月刊『江戸楽』編集部 Blog

月刊「江戸楽」編集部より、
粋でいなせな情報をお届けします!

もうすぐ神田祭ですね。
編集部に近い日本橋や神田の町にも注連飾りや提灯があちこちに掲げられています。
江戸楽5月号の第2特集では神田祭について紹介しました。宮司のお話や祭礼日程に続き、特集後半では百選会の皆さんに、祭りや町への想いについてお伺いしました。その中で特徴的だったのが、「手古舞」です。3組の方が、お孫さんや娘さんの手古舞姿と一緒に撮影した写真をご提供くださいました。皆さんにこやかで嬉しそうな表情です。
神田祭に限らず、別のお祭りの取材の際にも、手古舞に寄せる皆さんの熱い想いに度々触れてきました。私がカメラを構えていると、「手古舞が来た!手古舞を写して!」と声をかけられたり、若い頃に手古舞として参加されたという方が、当時の写真を嬉しそうに見せてくださったり。ある時は、「江戸楽編集部のスタッフさんも手古舞に参加してみない?」とお誘いをいただいたこともありました。
そのたびに感じるのは、手古舞の持つ不思議な求心力。人々を惹きつける魅力はどこにあるのだろうと考えてみると、まず、その「かわいらしさ」が挙げられるかもしれません。汗と大音声に包まれたお神輿とは対照的に、金棒をシャンシャンと涼やかに鳴らしながら歩く姿は、祭りの中の清涼剤のようです。それから、ハレの舞台に、非日常の「仮装」をする楽しさがあるのかもしれません。手古舞は男装だそうです。日本の芸能は、歌舞伎や宝塚など異性装を好む傾向にあるように思えますが、手古舞にもそうした文化が表れているのでしょう。
明日の神幸祭では、神輿、騎馬行列、天狗、鯰のバルーン、あかりちゃんはもちろん、手古舞の皆さんもカメラに収めたいと思います。
(編集部・O)

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十思スクエア本館2階に5月1日から「蔦重ギャラリー」がオープンしたので、行ってきました。入場無料で、日・祝を除く10:00から17:00まで開館しています。

大河ドラマではいよいよ蔦屋重三郎が日本橋に進出する頃が描かれそうですね。
江戸楽6月号では中央区内に残る蔦重の足跡を訪ねます。

蔦重の店「耕書堂」があった大伝馬町周辺には、すでに耕書堂をオマージュした展示スペースや土産処がいくつかオープンしていますが、こちらの「蔦重ギャラリー」は大伝馬町の町会の皆さんが中心となって、手弁当・手作りで仕上げたスペースです。浮世絵や青本・黄表紙の複製が展示されており、特に和綴じで再現された複製本を実際に手に取って読める点が大きな魅力です。

(編集部・O)

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5月号の特集は「昭和100年 移りゆく東京の街」。秋葉原・新宿・品川の3エリアに注目し、昭和初期から令和の今日までの街の変遷を辿ります。それぞれの街にゆかりのある「江戸楽百選会」の皆様には、懐かしい思い出や街への想いを語っていただきました。
第2特集では5月開催の神田祭を紹介。こちらも百選会の皆様の祭りにかける熱い想いを伺いました。
(編集部・O)

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もう15年くらい前のことだったと思いますが、川瀬巴水が手がける「新版画」に魅了され、大田区立郷土博物館の企画展に行ったことがあります。
新版画とは大正から昭和初期にかけて版元の渡邊庄三郎が提唱した版画のことで、江戸木版画の技術を復興し、その美術的価値を高めることを目指して生み出されました。
企画展の会場では川瀬巴水や渡邊庄三郎の功績を紹介する映像が流れていて、私はそのとき初めて渡邊庄三郎という名前を知りました。

新版画の魅力は、実際に見ていただければわかると思いますが、近代(大正時代は「当時」ですね)の景色でありながら江戸の面影を色濃く残し、郷愁を誘う点にあると思います。

