編集者の日常

2010年11月18日

溜池から赤坂で。フレッシュミントと。パールオニオン。

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P1170645溜池で遅い時間に打ち合わせがあったので、赤坂を歩いてみた。

赤坂はあんまり好きな街ではない。猥雑が勝ち過ぎていると感じるからだ。

とはいえ、赤坂に行けば寄れる店は2、3確保してある。私はバーが好きなので、その線ばかりだが。

1軒は、本気のバー。あとカジュアルなバーが多少。


私のテリトリーのうち、カジュアルなバーに顔を出してみた。

ここは、まず普通の人ではわからない場所にある。赤坂のど真ん中というのに、裏寂れて真っ暗な場所。そういうところがあり、そこに「バー」ともわからない形で格子戸が出ている。


ずいぶん久しぶりだったので、顔を見知ったスタッフはもう残っていなかった。バーで飲むには早い時間帯だから、客は誰もいない。

ひとりカウンター隅に陣取り、ギネスで口切り。

バーテンと六本木の本気バー情報など交換しつつ、バーが夜になじんでいくのを見守る。


私は、夕方開けたばかりのバーが好きだ。バー独特のどろんとした深夜の空気がまだなくて、スタッフの緊張感があたりに漂っているあたりの時間帯。

そこでさっと1杯強いカクテルでもひっかけて、速攻退散してドアを開け、暗くなった街に出る瞬間が好きだ。


バーに夜の匂いが染みた頃、ギネスはなくなり、次の1杯となる。この店でスコッチは野暮だから、カクテルだろうなあ。

モヒートはフレッシュミントで作れるのか訊くと、できると言う。だから頼んだ。フレッシュミントとパールオニオンが置いてあるバーはカクテルなら信頼できる。贅沢言うなら蛤のジュースと。

ミントの心地良い後味を楽しみながら店を出た。まだもうひと仕事残っている。

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2010年11月15日

手を上げて電子出版を担当 ――その経緯5 「印税1万円」の悲惨な現実を、どうやって著者と編集者で打開していくか。

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P1170851ここのところ続けて上げている、電子出版ネタを。

前回エントリーで書いたように、現状電子書籍を企画した場合、著者の方に支払える印税が「雀の涙」になってしまう。これの対処法から。


1 紙版と電子版を同時出版する
これなら紙版の印税で担保されるから、著者の方にも話しやすい。もちろん既存の紙の書籍を電子化するというのも同様だ。

2 雑誌連載など、「原稿料の形で著者に還元済み」のものを電子書籍化する
著者の方も「書き捨てのつもり」の原稿が書籍になってわずかでも+αになるので、納得しやすい。なんたってすでに原稿があるんで、書籍化にあたって著者の作業もそう多くはない。


私は「2」を選んだ。

立場上、書籍編集部にいないことがひとつ。手持ちの著者の連載原稿が溜まっていたことがひとつ。さらにその原稿は「紙版書籍で出すのが難しい」のがひとつ。


計算すると、著者の方にはすでに「原稿料」という形で、けっこうな額を支払っている。昨日書いた「紙の書籍の最低部数想定」の印税30〜100万よりは、総額ではるかに多い。

つまり著者としてはもう「償却済み」の原稿だ。

なら、たとえ電子書籍版の印税が「1年売って2万8000円」とかいうふざけた額になっても、うれしくはないだろうが、少なくとも損はしない。

それにこれは「紙の書籍の最低部数からの類推」だから、もっと売れる本相当であれば、電子版だってもっと印税が増える。


加えて、電子版だろうとなんだろうと、曲がりなりにも「書籍になる」というのは、著者にとって利点が大きい。以前勝間和代氏に雑談で書籍を初めて書いた頃の話をうかがったが、やはり自らの経歴の大きなポイントになるのだ。

それに著者自身のプロモーションになる。私が頼んだ著者はあるプロジェクトを主宰しているが、その面でもなにかと便利だ。

さらに、電子書籍という新分野に取り組み、編集者ともども経験を積み重ねることは、今後電子書籍市場がブレイクしたときに備えての勉強にもなる。


――以上のように、著者にとって総合的な視野で利点を担保できる見通しが立ったので、感触を探りに行った。

嘘ついても仕方ない。「半年で印税1万円かもしれませんが、新分野への挑戦に、いっしょに取り組んでみませんか」と真正面から話す。

著者の方もプロとして当然出版動向には詳しいので、電子書籍の悲惨な現状もご存じで、それでも快諾をいただいた。

ふたり揃って、まるでドン・キホーテだ。


でもほっとしている場合ではない。次の算段に進んだ。

編集者としてまず大事で守るべきは、なんといっても著者の利益だ。著者の盾になるのが編集者だからだ。自社の利益はそれに比べればはるかにどうでもいい。

――とはいうものの、私もマネジャーだ。私自身の所属企業の利益をどう担保するかは、やはりまじめに考えなくてはならない。

ここの苦闘は次の機会に詳細を書くが、結論からすれば「大赤字だけどやりましょう」といったところだ。上記打開策の「1」を取っても(つまり紙版も同時出版しても)赤字だ。

