出版社経営

2017年04月26日

歴史は強し! ー――某老舗出版社の話

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先日、某老舗出版社の関係者と飲んだ。

でまあ流れで取次(出版卸)への仕切値の話になった。したらその版元は70%だそうですよ奥様!

自分「マジか! 歩戻しは?」
A氏「ゼロ」
自分「うそーん! うらやま」

えーとこれ、雑誌でなく単行本の仕切り。

出版業界以外の方にざっくり解説すると、フツーの出版社より5%程度条件がいい。

価格を競合書籍より約5%安く設定しても利幅同じなので、書店で競争力が出る。同価格で出せば、利益は他社より5%増だ。そら楽だわ。

さすがは老舗。取次との力関係、昔は牧歌的だったのね。。。まあ他にも理由はあるんだけどさ。ここでは書かないけど、調べりゃわかるし「新文化」とか読んでる業界人なら自明かな。。。


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2016年06月14日

小学館、除却損計上等で赤字決算

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小学館の2016年2月期決算が発表になったので見てみよう。有効数字2桁に丸めてある。小学館をはじめとする大手3社の過去決算などは、こちらをどうぞ。


売上高 960億円 前期比-6.7%
経常利益 -8.9億円 前期6.4億円
当期利益 -30億円 前期1.9億円



目を惹くのは巨額の当期損失。これについては特別損失計上の結果だという。具体的には、以下のようだ。ビル建設予定地の更地化に伴う固定資産の除却損。有価証券評価損。栗田や大洋社(取次)破産に伴う連鎖損失。

だがこれは本業とはほぼ関係ないので、大きな問題はないだろう。……とはいえ、経常利益も赤字なんですけどね。前年は黒字だったわけで。


もう少し細かく見る。

出版売上 630億円 前期比-13%
うち
雑誌 300億円 -10%
漫画 200億円 -10%
書籍 110億円 -14%
他諸々

広告売上 120億円 -7.2%
デジタル 120億円 +54%
版権等 89億円 -6.2%



デジタル売上の急伸が目立つ。すでに100億売り上げているのは、特に書籍の電子化が進んでいるのとデジタルマガジン関連の売上だろう。紙媒体はまんべんなく減っているが、その分がデジタルシフトしたと見ることも、できなくはない。

まあ実際は、妖怪ウオッチブームの反動がでかいんだろうけれども。


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2016年05月13日

「文庫の20年」に、「救い」はあるのか

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ブログ「出版・読書メモランダム」にて、小田光雄氏が文庫状況についてコメントしていた。


興味深い論考なので内容はそちらを読んでいただくとして、そのデータを拝借して、ここで計算・検討しておこう。出版不況については、このブログでも何度も取り上げているし。たとえば売上分析とか。

ざっと見て、文庫の状況は、出版一般と同様、悲惨というかシュリンクが激しい。

1995年と2015年を、有効数字2桁で比較してみよう。

    刊行点数 販売部数 販売金額
1995年 4700点  2.7億冊  1400億円
2015年 8500点  1.8億冊  1100億円
増減比  +80%   -33%   -21%

一点あたり部数 一点あたり販売金額
5.7万部     3000万円
2.7万部     1300万円
-53%      -57%


刊行点数が倍近く増加しているのに、部数も売上金額も減少している。要は――

売れない
 ↓
編集部の予算達成のため、刊行点数増やす
 ↓
書店の棚取り合戦が激しくなり、既刊がすぐ返本されるようになる
 ↓
一点あたりの売上が下がる
 ↓
予算達成が厳しくなり、さらに点数増やす


――といったフィードバックが回っているわけだ。


小田氏は、文庫というコンセプトが「既刊本中心」から「新刊重視・雑誌化」へと変貌した現状について論考を上げていた。

なので私は、一点あたりの部数と売上について書いてみよう。


見てのとおり、どちらも半減と言っていい状況だ。

1万部しか売れなかろうが100万部売れようが、出版社の編集・販売労力的には大差ない(金額差ほどでかくない)。なので一冊あたりの売上が落ちると、利益に大きく響く。

経営陣は編集者ひとりあたりの年間刊行点数を増やし、一点あたりのコスト配賦を下げようとするはずだ。あるいは編集作業を外注化してコストを下げたり。

編集者から見ると、仕事に追いまくられて青息吐息になる。目が行き届かず、グロスで見れば質も落ちるだろう。外注編集者が入れば、一般的には「より効率重視」の編集作業になっていく可能性が高い。


著者から見ても悲惨だ。95年であれば文庫化されれば1点あたり300万円の収入が期待できた。これは販売金額なので、印刷印税が一般的な著者の場合、もっと多い。返本が40%近いのだから、4割増しだろう。

まああくまで平均だ。実際は一部ベストセラーが大きく平均を押し上げている。なので一般的な著者の感覚としてはもっと少ないはずだが。

いずれにしろ現在は、それが130万円ベースの推定となる。さらに編集者は担当著者を大量に抱え流れ作業に従事していて、目配りも疎かになる。「売れる著者」が優先されるため、いくら企画を投げても梨の礫とかね。


