2005年11月19日

サカラメンタ提要

1549年8月15日、鹿児島に上陸した聖フランシスコ・ザビエルによって伝えられたキリスト教は、同時にグレゴリオ聖歌等ルネサンス期の西洋音楽を伝え、これらの音楽は60年余りに渡って日本各地の聖堂で日本人の手によって演奏されたといわれています。

『サカラメンタ提要(Manvale ad Sacramenta Ecclesiae Ministranda)』(1605年刊)は、日本司教ルイス・セルケイラが編纂した典礼書です。キリシタン宣教初期にはミサ以外の諸典礼式書は存在しなかったので、巡察師のヴァリニャーノが1580年の協議会においてつくるように指示したそうです。『サカラメンタ提要』は日本文化・習俗を考慮した上で編纂されており、司教執行の堅信と司祭叙階を除く5つの秘跡に関する説明と教会法による規定、信者への訓辞などが示され、他にも各種の祝別や行列、埋葬式などへの指針が書かれています。ちなみに式文は黒色刷り、説明文は赤色刷りになっており、日本で最初の二色刷り印刷といわれています。

この中には19曲のグレゴリオ聖歌の楽譜が含まれていますが、現存する日本最初の活版活字印刷楽譜であり、二色刷活字印刷書でもあります。聖歌は五線のネウマ譜によって書かれており、五線が赤、音符が黒となっています。また、日本人が葬儀を重要視することから、19曲中13曲が葬儀用、他の6曲は司教訪問などの時に歌う曲となっており、一般信徒が普段歌うようなものではなかったようです。

 私たち江迎中世音楽研究会は、平成16年12月からこれらの曲に取り組み始め、現在「Tantum ergo」他2曲を練習しています。



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