たぶん現在どの出版社でも、私同様に赤字とわかっていても、自らのキャリアを賭けて電子出版に取り組んでいる人がいる。そういう人たちと心の底で連帯を感じながら、電子出版普及に取り組んでいく。

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2010年11月12日

手を上げて電子出版を担当 ――その経緯4 どうやって著者の方に利益を確保してもらうか

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P1170818ここのところ続けている、電子出版編集ネタを。

昨日は電子書籍のトピックスを追ったが、今日は私の実作業のことなど。

さて、私は自ら手を上げて電子出版を試行することにしたわけだが、手掛けるのは電子雑誌ではなく電子書籍だ。

電子雑誌は「現状では」成り立つのがほぼ不可能な案件なので(このあたりの考察は以前のエントリーを読んでください)、近寄ると社内政治のスケープゴートにされる危険性がある。役員からキツく命令されない限り、関わりたくない(笑)。


電子書籍を発行すると決意して、まず著者のことを考えた。「この現状で、どうやって著者の方に利益を確保していただくか」という点だ。


紙の書籍の場合、1冊出して著者に入る印税は、もちろんピンキリだが、出版社が赤字を引っ被る最低部数の初版発行のみと想定して、30〜100万円といったところだろう。

というのもそれ以下の額になってしまう部数だと「そもそも書籍として大赤字」なので、企画しても社内で認められるわけがないし、取次も嫌がるだろう。


これを「書き下ろし」で書いてもらったとしよう。

著者としては、まあ悪くはない。実働のべ1か月で書いたとして50万円とかなら、まあ「日々暮らすための収入」として、ちゃんとベースになる。

それにこれは初版の印税だから、自らの原稿が優れていて増刷が掛かれば、その後は「努力なし」にチャリンチャリン日銭が入る。

もちろん上限は青天井だ。


つまり「ベース収入にはなる」&「追加収入を期待できる」わけで、著者としても納得の内容だ。

それにここでの仮定は上記のように「最低しか刷れなかった場合でも確保できる印税」で、初版からもっともらえることも多々あるだろうし。


ところがこれが電子書籍だと一変する。

昨日書いたように、電子書籍で現在いちばん売れているもので11万部程度。ほとんどは「箸にも棒にも」レベルで、経験則として「紙の書籍の1/20の売上」と言われている。

もちろんこれは「現在」の話で、5年後はわからない。

しかし厳然たる事実として、「現在」書いてもらおうとすると、紙の書籍の最低印税と同レベルの本の場合、要は印税見込みが1万5000円から5万円ということになる。

しかも紙の書籍なら通常初版印刷分の印税が最初に出るが、電子書籍では「印刷」という概念がそもそもないので、「売れた部数」に対する印税しか著者に出せない。もちろん著者が最初にもらえるわけもない。

これで「本を書き下ろしてください」とは、申し訳なさ過ぎてとても著者に言えない。実働1か月書いてもらって3万円って、どこの発展途上国だよ。


当然これは、ベストセラー作家の方などでは話がまったく異なる。

つまり早い話、「現在、電子書籍を書き下ろしてもらおうとするなら、ハナからとてつもなく売れるとわかってる人以外は、申し訳なさ過ぎて無理」ということだ。


しかしビジネスの現場でこの程度で「できません」と泣き言言ってたら、どんな企画だろうと立ち上がるわけがない。こんなんで負けてどうする!

――もちろん対処法はいくつかある。

私のブログの常として長くなり過ぎるので、その件は、次のエントリーにて。

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2010年11月11日

手を上げて電子出版を担当 ――その経緯3 日本の電子書籍は「実は今でも米国の1.5倍売れてる」という事実と、「電子書籍は紙版の1/20しか売れない」という事実。

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P1170325昨日の日経で「米電子書籍市場3.2倍に ペーパーバック抜く公算」とあった。


これだけ読むと「電子書籍は売れるんだ」と思うかもしれないが、これは米国という特殊な市場だからだ。

つまり米国の場合なんたって世界一の田舎大国なので、身近に書店がない(人が多い)。グローサリーショップまで車で1時間とかいうんじゃ、本なんか買いに行けないだろ。

このため紙の書籍宅配としてアマゾンが成功したし、早くからkindleやsony readerが普及した。加えて米国は「日本に比べずっと紙の書籍が高い」特殊条件が重なっている。