かつての文庫は、既刊本のセカンドステージがほとんど。場合によっては「雑誌掲載」>「単行本化」>「文庫化」と回るわけで、著者にとっても「償却済みのコンテンツがボーナスを持ってきた」感覚だろう。

ところが今は文庫書き下ろしも増えている。その場合、稼ぐ機会は(版元も著者も)一度しかない。年2〜3冊も文庫を書き下ろしているのに売れず、「ワープア小説家」などという事態も生じているはずだ。そのレベルでは、数年内に注文も途切れそうだし。


この全体状況をなんとかするのは、相当に難しい。すでに「暇潰し」「読み飛ばし」需要は、ほとんどスマホに吸い取られている。

私個人を振り返ってみても、小説を読むモチベーションは現状少なく、読書の時間があるなら実用書に振り分けたいのが実情だし。とはいえ実用文庫は底の浅い奴が多いので、読むなら単行本かな。


……うーん。厳しい中にも突破口の兆しでも見つけて書きたかったんだが、とりあえず思いつかない。今回はグダグダ論考にて恐縮です。継続して考えてみます。とりあえず編集者や著者の方々は、頑張って仕事をこなしましょう、お互いに。


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2016年04月06日

ライザップが「漫画ゴラク」版元を買収

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派手CMの大量投入で一時話題になったフィットネスクラブ「ライザップ」を展開する健康コーポレーションが、日本文芸社を買収した。

日本文芸社は、ざっくり言えば「漫画ゴラク」などコミック系に強い版元だ。関連してコミックや実用書などを中心に書籍を販売。これまではアサツーDK傘下だった。


買収の狙いは当然、健康事業の周辺固めだろう。自社の持つフィットネスノウハウ、ダイエットノウハウ、レシピ指導などのコンテンツ化を図るはず。自社グループ内でコンテンツ化すれば、付加価値の社外流出を防げるし。


日本文芸社は従業員60名程度で、年間売上が約40億円。小規模な分、小回りは利くはずで、その意味では早期の展開が期待できそうだ。


ちなみに健康コーポレーションは約700名で、250億円弱(いずれも連結)。今回の買収額は約20億円と、連結営業利益2年分ほどを投下する。ここ数年、盛んに企業買収している。

しかし単体80名ほどの健康コーポレーションが矢継ぎ早に買収に邁進するのは、リスクが高いのではないかと感じる。社内できちんと関連会社を把握・コントロールできるのか、やや疑問だ。

ライザップ大ヒットで手にした資金を「税金に取られるくらいなら」で多角化に進んでいるのだろうが、大丈夫だろうか。


その意味で、日本文芸社をはじめ傘下企業側は、「寄らば大樹の陰」意識でなく、ベンチャー精神を発揮してアメーバのようにそれぞれが事業拡大を図ることが重要だろう。

日本文芸社の中村社長は続投とのことだが、今後の手綱さばきに注目が集まるはずだ。


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2016年02月18日

2015年アマゾン「出版社ランキング」を読み解く

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アマゾンが売上ランキングを発表した。

これは書籍・雑誌込みの年間売上ランキング。プレスリリースから上位20社ほどを抜粋してみよう。

1KADOKAWA
2講談社
3集英社
4小学館
5学研プラス
6ダイヤモンド社
7インプレスグループ
8新潮社
9幻冬舎
10文藝春秋
11宝島社
12日経BP社
13医学書院
14岩波書店
15PHP研究所
16朝日新聞出版
17主婦の友社
18徳間書店
19スクウェア・エニックス
20技術評論社


ざっくり言えば、1年前に発表された2014年ランキングから、大きな変動はない。個々の出版社が多少上下したくらいで。

どうだろう。意外な印象を受けるだろうか。出版社トータルでの売上ランキングと比べると、アマゾンユーザーの属性が透けて見えてくる。


まずわかるのは、IT系出版社が意外に上位にいるということだ。インプレスとか技評とか。これら出版社は雑誌売上はそう大きくないので、IT系書籍が売れているということだろう。IT系専門書籍は単価も高いことが多いし。

御三家を差し置きKADOKAWAが1位を獲ったのは、雑誌から書籍までまんべんなく発行していることに加え、ライトノベルに強いからだろうか。ライトノベルは人気作の発行部数が多いことに加え、長編が多いため続刊の発行頻度が高い。いくら文庫書き下ろしが中核とはいえ、売上が高くなるのは当然だろう。


読者の世代交代につれアマゾンユーザーは増えこそすれ、減りはしないと思われる。アマゾンランキングで活きのいい出版社は、トータルでの売上でも、徐々に上位に移行していくのではないだろうか。


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2015年04月16日

出版社倒産数、2014年度は前年度の150%の46社。その真因は市場冷え込み「ではない」

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出版社の倒産が増えている。2014年度は前年度+50%増の46社にも達した。

