2024年02月09日

セクシー田中さん問題、編集者として悔しい

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「セクシー田中さん」ドラマ化で原作を破壊され自死を迎えた芦原妃名子氏の件、当方も編集者として色々思うことはあった。経緯がはっきりするまでは発言を控えようと思っていたのだが、今日小学館の担当編集部署とドラマ脚本担当の相沢友子氏がコメントを出したので、少し書く。

原作者の方は映像化・アニメ化に際し「ご自由に」という人もいれば、「ここは変えないでほしい」という人もいる――。とかなんとか、テレビ・脚本関連の方々がよく発言している。つまり「納得づくで変えるならいいだろ」と自己正当化しているのだろう。

だがそれが原作逸脱の免罪符になるとは思えない。そもそも原作は変えてはいけないものだ。30分アニメ、60分ドラマ、2時間映画と原作コミックや小説とフォーマットが違うので丸々同じにできないのは当然。だが改変はあくまでフォーマットに適合させるだけに留めるべきなのもまた、当たり前だ。

「視聴者層に合わせるため恋愛シーンを入れる。そのためにライバルキャラを新規投入」「客を呼べるアイドルを主役にしたいから、この暗い設定は排除(事務所にNG出される)」「冒頭にインパクトを出したいから時系列をいじる」等々、やるほうがおかしい。

嫌ならそもそも原作付きなんてやるべきではない。好きなようにいじれるオリジナルでやればいい。「原作人気でひと儲け」したいんだったら、著作者人格権を侵害する改変などしてはいけない。


私の所属する出版社では、全編集者を対象に、著作権についての研修が持たれている。小学館のような巨大出版社でも同様のはず。ならなぜそれを守れなかったのか。


今日出た小学館・担当編集局のコメントも、悔しい気持ちは伝わってくるが、結局ありがちな「今後このようなことのないように真摯に考える」に逃げてるだけで、事件の真相についてはまったく触れていない。要するに「善処します」って奴。

しかも「ドラマも愛してほしい」とか書いてあって、原作者が死をもって抗議した気持ちを逆なでしている。「今後も日テレとは金儲けするので仲違いしたくない」と言わんがばかりだ。


これは日本テレビも同じだ。こちらは小学館よりはるかに酷い、木で鼻をくくったようなおざなりコメントだけ出して沈黙。いやあなたたち、他の企業の不祥事には「第三者委員会を作れ」とか言い張ってるのに、自分とこの不祥事には他者の監査を入れないんですかね。

脚本家の相沢友子氏が昨日出したコメントも読んだけど、あれも酷いわ。憤死した原作者に対するセカンドレイプだ。だって内容が「私は事実を知らなかった」「誰を信じていいかわからない」って要は、「私は悪くない」を繰り返してるだけだぜ。そんなんあるかよ。あんたSNSで原作者を「口を挟んできたわがままな部外者」として激しく攻撃してたじゃんよ。

本当に謝罪する気持ちがあるなら、「どうして自分が知らなかったのか」「誰からどのように原作者の意向を聞いていたのか」、明白に明かすべきだ。それだけが原作者のことを悼む行為だろう。


脚本の相沢友子氏、日本テレビプロデューサーの三上絵里子氏は、過去もこの手の原作クラッシャーとして挙げられてきた。人間、口ではなんとでも言える。行動こそが、その人間の真実だ。


ここまで情報が揃って見えてくるのは、プロデューサーである三上絵里子氏に大きな問題があったという可能性だ。

問題の三上絵里子氏からは、まだなんのコメントもされていない。当該ドラマ製作の最高責任者である以上、説明責任を果たさず逃げ一方の姿勢では、そうした推測を裏付けるだけだろう。

なんにせよ、これで幕引きというのでは、あまりに芦原先生が気の毒だ。「今後こうした事態にならないよう善処」なんて寝言言ってる場合ではない。まずは「今回の事実関係を全て明らかに」。それだけが先生の名誉を回復する行為だろう。現在の問題が明らかになってこそ、未来の悲劇が防げるのだ。

魔王の右腕になったので原作改悪します 2
引き揚げの悲劇 (漫画家たちの戦争)



editors_brain at 07:08|PermalinkComments(0) マスコミクリップ 

2024年02月01日

「お通し」の意味を店が外国人にうまく伝える方法

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インバウンドで「お通し」習慣のない国から来る人も多いし、難癖つけられるなら最初から対策したらどうかなという提案。いや事前に理解してから来店する外国観光客もいるけど、そうじゃなくてなんとなくモヤモヤしながら払う人、さらには抗議してくるクレーマー気質の方とかいるからさ。

まずインバウンドの多い居酒屋とかだと英語メニューくらいは用意していると思うけれど、そこに記述したらいいのよ。いや英語メニュー無い店でも、お通しに関してだけ張り紙しとくとかさ。

文面はこんな感じでいいんじゃないかな。

otoushi : table charge with free dish : 300yen
とかさ

要するに「頼んでもない、食べたくもない品が有料で出てきた」と思うから怒るわけでさ。そうじゃなくて発想を変えて「席料取るけと小皿料理おまけします」としとけばいい。これならむしろ「得した」と思わせられる。

これでも難癖つけてくる人がいるかもだけど、少なくともほとんどのクレームはこれで消えると思う。

特に「もやもや勢」を減らせて店に対するロイヤルティーを高められるのがでかいわ。彼らが店を気に入れば、snsで自国の観光客に宣伝してくれるかもしれないわけで。

「お通し」はなぜ必ず出るのか―ビジネスは飲食店に学べ―(新潮新書)
日本料理のお通し・前菜・酒肴大全

editors_brain at 18:17|PermalinkComments(0) 雑記 

2024年01月30日

紙でもプラでも、ストローっていらないよな

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レジ袋有料化に続くコンビニでのプラスプーン有料化とかで、なんかプラスチック=悪みたいな風潮になってるけどさ。

それはプラを大量に捨ててきた・今も捨てている国の話であって、日本のように不燃物回収に加えサーマルリサイクルでほとんど有効利用している国ではプラは別に問題ではない。適材適所を貫けばいい。

そもそも科学的根拠不明のまま「有害とされている」マイクロプラスチック問題にしても、そのほとんどは洗濯時に排出される化繊服のカスと検証されており、プラのスプーンがどうたらというのはほとんど、環境テロリストの難癖に近い。


とはいえ、減らすことに反対しているわけではない。というか資源節約の意味からも不要なプラ製品を排除するのは賛成だ。

この一連の動きに応じ、カフェとかでプラストローが排除されて紙ストローとかになっている。ここで本題だが、プラも紙もくそも、そもそもストローなんていらんだろ。無くせばいいじゃん。

考えてもみてほしい。アイスコーヒーにストローなんかいらんわな。熱いコーヒーやビール同様、グラスや紙コップに口を着けて飲めばいいだけの話で。たとえばマックの容器なら、ホットコーヒーと同じ、口を着けるカップにして、何の問題もない。

いやストロー必要なコールドビバレッジもあると思うよ。クリームソーダとか。そういうのは紙ストローを使うとして、後は全部ストロー廃止にすればいい。プラ使用量も減らせるし、店は手間とコストを削減できる。客にしてもなんの不便もない。一石三鳥だ。


廃プラ問題書籍



editors_brain at 16:40|PermalinkComments(0) 雑記 
プロフィール

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出版社の編集者。雑誌、単行本、Webサイトとすべて経験。基本マインドは雑誌屋。デザインに凝った趣味雑誌が好み。

趣味は多彩。のめり込むタイプで、対象増加の一方。

キャラクター的にはツッコミ(自称)。他人に言わせると「ボケ」。
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