2012年08月01日

犯人は「拳銃のようなもの」で被害者を脅して「棒のようなもの」で小麦粉をこね、「包丁のようなもの」切って「紐のような」饂飩をこしらえ「口のようなもの」で食べて逃走した

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この手の事件報道でいつも思うんだが、「刃物のようなもの」「紐のようなもの」っていう表記が、日本語を扱う編集者として気持ち悪い。


そりゃもちろん「拳銃を突きつけて脅したんだが、それが真性の拳銃であるか、まだ発見されてないので正確にはわからない」という暗黙の了解の元に、「拳銃のようなもの」と表現しているんだろうさ。

でも「拳銃のようなもの」っていうのは日本語的には「拳銃ではないが拳銃に似ていると言えなくもないもの」という定義も含んじゃうじゃん。

だから「紐のようなもの」って日本語的には饂飩すら含んじゃうから「いくらなんでも饂飩で被害者縛るわけないじゃん。もう少し限定的な用語使えよ」とか、記事読んでいて気持ち悪くなる。

そりゃ日本語の用い方として間違ってるだろうと思うわけよ。


もちろんこういう細かな点が気になるのは「日本語の使い方に鋭敏にならざるを得ない」、編集者という職業につきものの職業病のひとつだろうとは思うけどさ。


――でもせめて……、せめて「刃物らしきもの」にしない? そっちのがずっと正しいニュアンスを伝えるから。「紐らしきもの」なら、饂飩は入らないじゃんか。

あと編集者として「うずうず」して気持ち悪いのは、街中の看板だの中吊りだのパンフだのに誤植を見つけたときと、どうしようもないデザインを見たとき。「あーあと2ミリ左にずらして字間もツメツメにすればもっといいのにぃ〜」とか、いつも悶絶してます。



editors_brain at 08:04│Comments(1) マスコミクリップ | ヘンな世界

この記事へのコメント

1. Posted by G580の記事で検索したのですが...   2012年08月05日 15:59
3 この記事の題目に惹かれて読んでしまいました.

「バールのようなもの」という
清水義範氏の短編小説や
それにもとづく立川志の輔師の
落語も,同じ視点ですね.

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出版社の編集者。雑誌、単行本、Webサイトとすべて経験。基本マインドは雑誌屋。デザインに凝った趣味雑誌が好み。

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