2006年02月19日

森 博嗣の「ナ・バ・テア」読了

ナ・バ・テア


森 博嗣 著 「ナ・バ・テア」 ★★★

地上で生き,大空で戦う人間たち。空でしか笑えない「僕」は,飛ぶために生まれてきた子供――。大人になってしまった男と,子供のまま永遠を生きる「僕」が紡ぐ物語。「スカイ・クロラ」シリーズ第2弾。


スカイ・クロラ』よりかは,楽しめた気がする。
いまいち好きになれないシリーズだが,きっとこの世界に慣れたのでしょう。

今作は『スカイ・クロラ』よりも,時代的には前になる。「キルドレ」についての説明は,相変わらずない。クサナギは前作よりも人間臭さを感じさせている。「キルドレ」も大人になるということなのか?そもそも「キルドレ」にとっての,「大人」の定義は何になるのだろう?とにかく極めてドライな考え方は変わっていない。

男に抱かれ妊娠をする。堕胎するには相手の承諾が必要。男に堕胎の許可を得るために連絡する。キルドレは事を周りに言わないでほしいと嘆願する。そして男は条件付きで承諾する。そしてキルドレは「ありがとう」と礼を言う。男は「クレイジーだ」と言った。


ホントクレイジーすぎる。こういった価値観に到達したのか,それともデフォルトなのかは分からない。どちらにしても一般の感覚からすると,ありえない。現代においては,昔に比べ人間関係が希薄になったといわれる。そのことに気付くほど長く生きてきたわけではないが,何となく分かる気も少しはする。身近な例でいえば,電話の回数が減って,電子メールを利用することが多くなった。主に仕事上でのことだが,電話や電子メールでは何百回とやりとりしてるのに,一度も会った事がない,という人が3桁はいる。会わないでも円滑に事が進んでいれば会わなくても良いというスタンスなのだが,こういう考えが人間関係を希薄にしていく原因なんだろうな。良い方向なのか,悪い方向なのかは,数十年後の人間たちが判断してくれることだろう。

最後に,このシリーズの装丁は,物凄く綺麗です。実際に手に取ってるのは新書のイラスト版だけど…。6月当たりに出す予定だという4作目は,どういう装丁になるんだろ?こういう楽しみ方もアリだと思ってます。でも買うのは新書だけどねw

ecr33ssr at 20:34│Comments(3)TrackBack(1)clip!森 博嗣 | ★★★

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. ナ・バ・テア [森博嗣]  [ + ChiekoaLibrary + ]   2006年02月20日 14:29
ナ・バ・テア森 博嗣中央公論新社 2004- 「スカイ・クロラ」の続編です。時系列的には「スカイ・クロラ」よりも前ですが。 今回は設定はわかってるから…と思って読んでいたら、まんまとだまされました。これが「叙述トリック」というものでしょうか…(違う?)。 ...

この記事へのコメント

1. Posted by chiekoa   2006年02月20日 14:29
このシリーズばっかりは、がんばって単行本で買う価値ありだと思いますよ!本棚の充実度が一気に…(笑)。鈴木成一さんの代表作になるかもしれませんね。
2. Posted by シリウス   2006年02月26日 01:10
もう本棚って呼べる代物じゃなくなってるんですけどね…。
無造作に詰め込んだ,本の墓場状態です。
3. Posted by    2006年04月07日 22:25
こんにちは!
これは、本来の森博嗣の作品とは一味違う作品ですね。
「スカイクロラ」をずいぶん前に読んだので、忘れている部分も多かったです。
最初は、受け入れにくかったのですが、内面を描いたこういった作品もいいんじゃないかと思いました。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
Profile
シリウス
三十路臭が漂ってるそうです。
肩こりに腰痛と肉体的には三十路を隠せない。
先日の節目検診で黄色信号と点された危ういやつ。
こんなやつですが,皆さんどうぞよろしくお願いします。
読書中/書評待ち
Recent Comments
リンク