ルイボスティHOME AGAIN

May 28, 2005

オヤジのギター

050526_110100_M.jpg 僕の仕事部屋には、オヤジが大学生の時に買ったギターと僕が大学生の時に買ったギターが並んでいる。 オヤジは大学卒業時、音楽関係の仕事に就職が決まっていたのにもかかわらず、家の都合で願いは叶えられなかった。そんなオヤジだったのに、僕に音楽を習うことを強いることはなかったし、自分で教えようとすることもなかった。でも、仕事の合間にギターを弾いたり唄ったりする姿を見ていたことがが、僕を自然に音楽に近づかせてくれたのは確かだ。僕が大学を辞めて音楽の道に進もうとした時も、手放しで賛成する訳でもなく、かと言って反対もしなかった。でも今の僕の音楽に対する執着は、決して口にすることがなかったオヤジの執着の遺伝子なのかも知れないなと思うことがよくある。
 つい先日、中学校の校門で、2年前に初めて中学校でギターを教えた時の卒業生の男の子と出くわした。彼は中三当時、進路で悩んで親に反発していて、その気分を和らげようと、校長室で二人でギターを弾いたりしたことがある印象深い子だ。あの頃、いつも俯き加減だったのが嘘のようなたくましい表情で、高校の軽音楽部でギターを弾いていますと胸を張った。僕のオヤジが、今の僕の年齢だった時、僕は16歳。ちょうど、この卒業生の歳だった訳だ。よく考えてみれば、僕もこの子たちに無理にギターを弾かせようとしたことはなかった。ただギターっておもしろいんだぜってことを見せてただけ、オヤジのように。
 5年前に死んだオヤジの遺品として僕の仕事部屋に鎮座しているギター。曲を書いたり練習する時、知らず知らずのうちに、オヤジのギターと向かい合っていたりする。

edge_etsuji at 21:55│Comments(0)TrackBack(0)

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