バルセロナの自由行動日。紆余曲折はあったがほぼ目的地には辿りつくことはでき、時間はもう夕方6時位となっていた。もう少し時間があれば港とモンジュイックの丘をつなぐロープウェイに乗りたかったが最終便には間に合いそうもなかったので、一度ホテルに戻って少し休憩した後、夕食を食べにもう一度外に出る事にした。特にあてもなかったが、歴史あるバルセロナの街並みの中では毛色が変わって近代的な建物が並ぶ港の方に出る事にした。港には大きな複合商業施設があり、その中に水族館があったので入ってみる事にした。外国の水族館がどんな感じか興味があったのだが、入ってみると至って地味な中堅クラスの水族館で、規模でいえば地元のマリンピア日本海@新潟くらいで、イルカショーとかがない分だけ@新潟のが勝っているような気もする。規模、エンターテイメント性でいえば水族館のクオリティは明らかに日本に軍配が上がった。

 そろそろ本格的に腹も空き、もはや動き回るのも面倒くさかったので水族館のエリアのショッピングモールに入って食べれそうな所を探したが、そこに一軒の「UDON」なる看板の店を発見。折角遠くに来たのだからその土地のもの食べればいいものの完全に魔がさしてこの店に入ってしまった。雰囲気は日本におけるうどんの大衆的なイメージとは異なり随分とスタイリッシュ。ローマ字で書かれたなじみある品々の中から「UDON」と「NORIMAKI」をチョイスした。久しぶりの箸で「UDON」をすすると思ったよりも「うどん」で少し驚いた。しかしもっと驚いたのは「NORIMAKI」で、コメの代わりに茹でたそうめんでサーモンを包んだのり巻きが登場。無意識的にコメを求めてこの店に入ったのにこの顛末。食の選択についていえばこの旅は反省すべき点が多すぎる。

 珍妙な日本の味に冴えない舌鼓を打ちながら思った。今回の旅で日本には無い有形無形のものを沢山観る事ができたが、一方で日本の方が優れているものも沢山ある事に気付いた。水族館も然りだが、このショッピングモールも市街中心地にあったバルセロナ一のデパートも、スケールでいうと日本の片田舎の新潟のイオンの方が大きい。食べ物も国籍を問わず安くてもおいしい店が日本には山ほどある。娯楽もバラエティに富んでいて、歴史や自然景観もそれなりで治安もまずまず。GDPは中国に抜かれたとはいえ、世界に冠たる経済国家日本の物量、サービスのボリュームは他国(スペインしか比較対象がないが)を圧倒している。もし、自分が日本人ではないとしても、今の時代一番行きたい国の一つとして日本と挙げたい位の観光資源を実は持っているのではないかと思った。しかし、当の日本人の多くはその事に気づいておらず、実り少ないドメスティックな町おこしを延々と続けている。それはそれでクールジャパンとかいって見当違いの評価を得ることもあるかもしれないが、いずれにせよ今後益々外国人旅行者が増えた時、最低限、案内表示やサービスの多言語対応くらいはもう少し力を入れた方が身のためなのではないかと遠い異国で大した脈絡もなくふと考えた。いよいよ明日はスペインを発つ。

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