2009年07月30日
Web記事に集まる「クレームコメント」に疲弊する毎日 ――誰か助けて(笑)
私が担当している仕事のひとつに、あるWebの仕事がある。ここでは最近の多くのサイトが取り入れているように、記事に対する読者のコメントを公開している。
当然玉石混淆でありとあらゆるコメントが集まるのだが、もちろんすべてを公開するわけではない。編集側がチェックした上で、取捨選択している。SNSや投稿サイトではないので、当たり前の話だ。極端な話、たとえば怪しいウイルスダウンロードサイトだのアダルトサイトだののリンクを含んだコメントなど公開しては、大騒ぎになる。だから選択するのが当然だ。
結果、載せられるコメントと載せられないコメントが出る。となるとよくあるのが、「なんでオレのコメントを載せない」みたいなクレーム。
「オレの意見より劣るあいつのは載ってる」とかね。「先月は載ったのに、今月は3本とも没だ。怪しい。理由を教えろ」とかね。
ただでさえ素人のコメントは玉石混淆の石ころばかり多いのが普通で大量に読むだけでけっこう苦痛なのに、こういうクレームが混じっていると、心底疲弊する。
もちろん、Webには「コメントは取捨選択する」旨、明記してある。だから問題はないのだが、中には「どうせ(著者に対する)反論は掲載しないんだろ」みたいに毒づく陰謀論者みたいなマスコミ不信の人までいる。マスコミ不信ならマスコミのメディアサイトに投稿なんてしなけりゃいいのだが、本人はいたってマジメだ。
編集の裏話をここでこうして素人にバラすのがいいか悪いか微妙だが、もう本音で愚痴りたい気分だし、ここで私がどうコメント処理しているか、勢いで書いちゃおうか。
最初に断っておくと、著者に対して賛成か反対かは、まったく選択基準にはしない。反論だっていくらでもホイホイ載せる。「反論は掲載しないんだろ」なんて書く人はだいたい自説に凝り固まるような人だろうから、多分、他人のコメントちゃんと読んでないんだろう。きちんと読んでもらえれば、反論がバンスカ載っているのにすぐ気付くはずだ。
確実に載せないのは、差別用語などの問題コメント。どんなにいいことが書いてあろうとも、最後の一文だけでも差別用語があれば載せない。
もちろん「コメントは編集することもある」と明記しているので、そこだけ編集して掲載する手もある。しかしどこの世界にも「おかしなクレーマー」はいる。差別用語ならわかりやすいが、その他のところで編集でもしようものなら、「なんでオレのコメントに手を入れた。言論の自由はどうした。言論弾圧か」みたいなとんでもないことを言い出す人は確実にいる。
素人が書いた10行のコメント編集で言論弾圧もないだろうと思うが、こういう人がいるので、私は基本的には編集はしない。たとえ小学生の作文並に冗漫だろうと誤字脱字だらけだろうと直さず、「掲載するかしないか」の二択でやってる。
ちなみに私は編集者だから、著者原稿にもけっこう手を入れる。日本語的な部分だけでなく、段落の順番を入れ替えたり原稿を半分に削り込んだり。それで「言論封殺」みたいなことを言う著者はいない(たまにヘソ曲げる人はいる)。論旨を変えないからだ。私が論旨に納得できない場合は著者に連絡して議論する。
プロでさえそんなこと言わないのになあ。。。と、悲しくクレームを眺めるだけだ。
次に載せないのは、何が言いたいのかわからないものとか論旨が混乱しているもの。こんなの掲載しても、読者が苦痛だろう。
あと微妙なのが、コメント中にリンクを記述する人。ネットの掲示板文化では、なにか書くと「ソースは?」とかたしなめられるので、リンクを貼る人がいる。あの感覚で、自分の意見の論拠としてURLを書く。
でもここは掲示板でなく、メディアの記事だ。リンク先にウイルスが埋め込まれていたらどうなる。そんなことに責任は持てないし、そこまで検証する機能も時間もない。そもそもコメント処理などは、編集者から見ればメインの仕事ではない。――というわけで、リンクがあるコメントは、載せない場合もある(載せることもある)。
あと、載せないわけではないが載る可能性が下がるのが、悪口雑言の類。著者だとか政治家だとかを呼び捨てにしてボロクソに書く人。想像で悪いが、「著名人をボロカスに言う」ことで自分が重要人物になったような気になるんだろう多分。
この手のコメントはだいたい「こんなことも知らないのか」とか書いてあって(本当だよ)、命を賭けて仕事してメシ食ってる専門家の著者や政治家に対し、素人なのに「上から目線」丸出しだ。この場合、コメント内容に光るものがあれば、私は(下品で嫌いだけど)載せている。たいした内容でなくあることないこと悪口だけみたいなコメントは、だいたい切るかな。
