トンデモ
2021年06月21日
ニューオータニが「サステナブル」詐称

ニューオータニ会員なので、たまに遊びに行く。バーとか飯屋はいいんだけど、夏のプールとかになると格段にレベルが落ちるのが、ニューオータニのうぶでかわいいところだ。
会員には機関誌が届く。いろいろ季節のイベントを工夫してたりウマ飯新作とかあって、読んでて楽しい。今度は翁の蕎麦イベント行こうとか、あの銘柄牛の丼食いに行こうとか、いろいろ役に立つし。……だが、こないだ届いた奴を読んでいて疑問に思った。
夏イベントの紹介パンフのキャッチコピーが、これだったからだ。
ニューオータニサマー2021「"安心"リゾートTOKYOでサステナブルに過ごす夏」
いやつるっと読むとただの、よくある凡庸キャッチなんだが、見てのとおりふたつほどフックがある。「安心」と「サステナブル」だ。
「安心」はまだわかるのよ。パンフに「ガーデンプール安全安心への取り組み」とあって、消毒徹底とかなんとか書き連ねてあるから。コロナ禍でも安心に楽しめるように頑張ってますってことだろう。
問題は「サステナブル」。これ本来は「sustainable development」の形容詞だけ引っ張り出した奴で、意味は「持続可能な開発」。環境に過度の負担を掛けないで経済活動を発展させようという。つまりは経済用語だ。動詞sustainの形容詞形で発音的には「テェ」にアクセントがありカタカナにするなら「サステイナブル」が適切だが、日本では「サステナブル」「サスティナブル」あたりの謎表記が定着している。それでさ……
「サステナブルに過ごす」――つまりホテルに行くおっさんが「持続可能な開発をしつつ遊ぶ」ってどういうことよw
遊びに行くのに、なんで開発なんかせにゃならんの?
これ言うなら、「サステナブルな事業をしているニューオータニで過ごす夏」だろ。それなら論理としての整合性はある。なんで遊ぶ奴に働かせる話にすり替わってるのか。主語が違うじゃん。
この手の用語は、ちゃんとした意味を考えず、ふわっと雰囲気で使う間違いがあるけど、まさにそのまんま。呆れたわ。
この間も仕事で原稿読んでたら、「ひとりひとりのリテラシーを生かして云々」みたいな奴があって頭痛くなった。前後の文脈読むとリテラシー(読解力、転じて判断力)でもなんでもなくて、単に各人の才能のことなわけよ。どうしても英語使いたいなら、アビリティーだ。
マーケティング畑の人の原稿だったんだけどさ。マーケの人ってやたらと流行りっぽい横文字入れたがるよな。実際その原稿もカタカナ英語満載。雰囲気だけなんかかっこいいこと言ってる風なんだけど、じっくり考えると意味不明な部分ばかりだった。思いっ切り修正しまくったわ。
実際、サステナブルとかヴィーガンとかは、いいようにマーケティングで誤用されてる。
ヴィーガンは、簡単にまとめると単なる過激派だ。菜食主義にとどまらず、動物利用全廃が主張だから。医薬品の動物実験禁止とか動物園水族館禁止、ペット禁止、もちろん動物性の衣服や革鞄なんか全部禁止。
そういう主張で、しかも一部のヴィーガンはそれを他人に押し付けてくる。食肉イベントでテロ起こしたりとか動物園に暴れ込んだりとか、実際に事件化してるし。シーシェパード並に過激な連中、それがヴィーガンだ。
だから完全菜食主義の意味でヴィーガンって使ったら間違い。概念のレイヤーが異なるから。ヴィーガン食とかいう言い方自体が、誤り。飯に絞った話なんだから、正しく完全菜食と呼ぶべきだ。
ニューオータニのパンフでさらに呆れたのが、そのパンフに「サステナブル」情報が皆無だったことよ。普通に食いもんだの宿泊プランだのの説明しかない。どこがサステナブル?
どういうことw
意味も考えず、語感だけでキャッチ付けてんのんか?
A2サイズのパンフ両面(つまりA4にして8ページ分)、隅々まで目を通して、かろうじてそれらしきものを見つけた。「SDG'sのイベントや、家族で楽しめるイベントも満載」とある。SDG'sってのはご存知のとおり、「sustainable development goals」の略。つまり「持続可能な開発目標」のことよ。
持続可能な開発目標イベントってのも意味不明だけどなあ……。サステナビリティーに関するビジネスイベントくらいしか思いつかんわ。
そのコーナーには「さかなクンによるお魚クイズ&お魚講座 海と環境のお話(SDG's)」イベントの案内が載ってた。SDG'sと書いてある以上、これが「サステナブル」の正体なんだろう。
内容は、「魚の生態解説」だと。
生態解説のどこが「持続可能な開発目標」なんだよ。ニホンウナギやクロマグロは絶滅危惧種だから食べるのを止めましょうくらい言うのか? ニューオータニで普通に出してるけどな。45分の娯楽イベントなんかするよりホテルでのマグロ寿司提供止めたほうが、よっぽどサステナブルだけど。
この「おねしょの言い訳」みたいなイベントたった1日(てかわずか45分)だけで「サステナブルサマー」を謳うとか、誇大広告にも程があるぞ、ニューオータニw
そもそもホテルとしてサステナブル事業を志すなら、まずペットボトルのミネラルウォーター止めて水道水提供してはいかがか。水道は究極の地産地消だ。雨をもたらす太陽エネルギーと川の流れをもたらす位置エネルギーだけで、大都市の近くまで勝手に運ばれてくるんだからな。ニューオータニの規模なら、ついでにプラスチック使用量もかなり減らせるし。
日本の水道は世界一の品質で、夏だってしっかり冷やせばまろやかだしうまいぞ。
というわけで、脳が悶絶した午後だった。ニューオータニのプロモーション担当者は、ニホンウナギでもしっかり食べ栄養をつけ、誤用を猛省してくださいというね。真面目に働いてるスタッフが気の毒だ。
会員には機関誌が届く。いろいろ季節のイベントを工夫してたりウマ飯新作とかあって、読んでて楽しい。今度は翁の蕎麦イベント行こうとか、あの銘柄牛の丼食いに行こうとか、いろいろ役に立つし。……だが、こないだ届いた奴を読んでいて疑問に思った。
夏イベントの紹介パンフのキャッチコピーが、これだったからだ。
ニューオータニサマー2021「"安心"リゾートTOKYOでサステナブルに過ごす夏」
いやつるっと読むとただの、よくある凡庸キャッチなんだが、見てのとおりふたつほどフックがある。「安心」と「サステナブル」だ。
「安心」はまだわかるのよ。パンフに「ガーデンプール安全安心への取り組み」とあって、消毒徹底とかなんとか書き連ねてあるから。コロナ禍でも安心に楽しめるように頑張ってますってことだろう。
問題は「サステナブル」。これ本来は「sustainable development」の形容詞だけ引っ張り出した奴で、意味は「持続可能な開発」。環境に過度の負担を掛けないで経済活動を発展させようという。つまりは経済用語だ。動詞sustainの形容詞形で発音的には「テェ」にアクセントがありカタカナにするなら「サステイナブル」が適切だが、日本では「サステナブル」「サスティナブル」あたりの謎表記が定着している。それでさ……
「サステナブルに過ごす」――つまりホテルに行くおっさんが「持続可能な開発をしつつ遊ぶ」ってどういうことよw
遊びに行くのに、なんで開発なんかせにゃならんの?
これ言うなら、「サステナブルな事業をしているニューオータニで過ごす夏」だろ。それなら論理としての整合性はある。なんで遊ぶ奴に働かせる話にすり替わってるのか。主語が違うじゃん。
この手の用語は、ちゃんとした意味を考えず、ふわっと雰囲気で使う間違いがあるけど、まさにそのまんま。呆れたわ。
この間も仕事で原稿読んでたら、「ひとりひとりのリテラシーを生かして云々」みたいな奴があって頭痛くなった。前後の文脈読むとリテラシー(読解力、転じて判断力)でもなんでもなくて、単に各人の才能のことなわけよ。どうしても英語使いたいなら、アビリティーだ。
マーケティング畑の人の原稿だったんだけどさ。マーケの人ってやたらと流行りっぽい横文字入れたがるよな。実際その原稿もカタカナ英語満載。雰囲気だけなんかかっこいいこと言ってる風なんだけど、じっくり考えると意味不明な部分ばかりだった。思いっ切り修正しまくったわ。
実際、サステナブルとかヴィーガンとかは、いいようにマーケティングで誤用されてる。
ヴィーガンは、簡単にまとめると単なる過激派だ。菜食主義にとどまらず、動物利用全廃が主張だから。医薬品の動物実験禁止とか動物園水族館禁止、ペット禁止、もちろん動物性の衣服や革鞄なんか全部禁止。
そういう主張で、しかも一部のヴィーガンはそれを他人に押し付けてくる。食肉イベントでテロ起こしたりとか動物園に暴れ込んだりとか、実際に事件化してるし。シーシェパード並に過激な連中、それがヴィーガンだ。
だから完全菜食主義の意味でヴィーガンって使ったら間違い。概念のレイヤーが異なるから。ヴィーガン食とかいう言い方自体が、誤り。飯に絞った話なんだから、正しく完全菜食と呼ぶべきだ。
ニューオータニのパンフでさらに呆れたのが、そのパンフに「サステナブル」情報が皆無だったことよ。普通に食いもんだの宿泊プランだのの説明しかない。どこがサステナブル?
どういうことw
意味も考えず、語感だけでキャッチ付けてんのんか?
A2サイズのパンフ両面(つまりA4にして8ページ分)、隅々まで目を通して、かろうじてそれらしきものを見つけた。「SDG'sのイベントや、家族で楽しめるイベントも満載」とある。SDG'sってのはご存知のとおり、「sustainable development goals」の略。つまり「持続可能な開発目標」のことよ。
持続可能な開発目標イベントってのも意味不明だけどなあ……。サステナビリティーに関するビジネスイベントくらいしか思いつかんわ。
そのコーナーには「さかなクンによるお魚クイズ&お魚講座 海と環境のお話(SDG's)」イベントの案内が載ってた。SDG'sと書いてある以上、これが「サステナブル」の正体なんだろう。
内容は、「魚の生態解説」だと。
生態解説のどこが「持続可能な開発目標」なんだよ。ニホンウナギやクロマグロは絶滅危惧種だから食べるのを止めましょうくらい言うのか? ニューオータニで普通に出してるけどな。45分の娯楽イベントなんかするよりホテルでのマグロ寿司提供止めたほうが、よっぽどサステナブルだけど。
この「おねしょの言い訳」みたいなイベントたった1日(てかわずか45分)だけで「サステナブルサマー」を謳うとか、誇大広告にも程があるぞ、ニューオータニw
そもそもホテルとしてサステナブル事業を志すなら、まずペットボトルのミネラルウォーター止めて水道水提供してはいかがか。水道は究極の地産地消だ。雨をもたらす太陽エネルギーと川の流れをもたらす位置エネルギーだけで、大都市の近くまで勝手に運ばれてくるんだからな。ニューオータニの規模なら、ついでにプラスチック使用量もかなり減らせるし。
日本の水道は世界一の品質で、夏だってしっかり冷やせばまろやかだしうまいぞ。
というわけで、脳が悶絶した午後だった。ニューオータニのプロモーション担当者は、ニホンウナギでもしっかり食べ栄養をつけ、誤用を猛省してくださいというね。真面目に働いてるスタッフが気の毒だ。
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2018年08月13日
トンデモ商法に甘いままでは、出版界にも社会にも、とても危険な未来が待っている

