知識力と思考力を鍛える 財務諸表編


ニュース編に続いて、今回は財務諸表編です。

財務諸表は、知識力と思考力を鍛えるにはいい素材だと思います。財務諸表を理解するためには会計学の知識が必要であり、そして意思決定をするためには思考力が問われます。


会計学の知識の重要性

会計はビジネスをする上で欠かすことのできない要素です。会計の素養を身につけておくと、業種を問わず多かれ少なかれその知識は役に立つと思います。財務諸表は海外の国の企業も当然作成しますので、語学の勉強にもなります。


思考力と意思決定

企業が作成した財務諸表は、これに基づいていろんな人たちが利用して意思決定を行います。意思決定には財務諸表から得られる情報はもちろん重要ですが、それ以外にも毎日報道されているニュースについての知識も必要です。特に国際情勢や政治経済、そして企業に関する情報は大切です。このような情報の入手において、英語力は大いに貢献します。

様々な要素を勘案して意思決定を行わなければならないため、思考力が問われます。『知識力と思考力』という記事で以前説明しましたが、思考力は将来のことを考える力です。このように財務諸表を読むことにより、思考力を鍛えることもできます。


財務諸表を読むための方法

財務諸表を読むことにより、知識力と思考力を鍛えることができます。しかし、ある程度の勉強が必要になります。

会計学の知識を身につける方法の一つとして、簿記があります。会計は言葉で説明されても分かりにくいですが、テキストや問題集などを利用して実際に自分で問題を解いたりして、一つ一つの取引について理解していけば、やがて貸借対照表や損益計算書などについて少しずつ理解できるようになっていきます。

現在簿記の勉強をされている人もおられるかと思います。簿記の問題を解く際に注意すべきことは、理解しているだけでは不十分だということです。時間内に、そして正確に問題を解けるようにするまで頑張る必要があります。これは簿記に限らず、TOEICなどの試験にも当てはまります。TOEICは特に時間制限が厳しい試験なので、時間管理が重要になります。

そして、問題を解いて満足するだけではなく、財務諸表を利用する意識を持って勉強する姿勢も大切です。以前、「キャッシュフローなんて簡単ですよ」と発言していた女性がいました。キャッシュフローの問題は、簡単な論点と難しい論点がはっきりしていることが多いですが、難問の作成は可能です。果たしてその女性は、難問を目の当たりにして「時間内に、そして正確に」問題を間違えることなく解くことが出来るのでしょうか。それだけではありません。キャッシュフローは意思決定においても重要な判断材料となります。ただ問題を解くだけではなく、それを有効に活用できてこそ意味があります。実務で利用している人ほど、「簡単ですよ」などの発言は軽々にはできません。財務諸表を学ぶ際には、それぞれの項目を詳細に見ていき、それが具体的にどのような役割や効果があるのかを考えていく姿勢が大切です。

また、懐疑心を持つことも必要です。情報に接する際には懐疑心を保持することが求められます。監査を受けて適正意見のついた財務諸表や情報源の確かな報道などは信頼度が高いですが、それでも100%確実とは言い切れない場合もあります。そのような場合には懐疑心が重要になります。2016年のアメリカ大統領選は接戦であったにもかかわらず、ある人は懐疑心を欠いてメディアの情報を鵜呑みにして、「絶対」トランプ氏が大統領になると予想しました。自分でしっかり考えたうえでの結論なら問題ないのですが、メディアの情報を疑いなく信じていました。もしこのような人が会計士になって懐疑心を欠いたままでいれば、粉飾を見逃す可能性があります。大切なことは、何事も不確実な場合は懐疑心を持って、徹底的に自分で調べることです。そうすれば、難しいことも少しずつ理解できるようになっていくと思います。

さらに、財務諸表を比較することにより、いろいろなものが把握できます。例えば、過去と現在の状況を比較することで、経営の違いが見えてきたりします。具体例としては、話題となった大塚家具が挙げられます。親子による経営の違いなどが大きくニュースで扱われました。財務諸表や従業員に関するその他の資料などを見ると、父と娘による経営の違いが見えてきます。また、自分の会社の財務諸表を同業他社のものと比較したり、あるいは同じ規模の会社と比較してみたりするのも面白いと思います。


最後に

簿記の学習を通じて財務諸表を学ぶことも大切ですが、財務諸表がどんなものか知りたい人は、財務諸表の読み方の本はたくさん出版されているので、そちらで学習するのも一つの方法です。

財務諸表を学ぶことにより、会計の知識だけではなく、将来のことを考える思考力を鍛えることができます。それだけではなく、普段のニュースについても注意を払うようになります。

会計は難しいということで、会計の勉強を避ける人もおられるかと思いますが、一歩ずつ学習を進めていけば少しずつ理解できるようになってきます。海外の情報を仕入れる際には英語も役に立ちます。会計と英語の学習の波及効果は大きいので、気になった人は始めてみることをおすすめします。