こちらの記事では理由は「書籍販売低迷」+「消費税増税による市場冷え込み」と分析している。


しかし出版社の現場にいる身としては、この分析はやや甘いというか、少し的外れだ。

まず大きな流れとして出版不況があるのはたしかだ。それは認める。増税による市場冷え込みも、ないとは言えないだろう。

しかしここに来て50%も増えているのは、もっと直接的に消費税「改定」による影響なのだ。消費税率が上がろうが下がろうが、出版界には大きな赤字要因となる。


どういうことか説明しよう。

そもそも1989年の消費税導入の際、政府は各業界団体に、「内税か外税か」希望を募った。それを考慮して、それぞれ決まった。そこまで配慮したのは、消費税導入に対する世論が厳しく、民意に配慮したからだ(と言えば聞こえがいいが、早い話、衆愚政治の類)。


このとき出版業界は内税を選んだのだ。これがそもそも大きな間違い。当時の私も外税にすべきと強く感じていた。

内税が有利な点とされていたのは、たとえば以下だが、私には弥縫策というかごまかしにしか思えない。

●区切りいい価格に設定でき、店頭の精算で混乱が起きない
  <外税でも税込みで区切り良くなるように設定すればいいだけのこと
●一見、税金が見えないので、割安に感じられる
  <ごまかしの類だろう


ところが出版界には、内税が不利な点が実は大きい。税率が変わったときの対応が大変なのだ。出版(特に書籍)は多品種少量生産のビジネスで、しかも在庫を大量に「書店店頭」という市中に長期間置いておく特異性がある。

外税、つまりたとえば「1500円+税」とかの表示なら、その在庫は、増税してもそのまま継続販売できる。ところが内税表記1500円の場合、実質は「1456円+税3%」なわけで、これが5%に上がると、増刷の際は変えて印刷すればいいとして、在庫の表紙などに「1529円」(つまり1456円+税5%)というシールをすべて貼らなければならない。スリップも差し替えだ。

この手間が馬鹿にならない。結果として、その後の販売があまり見込めない書籍の場合は、増税をきっかけに絶版、回収、廃棄といった道筋を辿ることになる。


これは実際、3%から5%に上がった1997年に起こったことだ。その結果、大量の書籍が絶版になったし、出版社も潰れた。


絶版は理解しやすいだろうが、なぜ潰れるか。

実質赤字(つまり売れない)書籍でも、在庫を撒いてある限りは、それが表面化しない。仮の売上は出荷時に立つ。この仕組みを利用して、「苦しい出版社ほど、新刊点数を増やす」実情がある。

つまり早い話、自転車操業って奴だ。売上を確保できる反面、大量の市場在庫という「時限爆弾」が溜まっていく。それぞれの書籍は徐々に返本されるので、時限爆弾はゆっくりと解体されてゆく。出版は水物なので、その間になにかひとつでも大ヒットすれば、「ひと息継げる」というわけだ。

しかしそうやって稼いだ「売上」は、大量在庫というリスクの上に成り立っているもの。これが消費税増税のときに一気に返本され廃棄処分となる。つまり赤字の大爆発を起こす。――これが「消費増税の際、出版社が大量に倒産する」大きな原因だ。

雑誌中心の出版社は単に低迷だろうとか、今回も個別にはいろいろな事情があるはずだが、大きな底流になっているはずだ。


少子高齢化で日本社会から所得税納税者が減るのは当時から明白で、となれば社会の維持のために消費税等の間接税をどんどん上げるしかないのも、これまたはっきりしていた。それなら勤労者以外からも社会的サービスに見合った税収を得られるから。

つまり消費税は海外並の20数%まではどんどん上がるのが必然だ。それが見えていて、かつ出版流通の事情をよく知りながら内税を選ぶとは。


出版不況はもう15年以上続いており、苦し紛れの自転車操業出版社は増える一方。それが去年の増税の際、表面化したというのが、この倒産激増の真因だろう。

まあ、こっちは現場で頑張るしかないよね。


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2014年09月30日

リクルート上場に伴い、「出版大手とはなにか」を考えてみる

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10/16に、いよいよリクルートが上場する。創業は1960年だから50年以上経ってからの上場だ。連結売上高1兆円超え企業にしてこれほど遅れたのはもちろん、リクルート事件とその後のダイエー入りなどの(あえて言えば)混乱に依るものだろう。


ところで出版大手と言えば、皆さんはどう考えるだろうか。常識的には集英社講談社小学館という「大手3社」を思い浮かべるのが一般的だろう。しかしお役人的産業分類としての出版業では、1位はリクルートだ。

「大手3社」の年間売上はそれぞれ1000〜1300億円くらいなので、連結売上高1兆2900億円/経常利益1260億円(2015/3月期)というリクルートは、文字通りケタ違いの企業ということになる。ちなみに前期比8%増/3%増であって、その点でも出版不況に苦しむいわゆる「出版社」とは全く異なる。