先日、講談社が怪しげな疑似科学商売に手を出している件を書いた。今日はその関連というか、そもそもなんで薬事法違反と思われるイカサマ商品に対し、「こと出版物では」甘く判定されるかという話を。
ゲルマニウム商法が摘発されたように、薬事法違反の疑似科学商品や怪しげなマルチ商法については、消費者保護や詐欺商法撲滅の側面から、国民生活センターや、それを所管する消費者庁、厚労省などが随時摘発・情報発信をしてきた。
それは詐欺師共への抑止力になっており、一定の効果を発揮している。
翻って出版界を見渡すと、こうした抑止効果があまり機能せず、百鬼夜行の状態になっている。ことは講談社のゲルマニウム商法だけでなく、怪しげな民間療法グッズを添付したムックなどは、大手書店に行けば誰でもてんこ盛りに見ることができる。
グッズ系を離れ、単なる情報発信としての書籍で見ると、状況はもっと悪い。
ホメオパシーやマイナスイオン商法、水素水などの疑似科学、占いや霊視などの宗教的詐欺、根拠レスで危機を煽る予言書、納豆で血液サラサラとかコラーゲン鍋で美肌といった疑似医学的デタラメ。ワクチンを打つなとかペットボトルのお茶が危険と主張する、環境系デタラメ本などなど。誰しもいくらでも目にしたことがあるはずだ。
なぜ、これらが糾弾されないのか?
それは、出版物には「表現の自由」という原則があるからだ。地球平面説や進化論否定などの宗教的ヒステリーに満ちた本や人種差別を肯定する書籍、人類は数年後に滅びるとして信者に勧誘するカルト団体の書籍――。これらは出版社が出す気になれば、いくらでも出版でき、全国の書店に並べることが可能だ。
表現の自由は、とても重要だ。多様な視点からの提議をもたらす自由があるからこそ、社会問題に警鐘を鳴らせる。
これがあるため、デタラメ書籍の摘発については、国民生活センターなども及び腰だ。実際、書籍やムックなどでは、他の流通ルートであれば問題視される疑似科学商品ですら、なんとなく許容されてしまう雰囲気がある。「著者がそう言っている」を逃げ道に、悪党に宣伝の道を開いているのだ。
出版界は、この「特権」を錦の御旗に、目先の小銭を求め、楽な道を選びすぎているのではないか。明らかに社会に害悪を与える問題商法や、「患者の多くが支持した」レベルの伝聞根拠しかない疑似医学、あるいは危険なカルト団体の主張については、コンプライアンスやCSRの視点から、出版企画を検討すべきだ。「誰もこんなの本気にしないだろ」と、自らの良心に免罪符を与えてはならない。
「このキノコでガンがみるみる消える」式の怪しい書籍をきっかけにマルチ商法のカモにされる末期癌患者だって、実際にいるはず。疑似医学で寿命を縮め、治療に使うべき貴重な資産を無為に悪党に吸い取られるなんて、最たる悲劇だ。
出版社が自浄作用を発揮できなければ、なんらかの大問題をきっかけに、いずれ外部からの規制を招いてしまう。それこそが、真の意味で「表現の自由」を毀損する行為だろう。
ゲルマニウム商法が摘発されたように、薬事法違反の疑似科学商品や怪しげなマルチ商法については、消費者保護や詐欺商法撲滅の側面から、国民生活センターや、それを所管する消費者庁、厚労省などが随時摘発・情報発信をしてきた。
それは詐欺師共への抑止力になっており、一定の効果を発揮している。
翻って出版界を見渡すと、こうした抑止効果があまり機能せず、百鬼夜行の状態になっている。ことは講談社のゲルマニウム商法だけでなく、怪しげな民間療法グッズを添付したムックなどは、大手書店に行けば誰でもてんこ盛りに見ることができる。
グッズ系を離れ、単なる情報発信としての書籍で見ると、状況はもっと悪い。
ホメオパシーやマイナスイオン商法、水素水などの疑似科学、占いや霊視などの宗教的詐欺、根拠レスで危機を煽る予言書、納豆で血液サラサラとかコラーゲン鍋で美肌といった疑似医学的デタラメ。ワクチンを打つなとかペットボトルのお茶が危険と主張する、環境系デタラメ本などなど。誰しもいくらでも目にしたことがあるはずだ。
なぜ、これらが糾弾されないのか?
それは、出版物には「表現の自由」という原則があるからだ。地球平面説や進化論否定などの宗教的ヒステリーに満ちた本や人種差別を肯定する書籍、人類は数年後に滅びるとして信者に勧誘するカルト団体の書籍――。これらは出版社が出す気になれば、いくらでも出版でき、全国の書店に並べることが可能だ。
表現の自由は、とても重要だ。多様な視点からの提議をもたらす自由があるからこそ、社会問題に警鐘を鳴らせる。
これがあるため、デタラメ書籍の摘発については、国民生活センターなども及び腰だ。実際、書籍やムックなどでは、他の流通ルートであれば問題視される疑似科学商品ですら、なんとなく許容されてしまう雰囲気がある。「著者がそう言っている」を逃げ道に、悪党に宣伝の道を開いているのだ。
出版界は、この「特権」を錦の御旗に、目先の小銭を求め、楽な道を選びすぎているのではないか。明らかに社会に害悪を与える問題商法や、「患者の多くが支持した」レベルの伝聞根拠しかない疑似医学、あるいは危険なカルト団体の主張については、コンプライアンスやCSRの視点から、出版企画を検討すべきだ。「誰もこんなの本気にしないだろ」と、自らの良心に免罪符を与えてはならない。
「このキノコでガンがみるみる消える」式の怪しい書籍をきっかけにマルチ商法のカモにされる末期癌患者だって、実際にいるはず。疑似医学で寿命を縮め、治療に使うべき貴重な資産を無為に悪党に吸い取られるなんて、最たる悲劇だ。
出版社が自浄作用を発揮できなければ、なんらかの大問題をきっかけに、いずれ外部からの規制を招いてしまう。それこそが、真の意味で「表現の自由」を毀損する行為だろう。
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2018年08月07日
講談社がトンデモ疑似科学商売に勤しむとは……

先日、講談社が大々的に宣伝を打っている商品を見て疑問を感じた。
いや、一年くらい前に発売になった書籍「コリ、むくみ、冷えをギューッと吸い出す! 解毒玉 ゲルマニウムチップ入り」なんだけどさ。
モノは書籍扱いだけど本文32ページの小冊子程度で、本体は付属の吸引カップだろう。要は効率的な書籍ルートを使って雑貨を売るパターンの商品だ。
これのなにが問題かって、書名にも入っているように「ゲルマニウムチップ入り」のところ。要はイカサマを国民生活センターに摘発された「ゲルマニウム商法」そのものじゃん。
詳しくは上記過去記事で読んでもらうとして、念のため改めて書いとくけど、国民生活センターによると「ゲルマニウムの人体への効果に関する論文はない」「業者に訊いても科学的根拠を出せなかった」「表示が薬事法違反の恐れあり」――だ。今回の講談社の商品、そのまままるっと全部当てはまるな。
あの騒ぎは10年ほど前。あのときは悪徳業者が撤退して「ゲルマニウム小顔ローラー」とかの類は、潮が引くように見かけなくなった。
「10年経てばバカは忘れてるだろうから、また騙せる」とか、そんな感じで企画したとは思えないけどなあ、講談社ともあろうトップクラスの出版社が……。著者にやられたパターンかしら。
おまけにこれ、上記のように、男向けの「コリ、疲れ、メタボをギューッと吸い出す! 解毒玉MEN ゲルマニウムチップ入り」を、つい最近追加で売りに出してるじゃん。みんなナメられてるわ、トンデモ勢力に。
講談社の商品紹介コーナーによると、効能は――
血行促進
老廃物の排出
血液がきれいになる
自律神経を整える
――だそうだ。
いやこれ医療器具としての販売でもないので、効果効能を謳うと薬事法違反じゃないですかね。
それに「血液をきれいにする」とかいう表現もどうなんだろ。なにをもって、血液を「きれい」「汚い」と判断するのか。そんな科学的定義も医学的指標も、もちろんない。
このレベルで早くもデタラメで、おまけに摘発されたゲルマニウム商法まで使ったトンデモ商品だ。なので残りの「自律神経が――」「老廃物が――」といったウワゴトも、極めて怪しい。きちんと医学的エビデンスなんか取ってないだろ、どうせ。
「解毒玉って何?」と題された関連動画では、「首に貼ると小顔に」「二の腕に貼ると振り袖肉がスラリ」とか、さらに怪しい効果効能を謳っている。それちゃんと数学的に正しいやり方で統計取ったのか? でなければこの表記は違法だと思うが。
そもそも、ゴムだかシリコンだかのカップを負圧で皮膚に貼り付けることに、なんらかの医学的効能があるとも思えないしなあ……。
講談社によると、「体の不調部分に当て、悪血を吸い出して治すという吸い玉療法(カッピング療法)」だそうだ。
「悪血」というのは、中世暗黒時代の血抜き治療と同じ発想だよね、要するに。高校で生物を勉強した経験がある方なら誰でもわかるだろうが、血液にいいも悪いもない。千年近く前のデタラメ治療法に端を発する「トンデモ医学療法」に「ゲルマニウム疑似科学商法」まで加わって、デタラメの数え役満というか……。
著者(?)は、村木宏衣氏。エステや整体のご経験をお持ちの「アンチエイジングデザイナー」様だそうだ。もちろん医者ではない。
出版御三家の講談社ともあろう企業が、なんでこんなデタラメ商品に手を出したのか。こういうインチキ商売は、「ムー」の学研とか徳間、ごま書房とかが得意なイメージがあったんだけどなあ……。まさか講談社が。
出版社売上上位10社とかのクラスの社員だと、普通はコンプライアンスや倫理に関する研修を受けてるはずなんだけど。編集も営業も、誰一人この企画に反対しなかったのだろうか。残念だ。
このデタラメ商品買う金があるなら、それで下記のような書籍を購入しトンデモ耐性をつけたほうが、生涯絶対役に立つと思うわマジで。
いや、一年くらい前に発売になった書籍「コリ、むくみ、冷えをギューッと吸い出す! 解毒玉 ゲルマニウムチップ入り」なんだけどさ。
モノは書籍扱いだけど本文32ページの小冊子程度で、本体は付属の吸引カップだろう。要は効率的な書籍ルートを使って雑貨を売るパターンの商品だ。
これのなにが問題かって、書名にも入っているように「ゲルマニウムチップ入り」のところ。要はイカサマを国民生活センターに摘発された「ゲルマニウム商法」そのものじゃん。
詳しくは上記過去記事で読んでもらうとして、念のため改めて書いとくけど、国民生活センターによると「ゲルマニウムの人体への効果に関する論文はない」「業者に訊いても科学的根拠を出せなかった」「表示が薬事法違反の恐れあり」――だ。今回の講談社の商品、そのまままるっと全部当てはまるな。
あの騒ぎは10年ほど前。あのときは悪徳業者が撤退して「ゲルマニウム小顔ローラー」とかの類は、潮が引くように見かけなくなった。
「10年経てばバカは忘れてるだろうから、また騙せる」とか、そんな感じで企画したとは思えないけどなあ、講談社ともあろうトップクラスの出版社が……。著者にやられたパターンかしら。
おまけにこれ、上記のように、男向けの「コリ、疲れ、メタボをギューッと吸い出す! 解毒玉MEN ゲルマニウムチップ入り」を、つい最近追加で売りに出してるじゃん。みんなナメられてるわ、トンデモ勢力に。
講談社の商品紹介コーナーによると、効能は――
血行促進
老廃物の排出
血液がきれいになる
自律神経を整える
――だそうだ。
いやこれ医療器具としての販売でもないので、効果効能を謳うと薬事法違反じゃないですかね。
それに「血液をきれいにする」とかいう表現もどうなんだろ。なにをもって、血液を「きれい」「汚い」と判断するのか。そんな科学的定義も医学的指標も、もちろんない。
このレベルで早くもデタラメで、おまけに摘発されたゲルマニウム商法まで使ったトンデモ商品だ。なので残りの「自律神経が――」「老廃物が――」といったウワゴトも、極めて怪しい。きちんと医学的エビデンスなんか取ってないだろ、どうせ。
「解毒玉って何?」と題された関連動画では、「首に貼ると小顔に」「二の腕に貼ると振り袖肉がスラリ」とか、さらに怪しい効果効能を謳っている。それちゃんと数学的に正しいやり方で統計取ったのか? でなければこの表記は違法だと思うが。
そもそも、ゴムだかシリコンだかのカップを負圧で皮膚に貼り付けることに、なんらかの医学的効能があるとも思えないしなあ……。
講談社によると、「体の不調部分に当て、悪血を吸い出して治すという吸い玉療法(カッピング療法)」だそうだ。
「悪血」というのは、中世暗黒時代の血抜き治療と同じ発想だよね、要するに。高校で生物を勉強した経験がある方なら誰でもわかるだろうが、血液にいいも悪いもない。千年近く前のデタラメ治療法に端を発する「トンデモ医学療法」に「ゲルマニウム疑似科学商法」まで加わって、デタラメの数え役満というか……。
著者(?)は、村木宏衣氏。エステや整体のご経験をお持ちの「アンチエイジングデザイナー」様だそうだ。もちろん医者ではない。
出版御三家の講談社ともあろう企業が、なんでこんなデタラメ商品に手を出したのか。こういうインチキ商売は、「ムー」の学研とか徳間、ごま書房とかが得意なイメージがあったんだけどなあ……。まさか講談社が。
出版社売上上位10社とかのクラスの社員だと、普通はコンプライアンスや倫理に関する研修を受けてるはずなんだけど。編集も営業も、誰一人この企画に反対しなかったのだろうか。残念だ。
このデタラメ商品買う金があるなら、それで下記のような書籍を購入しトンデモ耐性をつけたほうが、生涯絶対役に立つと思うわマジで。
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2017年06月22日
豊洲移転に非科学的ストップをかけた小池知事が今さら「風評被害」を語るのか