夕暮れの空の美しいグラデーションや、雨に濡れた道路に揺らめく街灯の光など、その描写には何とも言えない抒情が漂っています。

そして先日、江戸楽6月号の取材で、渡邊庄三郎が創業した「渡邊木版美術画舗」さんを取材させていただきました!
江戸の木版画技術について、そして新版画のはじまりについて、庄三郎のお孫さんにあたる3代目の店主の方にお話をお伺いしました。
詳しくは6月号をお楽しみに。

帰りがお昼時だったので、近くの「銀座天國 」さんへ。
こちらは明治18年の創業ですから、明治42年の渡邊木版美術画舗さんよりもさらに老舗ですね。

お会計でレジに行くと、びっくり。
壁に、戦前の「銀座天國 」さんを描いた新版画が飾られていました。
渡邊木版美術画舗さんの版で、作者は笠松紫浪(かさまつしろう)。
昭和初期の作品で、木造の素敵な和風建築が描かれています。
場所柄、新橋芸者でしょうか、日本髪を結った女性がお店の前を歩いています。

おいしい天丼を味わいながらこちらの作品をご覧になりたい方は、ぜひ銀座天國さんを訪れてみてください。(編集部・O)

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先日、神田明神で尾上菊之助さんが八代目尾上菊五郎を襲名するお祝いのお練りが行われました。境内の中央に菊之助さんが通る道が空けられ、両脇には紳士淑女、淑女、淑女、淑女の皆さんがスマホを構えてスタンバイ。
開始時間前、菊之助さんが出発位置に向かうために人波の後ろをサーっと通り抜けると、それに気づいた淑女の皆さんから黄色い声があがります。私の後ろにいた淑女の方は「はあ〜、かっこいい」と嘆息しきり。

江戸の昔から歌舞伎のスターとファンという関係性は存在していたようで、国立国会図書館のサイトの企画ページ「華やかな推し 歌舞伎役者」にもその様子が描かれています。↓
https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/34/2.html

2025年の東京のまん真ん中で行われたお練りでしたが、「推し活」するファンの心の昂ぶりだけは、昔も今も変わらないようですね。

(編集部・O)

oneri

先日、新宿歴史博物館で行われた講演会「蔦屋重三郎と新宿ゆかりの江戸文化人」へ行ってきました。

講師は、江戸楽2月号でも取材をさせていただいた小林 ふみ子さん(法政大学文学部教授)と、田辺昌子さん(浮世絵研究家、元千葉市美術館副館長)です。
江戸狂歌と錦絵、それぞれの専門の研究テーマから、蔦重や江戸の出版文化と、新宿がたいへんゆかり深いことについてお話しいただきました。

江戸文化や蔦重が活躍した場所といえば吉原や日本橋などの下町の印象がありますが、錦絵のはじまりとされる絵暦が牛込から始まったことや、新宿に住む文人たちが狂歌の集まりを盛んに開催したことなど、新宿も江戸文化や蔦重に大いに関連があるんですね。

会場では、江戸楽2月号の特集の抜き刷り冊子が配布されました。
冊子は
こちらの場所でも配布中。
新宿を訪れた際はお手に取り、大河ドラマ鑑賞のお供とされて下さい。
(編集部・O)

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取材の途中で新阿蘇大橋が見えてきました。
このあたりの土地感は全くないので、車で走っていて、たまたま車窓に飛び込んできた景色。
ここに新阿蘇大橋があるとは思いもよらず、突然のサプライズでした。

姉妹誌『九州王国』を毎月読んでいるせいか、九州の様々な情報について耳年増(目年増?)状態で、復興のシンボル新阿蘇大橋のことも誌面では読んでいました。
実際に見ると感動しますね。

何を隠そう人生・初阿蘇。いや、初・熊本県です。

この後の取材先は、建設部材のメーカーさんでしたが、製品はこの新阿蘇大橋にも使われているとの事。
事前に目を通していた資料にはその事は書かれていなかったので、直接聞いて、知り得た話です。
やはり現地に足を運んで取材することの大切さ、意義を実感します。
(編集部・O)

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