ちなみに大手3社は2位クラスでもなくて、出版業2位はベネッセだ。誰が見てもリクルートやベネッセは出版社とはあまり思えないので、お役人の産業分類はともかく、出版界を語るときはもっぱらこの2社を除外しているのが一般的だろう。


あーあと、最近では関連会社を一気に本体に取り込んだ角川GHDが売上1500億円ほどで3社より上位にあるけどねー。これにもなんだか時の流れを感じる。ただ取り込んだとは言っても内部はバラバラみたいだから、統合効果を発揮するのは当面難しそうだけれども。豪腕経営による変革に期待かな。


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2014年06月12日

宝島社、女性誌「付録商法脱却の動き」を裏から読む

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ところで宝島の女性誌で付録商法から撤退の動きがあるので、その話でも。

付録廃止を決めたのは、とりあえず『CUTiE』と『SPRiNG』。結果を見て、他の雑誌でも検討していくと思われる。


宝島社といえばご存知、この出版不況の勝ち組。ブランドを取り込んでの雑誌付録・グッズ付きムック乱発で業績を上げてきた。

そもそもなぜ付録商法が優れていたかといえば、多品種少量販売でも利益を出すべく、極端に合理化が進んだ「出版物流通網」が背景にある。しかも減ったとは言うものの、販売店たる書店は、全国に1万店舗以上ある。これをいわば「効率的な雑貨ルート」と見なして利用したのが、付録商法の本質だ。


ブランド側から見れば顧客候補を育てることができるし、媒体側にとってはブランドを取り込んで広告掲載を勝ち取れる。読者は安価で「憧れのブランド」の小物を入手できる(ノベルティーレベルとはいえ)。

不景気のデフレ期にまことにふさわしい戦略だった。


とはいえ、100円ショップのバッグにロゴ印刷した程度のできのバッグインバッグとか、5つも6つも持ってても仕方ないじゃん。それに今は安部総理の金融緩和が功を奏して景気が上向き雇用状況も改善されてきたし。

今さら貧乏臭いノベルティー持っててもなあ……、とか考える層は確実に増えている。

加えて今の女性誌トレンドは小型版だ。スマホ時代で持ち歩く物理量が減った分、バッグの小型化が進んでいる。それに対応した小型版が売れている状況で、付録を差し挟むカサは今後、確実に減る。

それに宝島社と限っての付録商法は、2012年にすでにピークを打っていると思われる。


――などという状況を勘案して踏み出したものと想像できる。

宝島は、付録商法で女性誌トップ出版社にのし上がった。出版業界的に裏から考えるなら、その過程でブランドもうまく押さえ終わっただろうから、今さら付録で広告を誘引する必要性も薄れただろうし。


どんな分野でも、挑戦者がのし上がっていくときと王者の防衛戦で戦略が違うのは、当たり前だ。

今後、どこに力入れるんだろうな、宝島。「この○○がすごい!」ブランドをネットにガンガン展開していくと面白いと、個人的には思うんだけどさ。でも女性誌のようにデカい金が動く媒体じゃないから、やっぱ女性誌最優先にはなるだろうけど。


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2014年01月30日

2013年、出版市場はピークの65%に縮小。大手3社は奮闘。特に講談社は出版不況を跳ね返し「増収増益」

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今日は久々私の本職絡みのエントリーでも。


大手3社の決算。

●小学館 (2013年2月決算)
売上高 1065億円  前期比-1.4%
純利益  12.8億円

●集英社 (2013年5月決算)
売上高 1253億円  前期比-0.6%
純利益  31.8億円

●講談社 (2013年11月決算)
売上高 1200億円程度 増収
純利益 増益見込み


講談社だけまだ確定数字が出ていないので、見込みだ。ちなみに2012年11月決算の売上は1178億円だった。


●出版界全体 (2013年 取次経由本体価格)
販売額 1兆6900億円 前年比-3.2%


出版界全体は書籍雑誌の販売価格だから、出版社の収入は約2/3で、だいたい1兆1000億か……。

見てのとおり大手3社は頑張ってるほうで、出版界全体だと、全然元気がないっすな。ピークの1996年2兆6000億円に比べると、35%もシュリンクしてる。かつて「出版界は2兆円の小規模産業」ってのが一般的な認識だったのに、今や「出版社は1兆円」っすか。大日本印刷や日立製作所といった大企業1社だけの売上と出版社全部で寄ってたかって戦って、半分とか。

そら給料も下がるわorz


ざくーと見ると、雑誌が前年比-6%の「崩壊」状態。もう15年以上連続縮小だ。んで書籍は-0.2%。

雑誌の縮小が激しいのは、広告収入をネットに食われているから。雑誌って奴は小売価格が「かかるコストより圧倒的に低い」のが、一般的な設計。要は読者に安く買ってもらうために、広告がどさっと入ってるわけ。ところが今や広告「どさっ」どころか、「ぺなっ」だもんな。