小池知事の単独インタビューが産経に載っていたので読んだが、トンデモ衆愚政治家という残念な実態は、まったく変わっていなかった。
インタビューでは、
豊洲市場の風評被害払拭に向けては、「追加対策を行っていくのが1点。情報公開が一番、払拭のために必要なことだ思う」と強調した。
とある。(2017/6/21 産経ニュース)
これが大笑い。なんたって、そもそも豊洲に風評被害をもたらしたのは、小池知事じゃん。
地下水汚染が報じられたとき、「科学的に安全」とした科学者の調査結果が出た。これに対し「安全だろうが安心ではない」という非科学的な謎コメントを出して豊洲移転を中断させたのは、小池サンだろ。
なに今さら「私は市場の味方でござい」って顔してんのかと。
そもそも豊洲移転に待ったをかけたのは、自分の政治的野心からだろ。目的を達成したら豊洲移転を悪びれもせず打ち出すあたり、理念も定見も歴史観もない、ダメ政治家の極みだ。
しかもこれまでの発言と捻れてヤバいんで、「豊洲築地の2市場共存」という愚策を捻り出した。当然だがコストアップ要因で市場関係者の体力を削るし、都民にもコストが付け回される。旧態依然とした築地での運搬に加え両市場をトラックが行き交うので、環境にももちろん悪い。自分のためだけに愚策を強行する構えだ。
狂牛病のとき、科学的な安全策無視の無意味な全頭検査して人の税金ガバガバ使ったときとかと同じ。事故米流通事件とか、事故米焼酎転用事件のときもね。1日50kgの米食べないと害が出ない事故米なのに無意味に大騒ぎというw
論理的な思考ができず大勢と感情に流されるB層衆愚政治の極みとしか。
しかも東京オリンピックでも「世間」におもねって、地方との確執招いておんなじような混迷招いてるし。
これが都知事だからなあ……。しかも都民ファーストの会には、元民進党議員とかが跋扈してるし。民進党自体の議席は減っても関連議席はむしろ増えると予測される始末で、隠れ蓑になっとるw なんたって都民ファーストの会の支援団体は、連合だぜ。早い話、社会党の看板付け替えじゃん。民主党政権時代の日本混迷を経験しても、まだみんな懲りてないのか。
それもこれも中卒テキ屋内田センセイみたいなバケモンが自民党都議団を仕切ってた反動なわけで。まあつくづく内田一派の罪は重いわ。
インタビューでは、
豊洲市場の風評被害払拭に向けては、「追加対策を行っていくのが1点。情報公開が一番、払拭のために必要なことだ思う」と強調した。
とある。(2017/6/21 産経ニュース)
これが大笑い。なんたって、そもそも豊洲に風評被害をもたらしたのは、小池知事じゃん。
地下水汚染が報じられたとき、「科学的に安全」とした科学者の調査結果が出た。これに対し「安全だろうが安心ではない」という非科学的な謎コメントを出して豊洲移転を中断させたのは、小池サンだろ。
なに今さら「私は市場の味方でござい」って顔してんのかと。
そもそも豊洲移転に待ったをかけたのは、自分の政治的野心からだろ。目的を達成したら豊洲移転を悪びれもせず打ち出すあたり、理念も定見も歴史観もない、ダメ政治家の極みだ。
しかもこれまでの発言と捻れてヤバいんで、「豊洲築地の2市場共存」という愚策を捻り出した。当然だがコストアップ要因で市場関係者の体力を削るし、都民にもコストが付け回される。旧態依然とした築地での運搬に加え両市場をトラックが行き交うので、環境にももちろん悪い。自分のためだけに愚策を強行する構えだ。
狂牛病のとき、科学的な安全策無視の無意味な全頭検査して人の税金ガバガバ使ったときとかと同じ。事故米流通事件とか、事故米焼酎転用事件のときもね。1日50kgの米食べないと害が出ない事故米なのに無意味に大騒ぎというw
論理的な思考ができず大勢と感情に流されるB層衆愚政治の極みとしか。
しかも東京オリンピックでも「世間」におもねって、地方との確執招いておんなじような混迷招いてるし。
これが都知事だからなあ……。しかも都民ファーストの会には、元民進党議員とかが跋扈してるし。民進党自体の議席は減っても関連議席はむしろ増えると予測される始末で、隠れ蓑になっとるw なんたって都民ファーストの会の支援団体は、連合だぜ。早い話、社会党の看板付け替えじゃん。民主党政権時代の日本混迷を経験しても、まだみんな懲りてないのか。
それもこれも中卒テキ屋内田センセイみたいなバケモンが自民党都議団を仕切ってた反動なわけで。まあつくづく内田一派の罪は重いわ。
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2017年05月30日
ひとりで2万例の執刀経験って、可能なのか?

地下鉄の広告を眺めてたら、とある書籍が目についた。
いや中身は「血管を鍛えよう」とかいう、よくある類の健康書なんだけどさ。
著者は写真で見るとただのおじいさま。
「世界一の日本人心臓外科医」らしいけど、そのキャッチがどうにも怪しい。そもそも、なにを持って「世界一」なのか書いてない。どこかの顕彰なのか、あるいは成功率なのかとか。まさかとは思うが、自称か?
それに「2万例以上の心臓・血管・肺手術を執刀した」とかあるんだけど、無理だろこれ。
26歳の医大卒業と同時に心臓・血管・肺手術を執刀したとしてよ(そんなのあり得ないと思うけどさ)。仮に今80歳として超絶元気で現在でも執刀し続けているとして。
54年間で20000以上って、年間370件も手術してる計算になるじゃんw 50年以上、毎日休みも取らずに1件手術しても追いつかないとかw
常識的なレベルで、30歳から30年間、毎年150日執刀するとしたら、通算4500執刀。前後になだらかな曲線で執刀があったとして、まあ5000例くらいが、トップクラスの執刀医としても現実的じゃないのかな。
仮に毎日2つ手術をハシゴした超人だとしても、1万例だ。
著者の方のWebを読む限り、手術の執刀は多かったとは推察できる。だが2万例以上ってのは、ちょっと盛り過ぎかな。執刀といいつつも「同席しただけ」みたいなのを入れたとしても、苦しいんじゃないかと思う。
2万例も執刀が可能なもんでしょうかね>心臓外科医の方々。
まあ「血管を鍛えよう」とかいうノウハウに、そもそも心臓外科の執刀経験は無関係だから、別に嘘でも実害はないんだけどさ。出版社のコンプライアンス上どうかと思うわけよ。
ちなみに出版元は「アチーブメント出版」。悪いけど知らない。宣伝が怪しかったんで、調べてみた。
どうも見ると自己啓発セミナーから発展した企業の関連出版社のようだ。「選択理論心理学」ベースを標榜してる。「選択理論心理学」では「自己の内発性による行動選択」を重視するらしいから、要はやっぱり自己啓発セミナーだよね。自己啓発は洗脳じみてるから、ちょっと危険だね。
社長をはじめ役員には青木姓が多いので、まあ同族企業だろう。親会社であるアチーブメント株式会社の連結売上高は20億円程度だから、出版はまあ5-10億円くらいかな。自己啓発セミナー用高額読本だので稼げるだろうから、利益率は高いと思うよ。
検索窓に「アチーブメント出版」と入れると、サジェッションで「宗教」と出る。それだけ「宗教っぽい」と感じている人が多いのだろう。そのまま進むと、まあやっぱりというか「被害者」を自称する方のブログだのWebだのぞろぞろたくさん出てくる。
マルチ商法ともつるんでるみたいだ。マルチの働き蜂を「自己啓発」で鍛えるんだろう。商品と教育の双方で、マルチの親方が、カモの働き蜂から金を抜くってことか。
とはいえこの手の検索では極端に誇張した悪口が出るのは普通なので、あんまり信じるのはどうかとは思うけど。ただ近づきたいかというと、どうなんだろ。ここ読むとなあw
ちなみにこの書籍、地下鉄広告を見る限り、特に「トンデモ」な疑似科学ではないと思う。「健康診断の結果が良くても安心するな」「血管老化が引き起こす循環器系疾患」「老けない血管はこの食事で造られる」とかなので、誰もが知る一般的な話が書いてありそうだ。その点はまだマシだと感じる。
いや中身は「血管を鍛えよう」とかいう、よくある類の健康書なんだけどさ。
著者は写真で見るとただのおじいさま。
「世界一の日本人心臓外科医」らしいけど、そのキャッチがどうにも怪しい。そもそも、なにを持って「世界一」なのか書いてない。どこかの顕彰なのか、あるいは成功率なのかとか。まさかとは思うが、自称か?
それに「2万例以上の心臓・血管・肺手術を執刀した」とかあるんだけど、無理だろこれ。
26歳の医大卒業と同時に心臓・血管・肺手術を執刀したとしてよ(そんなのあり得ないと思うけどさ)。仮に今80歳として超絶元気で現在でも執刀し続けているとして。
54年間で20000以上って、年間370件も手術してる計算になるじゃんw 50年以上、毎日休みも取らずに1件手術しても追いつかないとかw
常識的なレベルで、30歳から30年間、毎年150日執刀するとしたら、通算4500執刀。前後になだらかな曲線で執刀があったとして、まあ5000例くらいが、トップクラスの執刀医としても現実的じゃないのかな。
仮に毎日2つ手術をハシゴした超人だとしても、1万例だ。
著者の方のWebを読む限り、手術の執刀は多かったとは推察できる。だが2万例以上ってのは、ちょっと盛り過ぎかな。執刀といいつつも「同席しただけ」みたいなのを入れたとしても、苦しいんじゃないかと思う。
2万例も執刀が可能なもんでしょうかね>心臓外科医の方々。
まあ「血管を鍛えよう」とかいうノウハウに、そもそも心臓外科の執刀経験は無関係だから、別に嘘でも実害はないんだけどさ。出版社のコンプライアンス上どうかと思うわけよ。
ちなみに出版元は「アチーブメント出版」。悪いけど知らない。宣伝が怪しかったんで、調べてみた。
どうも見ると自己啓発セミナーから発展した企業の関連出版社のようだ。「選択理論心理学」ベースを標榜してる。「選択理論心理学」では「自己の内発性による行動選択」を重視するらしいから、要はやっぱり自己啓発セミナーだよね。自己啓発は洗脳じみてるから、ちょっと危険だね。
社長をはじめ役員には青木姓が多いので、まあ同族企業だろう。親会社であるアチーブメント株式会社の連結売上高は20億円程度だから、出版はまあ5-10億円くらいかな。自己啓発セミナー用高額読本だので稼げるだろうから、利益率は高いと思うよ。
検索窓に「アチーブメント出版」と入れると、サジェッションで「宗教」と出る。それだけ「宗教っぽい」と感じている人が多いのだろう。そのまま進むと、まあやっぱりというか「被害者」を自称する方のブログだのWebだのぞろぞろたくさん出てくる。
マルチ商法ともつるんでるみたいだ。マルチの働き蜂を「自己啓発」で鍛えるんだろう。商品と教育の双方で、マルチの親方が、カモの働き蜂から金を抜くってことか。
とはいえこの手の検索では極端に誇張した悪口が出るのは普通なので、あんまり信じるのはどうかとは思うけど。ただ近づきたいかというと、どうなんだろ。ここ読むとなあw
ちなみにこの書籍、地下鉄広告を見る限り、特に「トンデモ」な疑似科学ではないと思う。「健康診断の結果が良くても安心するな」「血管老化が引き起こす循環器系疾患」「老けない血管はこの食事で造られる」とかなので、誰もが知る一般的な話が書いてありそうだ。その点はまだマシだと感じる。
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2016年11月16日
疑似科学企業ファイテン、ついにオカルトに踏み出す

