2012年02月09日

講談社「スティーブ・ジョブズ」、100万部出て「まさかの赤字」。背景は米国の……

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ところで講談社が伝記「スティーブ・ジョブズ」の販売状況を公開したらしい。

前後編で100万部以上出たわけだけど、赤字だそうだ。


日本市場の場合、通常書籍は初版では赤字の「バーゲン価格設定」で販売され、運良く増刷りが掛かったときに黒字化していくのが一般的。

とはいうものの、もちろん増刷りが掛かりまくって100万部出てすら赤字(1冊あたりは50万部だけど)というのは、商品設計になにか決定的な問題点があったとしか思えない。まして1冊約2000円という高額書籍なのに。


理由は高額ロイヤリティーだそうだ。

米国では同書の標準小売価格は35ドル。まあ3000円といったところ。前後編に分かれておらず1冊だ。

日本の場合前後編2冊合計で4000円。もちろん英語書籍と日本語書籍の市場規模は比較するべくもないので日本のほうが高額になるのは当然だし2冊に分かれてる分だけ造本費用が嵩むので、値付け自体はそうおかしくはない。

が、それにしても100万部出てるのに赤字とは。これ本来1冊7000円とか値付けが必要じゃないの(笑)。前後編に分けたのも、もしかしたら高額なロイヤリティーを散らすために分冊がマストだったのかも。


どんだけ米国にふっかけられてたんだよ。

発売当時に出版物の市場規模とか多分ご存じない筋からずいぶん「講談社はぼったくり」非難を受けていたもんだが、割高の理由「講談社も読者も米国に貢ぎました」が判明して幕引きとはね。


もちろん契約なんだから、嫌なら出版権を取らなくても良かったわけだ。講談社は納得して契約してるんだし、別段「米国が悪い」わけではない。ただ強欲なだけで。

とはいえそこまでふっかけられたなら、私なら契約しなかったんじゃないかな。おまけに以下を見てもらえばわかる装丁(後編)すらボロカスに言われてたというのに。私はそう悪くは思わないけどね。


お気の毒に。

「100万部で赤字」試算でよく社内の企画会議通ったなあとは思うけど、まあ電子書籍版含めて黒字化したらしいから、担当役員は首の皮つながって一息ついてるんじゃないの。文庫化で今度こそ稼げるといいね。


2/11追記:本エントリーに関し「事実と思えない」「ソースは?」という声をよく聞きます。文化通信にて講談社のマネジャーが顔出しで語ってることなので、出版界では割と流れている話です。私もあちこちから聞きました。

editors_brain at 17:20│Comments(18) マスコミクリップ 

この記事へのコメント

1. Posted by ざまあww   2012年02月09日 18:38
5 ざまあww
2. Posted by a_matsumoto   2012年02月09日 18:47
公開された情報というのが見当たらないのですが、どこで公開されているのでしょうか?
3. Posted by 情報は正確に   2012年02月09日 19:03
1 どう考えてもですね。仮に黒にならないのなら、メインは重版のミスはないでしょうか。
4. Posted by tokyo editor   2012年02月09日 19:20

情報は正確にさん、こんばんは。今日も寒いです。

> どう考えてもですね。仮に黒にならないのなら、メインは重版のミスはないでしょうか。

その可能性はもちろんあります。つまりたとえばですが「注文も殺到したし売れると思って20万部重版したらあらかた返本されてきた」とかいう類の。ベストセラーが見込める書籍の場合はいつでもその危険性があるので。特に今回前後編で、後編をどのくらい刷るかとかとかね。前編よりは売れないわけで。

「高額なロイヤリティーのため」とは講談社が言ってることですし、重版ミスに関する社内の恥をさらすかは不明ですよね。

とはいえ講談社なら重版ミス関連のノウハウはけっこうお持ちかと。なのでそれがひとつの要因である可能性はあるものの、とはいえずいぶんなアドバンスを積まされたりはしてるでしょうし、大枠「ロイヤリティーが収益に影響している」のはたしかではないかと思います。

どなたか講談社の方お教えいただけますか。
5. Posted by     2012年02月09日 20:22
>電子書籍版含めて黒字化
電子書籍の儲けって雀の涙みたいなものだろうと思っていましたが、それなりに儲かるようになっていたんですね。驚きです。
6. Posted by    2012年02月09日 20:36
>>5
この本に限って言うと電子版も同じ値段だから利幅が大きいんだと思うよ。
7. Posted by a_matsumoto   2012年02月09日 21:25
http://www.shimbun-online.com/latest/Bunka_Tsushin.html