もちろん、日本でも「いずれ電子書籍は売れる」かもしれない。が、現状は悲惨なものだ。

日本の場合、電子書籍で現在いちばん売れているもので11万部程度。ほとんどは「箸にも棒にも」レベルで、経験則として「紙の書籍の1/20の部数」と言われている。


これに反するように聞こえる意外な事実なのだが、実は日本の電子書籍市場は、今でも米国の1.5倍とでかい。

というのも、日本ではケータイで読む電子コミックのような特殊な市場がどえらく大きいからだ。


つまりまとめると、「日本の電子書籍市場は現在でもデカいが、それはコミック(の一部)であって、フツーの書籍の電子版はほとんど売れてない」というわけだ。


私が電子書籍を担当するにあたってまず考えたのは、「この現状で、どうやって著者の方に利益を確保していただくか」という点だ。

明日のエントリーで書いてみる。

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2010年11月08日

11/3。表参道から原宿。ハイボール立ち飲みのアテ。

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P117080811/3、久しぶりに表参道に。

いくつか定点観測している店をチェック。起毛素材のフリースジャケットが「暖かそうでかつ軽快」で好印象。買う金はないが。

ざっくりチェック後、いつもの床屋に。


担当を待つ間、久々「ゲイナー」をパラ見。 ――あれ? こんな地味な草食系雑誌だったっけ(笑)。前はもっと「ITバブリーっぽく鼻息の荒い」ファッション・ライフスタイル誌だったけど。

「こんな男が好き」とおっしゃる女性たちのスナップ、延々何十人も見せられてもなあ。。。そこはせめて着こなしの参考になる男のスナップだろう。「こんな女性にもてますよ」って洗脳したいんだろうか(謎)。

私が雑誌を読むときは、もっぱら「どんな広告が」「どの位置に入ってるか」を最初にチェックする。それだけでけっこう媒体事情がわかる。

ちなみにゲイナーには、スーツカンパニーADがいいとこに入ってた。光文社は「今度こそヤバい」と噂を聞いていて、実際、講談社が役員送り込んだりしてる最近。

「お互いがんばろう」と光文社編集(脳内)と会話。


担当が来たので、例のごとくモヒカンに仕上げてもらう。モヒカンにするとテンション上がってバリ仕事でやる気が出てくる。不思議だ。

担当と「来年は景気良くなるよ」と、多少希望も含めて会話。彼はパーマを掛けた上でサイドに大胆にバリカンを入れた「モヒカンパーマ」。面白そうだから今度やってもらおうと決意。

彼にスカーゲンを紹介。「今度そのパネライと交換しよう」と言うと殴られそうになる(アハハ)。


床屋を出ると、千疋屋でお茶。の予定が、6人も待ってるとのことでパス。私は行列にはあんまり並ばない。

というわけで、原宿駅前の立ち飲み屋に。

行き交う連中をアテに、ハイボールをサクっと引っ掛ける。

5分でやっつけて雑踏に。さよなら明治神宮。

地下鉄への階段を下りる。


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2010年11月01日

政治家取材で登場した、「トンデモない」カメラマンのコト。

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P1170304ちょっと前だが、ある政治家をインタビューした折のこと。

当然撮影用にカメラマンを頼む。初めてご一緒するカメラマンだったのだが、当日、集合場所に、彼があまりにも小汚いよれよれTシャツ&ジーンズで現れたので驚いた。もちろん取材内容は事前に伝えてあるのに。

しかも開口一番「今日の取材、途中で抜けていいですか。次の撮影があるので」と来た。

私も数限りないカメラマンと仕事してきたが、稀な例だ。


私とライターは、もちろんジャケットにタイで武装している。取材相手がVIPだから、シャツだってそれなりに気合いを入れて選択している。したらカメラマンがこれって(絶句)。

たしかにカメラマンの場合、撮影時に機敏に動く必要と重い機材を運ぶ必要がある。そのためやたらと堅苦しい服装がマストではなく、VIP取材時にもある程度の服装のブレが許される職種なのは確か。

ではあるがものには限界があるというか、装いってのは社会的要素のある人体のパーツなんだから、「コード」って奴があるじゃん。結構なレベルの政治家取材と事前に聞いてるんだから、タイはいらんけどせめてカジュアルなジャケットと襟のあるポロシャツくらいは着てほしいというか。


おまけに中座とか。取材相手を考えろよ。先方の貴重な時間をいただいて取材するってのに、途中で抜けたら失礼じゃないか。先方がどう思うかも考えてほしい。

だいいち、VIP取材で原稿には「撮影○○」とか自分のクレジットが入る。それは今後の自分の営業にものすごく有利に働くはず。普通のインタビューと重みが違うじゃん。私がカメラマンなら、当日は絶対他の仕事を入れたりしない。万一VIP取材の時間がぶれても必ず対応できるようにしておいてこのチャンスをものにする。


私の経験では、こうした点まで思いも寄らないカメラマンで、仕事ができる奴は、いた試しがない。

「ちょっと御髪を直しましょう」などと取材相手を整えさせたり背景を短時間で整理する力量が必要なカメラマンには、頭が回り気が利くことは「マストの資質」だ。

それにおおむね気が利くカメラマンのほうが、写真自体のクオリティーが高い。鈍くさいカメラマンでいい画を切れる奴は、あんまり見たことがない。


そんな「爆弾」に当たってしまったため、私は当日、普段の倍くらい撮影に気を遣うハメになった。座ってもらう位置から背景、ライティングまで普通はプロであるカメラマンに投げるのだが、あらかた私が指示。撮影カットの詳細まで「くどいくらいに」説明した。