それで販売収入ももちろん落ちてるんだから、救いがない。私のような雑誌系編集者にとっては、なんだか悲しい時代だ。編集者が練りに練った切れ味鋭いコンセプトの雑誌、読者としても好きなんだけどなあ……。


もちろん個別に突破口はあるので(要は受ける雑誌を作れば、そいつは食える)、各社とも頑張ってるわけです。

最近だと女性誌主導の小型版とかね。「スマホ時代に雑誌を携帯させるにはどうするか?」で考え出されたのが、あれよ。それなりに売れている。なんたって、男性ビジネスバッグだって薄く、小さくなったもんね。PC持ち歩きが減ってタブレットになったから。


あとは意外にもティーン向け男性ファッションライフスタイル誌とかさ。本来の雑誌っぽい「暇潰し」需要だと、パズル誌とか。


大手3社が全体より頑張っているのは、やはり規模が大きく手元資金豊富なので、デジタル投資とかに踏み切りやすいからだろう。3社とも、物販始めたり、海外にコミック電子版を売り込んだりとか始めてるじゃん。

特に講談社の健闘が目立つ。

ただ3社を見ると、決算日の古いほうが、数字は悪い。――つまりここのところの世間サマの景気向上で、ようやく広告収入が上向いただけではないかという気がする。実際、ウチも2013年第4クオーターくらいで、広告収入の減少がなんとか止まったしな。

このあたり、小学館と集英社の次期決算を見ないとなんとも言えないな。

あるいは講談社だけコミックが好調とかあるのかもしれないが、そのあたり疎いんでよくわからん。どなたか教えてください、好調の理由を。


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2012年03月02日

講談社2011年決算「5年ぶり営業利益確保!」 ――よく読んだら「カラクリ丸見えでした」の巻

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ところで講談社が決算を発表したのでその件でも。

講談社2011/11月期決算は5年ぶりに赤字から脱却して、2億円の営業利益を確保したそうだ。たとえば前年度は18億円の営業赤字だったわけで、20億円も改善している。

出版不況を蹴散らす快挙にご同慶を述べたいところだが、発表された情報を見ているとちょっとなあ。

というのも、前期まで営業外売上に入れていた不動産収入を、当期から営業売上に計上しているのだ。

そんなんあり? それが「本業」ってか。


不動産の売上(所有不動産の家賃収入などだろう)は、約26億円。もちろん売上すべて利益ではないが、仮にこの26億円を営業利益2億円から引くと24億円の営業損失となるわけで、前年度の18億円営業損失を上回る。つまりおそらく本業の営業利益は前期とそう変わらない(ないし悪化している)可能性がある。

それが営業黒字に化けるんだから、企業「経営」はたいへんだなあ。


ちなみに売上の内訳は以下だ。

総売上高 1220億円(前期比0.3%減)

雑誌 750億円(5%減)
書籍 280億円(5%増)
広告 82億円(12%減)
その他 84億円(9%増)
不動産 26億円


これ、書籍は大健闘だろう。例のジョブズ本効果だと思われる。

雑誌や広告が悪いのはどこも同じなんで、特段講談社が云々はない。その他収入が増えているのは海外へのライツ提供事業などだろう。角川なんかはここんとこがすごい伸びてるし。講談社もコミックに強いコンテンツを持ってるから。まあコミック自体は売上5%減らしいが。


ただ書籍健闘でも雑誌の斜陽+広告激減をカバーし切れておらず、売上高は15年連続減少。1997年度に2030億あった売上が、すでに4割減の1220億円となってしまっている。そりゃ不動産収入を付け回したくもなるよ。


いやこれ「講談社が悪い」んならまだ救いがあるのだが、業界こぞってこんなもんだから、出版人として泣ける限り。むしろ不動産収入が売上の2%もあるのが超絶うらやましい(羨)。

それに考えてみれば売上減少は全体でわずか4億円に留めており、そろそろコストダウンなどの不況対応が完成しつつあるように見える。今後のV字反転は十分考えられる数字だから、来期に期待できそうだ。いいなあ。

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2012年02月08日

「岩波書店 年収」検索激増の「謎」

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ところで日本にいなかった間のブログのビュー遷移などチェックしていて気付いたんだけど、「岩波書店 年収」で検索して飛んできた方が、やたらと多かった。

不思議に思って調べてみたら、どうやら岩波が「採用はコネに限る」と宣言して話題になったからのようだ。はあそうすか。


まあ株式も公開してない私企業だから原理的には問題はないだろう。中小企業が縁故で人探すの当たり前だし。

とはいえ仮にも公器である出版社がそんな「面倒だから」みたいな態度で求人することには、個人的に違和感がある。もちろんコネでアプローチしてきた人から選抜するわけだからその先で質は担保できるにしてもだ。能力と才能のある人を「コネのあるなし」だけで分別していいものだろうか。


まあそんな豪快な対応でアレな社員が入ってきても業績に問題が出ないのは、2年くらい前に書いたが岩波ならではの「特殊事情」に則っているのだろう。なんたって金看板があるし。


ちなみに岩波社員の年収は高いとされる。みなさんもコネ作って応募してみます? 私は今の仕事けっこう疲れてきたから、高い年収提示されて勧誘受けたら、ふらふらーと移るかも。のんびり書籍でもやりたいわホンマ。

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2011年10月26日

小学館、集英社、講談社が電子書籍でアマゾンと組みそうな「ワケ」 ――大手がアップルでなくアマゾンを選んだきっかけは、「出版デジタル機構」か「コミック」か!?

