2021年09月20日

新型コロナウイルス感染症ワクチン効果とデマ検証

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先日、新型コロナウイルスの変異が速い理由を解説した。今日はワクチンの効果について書いておこう。


ワクチンの効果は世界中で検証されている。日本でも厚労省が接種者の追跡調査をしていて、それが官邸で公開されているので、誰でも調査概要を知ることができる。

これがそのデータだ(PDF)。

全体像については官邸Web参照。


これを見ればわかるように、致死率にしてざっくり9割減。感染率にして8割減といったところ。圧倒的な効果がわかる。

そもそもワクチンは接種から十分な抗体ができるまで1〜2週間とされており、その間は感染しやすい。ワクチンを射ったからで浮かれて遊びに出れば、そりゃ感染する奴もいるだろう。実際に抗体ができてから感染した/死亡した事例は、この数字より低くなるはず。つまりワクチンの効果は9割/8割以上ってことさ。実際、米国CDCの調査では、致死率が10万分の1になっている。


あと文系の人とかがちょっと心配なんで書いとくけど、ワクチン接種で感染率が8割減ってのは「ワクチン射ってても2割が感染する」ってことじゃないよ。「ワクチン未接種者の感染率が1%だとしたら、ワクチン接種者の感染率は0.2%に激減する」って意味。よく考えたらわかるはずだが、反ワクとか、わかってて嘘で扇動するからなあw


反ワクチンの非科学的な妄言については前回も触れたが、この数字を見てもワクチンを射たないようでは、やはりリスクとベネフィットのバランスを判断できないと思われても仕方ない。


ワクチンの効果が世界中で検証されているため、反ワクチンデマも最近では「長期的に問題が出る」「mRNAワクチンが危険」といった苦し紛れのデタラメ流布に進んでいるようだ。

あの人達、「反ワクチン」にするためなら、次から次へと主張を変えてデタラメ振り撒き続けるからな。「宇宙人の存在をNASAが隠している」「世界政治はフリーメイソンが牛耳っている」主張の連中と同じで、典型的トンデモだわ。

mRNA云々のアホらしさについては前回解説したので、不安な方は読んでみてほしい。


「ワクチン接種で死者が出た」といった方向から攻めてくる反ワクチンもある。これ最初は「実験マウスが2年で全部死んだ」って奴だったんだよな。でもマウスの寿命自体がそもそも2年ってバレて、「実験猿(とか猫)が2年で死んだ」にバージョンアップしてたw

それにコロナが発見され、ワクチン開発始めてから2年も経ってない頃に流布されたデマなんで、そもそも「2年で死んだ」部分だけ見ても嘘とわかるというね。


日本では毎日平均3800人がなんらかの原因で死んでいる。日本のコロナワクチン接種者は現在8300万人。つまり割合から考えて、ワクチン接種者のうち2500人は、毎日なんらかの原因で死んでいる。

この死をことさらワクチンに結びつけて考えるのがおかしい。ほとんどの場合、実際にはワクチン接種と無関係だろう。命に関わる副反応が出るのは0.02%だ。コロナの致死率2%と比べて、どちらのリスクを取るべきかは明白だろう。



editors_brain at 07:30|PermalinkComments(0) ヘンな世界 

2021年09月13日

コロナウイルスが変異するワケ

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新型コロナウイルス感染症を引き起こすウイルスCOVID-19、α(アルファ)から始まってベータ、ガンマ、そしてΔ(デルタ)、さらにその先へと変異型が登場している。

どんなウイルスも増殖時の遺伝子コピーミスから変異型が登場するものだが、COVID-19の変異は特に速い。新型コロナウイルス感染症については、このブログでも何度か書いてきた。

今回は、変異型が次々登場する理由を。ここで書いておこう。


COVID-19が属するコロナウイルス科にはもちろん、いくつものウイルスが存在している。たとえば普通の風邪ウイルスとか。COVID-19はあくまでコロナウイルス科の一種だ。

コロナウイルスは、遺伝子構造的にはレトロウイルスの一種だ。つまり自分の遺伝情報をDNAでなく、RNAで保持している。


RNAはDNAに比べ、化学的な安定性に欠ける。このため、人類を始めとする多くの生物では遺伝情報をDNAに保持している。RNAはあくまで、細胞分裂の際、DNAを複製するときに一時的に用いられる。不安定だと細胞分裂の際にエラーが起こりがちなので、生物としての同一性保持が難しくなるからだ。そうした生物は進化の途中で淘汰されてきたわけさ。