もちろん、本当の勝負所であるインタビュー内容に集中しつつだ。


そんなわけでどえらく疲れた。

まあ当然だが、世の中にはいろいろな考えの人がいる。彼のやり方がそれなら、私は特段文句つける気はないし、筋合いもない(中座は迷惑だが)。

ただ私個人としては、彼とは今後一切仕事をする気はない。たとえどんな簡単な撮影だとしてもだ。もちろん編集仲間に「誰かカメラマン紹介してよ」と言われても、教えることはない。先方に悪いし私の評判も下げるからだ。

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2010年10月28日

手を上げて「電子出版」を担当。 ――その経緯2「アップルの凶悪な値付け政策に振り回される出版社」という「構図」

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P1170439昨日のエントリーの続き。電子出版(というかAppStore)に対するアップルの凶悪な政策について。

なにしろまあ、一般人は知らないだろうけど、アップルの価格マトリックスが変。昨日書いたように紙版で580円の雑誌があったとして、アップルのせいで、これを電子版にして580円で売ることができない。

というのも、紙以上に自由度が高いはずの電子データというのに、AppStoreの値付けマトリックスが極めて硬直的だからだ。

具体的に書いてみる。許される価格は以下だ。

115円
230円
350円
450円
600円
700円
800円
900円
1000円
1200円
1300円
1400円
1500円
(以下略)

――どうよこの変なステップ。なぜか1100円がないとか。消費者がいちばん買いやすいあたりの価格帯で、450円の後が600円といきなり飛ぶとか。ふざけんなっての。消費者のことなんかぜんぜん考えてないだろこれ。

たった1時間考えるだけで、ずっとマシなステップができるはずと、誰もが感じるだろう。


店頭で「お釣りがどうの」とかがない電子データは、そもそもお金のやりとりが簡単。だから本来は1円単位で自由に値付けさせていいはずだ。それなら紙版と同価格、ないし「ちょい下の戦略価格」を付けることが可能だ。

なんらかの理由でもし段階的な値付けが必要だとしても、こんないい加減な値段設定では困る。もし私が作るなら、100円、200円、280円、380円、480円、490円、500円、580円、680円……とかにするだろう。普通の消費者が慣れ親しんでいるステップはそれだ。


それに、これは実は日本だけの悲惨な状況である。

たとえば米ドルだと、0.99、1.99、2.99……などと消費者が慣れ親しんだステップになっている。

「米国本国だから優遇されても仕方ない」じゃないよ。

ユーロでは0.79、1.59、2.39、2.99、3.99、4.99……。英国ポンドだと0.59、1.19、1.79、2.39、2.99、3.49、3.99、4.99……。日本よりはるかに市場規模の小さいオーストラリアドルやカナダドルでさえ同様だ。

見てのとおり、どこも最初のステップで多少乱れがあるものの、その後はちゃんと「売れる値付け」の基本に忠実だ。


つまりはっきり書けば、これは好意的に解釈しても日本軽視、極論すれば民族差別の類だろう。「これだからアップルは……」って言いたくもなるじゃないか。

マスコミにも一部異様な「アップル信者」がいて偏った情報を発信しているが、アップルに関する情報発信者として「プロ」なのだから、彼らはこうした状況を正しく一般に伝えるべきではないか。


と怒っていても仕方ないか(ハアー)。

独占的インフラ企業は、往々にして独善的になる。そのいい例ということにしといて、「アップルだから云々」は止めとこう。

それにしてもアップル日本法人って、やっぱなんの力もないんだなあ情けない(悲)。


――要はこうした事情があるので、紙版580円の雑誌なんかだと、電子版は600円か450円にするしかない。ただでさえ電子版は赤字なのに450円はかなりハードルが高いし、今度は紙の読者から文句が来るに決まってる。だから600円にする。

すると「中間搾取乙」扱いを受けるわけだ。アップルの価格マトリックスを一般人が調べろとは言わないが、文句はジョブズに言ってほしいところだけどねえ。同業の方々お気の毒です。


次の機会には、私が電子書籍でどのようなラインを狙っているのか、その戦略でもひとくさり。勝ちは難しくとも、少なくとも「損しない」スキームを目指して動いてるので。

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2010年10月27日

手を上げて「電子出版」を担当。 ――その経緯1「電子出版の悲惨な現状」

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P1170855ところで私も電子出版を手掛けることになった。興味があるから手を上げたのだ。

すでに実作業は着々と進行中なので、このブログでも折々の編集的な繰り言など上げていく予定。


最初に電子出版に対する私のスタンスを書いておく。

前に書いたように、基本的には急速な普及には懐疑的だ。場合分けしてみるが、前も書いたので詳細はそちらで読んでほしい。

とはいえこれは「商売として当面懐疑的」というだけ。出版不況下で各社とも電子出版が役員のウワゴトみたいになってるので(笑)、取り組みは進むはず。それに私も興味があるから手を挙げている。勝算はないけどね。


