーフィンガー?程度のウイスキーを注文し、チビリチビリしながら見ず知らずの他人と談笑を交わしていた。ダンディにも程がある。もはや根腐れして手遅れかもしれないがこういう大人にならねばと思った。と同時に、近い場所で何年関わっても距離が縮まらない人なんて沢山いるのに、ほんの何回か、しかも他の言語を話す人とは簡単に「TOMODACHI」になった感じがするというのは不思議で、この簡単に人に近付けるフィーリングを日本でも出せればなとは思うが、日々の生活の中では中々そうはいかないものだと思うといつも残念な感じがする。

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