だがCOVID-19をはじめ、すべてのウイルスは生物ではない。宿主細胞内で自己複製機能を発揮するだけの無生物だ。話はずれるが、このためウイルスは殺すとは言わない。菌類でもないので、殺菌も間違い。科学的には「不活化」すると表現する。


話を元に戻す。生物ではなく構造も単純なため(つまり遺伝情報も少ない)、化学的に不安定でも、そう大きな欠点ではない。このためウイルスに限ってはRNAを遺伝情報保持に用いるレトロウイルスが存在しているのだ。


化学的に不安定なため、宿主体内で増殖する際、頻繁に遺伝情報の複製エラーが起こる。エラーを起こしたウイルスのうち、複製/拡散機能に優れたものは淘汰されず、拡散される。複製エラーはすべてのウイルスで起こることだが、レトロウイルスでは特に頻繁に起こる。

つまりレトロウイルスでは、変異型の発生が、他のウイルスより激しい。


――これが、新型コロナウイルス感染症で次々に変異型ウイルスが発生する理由だ。


ただ、変異するとはいっても、基本的には同じウイルスだ。我々としては、COVID-19対応のワクチンを接種し、あとは手洗いうがい三密忌避、外出抑制などで対応すればいいだけ。粛々と実行しよう。


たとえば普通のインフルエンザでも、毎年違う型が流行する。インフルエンザウイルスはコロナウイルス科ではないが、レトロウイルスの一種ではある。だから変異が速いわけさ。このためワクチンも毎年射つ必要がある。一度射てば基本的には一生免疫が続くはしかや水疱瘡のワクチン注射とは違うわけさ。

新型コロナウイルス感染症も、インフルエンザ同様になると、個人的には思っている。

つまり冬の流行期の前に、毎年新型コロナウイルス感染症ワクチンの予防接種を受けるわけよ。

2022年の冬シーズンには、世界中がそうした態勢になると思うよ。まず間違いない。


反ワクチンの人で「mRNAワクチンはDNAを書き換えるから危険」といったデマを流す人がいる。mRNA(メッセンジャーRNA)は細胞分裂の際に使われるところから来た誤解(か、わかっててあえて嘘を流してる)だろう。

細胞分裂の際に使われることからわかるように、mRNA自体は、全人類(どころかほとんどの生物)の全細胞に大量に含まれている。今更5ミリリットルくらい注射しても(しかも静脈注射ですらなく単なる筋肉注射だし)、関係ない。

それにそもそもmRNAにはDNA書き換え機能などない。高校の生物で習う範囲だ。


ワクチン接種により新型コロナウイルス感染症の感染率・重症化率・死亡率が劇的に下がるのは、日本をはじめ、全世界の統計ではっきりしている。反ワクチンの人はこうした事実に打ちのめされるから、最終的に「世界中が嘘ついてる」「数年後に問題が出る」とかいう陰謀論にすがるしかなくなるよね。

「ワクチンを射っても感染が拡大してる」というのも、これまで書いてきたように変異が速く、特にデルタ型は拡散力(感染力)が特に強いため。ワクチンに効果がないわけではない。拡散力が高いので、むしろワクチンを射たないとより危険なわけさ。

連中に扇動されないようにね。


editors_brain at 08:31|PermalinkComments(0) 雑記 

2021年09月07日

なにを売りにしたいのかわからない、孤島の灯台守サスペンス映画「バニシング」

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今回もYahoo映画に投稿した映画評を転載する。

今日のネタは灯台守サスペンス「バニシング」。以下ネタバレ気味なので、そういうの嫌いな方は注意。


特段サスペンスもないし、密室心理劇にしては退屈すぎるし。なにを「売り」に作ったか、さっぱりわからない映画。

金塊目当てに襲ってくる悪の盗賊を素人灯台守3人が、灯台守ならではの知恵を生かして撃退するとか、そういう本にしとけば良かったのに。スピルバーグ「激突」のような、窮鼠猫を噛む感出すとかな。

ただただ地味で暗くて後味悪いというね。孤島を生かした自然の美しさなんかも全く描写されておらず、観る価値が一切ないという珍しい1本。

孤島を生かした密室系サスペンスだったら「シャッターアイランド」という超名作がある。こんなクソ観るんだったら、シャッターアイランド何度もリピートしたほうがはるかに人生に有用。あっちのが自然の美しさ・息苦しい孤島の密室感・どんでん返し連続のサスペンス感・驚愕のクライマックス・余韻のある後味と、あらゆる面で超絶優れている。


editors_brain at 08:00|PermalinkComments(0) 雑記 
プロフィール

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