話を戻すが、まず電子雑誌の場合。

当面無理(少なくとも今の紙の雑誌のスキームでは)。が、まとめちゃえば「広告収入が桁違いに少ない」&「実売部数が少ない」で商売になるわけない。


次に電子書籍の場合。

私はこちらのほうが立ち上がりが早いと思っていた。しかし電子書籍の担当者と話すと、無理。なぜなら現状で売れ部数が紙の書籍の1/20だから。

考えてみればまあ、売れないのは当たり前。紙の書籍の潜在読者は「日本語が読める人」。これに対し電子書籍の潜在読者は「iPadとiPhoneユーザー」(携帯とかはとりあえず置いといて)。土台となる母数が1000倍くらい違うんだから当然というか。


こんな状況なので、出版各社とも、電子雑誌にせよ電子書籍にせよ、紙の雑誌や書籍にコストをつけ回して「電子版読者」には大サービスの赤字で電子化に取り組んでいるのが現状だ。


なのになあ……。

こないだもとある電子書店を覗いてみたが、相も変わらず読者の反応は「なんで紙の出版物より高いんだ。紙も印刷もいらないんだから安いはずだろ。中間搾取乙」みたいなコピペ反応だ(ハアー)。

そりゃ原理的にはそうだよ書籍なら。ただし「紙も電子版も同じ部数売れるなら」という前提を満たせるならだ。あと雑誌は無理。広告収入が悲惨だから電子版だと。

でもまあ、あんまり物事を考えない人なら、そうした事情を思いもつかないのも当然ではある。こういう実態、出版社ももっと読者に伝えて啓蒙しなきゃダメなのかもね。


それに一般人は知らないだろうけど、アップルの政策が凶悪に変。つまりたとえば紙版で580円の雑誌があったとして、これを電子版にして580円で売ることができない。

このあたりは私も鬱憤が溜まっているので(笑)、明日きちんと書きます。


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2010年10月04日

ソーシャルゲーム・ソーシャルアプリ開発者の話を聞いて考えたこと。 ――「滅び行く私」という認識。

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shark週明けからうんこ話ってのも考えたら読んでくれる方の迷惑だろうから、路線変更にて仕事がらみのネタを。


最近、ソーシャルアプリ開発の経験豊富で業界に詳しい方の話を聞いた。

ソーシャルアプリはご存じの方も多いだろうが、SNSを中心に使われるアプリケーションのこと。mixiやgree、モバゲーなどで展開されるソーシャルゲームが代表的だ。

早い話、さかんにテレビCMを打ってる「怪盗なんとか」だの「釣りかんとか」「ホストなりきりあれこれ」とかの世界だ。もちろんあれだけ打つのは儲かっているからだが、ローンチ時に幅広くリーチするのが仕組み上極めて重要だからでもある。

その方から、「どういうアプリが受け、どれが外しているのか」「受けるためのノウハウとは」といったことを伺ったわけだ。


聞いて思ったのだが、ああいう世界には入りたくないなあと。いや作り手としての話。受ける方程式というものが明確にあるのだが、それがちょっと。


それは要するに、「いかにプレイヤーに友人を巻き込む動機付けするか」「いかに継続的利用・課金に導くか」とかいう世界。

こう書くときれいに見える。しかし私が感じた感想を正直に書けば、要は「マルチ商法みたいじゃん」「悪徳商法のタケノコ剥ぎみたいじゃん」ってとこ。


たとえば、コレクションメインのコンテンツとして、友人を招き入れるとそのコレクションに有利に働くとか。ライバルを撃退するのに友人と徒党を組むと勝率が全然違うとか。

もちろんそれはまあ「原理としては」普通の工夫だとは思う。「知り合いを紹介すれば商品券差し上げます」なんてのは、どんな商売でもあることだ。でもソーシャルアプリではその誘引がすごくよくできているというか、かなりえげつない。

友人を引き込むことで得られるインセンティブがすごく大きいように作ってある。

公平に書けば、そうでないコンテンツもある。ただ、インセンティブがすごく大きいコンテンツのほうが圧倒的に受けている。

だからなんだか「友人知り合いを巻き込めば巻き込むほど自分が儲かる」ってマルチを連想してしまう。


継続的利用・課金への誘導ってのも、商売だから当たり前だ。しかしことさらテレビCMで「無料無料」連呼して客集めといて、ことあるごとに金を抜く作りになっているのはなあ。CMで「ユーザー平均で月・・円使ってます」くらいは告知してほしいところだ。

たとえば釣りゲームで「この竿を1000円で買えば釣れる確率が5倍です。ただランダムに壊れます」とか「この餌10匹500円で買えば大物が釣れるよ。もちろん1回で1匹なくなるけど」とか「この桟橋で釣りする権利を買えば……」みたいなのはいかがなものか(これは私が例として考えた設定なので、現実の釣りゲームとは無関係です)。