おそらくソースとなった記事(文化通信)を確認しました。こちらから試し読みもできますが、このエントリーとは随分異なる印象を受けます。
8. Posted by     2012年02月10日 12:23
>まあ電子書籍版含めて黒字化したらしいから
え?結局黒字ですか?
タイトル嘘じゃん。
9. Posted by 裸の王子様   2012年02月10日 16:37
>タイトル嘘じゃん。
「100万部」は印刷物を指してるんだから嘘じゃないだろ。

それはともかく、記事では「ロイヤリティー」と表現されてるけど、これって結局は「スティーブ・ジョブズ」というブランドの使用料だよね。だからどうしたって高い。ましてや裏で熾烈な出版権競争があったことを考えれば、そりゃ値段は天井知らずでしょ。講談社もまさかここまで使用料が高騰すると思ってなかったんじゃないの? で、いまさら引くに引けなくなったと。「高額ロイヤリティー」を理由に挙げてるのはそういうこと。最初の目算と違っちゃったんだよ。

ま、アップルみたいなブランドだけでメシ食ってる連中に関われば、こうなるのは当たり前だわな。あいつらはそれしかないんだもの。「俺たちは凄い」ってファンタジーで金儲けしてる輩。

電子書籍で黒字になるっていうのも、そもそも在庫が存在しない電子書籍って、償却期間の設定でどうにでも収支が計上できるわけで、こんなものは実態のない決算上の「黒字」に過ぎない。まあ赤字のままよりはマシっていう気休め。講談社もつまらない奴らに関わったもんだね。
10. Posted by カヲナシ   2012年02月10日 18:09
>アップルみたいなブランドだけでメシ食ってる連中に関われば、
>こうなるのは当たり前だわな。あいつらはそれしかないんだもの。
>「俺たちは凄い」ってファンタジーで金儲けしてる輩

これは納得だな。
どうして自分がアップルきりなのか解ったw
11. Posted by 通りすがり   2012年02月10日 18:17
>>9
まあ自伝ロイヤリティの事に関しては完全に同意だけど、あいつらはそれしかない〜とか今だに言ってるのはガラパゴス脳過ぎる。
ドコモの社長を思い出した。
12. Posted by     2012年02月10日 19:11
本当は赤字じゃないんじゃないの?
ふつう考えられないでしょ
13. Posted by こんばんわ   2012年02月11日 02:39
>>4
>講談社なら重版ミス関連のノウハウはけっこうお持ちかと

んなことあるわけない。現状POSデータでは1が70%前後、2が45%前後の消化率。トータル部数にこだわって重版ミスしてるのは確実。

にしても2冊トータルで赤字ということは、消化率で考えたリクープラインが60%以上ってこと。

ふつう上製本でも50万部刷れば製造原価は卸正味の30%くらいには落ち着くはずなので、これがほんとに赤字なら何らかの理由で対卸正味で30%以上原価を押し上げた要因があったことになる。

緊急重版してたし重版コストが高かったのは間違いないが、今の時点でそれを折り込んで採算計算しなおして現場に知らせたりするかしら。

やっぱ結論としてはロイヤリティが高すぎってことになるか。
14. Posted by     2012年02月11日 02:50
なんでアメリカが悪いみたいになってるんだか。
本当に赤だとしたら講談社がアホなだけで、その値段でちゃんと売りつけた米国の出版社がやり手ってだけの話だろ。
世の中の連中がんな甘ったるいこと言ってるから、いつまで経っても日本の会社は糞経営から抜け出せないんだよ。
15. Posted by 誤訳ヘボ訳が1千個 ?   2012年02月11日 03:14
■ 誤訳 = highfalutin 「失神ゲーム」

(誤訳2個)「彼は簡にして要だし、インテルのマーケティングを率いた経験もあった。」

(誤訳3個)「ジョブズは厳しかった。クリスアン・ブレナンとの離婚にまつわる書類も、すべて、IPO前にサインをすませている。」(以上で誤訳6個)

> 冷たいサラダのあとの温かな許し、度を過ごしたのは、閉ざされていた部分が開かれたことを意味します。
16. Posted by 嘘つくなカス   2012年02月11日 18:45
1 >ソースは、、、あちこちから聞きました。

ワロタwww
17. Posted by mit   2012年02月13日 02:47
この本単体の利益のみでは語れない利潤を狙ってのことですから、そう不思議ではありません。
18. Posted by     2012年02月13日 12:50
アメリカの35ドルという価格は日本でいうところの「メーカー希望小売価格」で
日本の書籍の定価と意味合いが全然違いますよ。
当然、そんな価格で売っている書店は1軒もなく、どこもだいたい20ドル以下で売られております。

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