鏡の中の自分リハーサル

June 06, 2005

アリガトウ*サヨナラ

050604_100412_M.jpg 先週の水曜のこと。僕がボランティアで通い始めた頃からこの中学校での出来事をビデオカメラに収め続けている女性が、僕のギターの授業と昼休み中庭ライブの模様をカメラに収めに来た。
 給食前の音楽室、一人で授業の準備をしているところへ彼女はやってきた。もちろん初対面ではなかったけれど、これまではじっくりと話す機会もなかったから、改めて僕がやってきたことを大まかに話しながら、ここで作った曲を聞いてもらったりした。
 僕が中学生と交流して、最初に新鮮に響いた言葉は「サヨナラ」だった。授業の最後、部活の最後に子供たちは声を揃えて「ありがとうございました、さよなら」と頭を下げる。下校する子供たちと交わす挨拶も「サヨナラ」だ。僕らは普段、「ありがとう」や「こんにちは」は使っても「サヨナラ」ってなぜか口にしなくなっていた。そのことに気付いたことさえも新鮮だった。その小さな心の動きを記憶に留めたくて、初めてギターに触れる子にも比較的簡単に押さえられるコード進行で「アリガトウ*サヨナラ」という曲を作った。
 この曲を聞いた彼女は、気に入ってくれたようではあったが、「サヨナラ」という言葉を連呼するサビで、「サヨナラ」だけじゃなくて、もっと情景の浮かぶ言葉が聞きたかったと素直な感想を漏らした。彼女も、僕とは違う方法と距離感だけど、同じ時間軸の中で子供たちを見つめ続けてきた。だからこそのコメントだったことは僕も十分に納得できた。とは言うものの、僕には僕の曲に対する思いもあり、そういう感じ方もあるんだろうなって位にしか受け止めてなかった、正直な話。でもその翌朝、目覚めたばかりのまどろみの中で、いつの間にか「サヨナラ」に代わる言葉を探している自分がいた。それは世界を壊すことではなく膨らますこと。こういう風にも曲は育って行く。すんなりとメロディに対する言葉のイメージは出来上がった。
 この曲は6月12日のライブで演奏するつもりだ。新しい詞は間に合わないかも知れないが、その膨らんだイメージを浮かべながら唄いたい。

edge_etsuji at 07:56│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by billg   June 13, 2005 15:59
「アリガトウサヨウナラ」とっても素敵な歌でした。
Moveも気に入っていただけたようでほっとしました^^

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