出てく金が100円、200円だから気にせず使ってたが、冷静に考えればチンケなFlashゲームみたいな奴に「はっと気が付けば2万円使ってた」なんてのは、どうなんだろ。まさにタケノコ剥ぎではないか。


私は編集者としては基本的には雑誌屋感性なんで、切り口明快でビビッドな情報を読者に提供して喜んでもらうことが楽しい。工夫して作り込んだコンテンツでお足を頂戴するのがうれしい。

釣りゲームにたとえれば、こだわって徹底的に作り込んだゲームを市場に放流したい。「5人月で作った無料ゲームで、釣れるパラメーターいじっただけの竿が1000円」みたいなのは、悪いけどあまりやりたくない。

もちろんそういう内容でもソーシャルアプリ自体は別に悪ではなく、合法的で多くの人を楽しませているコンテンツだ。だからああいうのが得意な人が開発すべきだし、納得したユーザーが遊べばいい。

ただ私はできれば距離を取っておきたいだけだ。渋谷陽一言うところの「滅び行くメディアの人」なんだろう私も。

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2010年09月22日

自治体首長取材後、吉祥寺を逍遙。

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iseya先日、とある自治体首長のインタビューを終えると、スタッフと別れ、吉祥寺を逍遙した。

このあたりとは因縁があるので、ちょっと覗いてみたくなったのだ。


足跡を辿る。いろいろ思うことがある。あれこれをぐっと腹の底に握りしめて、井の頭公園の手前まで。3歩だけ踏み込むと、どんよりした夜空を一瞥し、踵を返す。

店先の椅子でまどろむケーキ屋の猫には、「起こさないでください」というお願い書き。

ご存じいせやの店頭で立ち止まり、客の喧噪と焼き鳥の煙を味わう。

そのままひとり焼き鳥退治に突進しても良かったのだが、感傷にしたるには重すぎる。


ならば毎度のコースだ。

いせやを望むバールでギネスと小金を交換すると、店頭のテーブルを不法占拠。楽しげな笑い声など聞こえる焼鳥屋を眺めながら、いつもの味をたしかめて安心する。擦り傷から染み出るどろんとした心の体液をオヤジがちびちびなめるには、この席が相応だ。

暑い日だったが、公園間際だからひんやりして気持ちいい。

道を渡ってこようと何度も果敢な挑戦をするブリと、互いに誇りを賭けて正々堂々と戦い、奴を道向こうに追い払う。こいつは今日の私の心の友だな。


小一時間。

ひりひりするほどカラカラに乾いたグラスを後に、席を立つ。
今日もギネスは苦い。

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2010年08月20日

鬱病再々発から遠ざかる。トレーニングがコーピング訓練になってるからかな?

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sun一時鬱病再々発まで近づいた私のメンタルだが、最近は小康状態だ。なんたって経験豊富なんでそこんとこは自分で判断できる。

とりあえず全然問題ない。服薬も中止した。


この間社内の「困ったちゃん」に喧嘩を吹っかけられたときなんかも鬱に沈みそうなもんだが、そうはならなかった。

まあ代わりにしばらく胃がシクシク痛かったけどな(もう直った)。こっちもストレスで十二指腸潰瘍になった過去があるから自分で診断できる。満身創痍かっ!


なんで鬱が良くなったのかは私にもわからない。

もしかしたらトレーニングで心理的にコーピングの鍛錬になっているのと、もうひとつ言えばトレーニング自体がセロトニン産出を促してるんじゃないかな。あと当然だがストレス解消と。


長い期間取り組んできたけど、いまだに筋トレが「楽しい」と感じることは少ない。楽しい種目がわずか、何も感じない種目が少し、辛い種目が多数(フロントレイズとか賽の河原だ)。

無条件で楽しいのはベンチプレスくらい。これも面白いもんで、スミスマシンでベンチやっても辛いだけなんだよね。不思議。


トレーニング全般では「嫌だなあ」「あー帰りたい」とか思ってる時間が長い。まあそうは言っても2時間やりきった後には、それなりに達成感はある。だからストレスも多少は緩和されてるのだろう。


田子の浦ゆ
うち出でてみれば真白にぞ
富士の高嶺に
雪は降りける

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2010年08月19日

職場にパソコンが納品されたので、仕事とセッティングを入れ子でこなす。+お勧めマウス情報付き。

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とりあえず職場のパソコンが納入されたので、なんとか通常の勤務体制に戻すべくあれこれした。


まず、新しいほうのパソコンの設定が必要だ。出版不況極まれりにて当社ももはやシステム部が手取り足取りしてくれる牧歌的な状況ではないので、自分でやる。

起動して、各種の社内ツールの設定をする。続いてwindows update。壊れたデルをばらしてハードディスクをほじり出しケースに入れてUSB接続。ほんでメーラーのデータを移植。