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前回のエントリーで、日本の電子書籍が陥っているジレンマについて書いた。今日は、急転直下、超大手があらかたアマゾンに乗りそうな気配を見せた、その理由を考えてみる。

前回は事実ベースの記事だったわけだが、今回は未来話でどこに取材したわけでもなく、完全に私の推測というか妄想になる。当たるも八卦なので、そこはご勘弁ください。


今回、講談社、小学館、集英社という大手が動いた背景だが、私はざっくりふたつ理由があるかなと想像している。

ひとつには「出版デジタル機構」(仮称)を作ろうという動きがあり、ここに実際、小学館も集英社も講談社も参加している。これがきっかけになっているだろう。


この機構は設立目的が非常に曖昧に書いてあるので、まだよく見えない部分がある。業界外の人にはわからないかもしれないが、もしかしたら政府の電子図書館構想に対し「力ある」カウンターパートにしたいのが大きな理由かも。うがった見方すかそうすか。

いずれにしろ「各電子書店に対する配信支援」も目的のようだから、この機構を通すことで電子書籍流通を交通整理したいのは確かだろう。昨日書いたように、ここの部分の混乱が電子書籍のコスト高を招いており、そのため電子書籍普及にマイナスなのは明白だからだ。

ここを通せば参加出版社は交渉力を得るので、アマゾンと組んでも無理難題はふっかけられないと踏んだ可能性はある。


まあ、どこまで事務を効率化できるかは謎だけど。

電子書籍の混乱を鎮めるためこの機構には成功してほしいが、まかり間違って「役所化」したりすると嫌だなとは思う。


次に、今回名前が挙がっている3社は最大手であって、その売上の大きな割合をコミックが占めていることが、他の出版社とは異なる。ここかなあ重要なポイントは。


コミックの世界では、デビューしたての新人が「完璧なテクニックの原稿で超絶売れる」ということは、あまり期待できない。だからこそ経験豊富な編集者が個別に付き、売れるキャラクター作りやコマ割りのポイントだのテクニックを伝授し、いっしょにストーリー展開など話し合いながら「売れるプロ」に育てていく。

中堅になればいろいろ連載を持ち、売れたりそこそこだったりしながら、編集と今後の戦略など練りながら生きていくのだろう。


その先まで進み、「出せば売れる」レベルのベストセラー作家にまで育てば、その後は?

紙のコミックス(単行本)は掲載した雑誌誌の出版社から出すのが契約上も信義上も当然としても、電子版はどうか。そこはまだ契約もあやふやだ。――なら自作の電子版は、電子書店と直接取引にしたらどうだろう。


そう思う作家がいても不思議ではない。

通常の印税はだいたい10%が標準であるのに対し、アマゾンの仕切りは30%程度とされる。もし直接契約できれば、つまり売上の70%は自分に入る。


もちろんこれは、アマゾンがそれを受けてくれるかに掛かっている。コスト面からアマゾンは編集的な手間を掛ける気はないだろうが、たとえば「ONE PIECE」なら、多少面倒でも話に乗るかもしれない。実際に米国でアマゾンはスティーブン・キングなど一部ベストセラー作家に対してそのような行為を行ってもいる。

なら早いうちに電子版出版のメジャーなルートを整備しておかないと危険だ。

そう3社の経営陣が考えても不思議ではない。それに角川や新潮などは全書籍の電子書籍併売化を打ち出している。それに後れを取るのも危険だ。とかね。


そこに米国メジャーのアマゾンが「価格はいっしょに考えましょう」とやってきた。おまけにもしかしたら日本でも期待の端末「Kindle Fire」を出すかもしれない。Kindle Fireが急速に普及すれば、乱戦状態の日本の電子書店を一気に駆逐して「Kindle Store」が日本でドミナントな電子書店になる可能性は否定できない。

そうしてメジャーな端末がiPad以外にもできれば市場の母数が増えるので、昨日書いたように電子版だけで成立する書籍もどんどん増え、好循環でいよいよ市場が立ち上がる可能性がある。

でまあ甘言に乗った。――ということではないか。


ちなみに小説については新人を育てる手間は同様だが「文字だけありゃいい」わけではなく、売るにはプロモーション面で微細なノウハウが必要。これをアマゾンがすぐに持つとは考えにくいので、急には移行しないだろう。

でもコミックはなあ。なんたって版組の工夫もなにもなく、そもそも原稿の時点で本の形になってるわけで。そのままポンで画像化すれば本になっちゃう。おまけに単行本プロモーションにも工夫はあまりないし。その点で作家を取られやすいよね。