子供のけんかじゃないんだから、無関係の趣味まであげつらっての人格攻撃ではなく、ちゃんと相手を尊敬して理性的に反論なり書いてほしい。まあ、「オレのコメントが載らないのはおかしい」とクレーム入れるのは、だいたいこの手の人だ(ハアー)。
あとこの類で、他のコメントの悪口を書く人も、載せるのが難しい。いや、論理的に批判しているなら私もスルーで載せる。そうでなく、「・・というコメントを書く人は・・(ここに人格攻撃とか邪悪な金持ちみたいな誹謗中傷が入る)」といった悪口を書く人が実際にいる(嘘じゃないよ)。これはさすがに載せられない。コメント者同士のちゃんとした議論で炎上するなら私も本望だが、小学生レベルの幼稚な悪口なんか載せても読者が不快になるだけだ。
ちなみに、専門的な記事であるほど、コメントもその分野で仕事している専門家と思われる人が多く、理性的だ。反論も納得できるものが多い。
ダメなコメントが多いのは、なんていうのかな「どんなレベルの人でも何か語れる」題材の記事。仮に例を考えてみると、うーん、そう「最近テレビがつまらない」だの「高速道路無料化」とかいう記事。たとえば道路なら、「大賛成」だの「国の赤字が増える」「道路使わない人が損する」「いや物流を介して利益はある」「環境対策に反する」とかなんとか、誰でも書ける。もちろんまともなコメントが多いのだが、こういう記事では、「著者はクズ」だの「・・から金もらってるのか」みたいな「例のヒトたち」のコメントが雲霞のように湧いてくる。
とにかくそんなわけです。忙しい最中に、まともなコメントにはさまれた何十という「クズなコメント」で毎日疲弊する当方にわずかでも同情していただけると、誠にうれしい。
クレームを入れる方。「世論を情報操作してる」「広告主に配慮してオレのコメントを載せない」とかいうことはありません。とりあえず当該分野の入門書を読んで勉強し、知識を増やしてください。いいコメントはいつでもウェルカムです。
今回はグチのエントリーになった。見苦しくてすまん。
当然玉石混淆でありとあらゆるコメントが集まるのだが、もちろんすべてを公開するわけではない。編集側がチェックした上で、取捨選択している。SNSや投稿サイトではないので、当たり前の話だ。極端な話、たとえば怪しいウイルスダウンロードサイトだのアダルトサイトだののリンクを含んだコメントなど公開しては、大騒ぎになる。だから選択するのが当然だ。
結果、載せられるコメントと載せられないコメントが出る。となるとよくあるのが、「なんでオレのコメントを載せない」みたいなクレーム。
「オレの意見より劣るあいつのは載ってる」とかね。「先月は載ったのに、今月は3本とも没だ。怪しい。理由を教えろ」とかね。
ただでさえ素人のコメントは玉石混淆の石ころばかり多いのが普通で大量に読むだけでけっこう苦痛なのに、こういうクレームが混じっていると、心底疲弊する。
もちろん、Webには「コメントは取捨選択する」旨、明記してある。だから問題はないのだが、中には「どうせ(著者に対する)反論は掲載しないんだろ」みたいに毒づく陰謀論者みたいなマスコミ不信の人までいる。マスコミ不信ならマスコミのメディアサイトに投稿なんてしなけりゃいいのだが、本人はいたってマジメだ。
編集の裏話をここでこうして素人にバラすのがいいか悪いか微妙だが、もう本音で愚痴りたい気分だし、ここで私がどうコメント処理しているか、勢いで書いちゃおうか。
最初に断っておくと、著者に対して賛成か反対かは、まったく選択基準にはしない。反論だっていくらでもホイホイ載せる。「反論は掲載しないんだろ」なんて書く人はだいたい自説に凝り固まるような人だろうから、多分、他人のコメントちゃんと読んでないんだろう。きちんと読んでもらえれば、反論がバンスカ載っているのにすぐ気付くはずだ。
確実に載せないのは、差別用語などの問題コメント。どんなにいいことが書いてあろうとも、最後の一文だけでも差別用語があれば載せない。
もちろん「コメントは編集することもある」と明記しているので、そこだけ編集して掲載する手もある。しかしどこの世界にも「おかしなクレーマー」はいる。差別用語ならわかりやすいが、その他のところで編集でもしようものなら、「なんでオレのコメントに手を入れた。言論の自由はどうした。言論弾圧か」みたいなとんでもないことを言い出す人は確実にいる。
素人が書いた10行のコメント編集で言論弾圧もないだろうと思うが、こういう人がいるので、私は基本的には編集はしない。たとえ小学生の作文並に冗漫だろうと誤字脱字だらけだろうと直さず、「掲載するかしないか」の二択でやってる。
