インド最終日。待ちに待ったデリー自由行動の日といったところなのかもしれないが、これまでの濃い旅程の中でもうお腹一杯という気持ちが多少あって、前年に行ったバルセロナのように何でも見てやろうという気持ちも沸かず、ゆっくりいける範囲でいいので回ろうと思った。

 割とゆっくりの時間にバジャージ家を出て、インド門近くの博物館へ行きだらだらとよく分からない展示物を眺め、ニューデリーの中心部コンノートプレイスにある日本料理店でわけの分からない焼うどんを食べた。海外で日本料理店に入るのはもはや安定のコースとなっている。その後地下鉄に乗って、オールドデリーへ。チャンドニー・チョーク駅を降りて、人の流れに沿って歩くと例によってリキシャの客引き。「20ルピー」という若者の人力リキシャに乗ることにした。目的地は世界遺産のラールキラーだったのでそこに行ってくれというと、他にもいろいろいいとこがあるから回ってやるみたいなことを言ってきたので俺が行きたいのはそこでなくラールキラーだというとふて腐れつつも言うことを聞いて目的地まで送ってくれたのだが、降りる段になって「20ダラー」とか言い出してきたので、腹が立ってインドルピーを無理やり払って歩いていくと追いかけてくることはなかった。最後の最後で不愉快な出来事が起きてラールキラー見物どころではなかった。というよりそもそもこのラールキラーという建物自体に大きな興味が湧かなかった。この旅を通じて、というよりここ数年いろいろな所に回ってきて旅というものに関する自分自身の感性が変わってきているらしく、どこに行き、何を見るかというより、誰と出会い、どんな話をして、どんな出来事に出会えるかということの方に完全に関心が移っている。

 オールドデリーから最後にガイドブックにあった石鹸を売っている店に行きたくて本と携帯情報を頼りに行こうとしたが結局店が見つからずタイムアップ。夜の飛行機に乗る準備のためバジャージ家へ帰還。ルートとしてはニューデリーのバザールが並ぶ地区にも行ければ良かったが又来るだろうということで今回はお預けとなった。
 時間になると、シンさんが空港への送迎で迎えに来てくれた。シンさんとは一つ約束をしていて、またインドに来るときには、シンさんの家へ遊びに行くこと、シーク教の総本山があるアムリトサルの黄金寺院に行くことだ。ホストファミリーのバジャージさんとシンさんとはメールアドレスの交換をした。もう会えないかもしれないが何だかそんな気がしない。きっとまた会えるだろう。また、お世話になったお礼に持ってきた地球の歩き方と、日本円3000円をシンさんにプレゼントした。ルピーの方が喜ぶのかもしれないが、今度東京オリンピックに行ってみたいと言っていたので、成田空港から都内への電車切符ということで貰う相手にとってはめんどくさいプレゼントだったろう。
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