ここまで来たらメーラーを起動し、仕事モードにチェンジ。メールを処理して必要な作業を行う。

この後は仕事とセッティングを併走させる。仕事優先で取り組んで、一段落するたびにちょっとずつセッティングをこなす。


まずマウス。付属品から愛用ロジクールの無線レーザーマウスに。

現在多くの職種でビジネスにWeb閲覧が大量に食い込んでいると思うが、このときちゃんとしたマウスを使うことは自らの生産性を高める上できわめて重要だ。最低でも「戻る」「進む」ボタンがあるマウスに換えることをお勧めする。

会社が買ってくれないなら、かまわないから自腹で買おう。仕事の効率が上がるから絶対元は取れる。

ちなみに私が職場で使っているのはモバイルに流用しても便利な小型のvx nanoだが(私用は前書いたけどもっといい奴)、今買うなら下の奴が安くていいだろう。4000円しなくてワイヤレスレーザーだし超小型トランスミッターだ。ロジクールだから快感ホイールだろうし。

↓ロジクールM510 楽天


次はデスクトップの改善。windowsクラシック表示にして、アイコンサイズだのアイコン間隔だのを小さく。タスクバーを下から左に移動、クイック起動ボタンを有効にしてほとんどのショートカットを放り込む。


続いてdropboxをインストール。これでモバイルと自宅と職場のパソコンでデータが同期できる。まあ置いとくのは仕事のファイルというよりPIMデータ中心だけどね。


その間、仕事のほうでは原稿を1本やっつけて、明日の取材のデータを全部打ち出して戦略を組んでおいた。あととある取材の企画書を練る。この企画書をまとめるのは多分だけど週明けかな。


そして壊れたパソコンのハードディスクからデータをコピー。その作業を始めたところで帰宅した。なんたってかなりコピーに時間がかかるので。


はあ、また疲れた。仕事が元の感覚に戻って馬力が出るのは週明けからかな。

editors_brain at 00:25|PermalinkComments(0)

2010年08月17日

パソコンが壊れて「非日常勤務状態」に。なんとなく「来たるべきクラウド時代」の影を感じる。

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会社のパソコンが壊れたままなので、働き方も直近は変則的だ。

出社してもパソコンがないと99%仕事にならないので、自宅から私用モバイル環境を持ち込んでいる。


メインは、使いこなしをここでも披露してきた工人舎SCという7インチ変わり種ネットブック。セキュリティー上社内LANに私物パソコンはつなげない規定なので、eモバイルのタッチダイヤモンドをUSB接続してネットに入っている。

それにブルートゥースマウス+ブルートゥース折り畳みキーボードを持ち込んで「最強モバイル仕様」にして仕事だ仕事。


ただし画面解像度が低いので、原稿処理には限界がある。

キーボードをつないでいるので出先で1本ざっくり前処理するくらいは楽勝なのだが、「本気で最終処理する」には、やはり前後の文脈をしっかり見ておきたいので。

そのために働き方に工夫が要る。


出社してモバイル環境を立ち上げると、まずはメール処理に入る。このあたりはいつもどおりだ。

とはいえ普段のメーラーが使えずグループウェアのwebメールで代用しているので極端に使いづらく、私という「編集マシーン」の生産性を大きく下げている。

前も書いたが1日300通もメールが来る。いつもならメーラーが自動分類してくれるのだがこのwebメールにはそうした機能がなく、どうでもいいメールから重要なものを抽出する作業がたいへんだ、


メール処理の後は、会議や手配の合い間になんとか各種連絡をこなす。

で、もう会社は出てしまう。必要に応じて外での打ち合わせなどこなして自宅に戻り、自宅でVAIO Fを使って原稿の処理をする。

−−とかいう働き方だ。経験上あんまり自宅では働きたくないのだが、非常時だから仕方ない。


それにしてもdropbox大活躍だ。こういう働き方には、この手のクラウドツールがものすごく役立つ。

いずれネット上にみんなテラバイトのストレージを保持する時代になるだろう。で、コンテンツだのアプリだのはローカルに落とさずクラウドから直接利用するのだろう。

最初は音楽からかな。月1000円でどんな曲も聴き放題とか。MSは失敗したけどね。

editors_brain at 01:15|PermalinkComments(0)

2010年08月11日

仕事でトラブル発生。デルのパソコンで大量にコンデンサー故障。仕方なく自宅でサテライト勤務中なり。

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shoreさて、予告どおり仕事のトラブルの話を。


といっても、こないだのように社内の「困ったちゃん」に喧嘩を吹っかけられたわけでもない。純粋に技術的な問題で、早い話、パソコンが壊れてしまったのだ。


いや前々から動作が不安定になりつつあったので、買い替えの手配はしていたのだが、その最中にお亡くなりになってしまったのだ。

電源を入れたまま帰宅して翌日着たら落ちていて、起動させると「前回は熱問題で強制終了しました」とか表示が出る。そのまま起動させると、windowsロゴが出たあたりで落ちる。