ちなみに私は編集者だから、著者原稿にもけっこう手を入れる。日本語的な部分だけでなく、段落の順番を入れ替えたり原稿を半分に削り込んだり。それで「言論封殺」みたいなことを言う著者はいない(たまにヘソ曲げる人はいる)。論旨を変えないからだ。私が論旨に納得できない場合は著者に連絡して議論する。
プロでさえそんなこと言わないのになあ。。。と、悲しくクレームを眺めるだけだ。
次に載せないのは、何が言いたいのかわからないものとか論旨が混乱しているもの。こんなの掲載しても、読者が苦痛だろう。
あと微妙なのが、コメント中にリンクを記述する人。ネットの掲示板文化では、なにか書くと「ソースは?」とかたしなめられるので、リンクを貼る人がいる。あの感覚で、自分の意見の論拠としてURLを書く。
でもここは掲示板でなく、メディアの記事だ。リンク先にウイルスが埋め込まれていたらどうなる。そんなことに責任は持てないし、そこまで検証する機能も時間もない。そもそもコメント処理などは、編集者から見ればメインの仕事ではない。――というわけで、リンクがあるコメントは、載せない場合もある(載せることもある)。
あと、載せないわけではないが載る可能性が下がるのが、悪口雑言の類。著者だとか政治家だとかを呼び捨てにしてボロクソに書く人。想像で悪いが、「著名人をボロカスに言う」ことで自分が重要人物になったような気になるんだろう多分。
この手のコメントはだいたい「こんなことも知らないのか」とか書いてあって(本当だよ)、命を賭けて仕事してメシ食ってる専門家の著者や政治家に対し、素人なのに「上から目線」丸出しだ。この場合、コメント内容に光るものがあれば、私は(下品で嫌いだけど)載せている。たいした内容でなくあることないこと悪口だけみたいなコメントは、だいたい切るかな。
子供のけんかじゃないんだから、無関係の趣味まであげつらっての人格攻撃ではなく、ちゃんと相手を尊敬して理性的に反論なり書いてほしい。まあ、「オレのコメントが載らないのはおかしい」とクレーム入れるのは、だいたいこの手の人だ(ハアー)。
あとこの類で、他のコメントの悪口を書く人も、載せるのが難しい。いや、論理的に批判しているなら私もスルーで載せる。そうでなく、「・・というコメントを書く人は・・(ここに人格攻撃とか邪悪な金持ちみたいな誹謗中傷が入る)」といった悪口を書く人が実際にいる(嘘じゃないよ)。これはさすがに載せられない。コメント者同士のちゃんとした議論で炎上するなら私も本望だが、小学生レベルの幼稚な悪口なんか載せても読者が不快になるだけだ。
ちなみに、専門的な記事であるほど、コメントもその分野で仕事している専門家と思われる人が多く、理性的だ。反論も納得できるものが多い。
ダメなコメントが多いのは、なんていうのかな「どんなレベルの人でも何か語れる」題材の記事。仮に例を考えてみると、うーん、そう「最近テレビがつまらない」だの「高速道路無料化」とかいう記事。たとえば道路なら、「大賛成」だの「国の赤字が増える」「道路使わない人が損する」「いや物流を介して利益はある」「環境対策に反する」とかなんとか、誰でも書ける。もちろんまともなコメントが多いのだが、こういう記事では、「著者はクズ」だの「・・から金もらってるのか」みたいな「例のヒトたち」のコメントが雲霞のように湧いてくる。
とにかくそんなわけです。忙しい最中に、まともなコメントにはさまれた何十という「クズなコメント」で毎日疲弊する当方にわずかでも同情していただけると、誠にうれしい。
クレームを入れる方。「世論を情報操作してる」「広告主に配慮してオレのコメントを載せない」とかいうことはありません。とりあえず当該分野の入門書を読んで勉強し、知識を増やしてください。いいコメントはいつでもウェルカムです。
今回はグチのエントリーになった。見苦しくてすまん。
この記事へのコメント
1. Posted by Cheap Green Bay Packers jerseys on sale 2011年10月10日 17:37
とにかくそんなわけです。忙しい最中に、まともなコメントにはさまれた何十という「クズなコメント」で毎日疲弊する当方にわずかでも同情していただけると、誠にうれしい。
クレームを入れる方。「世論を情報操作してる」「広告主に配慮してオレのコメントを載せない」とかいうことはありません。とりあえず当該分野の入門書を読んで勉強し、知識を増やしてください。いいコメントはいつでもウェルカムです。
クレームを入れる方。「世論を情報操作してる」「広告主に配慮してオレのコメントを載せない」とかいうことはありません。とりあえず当該分野の入門書を読んで勉強し、知識を増やしてください。いいコメントはいつでもウェルカムです。