ファイテンと聞いて、どんな事業を想像するだろうか。
Wikipediaによれば、医薬部外品・化粧品・ヘアケア商品・スポーツ関連商品・健康食品・健康グッズ等の販売会社。フツーの人なら、スポーツ選手が身に着けてるブレスレットやネックレスとかを思い浮かべるだろう。
主力商品である「アクアチタン」関連については、当ブログでもそのトンデモぶりを取り上げたことがある。
まあ近づかないほうがいい企業なのは、たしか。私もその後、店舗には一切近寄らず過ごしてきたわけだ。したらある日、「phiten 水晶」とかいう謎検索にて本ブログを訪れた方が、目を惹いた。
ものすごく嫌な予感がするw
それで調べてみたら、ファイテンは、いつの間にやらパワーストーン商売に踏み出していた。デタラメ効能製品でおなじみのファイテンが、曲がりなりにも標榜していた(擬似)科学を踏み越え、ついにオカルトに踏み出したってことだな。
ファイテン公式ショップを覗いてみた。たとえば「水晶ブレス ローズクォーツ ラベンダーアメシスト」の商品説明にはこうある。
浄化能力に優れ感情をコントロールするとされる石と、恋を呼び愛を育むとされる石とを組み合わせた天然石ブレスレット。
はあ、水晶が感情をコントロールするんすか。あほくさ。
他の商品でも、以下のようなデタラメオカルト説明が炸裂している。
災いを遠ざけ繁栄をもたらし、成功の象徴と言われる天然石を組み合わせたブレスレット。
金運や仕事運を高め、目標の達成をサポートすると言われる天然石のブレスレット。
たかが石ころがどのような原理で「運を高め」「災いを遠ざける」んですかね。フツーに「きれいな水晶ブレスレット」として販売すればいいのに。
しかも高いぞ。
水晶のブレスレット、1万から1万数千円だけどさ、アマゾンでざっと検索してみると、同じ石を使ってても、はるかに安いのが目白押しだ。それだけ「ご利益がある」って主張したいのかもね。
アマゾンの類似商品
つまりざっくり書けば、これは霊感商法だな。
桜田の壺みたいなもんだ。
こんなの売ってる時点で、科学に基づく医学的効果効能を店舗で仄めかして販売していた「アクアチタン」だの「金の水」だの正当性を、自分で否定してるようなもんだけどなー。
ゲルマニウム商法が摘発されたりして、トンデモ疑似科学だけでは将来が危ういと、オカルト方面に業務拡大ってことかな。
「とされる」「と言われる」といった伝聞体を用いることで、予防線張ってる「つもり」なのかもしれないけどさ。「いやファイテンとしては効果を確認も保証もしてない。誤認した消費者が悪い」とかなんとか。
でもそれは「消防署の方から来た」で割高消火器売る類で、悪徳商法ってもんだろう。
少なくとも、年商100億クラスの大企業が依るべき商道徳ではない。確信犯と思われる経営陣はともかく、末端従業員の方々は、自社の道徳性やCSRについて、どのようにお考えでしょうか。
まあ皆様、ファイテンに限らず、悪徳商法にはひっかからないように注意しましょう。
プラズマでもなんでもない「プラズマ水素水」を絶賛発売中のイオンとかも、しょうもないしなー。
Wikipediaによれば、医薬部外品・化粧品・ヘアケア商品・スポーツ関連商品・健康食品・健康グッズ等の販売会社。フツーの人なら、スポーツ選手が身に着けてるブレスレットやネックレスとかを思い浮かべるだろう。
主力商品である「アクアチタン」関連については、当ブログでもそのトンデモぶりを取り上げたことがある。
まあ近づかないほうがいい企業なのは、たしか。私もその後、店舗には一切近寄らず過ごしてきたわけだ。したらある日、「phiten 水晶」とかいう謎検索にて本ブログを訪れた方が、目を惹いた。
ものすごく嫌な予感がするw
それで調べてみたら、ファイテンは、いつの間にやらパワーストーン商売に踏み出していた。デタラメ効能製品でおなじみのファイテンが、曲がりなりにも標榜していた(擬似)科学を踏み越え、ついにオカルトに踏み出したってことだな。
ファイテン公式ショップを覗いてみた。たとえば「水晶ブレス ローズクォーツ ラベンダーアメシスト」の商品説明にはこうある。
浄化能力に優れ感情をコントロールするとされる石と、恋を呼び愛を育むとされる石とを組み合わせた天然石ブレスレット。
はあ、水晶が感情をコントロールするんすか。あほくさ。
他の商品でも、以下のようなデタラメオカルト説明が炸裂している。
災いを遠ざけ繁栄をもたらし、成功の象徴と言われる天然石を組み合わせたブレスレット。
金運や仕事運を高め、目標の達成をサポートすると言われる天然石のブレスレット。
たかが石ころがどのような原理で「運を高め」「災いを遠ざける」んですかね。フツーに「きれいな水晶ブレスレット」として販売すればいいのに。
しかも高いぞ。
水晶のブレスレット、1万から1万数千円だけどさ、アマゾンでざっと検索してみると、同じ石を使ってても、はるかに安いのが目白押しだ。それだけ「ご利益がある」って主張したいのかもね。
アマゾンの類似商品
つまりざっくり書けば、これは霊感商法だな。
桜田の壺みたいなもんだ。
こんなの売ってる時点で、科学に基づく医学的効果効能を店舗で仄めかして販売していた「アクアチタン」だの「金の水」だの正当性を、自分で否定してるようなもんだけどなー。
ゲルマニウム商法が摘発されたりして、トンデモ疑似科学だけでは将来が危ういと、オカルト方面に業務拡大ってことかな。
「とされる」「と言われる」といった伝聞体を用いることで、予防線張ってる「つもり」なのかもしれないけどさ。「いやファイテンとしては効果を確認も保証もしてない。誤認した消費者が悪い」とかなんとか。
でもそれは「消防署の方から来た」で割高消火器売る類で、悪徳商法ってもんだろう。
少なくとも、年商100億クラスの大企業が依るべき商道徳ではない。確信犯と思われる経営陣はともかく、末端従業員の方々は、自社の道徳性やCSRについて、どのようにお考えでしょうか。
まあ皆様、ファイテンに限らず、悪徳商法にはひっかからないように注意しましょう。
プラズマでもなんでもない「プラズマ水素水」を絶賛発売中のイオンとかも、しょうもないしなー。
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2016年10月16日
ボブ・ディラン「ノーベル文学賞受賞」をむりくり持ち上げる、佐藤良明先生の日経新聞コラムが痛い

先日、編集部の誰ぞが「ディランがどうのこうの」と話してるのが聞こえた。「はあディラン亡くなったのかな。歳だしなー」とか頭の隅で考えつつ、興味もないのでスルーしていたわけよ。個人的にはボウイの死去のがはるかにでかいしさ。さよならトム少佐。いずれ衛星軌道で会いましょう。
ほんならなに、ノーベル文学賞だと。
なんすか、それ。
ノーベル賞選考委員会、頭ワイたのかw
ディランを顕彰したいなら、ノーベル音楽賞でも作ったらどうすか。まあそれでもディランの受賞順番とか、はるか彼方だろうけど。たいしたミュージシャンじゃないじゃん。サウンドの先鋭性や重要性では特に。
百歩譲って、どんなに優れた歌詞作ってたと仮定しても、一般的な感覚では、そりゃ文学とは違うだろ。めっちゃ広く取れば文学かもしれないけど、それより以前に顕彰すべき一般的な意味での文学作品/作家が、はるかに多いだろ。
そのへん、ノーベル賞選考委員と私は、絶対にわかりあえないなと思った。というか一般的日本人なら、違和感しか感じないのでは。
――とまあ、私としてはそれで終わるはずだった。その程度の軽い話題だし、ノーベル賞選考委員会がトチ狂ったとしても、別に興味はない。だが10/14の日経朝刊に頭の痛くなる記事が出て、私の炎上脳に燃料を焚べてきやがったw
米文学者の佐藤良明センセイ寄稿で、要するに「ディラン受賞は当然」と主張するやつなんだが、そのムリクリ擁護が凄い。
まあこの手の「お文化」寄稿では、末尾がオチというかカッコつけの余韻持たせにするパタ―ンが多い。実際彼の寄稿もそうなのだが、ディラン受賞を苦し紛れで正当化してるから、わけわからなくなってて凄い読み物。
文末を引用してみる。
フォーク純粋派をロックのビートで染めた男が、そのざらついた声で純文学を染め、文学もまたポップな帝国の中にあるという、資本主義先進国の常識を、改めて世界に印象づけたのが今回の出来事である。往年の若者たちの革命が半世紀を経て、ストックホルムでその総仕上げの儀式を行う。そこでスポットを浴びるのも、やはりディランというわけだ。(日経新聞 10/14朝刊)
凄いすねー。なんすかこの寝言。
ポップミュージックは消費されるものという、あたりまえの商業的側面と、ノーベル文学賞に、なんの関係が?
「半世紀前の若者革命」って、ベトナム反戦運動のこと? ディランと関係ないじゃん。むしろ真逆で、公民権運動関係者から異様に持ち上げられる自身のパブリックイメージから逃れようと、彼はもがいてたと思うんだけどさ。
なんすか、反戦運動が評価されたとか言いたいのか? 団塊の「反政府・でも政府からもらえる年金は俺様世代まで食い逃げ」野郎かよ。(えーともちろんおわかりと思いますが、一部の団塊世代の方々のメンタリティーの話ですよー)
ちなみにこれ、このオチだけひどいわけじゃない。イントロからメインの主張にいたるまで、英文学者の名前を列記して権威付けしてるだけの論旨が続いてる。
よくもまあこれを掲載したもんだと思うわ。まあ「ボブ・ディランがノーベル文学賞受賞」をポジティブな記事にしようとすると、こうせざるを得ないんだろうけど。
もちろん悪いのは先生でなく、その方向の原稿を「頼んだ側」ってことなんだけどさ。
その意味で、注文主の意向に沿ってホイホイ書くという、佐藤良明先生のフリーライター的美質が、存分に発揮された仕事とは言えるだろう。
日経新聞としては、変わってもいない地震名称を「東北差別から変わった」と主張した宗教学者山折哲雄センセイのトンデモコラムとか、野良猫おばさんが苦情住民をあざ笑う作家宇江佐真理氏センセイの独善コラムに勝るとも劣らない記事。あれもひどかったけどな―。
ほんならなに、ノーベル文学賞だと。
なんすか、それ。
ノーベル賞選考委員会、頭ワイたのかw
ディランを顕彰したいなら、ノーベル音楽賞でも作ったらどうすか。まあそれでもディランの受賞順番とか、はるか彼方だろうけど。たいしたミュージシャンじゃないじゃん。サウンドの先鋭性や重要性では特に。
百歩譲って、どんなに優れた歌詞作ってたと仮定しても、一般的な感覚では、そりゃ文学とは違うだろ。めっちゃ広く取れば文学かもしれないけど、それより以前に顕彰すべき一般的な意味での文学作品/作家が、はるかに多いだろ。
そのへん、ノーベル賞選考委員と私は、絶対にわかりあえないなと思った。というか一般的日本人なら、違和感しか感じないのでは。
――とまあ、私としてはそれで終わるはずだった。その程度の軽い話題だし、ノーベル賞選考委員会がトチ狂ったとしても、別に興味はない。だが10/14の日経朝刊に頭の痛くなる記事が出て、私の炎上脳に燃料を焚べてきやがったw
米文学者の佐藤良明センセイ寄稿で、要するに「ディラン受賞は当然」と主張するやつなんだが、そのムリクリ擁護が凄い。
まあこの手の「お文化」寄稿では、末尾がオチというかカッコつけの余韻持たせにするパタ―ンが多い。実際彼の寄稿もそうなのだが、ディラン受賞を苦し紛れで正当化してるから、わけわからなくなってて凄い読み物。
文末を引用してみる。
フォーク純粋派をロックのビートで染めた男が、そのざらついた声で純文学を染め、文学もまたポップな帝国の中にあるという、資本主義先進国の常識を、改めて世界に印象づけたのが今回の出来事である。往年の若者たちの革命が半世紀を経て、ストックホルムでその総仕上げの儀式を行う。そこでスポットを浴びるのも、やはりディランというわけだ。(日経新聞 10/14朝刊)
凄いすねー。なんすかこの寝言。
ポップミュージックは消費されるものという、あたりまえの商業的側面と、ノーベル文学賞に、なんの関係が?
「半世紀前の若者革命」って、ベトナム反戦運動のこと? ディランと関係ないじゃん。むしろ真逆で、公民権運動関係者から異様に持ち上げられる自身のパブリックイメージから逃れようと、彼はもがいてたと思うんだけどさ。
なんすか、反戦運動が評価されたとか言いたいのか? 団塊の「反政府・でも政府からもらえる年金は俺様世代まで食い逃げ」野郎かよ。(えーともちろんおわかりと思いますが、一部の団塊世代の方々のメンタリティーの話ですよー)
ちなみにこれ、このオチだけひどいわけじゃない。イントロからメインの主張にいたるまで、英文学者の名前を列記して権威付けしてるだけの論旨が続いてる。
よくもまあこれを掲載したもんだと思うわ。まあ「ボブ・ディランがノーベル文学賞受賞」をポジティブな記事にしようとすると、こうせざるを得ないんだろうけど。
もちろん悪いのは先生でなく、その方向の原稿を「頼んだ側」ってことなんだけどさ。
その意味で、注文主の意向に沿ってホイホイ書くという、佐藤良明先生のフリーライター的美質が、存分に発揮された仕事とは言えるだろう。
日経新聞としては、変わってもいない地震名称を「東北差別から変わった」と主張した宗教学者山折哲雄センセイのトンデモコラムとか、野良猫おばさんが苦情住民をあざ笑う作家宇江佐真理氏センセイの独善コラムに勝るとも劣らない記事。あれもひどかったけどな―。
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2016年09月04日
「ショップジャパン」オークローンマーケティングが、セラミックフライパン「セラフィット」で詐欺的表示を告発される

