2024年11月10日

「ルックバック」読む>泣く>「ルックバック」アニメ観る>泣く>各国語で観る>泣く

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「ルックバック」、最初にウェブコミックとして公開されてからサブスク購入を経て何十回と読みその度に泣いてしまうわけだが、プライムビデオでアニメ版が公開されたので視聴してみた。もちろん泣いた。リピートして泣いてリアクション動画で泣いて英語音声で泣くという、自分でもここ2日、なにしてんだかよくわからない。

アニメ版についてはもうあちこちで語られており、当方も同感だ。ここでは補遺というか、あまりみんなが触れてない点だけ指摘しておこう。

それは、創作者の業という奴だ。以下ネタバレするので、そういうのが嫌な方は戻って下さい。

ルックバック単行本
ルックバックビデオ

いやつまり京本の死を受け入れられず、「ふたりが出会わなかった世界線」を妄想するシーン。心がずたずたのはずの藤野が、無意識にそこそこの物語を創作しているのだ。自分が空手を習っていたとかそういう過去を伏線として生かして。

藤野は残酷にも「物語の囚人」だ。そしてそういう業を背負っているような人間でないと、漫画の厳しい競争世界での大成功はないのだろう。

つまり友人の死というありがちで表層的なメロドラマを超越した深さと魅力が、本作にはある。藤本タツキは天才だ。そしてほとんどの絵をひとりで描き始めたというアニメ監督押山清高は、誠実な仕事をした。絵と動きから主役ふたりの細やかな息遣いまで感じられるのは、監督の手腕だろう。


あとひとつだけ語らせてほしい。このアニメはほぼ原作どおりの絵面・物語なのだが唯一、冒頭に空から藤野の部屋の窓へと下りてくる視点が付け加えられている。あれ、無惨に殺された京本が、藤野との友情を振り返るために過去に飛び、天からふたりの人生を覗きに来てたということだろう。画面が回転してるだろ。if世界線で京本が描いた四コマ漫画がドアを潜って藤野に届くシーンでも、ドアを目指して画面が回転してる。つまり画面回転は「京本側からの働きかけ」を表してるってことさ。

どうしても、どうしても京本にも救いをあげたかったのだろう。そういう監督の強い思いが挿入させたシークエンスだ。リピート視聴の度に私は、あの冒頭で涙が滲んでくる。

京本は実は大人に向かって成長してる。ただしものすごくゆっくりと。遺影は高校制服だった。つまり高校には所属していたわけよ。多分通信制とかだとは思うけど。それにちゃんと大学に行き、人と話し、コンビニで物を買えるようになっていた。このまま生きていたらいつかちゃんと藤野と再会して化学反応が生じていたはずと思うとまた泣ける。


追記:その後、ドイツ語スペイン語フランス語イタリア語ポルトガル語ポーランド語トルコ語アラビア語版とループし続けた当方、世界一周号泣旅行みたいになってて草。

editors_brain at 14:20│Comments(0) 雑記 

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出版社の編集者。雑誌、単行本、Webサイトとすべて経験。基本マインドは雑誌屋。デザインに凝った趣味雑誌が好み。

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キャラクター的にはツッコミ(自称)。他人に言わせると「ボケ」。
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