いずれにしろ、大手出版社のアマゾン重視が読者や著者、出版社にとって吉と出るか凶と出るかは、私にはわからない。別にアップルが悪でアマゾンが善ってわけじゃない。どちらも法律の許す範囲で「儲かる商売」を繰り広げてるだけで。

ただ版元から見て「流通ツール」としての使い勝手から行けばアップルよりなにかと優れるので、そうなっていくんだろうなあ。アップルももう少しマーケット側が使いやすいように改善すればいいのに。段違いに売れてるタブレット持ってるのにもったいない。

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2011年10月25日

小学館、集英社、講談社が電子書籍でアマゾンと組みそうな「ワケ」 ――電子書籍に死屍累々の「出版界」

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さて、米アマゾンが電子書店「Kindle Store」を日本でも年内メドで開店というニュースが報道された。日経が口火を切ってあちこちで報道されたわけだが、報道によると小学館、集英社、講談社が「乗る」方向で交渉中とのことだ。今日はこのあたりの観測記事など。

長くなるので2回に分けると思う。


出版不況に長年晒されている出版界では「なんとしても新規の売上を立てたい」のは経営陣の悲願で、ここ2年ばかり、役員先行型で日本の出版社は電子書籍への対応を進めてきた。というか進めたいと思ってきたに違いない。

それがおおむね失敗して読者から見ると「なにノロノロやってんのよ」と見えているのは、以下のような理由からだ。


●電子書店の規格乱立

電子書籍は、個々の電子書店で許されるフォーマットでしか発売できない。日本での電子書店は通信キャリア系、流通系、取次系など入り乱れて戦国時代並の大乱戦状態であり、規格はバラバラ。別規格の書店に卸そうとすればオーサリングはそれぞれ別に費用が発生する。

つまり紙で言えば「紀伊國屋書店に卸すときはこの紙と印刷で、ABCに卸すときは別の紙と印刷で」とかという事態。悪夢だ。このためコスト見合いや「どの書店ではどのくらい売れそうか」など判断し「どこにどういう規格で卸すか」など判断・決定がどえらくたいへん。


●電子書店の不統一

前項とも関連するが、個々の電子書店で納品条件や仕切り・価格などが異なり、さらには売上の回収期日まで異なる。おまけにアップルのように「販売価格は固定刻みです」なんてとこまで。

紙では紀伊國屋書店に卸そうがABCに卸そうが取次が仕切っているので手間はひとつだが、電子書籍は個別の出版社が全部の電子書店とやりとりするしかなく、この事務に掛かる手間(=コスト)がばかにならない。なんたって売れないので。


●売れない

紙の書籍の潜在読者は「日本語の読める人」。電子書籍の潜在読者は「タブレットユーザー+α」。このため決定的に売れ行きが違う。この点、英語書籍の電子化でむしろ紙より広く全世界を相手にできる米国の出版社とは、話が違う。

たとえば電子版としては超絶大ヒットの「もしドラ」で、紙が200万部以上、電子版が15万部。たった7.5%だ。普通の書籍では初版6000部とかだろうから、この伝で行けば電子書籍版は450部となる。

私は自分でも電子書籍を担当してこのブログでも報告してきたが、その見聞では実際には450部も売れる書籍はあまり見たことがない。

このため電子版だけの出版企画は厳しく、現実的には「紙の書籍の電子版」しか作れない。原稿料・取材編集コスト・デザインフィーなどはどちらも変わらないからだ。流通の取り分も同様で、紙も電子も似たようなもの。

紙版にコストを付け回す「イカサマ」をしてやっと電子書籍発売に持ち込み、現場が役員の「顔を立てて」ほっとしているのが、多分ほとんどの出版社の編集最前線だろう。


●コストが高い

電子書籍では、紙代と印刷代が不要になる。反面、紙にはないオーサリング費用が掛かる。さらに長い歴史を持ち極限まで効率化されコストダウンが進んだ紙版では問題にならない上記の事務の手間(=コスト)も。電子版が売れないという条件で見ると、分母が小さいだけにこれらがバカにならない。

といって短期的な赤字幅増大を厭わず安くすれば売れるかといえば、上記のように原理的に市場が狭いので計算ほど売れず、価格には下方硬直性が発生する。それに紙版より安くすれば今度は紙版の読者が不満を持ち売れ行きに影響して「電子版がコストを付け回している」肝心の財布が傷むので、原理的にも難しい。

早く端末が普及して電子書籍でもきちんと儲かるように(というか少なくとも赤字にならないように)ならないか、というのが、多くの出版社の本音だろう。いったん回り出して「電子版だけで黒字になる」ようになれば、紙版のくびきから自由になるので、戦略的な値付けが可能になる。