セラミックコーティングフライパンのテレビ通販での詐欺的表示を、消費者庁が告発した。
対象は通販番組「ショップジャパン」を放映するオークローンマーケティング。同社が販売する商品「セラフィット」フライパンで、通販上、デタラメを放送していた。その内容だが。。。
「ダイヤモンドの次に硬いセラミックを使用」
「傷がつかない コーティングが剥がれない」
「コインで擦っても傷が付かず、コーティングは剥がれません」
「クギを炒めても傷がつかない!」
「たとえ大量のクギを炒めたって傷が付かない」
「耐磨耗テスト50万回クリア!!」
「セラフィットは50万回擦っても傷まないことが証明されました」
これが全部デタラメw (同社が嘘と発表している)
消費者庁の実験では50万回どころか、1%の5000回も持たずにコーティングが剥がれている。普通、1回の調理で50回はこするだろうから、100回の調理で壊れる。1日3食、1食に2品作れば、半月程度でダメになるわけだ。
安物すぎるー
こんな安物なのに、28cm径で7000円とか高額だ。
セラミックコーティングのフライパンは、私も愛用してブログでも紹介した。京セラ製の「セラブリッド」で、28cm径で2500円程度。つまりショップジャパンの1/3の価格で、購入以来現在まで一年間酷使して、まったく問題がない(火力弱めがコツ)。さすが京セラ。
多分セラフィット、京セラ「セラブリッド」の品質と評判を知って、急遽中国あたりでそれっぽい製品作らせた「コバンザメ商法」だよね。名前まで似せてるしさ。しかも価格3倍。
テレビ通販、特にこの手の「海外で大評判の製品をご紹介」パターンは、おおむね内外の情報格差を利用した「情弱ビジネス」であって、割高な製品、質的に欠陥のある製品を、芸能人を広告塔に、「安い」「斬新」として売るパターンが多い。「どの企業も」ということではないが、少なくともショップジャパンのオークローンマーケティングは、この類のようだ。
セラフィットの広告塔になった北斗晶さんとか、どうすんすかね。料理上手で売ってるのに、1ヶ月で壊れるフライパンとか宣伝して。自分は料理してない(少なくともこのフライパンでは)って、公言してるも同然では。。。いくら金積まれたんだろうか。。。
同社のWebで会社沿革など見ると、なかなか楽しい。ベストセラーとして、いかにも「アレ」な割高商品がずらずら並んでいて、「こんなんにダマされる奴いんのかよ」という感想を抱かざるを得ないというか。。。なんだよ「倒れるだけで腹筋が鍛えられる『ワンダーコア』」とか。
とはいえ、こういうイカサマ商品、消費者の立場では、買うまでわからないのが当然だ。フライパンなんて、使うまでわからないし。ゲルマニウムブレスレットのイカサマ告発に続き、消費者庁、グッジョブと言えるだろう。多分よほど大量のクレームが届いたから検査したんだろうな。
対象は通販番組「ショップジャパン」を放映するオークローンマーケティング。同社が販売する商品「セラフィット」フライパンで、通販上、デタラメを放送していた。その内容だが。。。
「ダイヤモンドの次に硬いセラミックを使用」
「傷がつかない コーティングが剥がれない」
「コインで擦っても傷が付かず、コーティングは剥がれません」
「クギを炒めても傷がつかない!」
「たとえ大量のクギを炒めたって傷が付かない」
「耐磨耗テスト50万回クリア!!」
「セラフィットは50万回擦っても傷まないことが証明されました」
これが全部デタラメw (同社が嘘と発表している)
消費者庁の実験では50万回どころか、1%の5000回も持たずにコーティングが剥がれている。普通、1回の調理で50回はこするだろうから、100回の調理で壊れる。1日3食、1食に2品作れば、半月程度でダメになるわけだ。
安物すぎるー
こんな安物なのに、28cm径で7000円とか高額だ。
セラミックコーティングのフライパンは、私も愛用してブログでも紹介した。京セラ製の「セラブリッド」で、28cm径で2500円程度。つまりショップジャパンの1/3の価格で、購入以来現在まで一年間酷使して、まったく問題がない(火力弱めがコツ)。さすが京セラ。
多分セラフィット、京セラ「セラブリッド」の品質と評判を知って、急遽中国あたりでそれっぽい製品作らせた「コバンザメ商法」だよね。名前まで似せてるしさ。しかも価格3倍。
テレビ通販、特にこの手の「海外で大評判の製品をご紹介」パターンは、おおむね内外の情報格差を利用した「情弱ビジネス」であって、割高な製品、質的に欠陥のある製品を、芸能人を広告塔に、「安い」「斬新」として売るパターンが多い。「どの企業も」ということではないが、少なくともショップジャパンのオークローンマーケティングは、この類のようだ。
セラフィットの広告塔になった北斗晶さんとか、どうすんすかね。料理上手で売ってるのに、1ヶ月で壊れるフライパンとか宣伝して。自分は料理してない(少なくともこのフライパンでは)って、公言してるも同然では。。。いくら金積まれたんだろうか。。。
同社のWebで会社沿革など見ると、なかなか楽しい。ベストセラーとして、いかにも「アレ」な割高商品がずらずら並んでいて、「こんなんにダマされる奴いんのかよ」という感想を抱かざるを得ないというか。。。なんだよ「倒れるだけで腹筋が鍛えられる『ワンダーコア』」とか。
とはいえ、こういうイカサマ商品、消費者の立場では、買うまでわからないのが当然だ。フライパンなんて、使うまでわからないし。ゲルマニウムブレスレットのイカサマ告発に続き、消費者庁、グッジョブと言えるだろう。多分よほど大量のクレームが届いたから検査したんだろうな。
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2016年07月29日
鳥越俊太郎先生、面白すぎるを通り越して少し無残

鳥越俊太郎先生は、近来稀に見るオモシロ芸人ぶり。行政も社会政策も、歴史や地政学もまったく知らないとしか判断しようがない、トンデモ発言を連発するからだ。
水素水の及川胤昭先生センセイとか、「お茶が危険」の自称ジャーナリスト郡司和夫センセイとか、トンデモの人は見てるのが楽しい。信じる人がいるのは怖いけど。ただ鳥越氏の場合は、それはとうに通り過ぎてて、ちょっと無残にすら感じる。老残って奴。死ぬ前の秀吉的というか。
鳥越センセイは先日、「島嶼部の消費税を半額に!」という名言を残した。離島振興策のつもりらしく、イギリスマン島の例を挙げて。
どうやらマン島のことも全然知らないらしい。というのも、マン島は金融王国英国が戦略的に用いているタックスヘイブンだ。通貨だって独自通貨だし。要は、金持ち優遇による税収増を目論んでるわけさ。欧州系のヘッジファンドなんかも、マン島とかジャージー島(同じく英国のタックスヘイブン)を拠点にしている場合が多い。
経済規模の大きな国家の政府は表向きは「金持ちの税逃れタックスヘイブンは許せん」とか言うくせに、自国(ないし自国の影響圏内)には、しれっと拠点を持ってたりするし。
いや「金持ち日本人の資産が海外逃避するのはもったいない。だから大島をタックスヘイブンに!」って発想ならありとは思うよ。「税金が安く安全な東京に居住してください」とか、海外の規格外のド金持ちに売り込むことだって、結果的に都や日本の税収を上げるから国民全員に利点があるし。
でも鳥越さんとか支持者の方々、「金持ち優遇」って外面的に見える絵面、大嫌いなんじゃないの? 共産党とか、どんな政策だって「財源は大企業増税」の思考停止しか言わないし。マン島の実態すら知らないから無邪気に発言したんだろう。
まあ庶民派を自称するご本人は、BMWを短期間に買い替え続けてるみたいだけどさ。
だいたい、消費税を大島だけ下げたらどうなるか。
大島に登記して消費税逃れを助長する企業が続出するじゃん。たとえば5秒で思いつくレベルだって、大島拠点に高額品を売ってさ、顧客には宅配すればいいんだろ。ネットで売ってもいいし。
3000万の車とか、消費税が150万も節約できるんだから、金持ち大喜びというか。
第一、この発言、前提の事実から間違っている。というのもマン島でだって消費税(付加価値税)自体は低減されてないし。単に付加価値税の軽減税率面を優遇されてるだけで。それって大違いじゃんか。
例によって、鳥越さんの「聞きかじりを口走る(しかも勘違いで間違ったしたまま)」「耳障りのいい実現不可能な妄想を披露」路線爆発というか。政策なんて興味ないんだろう。
「鳥越俊太郎は筑紫哲也の劣化コピー」とか巷で言われてるけどさ、どちらかというと、鳩山元首相みたいなデタラメタイプだな。しかも老年問題で二翻乗ってる。
東京250km圏の原発停止とかの思いつき発言にしても、どうすんのさ。東京電力管内の膨大な電力需要、どこから持ってくるのか。青森とか石川とかの、遥か離れた場所の原発から融通してもらうのか? 送電ロスとかすごいじゃん。全然エコじゃない。
いや長期的に脱原発を目指すなら、発想としてはわかる。石原都知事や猪瀬都知事は、実際、東京圏での高効率新型クリーン火力発電所新設を推進・実現したし。そうしたロードマップも提示できないのに申し入れたって、鼻で笑われるだけだ。そもそも権限すらないし。
パワハラセクハラ淫行事件にしたって、今度は新潮を訴える構えだけどさ。「被害者の証言だけで一方的に記事にしたから」ってのがまたいい味だ。
一方的もなにも、そりゃ鳥越さんが取材から逃げ回ってるからだろ。
反論あるなら、囲み取材の記者に説明すれば済む。それすらしないで「オレの言い分が欠けてる」とか怒ってもなー。お得意の「説明責任」はどうなってんですかね。「性被害は被害者の証言が証拠だから調査不要だ」とか無茶言ってた自分の過去発言をどう考えてるんでしょうか。
「文春記事はすべて事実無根」とか言ってたけど、代理人弁護士は示談したことを認めてる。いつの間にか「すべて」から後退してるし、そもそも、なんにもしてないのに示談するわけないじゃん。
上野千鶴子氏とか、フェミニズムの鬼みたいな方々も、今回は失点を重ねた雰囲気。普段の態度はどこへやら。鳥越淫行事件は一切糾弾せず、街頭で鳥越応援演説に立ってるんだぜ。今後難癖つけられたら、「でもあんたパワハラ淫行鳥越の応援演説してたよね」って反論する奴が出る気がする。
「女性権利獲得」なんてお題目で、偏向政治を実現することにしか興味がない――。そう世界に晒してると受け取れてしまう行動で、ご本人の誠実性を疑われてしまうのでは。
ついでに書くと、「鳥越俊太郎を応援する市民センター」とかいうFacebookページがある。なぜか韓国系サーバーで登録されているようで、日本語サイトなのにハングルが埋め込んであるとか。実に興味深い。
ko-kr.facebook.com/torigoesupport/posts/17700948●●●
1 時間前 - 鳥越俊太郎を応援する市民センター. 좋아하는 사람 1601명 ・ 이야기하고 있는 사람들 1374명. 鳥越俊太郎を都知事に! 市民勝手連の情報プラットフォームです。
エセフェミの方々もそうだけど、支持者の背景にどんな反社会勢力がいるか、想像たくましくする人が増えるばかりだろうに。まあ「戦争反対」とか言うくせに中国への抗議行動はしないのを見れば、以前からわかっていたとも言えるんだが。
水素水の及川胤昭先生センセイとか、「お茶が危険」の自称ジャーナリスト郡司和夫センセイとか、トンデモの人は見てるのが楽しい。信じる人がいるのは怖いけど。ただ鳥越氏の場合は、それはとうに通り過ぎてて、ちょっと無残にすら感じる。老残って奴。死ぬ前の秀吉的というか。
鳥越センセイは先日、「島嶼部の消費税を半額に!」という名言を残した。離島振興策のつもりらしく、イギリスマン島の例を挙げて。
どうやらマン島のことも全然知らないらしい。というのも、マン島は金融王国英国が戦略的に用いているタックスヘイブンだ。通貨だって独自通貨だし。要は、金持ち優遇による税収増を目論んでるわけさ。欧州系のヘッジファンドなんかも、マン島とかジャージー島(同じく英国のタックスヘイブン)を拠点にしている場合が多い。
経済規模の大きな国家の政府は表向きは「金持ちの税逃れタックスヘイブンは許せん」とか言うくせに、自国(ないし自国の影響圏内)には、しれっと拠点を持ってたりするし。
いや「金持ち日本人の資産が海外逃避するのはもったいない。だから大島をタックスヘイブンに!」って発想ならありとは思うよ。「税金が安く安全な東京に居住してください」とか、海外の規格外のド金持ちに売り込むことだって、結果的に都や日本の税収を上げるから国民全員に利点があるし。
でも鳥越さんとか支持者の方々、「金持ち優遇」って外面的に見える絵面、大嫌いなんじゃないの? 共産党とか、どんな政策だって「財源は大企業増税」の思考停止しか言わないし。マン島の実態すら知らないから無邪気に発言したんだろう。
まあ庶民派を自称するご本人は、BMWを短期間に買い替え続けてるみたいだけどさ。
だいたい、消費税を大島だけ下げたらどうなるか。
大島に登記して消費税逃れを助長する企業が続出するじゃん。たとえば5秒で思いつくレベルだって、大島拠点に高額品を売ってさ、顧客には宅配すればいいんだろ。ネットで売ってもいいし。
3000万の車とか、消費税が150万も節約できるんだから、金持ち大喜びというか。
第一、この発言、前提の事実から間違っている。というのもマン島でだって消費税(付加価値税)自体は低減されてないし。単に付加価値税の軽減税率面を優遇されてるだけで。それって大違いじゃんか。
例によって、鳥越さんの「聞きかじりを口走る(しかも勘違いで間違ったしたまま)」「耳障りのいい実現不可能な妄想を披露」路線爆発というか。政策なんて興味ないんだろう。
「鳥越俊太郎は筑紫哲也の劣化コピー」とか巷で言われてるけどさ、どちらかというと、鳩山元首相みたいなデタラメタイプだな。しかも老年問題で二翻乗ってる。
東京250km圏の原発停止とかの思いつき発言にしても、どうすんのさ。東京電力管内の膨大な電力需要、どこから持ってくるのか。青森とか石川とかの、遥か離れた場所の原発から融通してもらうのか? 送電ロスとかすごいじゃん。全然エコじゃない。
いや長期的に脱原発を目指すなら、発想としてはわかる。石原都知事や猪瀬都知事は、実際、東京圏での高効率新型クリーン火力発電所新設を推進・実現したし。そうしたロードマップも提示できないのに申し入れたって、鼻で笑われるだけだ。そもそも権限すらないし。
パワハラセクハラ淫行事件にしたって、今度は新潮を訴える構えだけどさ。「被害者の証言だけで一方的に記事にしたから」ってのがまたいい味だ。
一方的もなにも、そりゃ鳥越さんが取材から逃げ回ってるからだろ。
反論あるなら、囲み取材の記者に説明すれば済む。それすらしないで「オレの言い分が欠けてる」とか怒ってもなー。お得意の「説明責任」はどうなってんですかね。「性被害は被害者の証言が証拠だから調査不要だ」とか無茶言ってた自分の過去発言をどう考えてるんでしょうか。
「文春記事はすべて事実無根」とか言ってたけど、代理人弁護士は示談したことを認めてる。いつの間にか「すべて」から後退してるし、そもそも、なんにもしてないのに示談するわけないじゃん。
上野千鶴子氏とか、フェミニズムの鬼みたいな方々も、今回は失点を重ねた雰囲気。普段の態度はどこへやら。鳥越淫行事件は一切糾弾せず、街頭で鳥越応援演説に立ってるんだぜ。今後難癖つけられたら、「でもあんたパワハラ淫行鳥越の応援演説してたよね」って反論する奴が出る気がする。
「女性権利獲得」なんてお題目で、偏向政治を実現することにしか興味がない――。そう世界に晒してると受け取れてしまう行動で、ご本人の誠実性を疑われてしまうのでは。
ついでに書くと、「鳥越俊太郎を応援する市民センター」とかいうFacebookページがある。なぜか韓国系サーバーで登録されているようで、日本語サイトなのにハングルが埋め込んであるとか。実に興味深い。
ko-kr.facebook.com/torigoesupport/posts/17700948●●●
1 時間前 - 鳥越俊太郎を応援する市民センター. 좋아하는 사람 1601명 ・ 이야기하고 있는 사람들 1374명. 鳥越俊太郎を都知事に! 市民勝手連の情報プラットフォームです。
エセフェミの方々もそうだけど、支持者の背景にどんな反社会勢力がいるか、想像たくましくする人が増えるばかりだろうに。まあ「戦争反対」とか言うくせに中国への抗議行動はしないのを見れば、以前からわかっていたとも言えるんだが。
editors_brain at 08:39|Permalink│Comments(2)│
2016年06月10日
またしても「ペットボトルのお茶は危険」デマ流通中。「ビジネスジャーナル」も拡散に参加