いろいろやっても無理。


ご多分に漏れずDELLのデスクトップを使ってたわけだが、開けてみたら、多くのコンデンサーが膨らんでる。10個近い。なんでこんな簡単なパーツが大量に逝くのよ。どんな安もん使ってるのか。


システムのスタッフと話したが、やはりデルはずいぶんいろいろひどいらしい。サポートも含め。そいつも個人のパソコンでは絶対デルは買わないそうだ。


故障の予感があったので事前に手配してたわけだけど、それも到着に1週間かかるという。しかも今はお盆時期で業者が止まるので、最悪+1週間だと。


うーん(困)。その間どうすりゃいいのよ。

というわけで、急遽自宅でプライベートパソコン+携帯電話(笑)でサテライト勤務することに。

まあお盆なのが幸いというか、会社での会議は入っていないので、それでも対応できる。

問題はお盆明け。会社に出ないわけにはいかないが、行ってもできるのは会議程度で、メールもできない。どうしようかなあ、この忙しいのに(溜息)。

editors_brain at 08:07|PermalinkComments(0)

2010年07月22日

静かなる戦争勃発。 ――社内の「困ったちゃん」にケンカを吹っかけられる日々。

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spotまあなんだ。正直な話、仕事でトラブル発生だ。

直近の仕事で、社内の関係者なんだけど、ひとり危険人物がいる。いろいろやりとしていて、端々の行動だのメールだのから「こいつは危ない」と、もの凄く直感を感じていた。

この手の野郎の場合、当たり障りなく遠巻きにして、自分の仕事からなるだけ遠ざけるのが安全。ただし今回はそうはいかない。

というのも、彼は、とあるクライアントと私をつなぐ橋になっているからだ。厳密に言えば社内と言っても当社の関連会社の方なんだけど、とにかく「橋」であるから、没交渉というわけにはいかない。


でまあ、あれこれしてたんだけど、こいつが想像以上のタマ(笑)。

ちょっと書いてみようか。


たとえば、私の手駒のライターに「勝手に」電話して、「おまえんとこの原稿料ナンボや」とか「原稿の著作権はおまえにはなくてこっちだから」とか、おおむねそんな話をしたらしく、うれしそうに当方だのもっと上部だのにメールを投げてくる。

ライターと本来連絡を取る立場の私だって、そんな失礼な話をいきなり投げることはしない。そういう微妙な調整が必要なら、ライターにちゃんと礼を尽くして対面で会って、「お願い」として打診する。

こいつは編集上のなんの権限もないのに、編集の頭越しにそんなことをしやがる。オマケに今回は別段著作権なんか当方は不要だ。というか著作権が必要な出版上の案件って、そうはない。

このあたりの行動、これを読んだ編集者の方なら「嘘だろう」と感じるだろう。でも事実なんだなこれが。


この男がなんでそんなことを言ったかというと、これも経緯は長くなるので書かないが、編集でもないのに「勝手に」自分で原稿を手を入れたので、それを正当化するために著作権云々を言ったのではないかと想像できる。


バカかコイツ! なんにもわからないぺーぺーならまだしも、このお方は当社の編集上がりのマネジャーで、職階は私より上になる。そんな経歴にしては幼稚すぎるやり方だ。


とまあ危うい行動が続いていたのだが、ある日「遅れている」として私を役員に告発し、とうとう無断で勝手にとある作業をしてしまった。


――なんだかなあ。。。それはつい前々日まで当のご本人との対面の会議でオンタイムを確認していた案件なのだが。もちろん遅れてやしない。自分の勘違いだ。

それにやり方が、やはり幼稚。役員にまで問題を上げたということは、それを折りたたむ作業が「どちら側から見ても」大げさになると言うことだ。なんで直のやり取りで解決しないんだろ。自分のマイナスになることをわからなかったのだろうか。「プロの会社員」として稚拙すぎる。

仕方ないんで、相手は職階が上の野郎だが、当方も戦闘態勢に入ることにした。こちらにも仕事に関しては「誰はばかることなく正しい」という事実と編集者としてのプライドがあるし。それに自分の身は守らないとね。

悪いけど、こんな頭の軽い男に比べ、私の繰り出す作戦のほうが数倍効果的。2日で決着はついた(はず)。私は先方の上司にご注進するようなつたない方法は取らなかったけど、当方の職務ラインはずいぶん遡ってあれこれの算段をし、各人にご納得いただいた。ので基本的には安全だろう。

ただ、当社も不況の真っ盛り。経営陣は鵜の目鷹の目でアラを探している。そのスケープゴートにされる可能性はある。私の編集者人生は、おおむねこの手の「おかしな方々」に振り回されて暗転してきたので、今回もそうなるかもしれない。

ただまあ、そのため私も変に諦観がある。そうなってもいいや別に。バカに振り回されるのが宿命なんだろう。死ぬわけでなし。もう私の「会社員としての」墓碑銘は決まってるしな。

editors_brain at 08:18|PermalinkComments(0)
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