おまけに電子書籍の世界ではiPadで先行するアップルが公取すら入る暴君として暴れ回るので、出版社・著者とも「ドン引き」状態が続いたりもしていた。なんたって、マルチ購読すら許さないし。アップル以外では原理的にはマルチ購読が可能。つまりいったんパソコンで買えば、パソコンでも読めるしアンドロイドのスマホでも読める。

こうした状況で「やらなきゃならないんだが、突破口が見えない」状況が続いていたわけだ。ところが急転直下、超大手があらかたアマゾンに乗りそうな気配を見せたのには、理由があるだろう。

そもそも「できなかった理由」なんて今回のように事後の分析で列記するなら意味があるが、「これからできない理由」なんて挙げてるのは仕事できないバカだけだ。

大手の戦略については、明日分析する。

editors_brain at 08:12|PermalinkComments(5)

2011年09月12日

編集者仲間の噂話から ――宝島社内でいちばん「肩で風切ってる」のは……

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さて、出版関連の人間なら、編集者でも営業でも、他社の知り合いと飲んでいろいろ業界話をすることもあるだろう。

その手の話のひとつの定番が、「ウチでは●●が肩で風を切ってるがな」話。要はいちばん勢いのいい部隊の噂だ。


いつだったか宝島の知り合いと飲んだ時の話。

私は、宝島で勢いある部隊は「付録攻勢」で出版界に風穴をぶち開けた女性誌組と思ってた。したら宝島の編集者は、それは違うと言う。

そうではなくてムック組だと。それも紙による情報伝達中心ではなく、グッズ中心でその説明のムックを付けるパターン。早い話、商品の取扱説明書が超立派になったイメージ。


この手のムック、たしかに実は出版界で流行中。

宝島で言えば、下の電子タバコの奴とか。


このヒットで宝島のムック戦略に出版界の注目が集まり、他社の参入も相次いだ。

たとえば幻冬舎は、「巻くだけダイエット」ムックを出し、ベルト同梱で大きく当てている。



今回のエントリーを読んでもらえばわかるように、この類のムックで大きく当たるのは、以下のような条件の商品を付けた場合が多い。

●ちょっと話題の商品で、多くの読者は「聞いたことがあるが持ってない」レベル
●購入してるのはアーリーアダプター層が中心で大ヒットはしておらず、そのため価格が高い


多品種少量流通で極限まで効率化されている出版流通の強みを利用し、これらの商品をムック扱いで大量販売する。それによって価格破壊が可能になるので既存商品よりだいぶ安くなり、戦闘力が増す。だからヒットする。


この手のムックで最近のしてきてるのが主婦の友社。

まず、この美容ローラーが大ヒットした。


シリコンスチーマーも。


あと直近では下の携帯用電動歯ブラシとか。



こうなってきた背景はもちろん宝島が当てたからだが、他にも理由がある。

つまり紙の情報販売+広告という出版社のこれまでの商売が厳しくなってきており、広告はもう無理だから、「紙の情報でない」販売物はないか、という底流を反映しているわけ。まあ世知辛い世の中だ。

このときポイントは、「マルチメディア商品枠」でなく「ムック枠」で取次に卸すこと。マルチメディア枠は流通に手間が掛かるので出版社の掛け率が低い。しかも卸せる書店数ががくんと減る。

そのためムック枠で流せるレベルのサイズや梱包に収めることが極めて重要になる。肝心の商品も、もちろんその線に沿って選択されているわけだ。


でまあオチのために、最初の飲み会あたりの話に、力業で戻す。自由自在な原稿(笑)

私も社内で肩で風切ってのしのし歩きたいもんだ。そんな経験あんまりないなあorz

はいオチました。

editors_brain at 09:00|PermalinkComments(0)

2011年09月09日

光文社がまさかのV字回復。 ――背景に講談社の落下傘役員か?

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ところで光文社がまさかのV字回復だ。

一時は「今度こそ危ない」とか言われていたのに。

理由は女性誌の復権。まあ値上げもしたしな。

前回決算が悲惨で親会社である講談社から役員が送り込まれたんじゃなかったっけ? その効果だろうか。出版に限らずどんな企業でもそうだが、落下傘はやりたい放題だからなあ。


光文社の話でなく一般論だが、リストラで回復させると、その後になにをやるかが、ものすごく重要になる。そのとき経営陣の真価が問われる。

リストラの過程で問題も減るが社内が疲弊してしまう。いわば大病の手術後の体力のように。

だからその後にどういうビジョンを社員に示し自らはなにをやるのかで、継続して利益を出せるようになるか「一時の徒花」でまた問題が徐々に増殖していくのかが分かれたりする。

もともと体力ある出版社で現場社員の能力も高いはず。その底力を見てみたい。 ――ウチ? アハハハァ

editors_brain at 03:12|PermalinkComments(1)
プロフィール

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出版社の編集者。雑誌、単行本、Webサイトとすべて経験。基本マインドは雑誌屋。デザインに凝った趣味雑誌が好み。

趣味は多彩。のめり込むタイプで、対象増加の一方。

キャラクター的にはツッコミ(自称)。他人に言わせると「ボケ」。
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