最近、「ペットボトルのお茶は危険」といった類の検索ワードにて、本ブログ過去記事に飛んで来る方が増えていて不思議に思っていた。
調べたら、どうやらまたぞろデマが飛び交っているようで、Webメディア「ビジネスジャーナル」にまでデマ記事が掲載されていた。
以前の「ペットボトル茶は危険」デマでは「廃棄物の茎を使っている」が中核という大笑いだったが、今回は「添加されているビタミンCが危険」というネタ。
記事を読んで頂けるとわかるが、著者には高校レベルの科学的知識すら皆無だ。もう隅から隅まで間違っている。中でも特に「アレ」な部分を引用してみよう。
がん細胞をつくる原因になる活性酸素を、ミカンなどに含まれる天然のビタミンCはほとんど発生させないが、人工的に作られた合成ビタミンC(L-アスコルビン酸)は大量に発生させる。天然のビタミンCには活性酸素の発生を抑える酵素が含まれているからだ。
酵素は分子構造式(いわゆる亀の甲)には現れない。いくら合成ビタミンCが天然のビタミンCと化学式が同じでも、安全性が同じとはいえないのである。 (ビジネスジャーナル2016/6/6記事)
どうすか、この荒ぶりよう。「酵素は分子構造式(いわゆる亀の甲)には現れない」とか。化学式に現れない物質だってよ。それって分子量ゼロ=無存在ってことじゃん。食品科学どころかオカルト丸出しになっている。
推察するに、光学異性体の働きの違いとかを、どこかで聞きかじったんじゃないかな。それを脳内トンデモ変換してんだと思うけど。
化学式を「亀の甲」に喩えてるのもいい味だ。ベンゼン環を持つ物質なんて、全物質のごく一部だけどなー。このあたりも「聞きかじり感満載」で楽しい。
著者は「食品ジャーナリスト」を自称されている郡司和夫氏。調べたら、例によって「トンデモ陣営」のお方だった。
「コンビニおにぎりは危険」「コンビニ弁当は危険」「コンビニおでんは危険」「大手のパンは危険」といった類のアオリ記事を始終叫んで、危機感を煽り商売されているご様子。水素水の及川胤昭先生もそうだけど、トンデモの方々は商売がうまいよね。
食品ジャーナリストという素敵な肩書が泣いてる気がする。
あと編集者の目でチェックすると、誤読を誘う罠も感じられる。
前記の引用部分、「金沢工業大学研究グループの調査によると、市販されている主な緑茶飲料500ミリリットル当たりのビタミンC含有量は平均で100ミリグラムである」って文章からの流れだ。
そう書くと、「合成ビタミンCは活性酸素を大量発生させる」みたいなデタラメを金沢工業大学が発表した、とか誤読する奴が出るじゃん。
意識的かは不明だけれど、プロの書き手なら、誤読をなくす構成にしておくべきだろう。
郡司先生の問題点については、このブログなども参照してほしい。
「ビジネスジャーナル」は立派なサイト名だが、運営元はご存知「サイゾー」だ。
カストリ雑誌的なサイゾーの突破感は、個人的には好きだ。だがやはり、ビジネス分野にもその手法を持ち込むのは、問題が大きいと感じる。ビジネスメディアを標榜するなら、最低でも、記事の科学的誤謬とデタラメ部分だけは訂正すべきだろう。
調べたら、どうやらまたぞろデマが飛び交っているようで、Webメディア「ビジネスジャーナル」にまでデマ記事が掲載されていた。
以前の「ペットボトル茶は危険」デマでは「廃棄物の茎を使っている」が中核という大笑いだったが、今回は「添加されているビタミンCが危険」というネタ。
記事を読んで頂けるとわかるが、著者には高校レベルの科学的知識すら皆無だ。もう隅から隅まで間違っている。中でも特に「アレ」な部分を引用してみよう。
がん細胞をつくる原因になる活性酸素を、ミカンなどに含まれる天然のビタミンCはほとんど発生させないが、人工的に作られた合成ビタミンC(L-アスコルビン酸)は大量に発生させる。天然のビタミンCには活性酸素の発生を抑える酵素が含まれているからだ。
酵素は分子構造式(いわゆる亀の甲)には現れない。いくら合成ビタミンCが天然のビタミンCと化学式が同じでも、安全性が同じとはいえないのである。 (ビジネスジャーナル2016/6/6記事)
どうすか、この荒ぶりよう。「酵素は分子構造式(いわゆる亀の甲)には現れない」とか。化学式に現れない物質だってよ。それって分子量ゼロ=無存在ってことじゃん。食品科学どころかオカルト丸出しになっている。
推察するに、光学異性体の働きの違いとかを、どこかで聞きかじったんじゃないかな。それを脳内トンデモ変換してんだと思うけど。
化学式を「亀の甲」に喩えてるのもいい味だ。ベンゼン環を持つ物質なんて、全物質のごく一部だけどなー。このあたりも「聞きかじり感満載」で楽しい。
著者は「食品ジャーナリスト」を自称されている郡司和夫氏。調べたら、例によって「トンデモ陣営」のお方だった。
「コンビニおにぎりは危険」「コンビニ弁当は危険」「コンビニおでんは危険」「大手のパンは危険」といった類のアオリ記事を始終叫んで、危機感を煽り商売されているご様子。水素水の及川胤昭先生もそうだけど、トンデモの方々は商売がうまいよね。
食品ジャーナリストという素敵な肩書が泣いてる気がする。
あと編集者の目でチェックすると、誤読を誘う罠も感じられる。
前記の引用部分、「金沢工業大学研究グループの調査によると、市販されている主な緑茶飲料500ミリリットル当たりのビタミンC含有量は平均で100ミリグラムである」って文章からの流れだ。
そう書くと、「合成ビタミンCは活性酸素を大量発生させる」みたいなデタラメを金沢工業大学が発表した、とか誤読する奴が出るじゃん。
意識的かは不明だけれど、プロの書き手なら、誤読をなくす構成にしておくべきだろう。
郡司先生の問題点については、このブログなども参照してほしい。
「ビジネスジャーナル」は立派なサイト名だが、運営元はご存知「サイゾー」だ。
カストリ雑誌的なサイゾーの突破感は、個人的には好きだ。だがやはり、ビジネス分野にもその手法を持ち込むのは、問題が大きいと感じる。ビジネスメディアを標榜するなら、最低でも、記事の科学的誤謬とデタラメ部分だけは訂正すべきだろう。
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2012年09月19日
イオン通販で怪しい「プラズマ水素水商品」を絶賛高額販売中

イオンの通販で「水素水スティック プラズマプラクシス 4本セット」というのを売っていた。4本入りで1万2700円と高額。
商品ページを見てもらうとわかるが、以下のようなことが書いてある。
1 本品でプラズマ水素水を作れる。
2 プラズマ水素水を料理に使うと、ワンランク上の味わいになる。
3 スポーツで飲んで元気いっぱい。ペットと一緒に飲んで一緒に元気。
いや凄いなあと。
イオンともあろう大企業が、こんなイカサマ商品売るんですかね。
以前、ファイテンで怪しげなアクアチタン商品営業されてドン引きしたけど、イオンもか。
理系の方には説明するまでもないことだが、プラズマとは電子が電離した状態の気体のこと。なんでそれが液体扱いなのよ。イオン通販にはひとりも理系社員いないの?
プラズマ水素と言えば、たとえば100万度の太陽コロナだ。それが「今まさにご家庭の冷蔵庫に」って素敵すぎる。
それに「3」見る限り「飲むと元気になる」と誘導してるけど、これ薬事法に照らして大丈夫なのか? 医薬品でもトクホでもないものが効果効能を謳っちゃったら。
ちなみに本品の成分も書いてある。マグネシウム、活性炭、強還元性セラミックボールだそうだ(笑)。これを常温の水に放り込むだけでどうしてプラズマ水素ができるのか、イオンの担当者の方、ぜひどこかの大学理学部に出向いて講義してくれないですかね。
使用方法の「5時間水に漬けます」だと、この成分でせいぜい期待できるのは、活性炭で水中の不純物を吸着する程度だろう。それならはるかに安い浄水ポットでも買えば済むよね。
マグネシウムイオン溶出も考えられなくはないが、5時間では超絶微量のはず。その程度なら普通にメシ食ってりゃ摂れる。もしもっと摂取したいなら下のようなマルチミネラルのサプリでも飲んだほうが、よほど多くのマグネシウムが摂れるはず。えーともちろんマグネシウムが溶出してもそれはプラズマ水素とは無関係だ。
あとなんすかこれ。この「強還元性セラミックボール」とかいう謎物質。
多分これも「言ってるだけ」のトンデモ疑似科学製品だろうから還元効果なんてないと思うけど、百歩譲って「強還元性」の性質で水を還元して水素分子を作ったとして、それのどこがプラズマ水素なんでしょうか。
水素分子が溶けた水を飲んで、なんで「元気になる」んでしょうか。その程度で元気になるんなら、医療にとっくに取り込まれているはずでは。
それに水を還元する元となる水素とエネルギーは、どこから供給してるのでしょうか。あるいは排出した酸素の捨場でもいいけど。
あるいは千歩譲って、この「謎ボール」で生じるのが水素分子でなく、宣伝どおりモノホンのプラズマ水素だったとしてよ。ほんでプラズマ水素なんて危ないもの飲んで、なんで「元気になる」んですか?
いやこの手のインチキ商品、100円ショップで売ってるんならまだプラセボ効果狙いのジョーク商品として許してもいいんだけどもさ。4つで1万2700円って、酷いでしょう。化学に疎いお年寄りとかの弱者騙して巻き上げるつもり満々じゃないすか。
それもなんていうのか3流コミック誌の怪しい広告で売られてるならともかく、連結売上5兆円を越えるイオングループがこの手のトンデモ商品を、どう考えても原価を丸無視した高額で売っていいんでしょうかね。
悪どすぎませんか? マルチ商法の商品かと思ったよ。
★追記:大企業として姿勢があまりにも問題だと思ったので、イオンに問い合わせてみました。届いたのが抱腹絶倒のトンデモ正当化でしたので、エントリーに上げました。ぜひこちらもご一読を。
商品ページを見てもらうとわかるが、以下のようなことが書いてある。
1 本品でプラズマ水素水を作れる。
2 プラズマ水素水を料理に使うと、ワンランク上の味わいになる。
3 スポーツで飲んで元気いっぱい。ペットと一緒に飲んで一緒に元気。
いや凄いなあと。
イオンともあろう大企業が、こんなイカサマ商品売るんですかね。
以前、ファイテンで怪しげなアクアチタン商品営業されてドン引きしたけど、イオンもか。
理系の方には説明するまでもないことだが、プラズマとは電子が電離した状態の気体のこと。なんでそれが液体扱いなのよ。イオン通販にはひとりも理系社員いないの?
プラズマ水素と言えば、たとえば100万度の太陽コロナだ。それが「今まさにご家庭の冷蔵庫に」って素敵すぎる。
それに「3」見る限り「飲むと元気になる」と誘導してるけど、これ薬事法に照らして大丈夫なのか? 医薬品でもトクホでもないものが効果効能を謳っちゃったら。
ちなみに本品の成分も書いてある。マグネシウム、活性炭、強還元性セラミックボールだそうだ(笑)。これを常温の水に放り込むだけでどうしてプラズマ水素ができるのか、イオンの担当者の方、ぜひどこかの大学理学部に出向いて講義してくれないですかね。
使用方法の「5時間水に漬けます」だと、この成分でせいぜい期待できるのは、活性炭で水中の不純物を吸着する程度だろう。それならはるかに安い浄水ポットでも買えば済むよね。
マグネシウムイオン溶出も考えられなくはないが、5時間では超絶微量のはず。その程度なら普通にメシ食ってりゃ摂れる。もしもっと摂取したいなら下のようなマルチミネラルのサプリでも飲んだほうが、よほど多くのマグネシウムが摂れるはず。えーともちろんマグネシウムが溶出してもそれはプラズマ水素とは無関係だ。
あとなんすかこれ。この「強還元性セラミックボール」とかいう謎物質。
多分これも「言ってるだけ」のトンデモ疑似科学製品だろうから還元効果なんてないと思うけど、百歩譲って「強還元性」の性質で水を還元して水素分子を作ったとして、それのどこがプラズマ水素なんでしょうか。
水素分子が溶けた水を飲んで、なんで「元気になる」んでしょうか。その程度で元気になるんなら、医療にとっくに取り込まれているはずでは。
それに水を還元する元となる水素とエネルギーは、どこから供給してるのでしょうか。あるいは排出した酸素の捨場でもいいけど。
あるいは千歩譲って、この「謎ボール」で生じるのが水素分子でなく、宣伝どおりモノホンのプラズマ水素だったとしてよ。ほんでプラズマ水素なんて危ないもの飲んで、なんで「元気になる」んですか?
いやこの手のインチキ商品、100円ショップで売ってるんならまだプラセボ効果狙いのジョーク商品として許してもいいんだけどもさ。4つで1万2700円って、酷いでしょう。化学に疎いお年寄りとかの弱者騙して巻き上げるつもり満々じゃないすか。
それもなんていうのか3流コミック誌の怪しい広告で売られてるならともかく、連結売上5兆円を越えるイオングループがこの手のトンデモ商品を、どう考えても原価を丸無視した高額で売っていいんでしょうかね。
悪どすぎませんか? マルチ商法の商品かと思ったよ。
★追記:大企業として姿勢があまりにも問題だと思ったので、イオンに問い合わせてみました。届いたのが抱腹絶倒のトンデモ正当化でしたので、エントリーに上げました。ぜひこちらもご一読を。
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2012年08月27日
不動産の違法張り紙やめない? 頼むからさ

街歩いてると目に付くのが、不動産の張り紙だ。いえきちんとしたものではない。電柱などに「勝手に」両面テープとかで貼ってある奴。
もちろんこれは違法だ。
だいたい3パターンあって、まずは紙袋にチラシを何枚か入れ込んでる奴。あとは、でっかい厚紙の広告を針金で巻き付けてある奴。工事用カラーコーンを街角に勝手に置いて広告を掲示してるパターンもある。
袋タイプの奴なんか、道行く人がゴミ投げ込んじゃって小汚く膨れてたりね。雨が降るとその中身が流れ出して街を汚してたり。
見るたびに不愉快なんだが。
不動産業の方に聞きたいんだけど、あんなの効果あるのかよ。貼る方も違法だと知ってるもんだから、連絡先が携帯の番号だったりするけどさ。携帯番号が問い合わせ先の投資用マンションだかファミリー物件だか買うバカいるかね。
こんな違法張り紙、周囲の家の方とか商店主が剥がしたりコーンだったら捨てちゃえばいいんだが。厳密に言えば剥がすと「占有離脱物なんとか」って話だろ。ふざけんなだよなあ。
そういえば以前も投資用マンション営業電話受けたとき、連絡先聞いたら「興味があるなら教える」と言われた。
どんだけ怪しいんだよ。電話も教えてくれないところから何千万もする商品を買うわけないだろ。
もちろんこれは違法だ。
だいたい3パターンあって、まずは紙袋にチラシを何枚か入れ込んでる奴。あとは、でっかい厚紙の広告を針金で巻き付けてある奴。工事用カラーコーンを街角に勝手に置いて広告を掲示してるパターンもある。
袋タイプの奴なんか、道行く人がゴミ投げ込んじゃって小汚く膨れてたりね。雨が降るとその中身が流れ出して街を汚してたり。
見るたびに不愉快なんだが。
不動産業の方に聞きたいんだけど、あんなの効果あるのかよ。貼る方も違法だと知ってるもんだから、連絡先が携帯の番号だったりするけどさ。携帯番号が問い合わせ先の投資用マンションだかファミリー物件だか買うバカいるかね。
こんな違法張り紙、周囲の家の方とか商店主が剥がしたりコーンだったら捨てちゃえばいいんだが。厳密に言えば剥がすと「占有離脱物なんとか」って話だろ。ふざけんなだよなあ。
そういえば以前も投資用マンション営業電話受けたとき、連絡先聞いたら「興味があるなら教える」と言われた。
どんだけ怪しいんだよ。電話も教えてくれないところから何千万もする商品を買うわけないだろ。
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2012年07月26日
「全文引用は違法ですよー」と書いたエントリーが2ちゃんねるに「全文引用」されてて笑った。やるなあ……

おととい、「商売系まとめサイト」の著作権丸無視問題をエントリーとして上げた。詳細はエントリーを読んでもらいたいが、「商売としてやってるんなら合法的に運営しないと自分も損するでしょ」という趣旨のものだ。
それなりに反響をいただいたのだが、当該エントリーをソースとしたスレッドが、2ちゃんねるのニュース速報系の板に立てられた。
――したら当然というか、まるまる全文「引用」されてて笑った。ご丁寧に、「いくら上記条件を満たしていても、人のブログエントリーのあらかたコピペってのは違法なので。そりゃ「剽窃」ってことになるから。」というオチまで削らずに。
スレ立てした「記者」、漢だなあ。
まあもしかしたら本文全然読まずにスレ立てしてるのかもしれないけどさ。
残念ながら不人気スレで、私のほうがなぜか微妙に悲しくなったりとか(笑)。
えーとこれは盗用されたエントリー自体に書いてあるように、もちろん違法だ。ただ2ちゃんねる運営者の問題というより投稿者が違法なわけで、そもそも大量の人間が携わる匿名掲示板に厳密な順守を求めるのは酷だろう。
まあとはいえ私のブログも過去何度か同様に「全文引用」され、しかも「まったく本文と無関係な煽りタイトル」で記事にされたりした。こうなると煽りタイトルに見事に釣られた一見さんが当ブログにお越しになって、本文と無関係でトンチンカンな悪口雑言コメントを残され、満足して消えて行かれたりしてね。それが「煽り系」まとめサイトに転載されると、さらに加速する。
――なのでせめて2ちゃんねる運営の方には、スレ立ての際、「元記事は合法的な引用の範囲内に収めるかリンク張りだけにするように」とか注意画面を出すくらいはしてはどうか。それともすでに対策済みなのかな。
あと転載先のblogosにいただいたコメントだが、「そもそもblogosの引用だってグレーだ」とかなんとか。いえblogosは「引用」でなくて「転載」ですね。ブログ記事を全文載せてるわけで。
もちろん無断転載ではない。そりゃ怪しいまとめサイトと違って「ちゃんとした企業」なんだから当然というか。
つまり事前に私に打診があり、転載の方法や内容についてやり取りした結果、当方が許諾を出したものだ。なので決まりを守っている限り、納得済み。私には特段要望はない。まあ個人ブログとはいえレベニューシェアくらいはお願いしたいところだが、ネット企業がコンテンツに1円も払いたがらないのは職業柄よく知っているので。彼らは私のような出版人とはまったく違うパースペクティブで戦ってるんだよね。
いずれにしろ、コピペで簡単にコンテンツを流用できる時代。その社会的利点は大きい。そんな時代だからこそ、杓子定規に法律をガチガチ運用するのは利点を消してしまう。ある程度柔らかく運用するべきだろう。
ただし、その「柔らかい運用」を逆手に取って悪質な商売に利用する輩が増えてしまっては、結局自らの首を締め、杓子定規な法律で型にはめられてしまう。合法的にその利点を社会の役に立てるよう、使い手のモラルが問われているのは間違いない。
ノイズの多い2ちゃんねるから注目記事の「必要な部分」を抜き出す「まとめサイト」自体には、原理的には存在価値がある。「商売のためなら違法引用も剽窃もタイトル捏造・本文捏造もあり」という悪質サイトが正常化される(ないし淘汰される)ことを願うよ。
無理ですかそうですか。
それなりに反響をいただいたのだが、当該エントリーをソースとしたスレッドが、2ちゃんねるのニュース速報系の板に立てられた。
――したら当然というか、まるまる全文「引用」されてて笑った。ご丁寧に、「いくら上記条件を満たしていても、人のブログエントリーのあらかたコピペってのは違法なので。そりゃ「剽窃」ってことになるから。」というオチまで削らずに。
スレ立てした「記者」、漢だなあ。
まあもしかしたら本文全然読まずにスレ立てしてるのかもしれないけどさ。
残念ながら不人気スレで、私のほうがなぜか微妙に悲しくなったりとか(笑)。
えーとこれは盗用されたエントリー自体に書いてあるように、もちろん違法だ。ただ2ちゃんねる運営者の問題というより投稿者が違法なわけで、そもそも大量の人間が携わる匿名掲示板に厳密な順守を求めるのは酷だろう。
まあとはいえ私のブログも過去何度か同様に「全文引用」され、しかも「まったく本文と無関係な煽りタイトル」で記事にされたりした。こうなると煽りタイトルに見事に釣られた一見さんが当ブログにお越しになって、本文と無関係でトンチンカンな悪口雑言コメントを残され、満足して消えて行かれたりしてね。それが「煽り系」まとめサイトに転載されると、さらに加速する。
――なのでせめて2ちゃんねる運営の方には、スレ立ての際、「元記事は合法的な引用の範囲内に収めるかリンク張りだけにするように」とか注意画面を出すくらいはしてはどうか。それともすでに対策済みなのかな。
あと転載先のblogosにいただいたコメントだが、「そもそもblogosの引用だってグレーだ」とかなんとか。いえblogosは「引用」でなくて「転載」ですね。ブログ記事を全文載せてるわけで。
もちろん無断転載ではない。そりゃ怪しいまとめサイトと違って「ちゃんとした企業」なんだから当然というか。
つまり事前に私に打診があり、転載の方法や内容についてやり取りした結果、当方が許諾を出したものだ。なので決まりを守っている限り、納得済み。私には特段要望はない。まあ個人ブログとはいえレベニューシェアくらいはお願いしたいところだが、ネット企業がコンテンツに1円も払いたがらないのは職業柄よく知っているので。彼らは私のような出版人とはまったく違うパースペクティブで戦ってるんだよね。
いずれにしろ、コピペで簡単にコンテンツを流用できる時代。その社会的利点は大きい。そんな時代だからこそ、杓子定規に法律をガチガチ運用するのは利点を消してしまう。ある程度柔らかく運用するべきだろう。
ただし、その「柔らかい運用」を逆手に取って悪質な商売に利用する輩が増えてしまっては、結局自らの首を締め、杓子定規な法律で型にはめられてしまう。合法的にその利点を社会の役に立てるよう、使い手のモラルが問われているのは間違いない。
ノイズの多い2ちゃんねるから注目記事の「必要な部分」を抜き出す「まとめサイト」自体には、原理的には存在価値がある。「商売のためなら違法引用も剽窃もタイトル捏造・本文捏造もあり」という悪質サイトが正常化される(ないし淘汰される)ことを願うよ。
無理ですかそうですか。
editors_brain at 08:00|Permalink│Comments(2)│
2012年07月24日
2ちゃんねる「転載禁止」サイト。ついに「引用風に記事改竄」悪質行為で広告停止に……。だから言ったじゃん早く正常化しろって

なんかまた「まとめサイト」が問題を起こしたようなので、少しコメントしておく。
ゲーム系まとめサイト「はちま起稿」がやったのは、個人ブログ記事を「引用風」にして画像をパクった上で本文はまったく独自に書き起こすという行為。その結果、2ちゃんねる管理者からブログプラットフォーマーに「広告停止要請」が出ている。
経緯はこちらのブログに詳しい。あたりまえだが著作権上の引用範囲を逸脱している上に記事改竄では、それは対策を求める声が上がっても仕方ない。
2ちゃんねる転載禁止以降の各まとめサイトの対応は、以前エントリーとして上げた。その段階でもまだ引用範囲を逸脱した行為や画像剽窃などが頻繁に行われており、管理人の方々にはぜひとも合法的な方向への転換をと期待していたのだが……。
いえこれ「個人ブログだからあんまり責めるな」じゃないでしょう、これらのサイトは営利として運営されているわけで。こうした「プロ」の方々が、著作権侵害とならない合法的な「引用の三原則」を知らないとは思えないので、悪意を持って違反しているのだろう。困ったものだ。
読者の方々にも個人ブログを運営されている方もいると思うので、参考までに書いておこう。
引用の三原則
■出典の明示
たとえば「朝日新聞2012年7月24日朝刊より」と明記するとか、Web記事であれば元記事にリンクを張る。こちらについては、多くのまとめサイトできちんと対応しているようだ。
■引用部分の明示
どこからどこまでが引用部分であるのか、読者が明快にわかるように明示が必要。私のブログであれば「」でくくったりアンダーラインを入れたりしている。たとえば角川世界史辞典を引用したエントリーだと、こう。また、日経新聞の山折哲雄氏インタビューを批判したエントリーだと、こう。
これも普通のまとめサイトだとおおむね対応しているんだろうが、今回のはちま起稿は引用もくそも勝手に記事を全文書き換えるという信じられない対応をしている。
■引用の主従関係
わかりやすく書けば、引用はあくまで「自らの論旨展開が目的」。質と量、共に主従関係がなくてはならない。多くのまとめサイトでは、これがボロボロ。つまり本来そのブログ主が書きたい主張があって、「それに対する資料として」他の著作物の一部を引っ張ってくるのが「引用」だ。しかしまとめサイトでは、他人の著作物をごっそり(ひどいときには全文)丸々コピペして、それに対する管理人のコメントは数行とかAAだけとか。これは明らかに合法的な引用範囲を逸脱しており著作権侵害になる。
なんでこんなになってしまっているのか。
まずまとめサイト主に、その内容について知識・見識がない可能性。たとえば煽って読者を集められそうな内容を探して載せる場合など、「受ければいい」だけで、その問題の歴史的経緯や詳細など知りもしないのだろう。たとえば原発問題や日韓問題、あるいははちま起稿がやっているようなゲームメーカーの動向とか。
また、見識・知識があったとしても、それを書く時間が惜しい可能性。要は志もなく単に「儲けるためだけ」に運営しているサイトなので、1本1本のエントリーに時間を割きたくない。それより「煽れるネタ」を1本でも多く挙げたほうが得だ。実際はちま起稿などでは1日何十本もエントリーを上げており、ブログというより、他人のコンテンツを断りもなく1円も払わずに無断流用して構築して儲ける「煽り系」カストリニュースサイトの趣だ。
――とまあ、なんだかさもしい感じで悲しくなる。いえこういうビジネスを考え出して実践し、それで食うのは立派だ。でも飯のタネであれば、なおのこと合法的に運営しないとダメだろ。暴力団や詐欺師がよくやる焼畑農業ビジネスじゃないんだから。
あと、いくら上記条件を満たしていても、人のブログエントリーの「あらかたコピペ」ってのは違法なので。そりゃ「剽窃」ってことになるから。だってこれが許されるなら、たとえば人の本丸々1冊コピペしてそれに2倍のクズ原稿つけてWebに上げても許されることになっちゃうじゃん。
ゲーム系まとめサイト「はちま起稿」がやったのは、個人ブログ記事を「引用風」にして画像をパクった上で本文はまったく独自に書き起こすという行為。その結果、2ちゃんねる管理者からブログプラットフォーマーに「広告停止要請」が出ている。
経緯はこちらのブログに詳しい。あたりまえだが著作権上の引用範囲を逸脱している上に記事改竄では、それは対策を求める声が上がっても仕方ない。
2ちゃんねる転載禁止以降の各まとめサイトの対応は、以前エントリーとして上げた。その段階でもまだ引用範囲を逸脱した行為や画像剽窃などが頻繁に行われており、管理人の方々にはぜひとも合法的な方向への転換をと期待していたのだが……。
いえこれ「個人ブログだからあんまり責めるな」じゃないでしょう、これらのサイトは営利として運営されているわけで。こうした「プロ」の方々が、著作権侵害とならない合法的な「引用の三原則」を知らないとは思えないので、悪意を持って違反しているのだろう。困ったものだ。
読者の方々にも個人ブログを運営されている方もいると思うので、参考までに書いておこう。
引用の三原則
■出典の明示
たとえば「朝日新聞2012年7月24日朝刊より」と明記するとか、Web記事であれば元記事にリンクを張る。こちらについては、多くのまとめサイトできちんと対応しているようだ。
■引用部分の明示
どこからどこまでが引用部分であるのか、読者が明快にわかるように明示が必要。私のブログであれば「」でくくったりアンダーラインを入れたりしている。たとえば角川世界史辞典を引用したエントリーだと、こう。また、日経新聞の山折哲雄氏インタビューを批判したエントリーだと、こう。
これも普通のまとめサイトだとおおむね対応しているんだろうが、今回のはちま起稿は引用もくそも勝手に記事を全文書き換えるという信じられない対応をしている。
■引用の主従関係
わかりやすく書けば、引用はあくまで「自らの論旨展開が目的」。質と量、共に主従関係がなくてはならない。多くのまとめサイトでは、これがボロボロ。つまり本来そのブログ主が書きたい主張があって、「それに対する資料として」他の著作物の一部を引っ張ってくるのが「引用」だ。しかしまとめサイトでは、他人の著作物をごっそり(ひどいときには全文)丸々コピペして、それに対する管理人のコメントは数行とかAAだけとか。これは明らかに合法的な引用範囲を逸脱しており著作権侵害になる。
なんでこんなになってしまっているのか。
まずまとめサイト主に、その内容について知識・見識がない可能性。たとえば煽って読者を集められそうな内容を探して載せる場合など、「受ければいい」だけで、その問題の歴史的経緯や詳細など知りもしないのだろう。たとえば原発問題や日韓問題、あるいははちま起稿がやっているようなゲームメーカーの動向とか。
また、見識・知識があったとしても、それを書く時間が惜しい可能性。要は志もなく単に「儲けるためだけ」に運営しているサイトなので、1本1本のエントリーに時間を割きたくない。それより「煽れるネタ」を1本でも多く挙げたほうが得だ。実際はちま起稿などでは1日何十本もエントリーを上げており、ブログというより、他人のコンテンツを断りもなく1円も払わずに無断流用して構築して儲ける「煽り系」カストリニュースサイトの趣だ。
――とまあ、なんだかさもしい感じで悲しくなる。いえこういうビジネスを考え出して実践し、それで食うのは立派だ。でも飯のタネであれば、なおのこと合法的に運営しないとダメだろ。暴力団や詐欺師がよくやる焼畑農業ビジネスじゃないんだから。
あと、いくら上記条件を満たしていても、人のブログエントリーの「あらかたコピペ」ってのは違法なので。そりゃ「剽窃」ってことになるから。だってこれが許されるなら、たとえば人の本丸々1冊コピペしてそれに2倍のクズ原稿つけてWebに上げても許されることになっちゃうじゃん。
editors_brain at 08:00|Permalink│Comments(1)│
2012年06月06日
「情報商材」種明かしで「爆笑」した午後の話

最近読んで面白かったのは、いわゆる「情報商材」の種明かしかなあ。
情報商材は皆さんご存じとは思うが、「価値ある情報をネットで販売」とかいう類。ネタはダイエットだの金儲けだの。通常、この手の情報を紙の書籍にすればせいぜい1500円というところだが、情報商材では2万とか3万とか。PDFダウンロードさせるだけでこの値段だから、「よほど価値があるんだろうなあ」と思うよね。
情報商材を販売するサイトでは、これでもかというほど煽っており、なかなか「凄まじきもの」として清少納言が書きそうな(笑)。
私が読んだ種明かしは、特にダイエットとかバストアップ、不妊治療といった健康系情報商材を医師が検証するという奴。まあ見てもらいたいが……。
「9日間で6.8kg痩せる」と謳うダイエット本について。医師の検証では、9日間でそれだけ痩せるにはカロリー計算上、「日常の2.5倍近いカロリーを消費しながら、なおかつ一切のカロリー摂取(食事)を絶つ生活を9日間継続」しないと無理だそうだ。いやそれ、運動しなくても断食だけで死ぬか生きるかだろ(笑)。
早い話、デタラメで煽り文句書いてる訳ね。それで肝心の内容は、ツボを押せとか水を飲めとか呼吸法とか「手首に米粒を貼れ」だと。
これ2万4800円出して買った人は、お気の毒というか笑えるというか。
まあダイエット本ならまだ笑えるんだが、「不妊症でも自然妊娠できる方法」といった類は、腹が立つ。本当に困っている方々から怪しい情報で2万7800円も抜くなんて。
内容は、「不妊改善療法士」なる謎資格をウリにする方々が、「妊娠したいのならまず、不妊治療の通院を今すぐ止めてください」と煽った末に「ツボを押せ」とかお書きになっているそうだ。はあそうすか……。
知らんけどきっと「癌を治す」系のトンデモ本ならぬトンデモ情報商材なんかもあるんだろうなあ……。それを信じて寿命を縮める患者が出ないことを祈るよ。
内容がトンデモな書籍は紙でも多いが、少なくとも編集者の手が入るので、盗作はあまりないはずだ。しかしこの手の情報商材では「立ち読みもできない」「少数販売で売り逃げ」状況であるのを逆手に、パクリやコピペの類も横行しているのではないか。いえ仮説ですが。ネットで書いてあるノウハウを適当にコピペしてまとめて「煽って売る」ような業者もいるのでは。
最近は「情報商材」とかいう名前の胡散臭さが広まったためか「電子書籍」「eBOOK」などと言い張って売ることも増えているというが……。
まあ皆さんにお勧めしたいのは、とりあえず金儲けでもダイエットでも、まずはまともな出版社が出している書籍を読みなよ、ということだ。「本になってないこの最新情報を」「裏過ぎて本にはできない」といった類の惹句にはダマされないことだ。
情報商材は皆さんご存じとは思うが、「価値ある情報をネットで販売」とかいう類。ネタはダイエットだの金儲けだの。通常、この手の情報を紙の書籍にすればせいぜい1500円というところだが、情報商材では2万とか3万とか。PDFダウンロードさせるだけでこの値段だから、「よほど価値があるんだろうなあ」と思うよね。
情報商材を販売するサイトでは、これでもかというほど煽っており、なかなか「凄まじきもの」として清少納言が書きそうな(笑)。
私が読んだ種明かしは、特にダイエットとかバストアップ、不妊治療といった健康系情報商材を医師が検証するという奴。まあ見てもらいたいが……。
「9日間で6.8kg痩せる」と謳うダイエット本について。医師の検証では、9日間でそれだけ痩せるにはカロリー計算上、「日常の2.5倍近いカロリーを消費しながら、なおかつ一切のカロリー摂取(食事)を絶つ生活を9日間継続」しないと無理だそうだ。いやそれ、運動しなくても断食だけで死ぬか生きるかだろ(笑)。
早い話、デタラメで煽り文句書いてる訳ね。それで肝心の内容は、ツボを押せとか水を飲めとか呼吸法とか「手首に米粒を貼れ」だと。
これ2万4800円出して買った人は、お気の毒というか笑えるというか。
まあダイエット本ならまだ笑えるんだが、「不妊症でも自然妊娠できる方法」といった類は、腹が立つ。本当に困っている方々から怪しい情報で2万7800円も抜くなんて。
内容は、「不妊改善療法士」なる謎資格をウリにする方々が、「妊娠したいのならまず、不妊治療の通院を今すぐ止めてください」と煽った末に「ツボを押せ」とかお書きになっているそうだ。はあそうすか……。
知らんけどきっと「癌を治す」系のトンデモ本ならぬトンデモ情報商材なんかもあるんだろうなあ……。それを信じて寿命を縮める患者が出ないことを祈るよ。
内容がトンデモな書籍は紙でも多いが、少なくとも編集者の手が入るので、盗作はあまりないはずだ。しかしこの手の情報商材では「立ち読みもできない」「少数販売で売り逃げ」状況であるのを逆手に、パクリやコピペの類も横行しているのではないか。いえ仮説ですが。ネットで書いてあるノウハウを適当にコピペしてまとめて「煽って売る」ような業者もいるのでは。
最近は「情報商材」とかいう名前の胡散臭さが広まったためか「電子書籍」「eBOOK」などと言い張って売ることも増えているというが……。
まあ皆さんにお勧めしたいのは、とりあえず金儲けでもダイエットでも、まずはまともな出版社が出している書籍を読みなよ、ということだ。「本になってないこの最新情報を」「裏過ぎて本にはできない」といった類の惹句にはダマされないことだ。
editors_brain at 14:00|Permalink│Comments(1)│